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文学映画化の諸相──チェザレ・パヴェーゼの場合
2014年8月16日(土)17:00〜(終了予定18:30)
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)

文学の映画化とは文学のテクストを映像イメージに変換する作業だと考えられているが、実際に映画化の過程で何が起こっているのか?
映画におけるイメージとテクストとの関係は相補的でも対立的でも独立的でもありうる。そこで大胆な作風を特徴とする脚色映画を個別に取り上げ、さらに映像と文学という二つのメディアの関係として考察を広げてみたい。ブレヒトの叙事演劇やフランクフルト学派の文化産業批判の影響を強く受けた戦後ドイツのニューシネマのラディカルな映画美学を映画とテクストの関係性から読み解くシリーズ。ストローブ=ユイレ、ファスビンダーを中心に文学の脚色映画を順次取り上げる予定。

文学作品を原作とする映画は多いがその方法は様々である。だが脚色映画は原作の物語の絵解きに終わらない。だとすればそもそも映画は文学の何を取り入れることができるのか。もっともラディカルな文学映画を実践するストローブ=ユイレの映画を今回も取上げ、さらに同じ小説を基にしたレナーテ・ザミのユニークなエッセイ的映画と比較検証する。(渋谷哲也)

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『チェザレ・パヴェーゼ トリノ‐サント・ステファノ・ベルボ』

 

[関連上映] [ストローブ=ユイレとレナーテ・ザミ『雲から抵抗へ』『チェザレ・パヴェーゼ トリノ‐サント・ステファノ・ベルボ』]

渋谷哲也
1965年、兵庫県生まれ。東京国際大学准教授。ドイツ映画研究。ドイツ映画字幕翻訳やマナーな映画作家の上映など紹介活動も行う。著作は『ファスビンダー』(共著・現代思潮新社)『ベルリンのモダンガール』(共著・三修社)など。

《参加費》 無料

主催:渋谷哲也[科学研究費助成 基盤研究(C)24520172]
共催:神戸映画資料館

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