神戸・京都の街と映画
第一部 2019年3月2日(土) 講演と映画上映
第二部 2019年3月17日(日) 新開地街歩き

神戸映像アーカイブ実行委員会では、昨年度から「アクティブ・アーカイブ・プロジェクト 誰でもアーキビスト」の事業の一環として、「神戸映画館マップ」の作成に取り組んでいます。地図という媒体を通じて、過去の映画館文化の存在を身近に捉えてもらう試みであり、また映画館に関連する写真やチラシ、ポスターなどのノンフィルム資料の保存を呼びかける企画でもあります。昨年は、日本映画観客動員数がピークを迎えた1958年(昭和33年)の神戸の映画館マップを作成し、地域にあった映画館の思い出を参加者に語ってもらうワークショップも実施して、大きな成果を得ました。今年度もプロジェクトの進捗状況をご報告するとともに、他の地域の映画館資料の活用方法について学ぶ催しを開催します。

田中晋平(神戸映画保存ネットワーク)

 

京都松竹座 1954年 提供:竹田章作

京都松竹座 1954年
提供:竹田章作

第一部 3月2日(土) 会場:神戸映画資料館

第一部では、立命館大学の竹田章作さんに映画資料についてご講演をしていただきます。竹田さんは、京都で映画館の看板やポスターを長く描いてこられた竹田猪八郎さんのお孫さんにあたり、現在は絵看板の画像やポスターなどの資料を活用して、京都映画館地図の制作にも取り組まれています。また「神戸映画館マップ」担当の田中晋平からは、阪神・淡路大震災が起きる前年、1994年の神戸の映画館マップの作成状況をご報告します。さらにその1990年代前半という時代、低迷していた日本映画の中でひときわ輝きを放った映画『お引越し』(相米慎二監督、1993年)をフィルム上映でご覧いただきます。映画の舞台であるかつての京都の街、そして、神戸も含めた当時の映画文化を回顧できる機会になればと思います。

13:00〜 講演
「京都の手描き映画ポスターと看板の世界」竹田章作
(立命館大学教授)
「1994年の神戸の映画館」田中晋平(神戸映画保存ネットワーク客員研究員)

新劇会館 1985年 提供:神戸映画資料館

新劇会館 1985年
提供:神戸映画資料館

14:55〜 映画上映

©1993 讀賣テレビ放送株式会社 原作:ひこ・田中「お引越し」

©1993 讀賣テレビ放送株式会社
原作:ひこ・田中「お引越し」

「お引越し」(1993年/124分/35mm)
製作:讀賣テレビ放送
製作:伊地智啓、安田匡裕
監督:相米慎二 原作:ひこ・田中
脚本:奥寺佐渡子、小此木聡
撮影:栗田豊通 音楽:三枝成彰
出演:中井貴一、桜田淳子、田畑智子、笑福亭鶴瓶
小学六年生のレンコは、別居を決めた両親の間で揺れ動きながら、少しずつ成長を遂げていく……。真夏の京都の街を、当時11歳で映画主演デビューを果たした田畑智子が駆け抜けた。キネマ旬報1993年度日本映画ベスト・テン第2位。

 

第二部 3月17日(日)13:00〜15:00 新開地街歩き
定員:10名(要事前申し込み) 集合場所:JR神戸駅
第二部では、実際に映画館マップを活用したイベントとして、新開地の街歩きを実施します。かつては「西の浅草」とも呼ばれた神戸新開地。戦前と戦後の黄金期、そして、現在の映画館マップを広げながら、新開地という街の記憶を訪ねて歩きます。過去にあった〈キネマ倶楽部〉や〈聚楽館〉、〈松竹座〉などの跡地をめぐりながら、現在の映画館〈CinemaKOBE〉、〈神戸アートビレッジセンター〉、〈パルシネマしんこうえん〉の館内の一部も見学させてもらいます。参加者には資料として戦前の「西の浅草」と呼ばれて繁栄した時代、1958年の映画の黄金期、そして、現在の新開地の映画館マップを配布する予定です。みんなで過去と現在の映画館文化を訪ねて歩きましょう!

街歩き・申し込み方法
申し込み:info@kobe-eiga.net まで以下の項目についてご記入のうえお申し込みください。折り返し受付確認のメールをお送りします。
① 氏名
③ メールアドレス
④ 電話連絡先
⑤ 職業
定員に達し次第締め切ります

 

《参加費》映画鑑賞・街歩き:各1000円 講演:無料

※内容は予告無く変更する場合があります。