神戸映像アーカイブ実行委員会

News最新情報

Update:2023.3.3

資料から辿る自主上映史② 《シネマ・ルネッサンス》の上映活動

プロジェクト[資料から辿る自主映画史]

「資料から辿る自主上映史」シリーズの第二弾として、1980年代の京都で活動した映画の自主上映グループ《シネマ・ルネッサンス》のレポートを公開する。
京都には、戦前からの長い歴史を歩んできた《京都大学映画部》の活動があり、戦後も松本俊夫の『西陣』(1960年)を自主制作した《記録映画を見る会》、あるいは《京都SEE DOCUMENTARY FILM》など、伝説的な上映グループが存在した。1970年代以降に限定しても、《名画発掘70》や《シネマ・ド・オルフェ》、日本イタリア京都会館を会場にした南光による《シネマ・リベルテ》の上映会、龍谷大学の映画研究会から生まれた《シネマ・ダール》といった上映グループが旺盛な活動を展開してきた。
1983年末に誕生した《シネマ・ルネッサンス》は、のちに京都みなみ会館の番組編成にかかわる《RCS》や、四条大宮に生まれる《スペース・ベンゲット》にも繋がる、京都の映画文化史を辿る上で重要なグループである。しかし、彼らの活動の詳細は、《RCS》の佐藤英明氏に取材した代島治彦『ミニシアター巡礼』(大月書店、2011年)などでわずかに触れられているものの、現在では振り返られる機会を失っている。

神戸映像アーカイブ実行委員会では、2022年9月に《シネマ・ルネッサンス》の元メンバーである佐藤英明氏と小林洋一氏、元《スペース・ベンゲット》のスタッフだった石原秀起氏の3名にロングインタビューを実施した。以下のレポートは、そのインタビューと当時の《シネマ・ルネッサンス》の活動を示す会報や上映会チラシなどの資料を踏まえ、聞き手の田中晋平(神戸映画資料館研究員)がまとめたものである。今回の記事はあくまで概略にすぎず、《シネマ・ルネッサンス》の活動の全貌含めて、1980年代の京都および関西の映画文化を支えた人々の存在に新たな光があたることを願う。

神戸映画資料館 ウェブスペシャル
資料から辿る自主上映史② 《シネマ・ルネッサンス》の上映活動

助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成対象事業」
共催:科学研究費補助金「日本における1980年代の非商業上映と文化政策の研究」(代表:田中晋平)

PageTop