プログラムPROGRAM
2008 4

韓国映画特集 vol.3
2008年4月
 
会員は優先的に、上映日の一週間前より入場整理券の電話予約が可能です。
4月と5月は韓国映画特集vol.3として上映。
韓国の民主化運動が底辺を広げていった1980年代、民族の歴史を描いた映画には時代が投影されている。当時の映画人たちがスクリーンをとおして観客に投げかけたメッセージとは。
主催:新長田まちづくり株式会社
共催:駐日韓国大使館 韓国文化院
後援:長田区役所
協賛:NPO法人神戸定住外国人支援センター
4月4日(金)
「護国八万大蔵経」

(韓国/1978/128分/35mm)
監督:チャン・イルホ
脚本:ナ・ハンボン
撮影:ソ・ジョンミン
出演:キム・ヒラ、チン・ボンジン、チョン・フィ
1281年、高麗に侵攻してきた元と高麗との40年以上の戦い。焼失した八万大蔵経(世界遺産)復刻の悲願をなしとげた高麗の民衆たちの仏教信仰と苦難の道。

4月11日(金)
「執念」

(韓国/1976/145分/35mm)
監督:チェ・イニョン
主演:イ・スンジェ、キム・チャンスク、パク・ピョンホ

平民出身で‘東医宝鑑’を著し朝鮮王朝の御典医となった許浚(ホ・ジュン)の波乱万丈の生涯を描いた大河作品。その背景には宮廷権力闘争の明暗が・・・。

4月25日(金)
「燕山日記」

(韓国/1987/114分/カラー/ビスタ/35mm)
製作:ヨ・ジョンホ
監督:イム・グォンテク
脚本:イ・サンヒョン
撮影:グ・ジュンモ
美術:ト・ヨンウ
音楽:シン・ビョンハ
出演:ユ・インチョン、キム・ジナ、ユン・ヤンハ、マ・フンシク
李氏朝鮮王朝屈指の暴君として歴史に名を残した燕山君。亡き生母の死の真相を知るにつれ激しく怒り狂う王を演じるのはハムレット男優ユ・インチョン。


映画づくりの現場
2008年4月5日(土)・6日(日)
映画史を飾るトリプル・エクラン(3面スクリーン)による超大作『ナポレオン』のメイキング・フィルムと、伊福部昭ファンにもお馴染みの名作『アナタハン』(スタンバーグ監督)の真相に迫った必見の迷作。
「ナポレオン生誕 映画革命児アベル・ガンス」Abel Gance et son Napoleon
(フランス/1983/60分/35mm)
監督・脚本:ネリー・カプラン
製作:クロード・マコウスキー
撮影:ジャン・モンシニー
音楽:ベティ・ウィルメッツ、ユベール・ロスタン
『鉄路の白薔薇』(1923)などで知られるサイレント時代の巨匠アベル・ガンス。本作品は、歴史的大作『ナポレオン』(1927)制作の秘密を、未公開フィルムを通じて綴る。オリジナル構想は12時間を超えるものであったと言われる『ナポレオン』は、1981年にフランス・コッポラによって、三面マルチスクリーンとオーケストラ演奏で甦った。

「アナタハン島の真相はこれだ!!」
(1953/64分/35mm)
監督:吉田とし子
撮影:亀谷正明
音楽:伊藤宣二
出演:比嘉和子、劇団東芸
1951年、サイパン島に浮かぶアナタハン島から救出された日本人たちが、島にたった1人の日本人女性比嘉和子をめぐり、7年間も終戦を知らずに陰惨な争いを行っていた事が発覚し事件となった。本作品は、この事件の当事者が本人役で出演するというキワモノ映画。『嘆きの天使』や『モロッコ』で有名なジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の『アナタハン』(1953)は、この映画に触発されて制作されたという。
[料金]   2本目は200円引き
会員:900円 会員(学生・シニア):700円


先駆的女性映画監督たち
2008年4月12日(土)・13日(日)
ベルリン・オリンピック記録映画『民族の祭典』で有名なレニ・リーフェンシュタール、アメリカ実験映画の始祖とでも言うべきマヤ・デレン、『貝殻と僧侶』などのアヴァンギャルド映画で知られるジュルメーヌ・デュラック・・・三人の女性監督の作品を一挙上映。それぞれの女性ならではの映像美が堪能できる。
「意志の勝利」Triumph des Willens
(ドイツ/1935/114分/16mm)日本語字幕なし
監督:レニ・リーフェンシュタール
製作:レニ・リーフェンシュタール、アドルフ・ヒトラー
脚本:レニ・リーフェンシュタール、ヴァルター・ルットマン
音楽:ヘルベルト・ヴィント
ニュルンベルクで1934年に6日間行われたナチ党の全国党大会を記録した映画。リーフェンシュタール監督は、ヒトラー自身から直接の依頼により監督、戦後はプロパガンダによるナチズムへの協力者として排斥されることになった。リーフェンシュタール監督は「私は政治には全く興味はなかった。興味があったのは美だけ」と述べている。70年代以降は写真家として評価された。
「午後の網目」Meshes of the Afternoon
(アメリカ/1943/14分/16mm)
監督:マヤ・デレン、アレクサンダー・ハミッド
音楽:テイジ・イトー
出演:マヤ・デレン、アレクサンダー・ハミッド
「カメラのための振付けの研究」A Study in Choreography for Camera
(アメリカ/1945/4分/無声/16mm)
監督:マヤ・デレン
出演:タリー・ビーティ
「神々しい時間の儀式」Ritual in Transfigured Time
(アメリカ/1946/15分/無声/16mm)
監督:マヤ・デレン
撮影:ヘラ・ヘイマン
振付:マヤ・デレン、フランク・ウェストウッド
「微笑むブーデ夫人」Le Souriante Madame Beudet
(フランス/1923/26分/無声/16mm)
監督:ジュルメーヌ・デュラック
脚本:デニス・アミエル、アンドレ・オベイ
撮影:モーリス・フォスター、ポール・パーゲル
出演:ジュルメーヌ・デスモス

マヤ・デレンは、アメリカにおけるアヴァンギャルド映画の勃興に先駆的な役割を果たした。彼女の作品群は、実験映画・個人映画に大きな影響を及ぼし、ジョナス・メカスをして「最も純粋な意味で映画を使う芸術家」と言わしめる。ジュルメーヌ・デュラックは演劇や映画の評論を手がけた後、監督に進出。『アンダルシアの犬』(1929)に先駆けて作られた最初のシュルレアリスム映画、『貝殻と僧侶』(1928)などを監督している。
[料金]   2プロ目は200円引き
会員:900円 会員(学生・シニア):700円


2008年4月18日(金)~20日(日)
小川紳介監督全作品上映その5
ドキュメンタリー映画作家として世界的に著名な小川紳介監督の全作品を順次上映するこのシリーズ。3月から三里塚シリーズに突入しています。5月には、『日本解放戦線 三里塚』以降、小川の助監督をつとめた福田克彦監督作品の上映があります。福田監督の遺著「三里塚アンドソイル」は是非お読みいただきたい労作です。
「三里塚 第三次強制測量阻止闘争」
(1970/50分/16mm)
製作:小川プロダクション
監督:小川紳介
撮影:田村正毅

『日本解放戦線・三里塚の夏』『日本解放戦線・三里塚』に続くシリーズ第3作目。2期工事のために測量を強行する公団・機動隊と、阻止闘争を続ける農民たちの3日間の闘いを描く。3日戦争とも呼ばれる作品。
「三里塚 第二砦の人々」
(1971年/143分/16mm)
製作:小川プロダクション
監督:小川紳介
撮影:田村正毅

シリーズ第4作目。放送塔が立ち、バリケードが張り巡らされた丘の上の砦。農民、学生たちは公団、機動隊の乱入に対し、投石、竹槍、火炎瓶で応戦。カメラは砦に密着して一ヶ月に及ぶ闘いを記録した。マンハイム映画祭ジョセフ・フォン・スタンバーグ賞受賞作品。
[特別料金]   2本目は200円引き
会員:1200円 会員(学生・シニア):1000円 一般(非会員):1500円


2008年4月26日(土)5月3日(土・祝) [30日(水)は休館]
シマフィルムって何だ!
2003年の『ニワトリはハダシだ』で本格的に映画製作を開始したシマフィルムは、舞鶴を拠点とする映画製作会社。その後、『おそいひと』(2003/柴田剛監督)、『17歳の風景』(2003/若松孝二)、『かぞくのひけつ』と、ベテランのみならず若手監督の話題作を手がけてきました。シマフィルム代表の志摩敏樹プロデューサーを迎え、山根貞男氏が聞き手となり、映画製作の魅力と舞台裏に斬り込みます。
「ニワトリはハダシだ」
(2003/114分/35mm)
製作:シマフィルム/ビーワイルド/衛星劇場
製作総指揮:志摩敏樹
企画製作:若杉正明
監督:森崎東
脚本:近藤昭二、森崎東
撮影:浜田毅
美術:磯見俊裕
照明:長田達也
音楽:宇崎竜童
出演:原田芳雄、倍賞美津子、浜上竜也、肘井美佳、李麗仙
超人的な記憶力を持つ自閉症の少年イサム。ひょんなことから、警察官の娘で知的障害者施設の保母である直子とともに、暴力団、警察が絡んだ汚職事件へと巻き込まれていく。イサムの救出を通じて、家族の葛藤と和解、そして救済への道が、舞鶴を舞台に祝祭のごとく展開する。「喜劇・女」シリーズや、『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』など、数々の傑作を世に送り出した森崎東監督の目下の最新作。
「かぞくのひけつ」
(2006年/83分/DVCAM)
製作:シマフィルム
企画・製作:志摩敏樹
プロデューサー:中村有孝
監督:小林聖太郎
脚本:小林聖太郎、吉川菜美
撮影:近藤龍人
美術:宇山隆之
音楽:Flat Three
出演:久野雅弘、秋野暢子、桂雀々、ちすん、谷村美月
大阪・十三を舞台に、童貞であるにもかかわらず性病に悩む高校生と、その両親の愛人騒動を人情味豊かに描く。『ニワトリはハダシだ』で助監督をつとめた小林聖太郎の初監督作で、2006年度日本映画監督協会新人賞受賞。大阪の映画館・第七藝術劇場の復活記念作品でもある。
[特別料金]   2本目は200円引き
会員1200円 学生会員・シニア会員1000円 一般(非会員)1500円


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※内容は予告無く変更する場合があります。

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