プログラムPROGRAM
2010 12

新作ドキュメンタリー「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」
第23回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門 正式出品作品
2010年12月3日(金)〜14日(火)[水・木は休館]
名誉のために命を賭け、栄光と偏見に挑んだ65年目の真実。
兵士たちの最後の証言で綴るドキュメンタリー
知られざる歴史のヴェールが開かれる!

 
「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」
442 Live with Honor, Die with Dignity
(2010/日米合作/97分/HD[ブルーレイ上映])
製作:442フィルムパートナーズ(UTB フイルムヴォイス NTTラーニングシステム、かねふくアメリカ、米国日本ハム、トレンド社)
制作:UTB+フイルムヴォイス
企画・脚本・監督:すずきじゅんいち 
撮影監督:小渕将史 
編集:水原徹 音楽:喜多郎
 アメリカ陸軍442連隊は、第二次大戦時に日系二世で編成された部隊で、アメリカ軍史上最も多くの勲章を受けた。
 本作は父母の祖国・日本と戦う苦悩を抱えながら、アメリカの中で人種差別と戦い、ヨーロッパ戦線ではファシズムと戦った伝説の兵士たちのドキュメンタリー。終戦後、トルーマン合衆国大統領は「諸君は敵だけでなく偏見とも戦い、勝ったのだ」と賛辞を送り、自ら生還者を激励した。
 アメリカ国内における日系人の地位向上に寄与しただけでなく、フランスをはじめとしたヨーロッパ諸国では、長期間ナチスドイツに占領されていた自分たちの町を解放に導いたヒーローとして、現在も語り継がれている。
 しかし、日系人強制収容所から出征した兵士たちが、ユダヤ人強制収容所を解放したという真実は、ほとんど知られていない。
 日系アメリカ人として、星条旗を背負って戦う自尊心と愛国心、その一方で敵性国民に指定された人種差別への怒りと哀しみ、葛藤を描いた問題作。現在、元兵士たちは80代半ばから90代と高齢になり、当事者たちによる貴重な証言はこれが最後になるかも知れない。
 
「東洋宮武が覗いた時代 Toyo’s Camera – Japanese American History during WW2-」 に続く米国日系人史映画の第二作目。前作同様、監督はベテランのすずきじゅんいち、音楽はゴールデングローブ賞やグラミー賞受賞者の喜多郎、その他メインスタッフも、同じメンバーである。 ハリウッドの日米バイリンガル放送局UTBと、日本からはフイルムヴォイスが共同で製作に当る。
 
[公式サイト]
 

《料金》
【当日券】
一般1800円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


[貸館]「人生はやけっぱちだ!!」映像上映会
2010年12月19日(日)14:00〜16:00
 
 「なんかもやもやしている」。そんな一言から始まった
  神戸市長田に住むベトナム人の子どもたちの挑戦。
 「女装する」「須磨ビーチで首まで埋まる」
 「ナンパする」「噴水に飛び込む」。
  それぞれの“やけっぱち”を記録した映像の発表会を開催します。
  2010年の締めくくり。ぜひ見に来てください。
特別ゲスト:いまおかしんじ(映画監督)
主催:多言語センターFACIL [詳細]
 

料金 無料
※席に限りがあるため、事前にお申し込み願いします。
ワールドキッズコミュニティ Tel. 078-736-3012(担当:村上・国本)


初期の鈴木卓爾 誰も寝てはならぬ上映会
2010年12月23日(木・祝)〜26日(日)

 

劇場長編デビュー作『私は猫ストーカー』で注目され、『ゲゲゲの女房』が今秋公開(神戸は12月4日〜)された鈴木卓爾監督。
高校生時代の8ミリ作品(第1作はアニメーション!)から、1988年にぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞を受賞した『にじ』、さらに現在まで制作がつづく「ワンピース」シリーズを一挙上映!!
25日(土)・26日(日)両日
鈴木卓爾監督トーク

 

 

誰も寝てはならぬ上映会に寄せて   鈴木卓爾
今回、8mm時代のフィルム作品を上映していただけるという思いがけないお申し出をいただき、この際だから見ちゃう?という事になりました。あわせて、94年から現在までのビデオ短編集「ワンピース」も全部上映! 25年前の8mmフィルムが、神戸の地で、映写機の歯車と熱光源を通過して、もう一度スクリーンに映し出されるなんて、私にとっては開けてはいけないパンドラの匣です。きっと恥ずかしさに身悶えすることになるのはわかっているのですが、Mっ気があるので、堂々とトークもします。何を撮ったのか、すっかり内容も忘れているフィルムもあります。記憶の虫干し作業から、一体何が見えてくるか? 初期のつたない映画ですので、気持ちよい眠気を誘うかもしれませんが、スヤスヤご高覧いただければ幸いに存じます。

 

Aプログラム 計69分
「街灯奇想の夜」(1984/7分/8mm/アニメーション)
「バナナのにおい」(1986/25分/8mm)
「つゆのいと」(1986/11分/8mm)
「映研の危機」(1986/7分/8mm)
「マリを追う少女」(1986/14分/8mm)
「カラテじじいの夜」(1986/5分/8mm/サイレント)
高校時代に作った鈴木監督の第1作で、最高傑作との声もある『街灯奇想の夜』を含む、最初期の8ミリ作品集。86年の1年間に作られた5作品すべてに、映画作家・鈴木卓爾の萌芽が見られる。

 

Bプログラム 計71分
「水戸黄門」(1987/7分/8mm)
「直射月光」(1987/25分/8mm)
「ダム」(1987/11分/8mm)
「きゅうそくかいおん」(1988/25分/8mm)
「ウシウシモウモウ」(1990/3分/8mm)
初の長編作品『にじ』の前後に制作された8ミリ作品。『私は猫ストーカー』を想起させる『直射月光』のほか、赤い靴の女を水中に配置した『ダム』など、映画の中に偶発性を呼び込む作品たち。

 

Cプログラム
「にじ」(1987/83分/8mm)
ぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞を受賞した、鈴木監督の自主制作時代の代表作。
1月から8月、東京から故郷・磐田への旅。カメラを持った男は、撮ることの意味を問う自分自身にレンズを向ける。今回上映するのは、83分のロングバージョン。

 

Dプログラム 計52分
「電球男」(1991/3分/16mm/サイレント)
「ヒドラと踊ろう」(1994/5分/16mm/アニメーション)
「おっけっ毛ビビロボス」(1996/19分/16mm)
撮影:鈴木昭彦 音楽:金澤信一
出演:西田尚美、阿部サダヲ、猫田直
劇団の舞台に関連して作られた『電球男』と『ヒドラと踊ろう』、妖怪「おっけっ毛」とバンドガール久子との道ならぬ恋を描いた『おっけっ毛ビビロボス』のほか、幻のホラー短編を参考上映。

 

Eプログラム
ワンピースプロジェクト1(1994〜98/計78分/DV)
『天まで昇れ!お父さん』『傘男』『地獄のおじいさん』『彼女は三次元』(以上1994)
『裏山事件』『今日こそ教祖』『座敷あらし』『LET’S ハルマゲ』(以上1995)
『おもいでタンス』(1996)
『水洗タンク』『うららかぶららか』『演出×出演』『社長の首』(以上1997)
『ケッパヤチガラサ?(あたしで最後?)』『サウンドオブ中学教師』(以上1998)
使っているのは家庭用ビデオカメラ1台だけ。カメラワーク(ズームやパン、移動など)は一切なし、編集、アフレコも無しというミニマムな映画作りに16年以上取り組んできた鈴木監督と矢口史靖監督。その短編作品群「ワンピース」の中から、鈴木監督作品を制作順に一挙上映。

 

Fプログラム
ワンピースプロジェクト2(2001〜2010/計78分/DV)
『多摩川サイコキラー』『コクリさん』『男の子はみんな』(以上2001)
『お客様は神様』『種を蒔いたのはばあば?』(以上2006)
『俺がこの歳でおめでた?』『ケーキを食べたのは誰?』(以上2007)
『失恋沼』『小説家』『泥棒』(以上2010)
「ワンピース」シリーズの2000年代に入ってからの鈴木監督最近作10本。多摩川にも、家の中にも、沼にも、いたるところに幽霊が出現する。

 

鈴木卓爾
1967年生まれ、静岡県磐田市出身。高校3年時、アニメーション映画『街灯奇想の夜』(84)を制作。東京造形大学時代に8ミリ作品を撮りまくる。88年、『にじ』がぴあフィルムフェスティバル(PFF)にて審査員特別賞を受賞。92年、大学の後輩にあたる矢口史靖監督のPFFスカラシップ作品『裸足のピクニック』に脚本と助監督で参加。その後、『トキワ荘の青春』(95/市川準監督)などで俳優としても活動する傍ら、NHK教育「中学生日記」「時々迷々」などの脚本を手がける。2009年、『私は猫ストーカー』で長編劇映画デビューを果たし、2010年秋、第2作『ゲゲゲの女房』が全国で公開。

協力:ぴあ

《料金》入れ替え制
1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

《割引》
2プロ目は200円引き

遠方からのお問い合せも多いので、メールでのご予約を受付ます。
日時、お名前、連絡先を明記して、info@kobe-eiga.net にご連絡ください。


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。