プログラムPROGRAM
2010 6

日本映画名画鑑賞会
2010年6月5日(土)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)

《料金》
一律500円


[貸館]SANAフィルムフェスタ「マスメディアが伝えないイラクがここにある」
2010年6月6日(日)14:00〜
 「SANA(光)衛星テレビ」は、世界から募金が集められ、イラクの市民メディアとして2007年4月に誕生しました。自由平等で平和なイラクの再建をめざす「イラク自由会議」が番組制作・運営を行い、民衆の文化、労働、教育、女性、子どもなどをテーマにニュース映像やドキュメンタリー番組などを放送しています。
 「イラク平和テレビ局inJAPAN」は、その番組を日本で観られるように翻訳・吹き替えしインターネット配信をしていますが、より多くの方々ご覧いただく機会として「SANAフィルムフェスタ」を開催しています。
 マスメディアが伝えないイラクを知り、戦争のない社会をつくるためのオリジナルな映像を発信し、交流する場です。
 
 
 特別上映「イラクの現在〈いま〉と希望 IFC(イラク自由会議)」40分
SANA衛星テレビ局制作/イラク平和テレビ局 in JAPAN 編集
アメリカによる7年間のイラク占領は数え切れない死者と生活破壊をうみだした。しかしその中でイラクの子どもたち、女性、若者、市民、労働者が平和で民主的なイラクの再建に立ち上がっている。IFC(イラク自由会議)がイラクの希望を切り開いている。イラク市民が設立したサナテレビが真実のイラクを伝える。
  その他、最新映像より
 
 
主催:イラク平和テレビ局 in Japan・兵庫
  (連絡先)黒川 078-784-2430  安東 090-3828-9579
   

《料金》大人1000円 シルバー/学生/障がい者500円


フリッツ・ラング連続上映 ドイツーアメリカ
2010年6月18日(金)〜20日(日)
サイレント末期からトーキー初期に、『ニーベルンゲン』(1924)、『メトロポリス』(1927)などの作品でドイツ映画黄金時代を代表する監督として活躍したフリッツ・ラング。1934年にナチス・ドイツから亡命した後は、ハリウッドで第二の黄金時代を築いた。
今回は、ドイツ時代に手がけたラングの初トーキー作『M』と、渡米後の第二作で代表作の『暗黒街の弾痕』を上映する。
 
「M」M
(ドイツ/1931/99分/35mm)
監督:フリッツ・ラング
脚本:テア・フォン・ハルボウ、フリッツ・ラング
撮影:フリッツ・アルノ・ヴァグナー
美術:カール・フォルブレヒト
出演:ペーター・ローレ、オットー・ヴェルニケ、グスタフ・グリュントゲンス
 
ベルリンで幼女ばかりを狙った連続殺人事件が起こる。警察の厳戒体制に迷惑した犯罪組織は、独自に犯人捜しに乗り出す。ラングとその妻のハルボウが「最もいまわしい犯罪は何か」と考え脚本を書いたサスペンススリラーの傑作。撮影はムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』『フォーゲルエート城』のヴァグナー。
 
  
 
「暗黒街の弾痕」You Only Live Once
(アメリカ/1937/86分/35mm)
監督:フリッツ・ラング 
脚本:ジーン・タウン、グレアム・ベイカー
撮影:レオン・シャムロイ
美術:アレクサンダー・トルボフ
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ヘンリー・フォンダ、シルヴィア・シドニー、ウィリアム・ガーガン
 
前科を持つ青年が、無実の罪で銀行強盗犯にされ投獄される。脱獄を図るも、その最中に本当に殺人を犯してしまう。行き場の無い彼とその愛する妻との絶望的な逃避行。『夜の人々』『俺たちに明日はない』に先んじて作られた“ボニー&クライドもの”の名作。
 
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

《割引》
2本目は200円引き


山根貞男 連続講座〈新編:活劇の行方〉3 木村威夫
2010年6月26日(土)
2008年に「山根貞男連続講座〈加藤泰の世界〉」と題し、ほぼ月に一回開催した人気企画が、テーマを「活劇」に広げ再開しました。
『活劇の行方』をはじめとする著書で、一貫して活劇の観点から映画を論じてきた日本映画批評を代表する山根貞男による「活劇論」です。
この講座では、毎回講義に入る前に関連する作品を参考上映します。
  
参考上映作品 [関連企画] [木村威夫追悼上映]
「ツィゴイネルワイゼン」「夢幻彷徨」
 

山根貞男(映画評論家)
1939年大阪生まれ。映画批評誌「シネマ69」(1969-71)を編集・発行。蓮實重彦とともに海外の映画祭で加藤泰、鈴木清順、成瀬巳喜男の特集に関わる。1986年より始めた「キネマ旬報」での日本映画時評は現在も連載中である。主な著書に『映画狩り』、『映画の貌』、『マキノ雅弘―映画という祭り―』などがあり、『映画渡世』(山田宏一との共編)、『加藤泰、映画を語る』(安井喜雄との共編)、『成瀬巳喜男の世界へ』(蓮實重彦との共著編)などのインタビューや編著が多数ある。

 
 

《料金》

会員1800円 学生会員・シニア会員1500円
*招待券の使用不可
*会員のみご予約受付中


木村威夫追悼上映 幻想とリアリズム
2010年6月25日(金)〜27日(日)

今年3月21日、91歳で逝去された木村威夫監督を追悼します。
80代半ばで初監督した短篇『夢幻彷徨』、遺作となった『黄金花』のほか、美術監督作品として鈴木清順監督とのコンビ作『ツィゴイネルワイゼン』を上映します。
 
「山根貞男 連続講座〈新編:活劇の行方〉3」でも美術監督・木村威夫を取り上げ、その美術世界が生み出す活劇性を論じていただきます。
 
[関連企画] [山根貞男 連続講座〈新編:活劇の行方〉3](6月26日)
 

木村威夫(きむら・たけお)
1918年生まれ。日本を代表する美術監督の一人。美術監督作品に、『警察日記』(1955/久松静児)、『赤い波止場』(1958/舛田利雄)、『東京流れ者』(1966/鈴木清順)、『ツィゴイネルワイゼン』(1980)、『夢見るように眠りたい』(1986/林海象)、『深い河』(1995/熊井啓)、『父と暮らせば』(2004/黒木和雄)など多数。
2004年に、80代半ばにして短篇映画『夢幻彷徨』を初監督。『街』(2004)、『OLD SALMON 海をみつめて過ぎた時間』(2006)、『馬頭琴夜想曲』(2007)の後、2008年、初の劇場長篇『夢のまにまに』を手がけ、長篇2作目の『黄金花』が遺作となった。

「黄金花(おうごんか) ―秘すれば花、死すれば蝶」
(2009/79分/35mm)
製作:プロジェクト ラム、エアプレーン レーベル、太秦
配給・宣伝:太秦
原案・脚本・監督:木村威夫
プロデューサー・音楽:川端潤 協力プロデューサー:林海象
撮影監督:小川真司  録音:浦田和治  整音:久保田幸雄
美術:丸山裕司  装飾:嵩村裕司  編集:白尾一博
出演:原田芳雄、松坂慶子、川津祐介、松原智恵子、三條美紀、野呂圭介、絵沢萠子、飯島大介、牧口元美、真実一路、中沢青六、河村博重(能)、麿赤兒、長門裕之、あがた森魚
 
植物学者の牧草太郎博士はじめ、物理学者、役者、自称映画女優、バーのママ、板前、質屋、などなど、多くの孤独な老人が身を寄せている老人ホーム「浴陽荘」。
虚と実、夢と現実、日常と非日常、生と死、相反するすべてのものを包み込み、傷つき苦しみながらも、生きることへの限りない想いが浮き彫りになってくる…。
植物学者・牧博士の時空を超えた魂の物語=ファンタジー。
 
「途方もなく面白い。いや、正確には、デタラメかつリアルな時空を生み出す奔放な造形力の途轍もなさが面白い。鈴木清順の映画の数々で摩訶不思議な美術をくりひろげた木村威夫だからこその仕業であろう。」(山根貞男/「キネマ旬報」2010年1月下旬号「日本映画時評251」より)
 
 
「夢幻彷徨 MUGEN-SASURAI」
(2004/35分/DVCAM)
製作・配給:ワイズ出版
監督・原案・美術思考:木村威夫 脚本:山田勇男
撮影監督・編集:白尾一博 企画・製作:岡田博
出演:銀座吟八、藤野羽衣子、秋桜子、飯島大介、石川真希、佐野史郎
 
木村威夫が85歳にして初めて監督に挑んだ短篇作品。戦後の日本を舞台に、2人の男女の魂の彷徨を、セリフを排し、映像と音楽だけで鮮烈に描く。自らの戦争体験を元にしながらも、自由なイメージの連鎖として結実したこの作品には木村美術が凝縮されている。
25日・27日[併映:木村威夫美術監督作品(覆面上映)]
 
 
「ツィゴイネルワイゼン」
(1980/144分/35mm)
製作:シネマ・プラセット 配給:リトルモア
製作:荒戸源次郎 監督:鈴木清順
原作:内田百閒 脚本:田中陽造
撮影:永塚一栄 音楽:河内紀
美術:木村威夫、多田佳人 照明:大西美津男
出演:原田芳雄、大谷直子、大楠道代、藤田敏八、麿赤児、樹木希林
 
1980年、東京タワーの下に銀色のドーム型テントの移動映画館「シネマ・プラセット」を建て、そこで上映されロングラン・ヒットした伝説的作品で、仕掛け人は『赤目四十八瀧心中未遂』『人間失格』の監督、荒戸源次郎。内田百閒の「サラサーテの盤」ほかいくつかの短編小説をもとに繰り広げられる、鈴木清順監督の斬新かつ大胆な幻想譚。
   
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2本目は200円引き


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