イベントEVENT

ニュージャーマンシネマと文学──映像とテクスト新たな関係性を探る
2014年5月10日(土)16:30〜(終了予定18:00)
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)
 
文学の映画化とは文学のテクストを映像イメージに変換する作業だと考えられているが、実際に映画化の過程で何が起こっているのか?
映画におけるイメージとテクストとの関係は相補的でも対立的でも独立的でもありうる。そこで大胆な作風を特徴とする脚色映画を個別に取り上げ、さらに映像と文学という二つのメディアの関係として考察を広げてみたい。ブレヒトの叙事演劇やフランクフルト学派の文化産業批判の影響を強く受けた戦後ドイツのニューシネマのラディカルな映画美学を映画とテクストの関係性から読み解くシリーズ。ストローブ=ユイレ、ファスビンダーを中心に文学の脚色映画を順次取り上げる予定。
 
戦後ドイツ映画の新たな出発点となった1960年代の「若いドイツ映画」で最も過激な映画美学を展開したストローブ=ユイレ初期の2作品『妥協せざる人々(和解せず)』と『花婿、女優そしてヒモ』を取り上げる。常に既存のテクストを下敷きに映画を作るストローブ=ユイレは、これらの作品で原作小説や戯曲のテクストを大胆なまでに短縮し、原作者ですら自作を認識できない程に断片化してしまった。このような原作の脚色の意義とは一体何か。ストローブ=ユイレのラディカルさを映像と原作との関係から読み解く。
 
[関連上映] [ストローブ=ユイレ初期2作品『妥協せざる人々(和解せず)』『花婿、女優そしてヒモ』]
  

渋谷哲也
1965年、兵庫県生まれ。東京国際大学准教授。ドイツ映画研究。ドイツ映画字幕翻訳やマナーな映画作家の上映など紹介活動も行う。著作は『ファスビンダー』(共著・現代思潮新社)『ベルリンのモダンガール』(共著・三修社)など。

 

《参加費》 無料

主催:渋谷哲也[科学研究費助成 基盤研究(C)24520172]
共催:神戸映画資料館

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