イベントEVENT
2012 9

ミュージック・アーカイヴ ─大きい音、小さい集まり─ 6回目
2012年9月22日(土)
 
タイムテーブル
 18:30~ 持ち寄り鑑賞会・前半
 19:00~ 本日のDJ 前田さん(from 東京)
      *毎回入れ替わりで約30分のコーナーを担当します。
 19:30~ 持ち寄り鑑賞会・後半
      (終了予定21:00 途中参加も歓迎)
もしも、その音を大きなスピーカーで再生してみれば──
今まできこえなかったものがきこえることで
音の持つ新しい層が見えてきたり、
よく知った曲にも違うきこえ方が現われてくるかもしれません。
そしてそれは、一人で聴いていた音を誰かと一緒に聴いてみるということからも。
「ミュージック・アーカイヴ」は、一人一人のアーカイヴ、所有する音源を
本来はフィルム・アーカイヴである神戸映画資料館のカフェスペースへ気ままに持ち寄って
大きな音量で聴いてみようという小さくゆるやかな集いです。
ジャンルや年代はまったく問いません。
あなたが大きい音で聴きたい/誰かに聴かせたいと思う音源を持ってきてください。
その音が、かつて再生されたことのない音量であなたと集まった人たちの耳へ届くとき、
それは初めて「大きい音」=「わたしたちの音楽」になり得るのかもしれません。
 再生できる音源 
レコード(スクラッチ不可)、カセット、CD、データ。

※すべての音源がいわゆるDJミックスできません。
 DJイベントというよりも、参加型の音楽鑑賞会。
 特にDJ経験のない方は、そんな気分で気軽にお越しください。
 
 参加費  500円(ワンドリンク付き。併設のカフェチェリーでご注文ください)
      ※飲み物、おやつの差し入れ歓迎
 会 場  神戸映画資料館カフェスペース 
 問い合わせ  ongakubu_kobe@yahoo.co.jp(吉野・田中)

[報告]
参加者16人(内、音源持参10人)
 
[プレイリスト]
持ち寄り鑑賞会・前半
  1  二人の天国 / 草葉ひかる(SP盤)
  2  親子船頭 / 田端義夫、白鳥みづえ(SP盤)
  3  上海帰りのリル / 津村謙(SP盤)
  4  私はリルの妹よ / 三鳩ひとみ(SP盤)
本日のDJ:前田さん
  5  電話線 / 矢野顕子
  6 Loving Cup / Rolling Stones
  7  Tripping Out / Curtis Mayfield
  8 Big Enough / Kieth Richards
  9  The Orange County Lumber Truck / Frank Zappa & Mothers of Invention
 10 Friendly Little Finger / Frank Zappa
 11 Reflections / Thelonious Monk Trio
 12 Ain’t No Way / Aretha Franklin
持ち寄り鑑賞会・後半
 13 夏なんです / はっぴいえんど(LP盤)
 14 夏の終わりに / ナイアガラ・オールスターズ(シュガーベイブ)(LP盤)
 15 聖☆おじさん / 電気グルーヴ×スチャダラパー(EP盤)
 16 悪女の子守唄 / 朝倉陽子(シングル盤)
 17 旅から / 加瀬麗子(シングル盤)
 18 ときめきのアクシデント / 原田知世(シングル盤)
 19 ビールで乾杯 / レイ・チャールズ&クリント・イーストウッド
   (「ダーティファイター/燃えよ鉄拳」より)(LP盤)
 20 いつでも君を / グレン・キャンベル
   (「ダーティファイター/燃えよ鉄拳」より)(LP盤)
 21 Sweet and Slow / Maria Muldaur(LP盤)
 22 One Fine Day/Aaron Neville(LP盤)
 23 filled with you/Project-P
 24 Cue/YMO(DVD)
 25 Zoetrope/YMO(DVD)
 26 在広東少年/矢野顕子
 27 Darlene/Led Zeppelin
 28 Bonzo’s Montreaux/Led Zeppelin
 29 SEX(COLD FEET REMIX)/岡村靖幸(EP盤)
 30 Do The Wrong Things/The Lounge Lizards(LP盤)
 31 Do It Good/Bill Withers(LP盤)
 32 Uptight/Stevie Wonder
 33 Knocking on Heaven’s Door/Bob Dylan & Greatful Dead
 34 真夜中遊園地/チャットモンチー
 35 We’ve Only Just Begun/Curtis Mayfield (Live ver.)
 36 Going Home/Aaron Neville(LP盤)
 
*記載以外はCDとデータ音源


神戸映画資料館レクチャー:映画の内/外
第10回 ハルーン・ファロッキ、あるいは映像の「読解」――『猶予期間』(2007)を見る

 
2012年9月23日(日) 13:30(終了予定15:50)
参考上映 『猶予期間』
レクチャー 堀 潤之(映画研究・表象文化論)
 
「神戸映画資料館レクチャー:映画の内/外」では、1、2ヶ月に1回程度のペースで、さまざまな講師をお招きし、幅広いテーマで講座を開いています。
 
[参考上映]                           ”Respite” © Harun Farocki, 2007
『猶予期間』
Aufschub / Respite / En sursis
(2007/40分/DVD上映)
提供:HARUN FAROCKI FILMPRODUKTION
ナチス・ドイツ占領下のオランダのヴェステルボルク通過収容所で1944年に撮影された16ミリの無声のフッテージが存在することは、早くから知られていた。ハルーン・ファロッキの中編『猶予期間』は、アウシュヴィッツなどの絶滅収容所への中継地点として使われていた収容所における「日常生活」をとらえたこの貴重なラッシュを丹念に読み解き、映像に残されたかすかな手がかりを掘り下げ、覆い隠されていた歴史の真実に到達しようとする作品である。もともとのフッテージに中間字幕(インタータイトル)を加えるだけというファロッキの慎ましやかな手つきには、映像の「読解」をめぐる唯物論的にして真に倫理的な思考が宿っている。
 
 
ハルーン・ファロッキ、あるいは映像の「読解」――『猶予期間』(2007)を見る
                                 堀 潤之

 映像による収容所の表象には、長い歴史がある。連合軍による解放直後に撮られた夥しい量の写真。ジョージ・スティーヴンスやサミュエル・フラーの手によって撮られたフッテージ。ワンダ・ヤクボフスカの『最後の停泊地』(邦題『アウシュヴィッツの女囚』、1947)にはじまる収容所を舞台とした無数の劇映画。そして、アラン・レネの『夜と霧』(1955)やクロード・ランズマンの『ショアー』(1985)といったドキュメンタリー作品。本講座ではまず、ファロッキがこうした先行例のどのような側面に抗って『猶予期間』を構想したのかを紹介したい。
 また、1944年生まれのファロッキは、主に実験的なドキュメンタリー作品の領域で、すでに90本以上の作品を撮っている。ハルトムート・ビトムスキーとほぼ同世代で、ゴダールとストローブ=ユイレの方法論を独自に引き継ぎ、近年は美術館におけるインスタレーション作品でも注目を浴びているファロッキは、現在の映像芸術の地平を考えるにあたって最重要の人物の一人といってよい。本講座では、彼の方法論の一端が明晰に示されている『猶予期間』をとっかかりとして、ファロッキの他の作品群――とくに、アウシュヴィッツの空撮映像をめぐる考察ともいえる『世界の映像と戦争の刻印』(1988)――にもできる限り目を向けてみたい。

堀 潤之(ほり じゅんじ)
1976年生まれ。映画研究・表象文化論。関西大学文学部准教授。主な著訳書に、四方田犬彦との編著書『ゴダール・映像・歴史』(産業図書、2001)、コリン・マッケイブ『ゴダール伝』(みすず書房、2007)、ジャック・ランシエール『イメージの運命』(平凡社、2010)などがある。

ハルーン・ファロッキ公式サイト

《参加費》 1500円
*ご予約受付中 
info@kobe-eiga.net 宛に、お名前、連絡先(電話)、参加希望日を書いてお送りください。
追って予約受付確認のメールを差し上げます。


[同時開催]
北 京一 個展
こんなんでええのん 展
2012年8月21日(火)〜9月24日(月)[水・木 休み]
 会場:新長田ギャラリー(神戸映画資料館すぐ横)

  
 主催・問い合わせ  神戸プラネット(神戸映画資料館)info@kobe-eiga.net
 企 画  椿崎和生、神戸プラネット
 協 力  新長田まちづくり(株)


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