プログラムPROGRAM

年別アーカイブ: 2011

高橋克彦ミステリーコレクション
「オボエテイル」

2011年1月8日(土)〜11日(火)
2005年の作品完成後、
製作会社の諸事情から公開が凍結されていた
まぼろしのオムニバス映画が、遂に緊急公開!

 おぼえているけれど
 たぶんそれは自分に都合よく歪めた記憶
 本当のことはきっとちがうんだろう。
  ——— 高橋克彦

作家・高橋克彦の直木賞受賞作を含む、
傑作ミステリー3編を映画化!

 
(2005/125分/HD[ブルーレイ上映])
原作:高橋克彦 撮影:猪本雅三 美術:黒須康雄 照明:赤津淳一
音楽:上田砂代子 編集:普嶋信一 録音:松本昇和
第1話「遠い記憶」
監督・脚本:芳田秀明
出演:村上淳、麻生祐未、浅井江理名、
鈴木颯人、吉田日出子
新進作家の倉本雄二(村上淳)は母の明子(吉田日出子)と2人暮らし。テレビの取材で盛岡の行き、スナックに勤める相沢世里子(麻生祐未)という謎の女性に出会い、子どもの頃の記憶が突然甦る。彼女はいったい誰なのか…。
第2話「前世の記憶」
監督:明石知幸 脚本:久保朝洋
出演:中村美鈴、葛山信吾、結城しのぶ、
島かおり、篠井英介
藤山修子(中村美鈴)はひどい頭痛に悩まされていた。恋人の青柳(葛山信吾)の勧めから、精神科で治療を始める。退行睡眠で甦った記憶が、修子を前世の恐怖へと導いていく…。精神科医役の篠井英介の存在感と昭和時代のミューズ・島かおりと結城しのぶに注目!
第3話「緋い記憶」
監督・脚本:久保朝洋
出演:香川照之、光石研、柄本時生、
渡辺真起子、螢雪次朗
東京でデザイン事務所を経営する山野良彦(香川照之)。ある日、郷里・盛岡の友人(光石研)から訪問を受ける。手渡された古い住宅地図に、閉じ込められた思い出の街。あの少女の家は「空き地」とだけ記されていた…。高橋克彦の直木賞受賞作を完全映画化。
盛岡にこだわり、ミステリー作家として活躍する高橋克彦。直木賞作「緋い記憶」を始め、「遠い記憶」「前世の記憶」の三作品を、三人の監督が盛岡でオールロケで演出した、情感溢れる大人のためのオムニバス・ミステリー映画。
監督は全員が日活撮影所出身の実力派。「遠い記憶」を『スイート・スイート・ゴースト』(2000)でデビューした芳田秀明。「前世の記憶」をヒット作『免許がない!』(1994)、『キリコの風景』(1998)の明石知幸。「緋い記憶」は富江シリーズ第7作目『富江VS富江』(2007)が長編デビューの久保朝洋。個性的な監督たちが独自の感性で、全くテイストの違う作品に仕上げた。
 

《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


「何も変えてはならない」
2011年1月8日(土)〜11日(火) 18:45〜
ペドロ・コスタとジャンヌ・バリバール
ふたつの魂が響き合う、奇跡のコラボレーション


 
 
鮮烈な日本公開作『ヴァンダの部屋』、
驚きと感動をもって迎えられた『コロッサル・ユース』から2年。
ポルトガルの俊英が、友情と敬愛をもってフランス人女優ジャンヌ・バリバールの歌手活動を記録した、
これまでにない至高の音楽ドキュメンタリーが誕生。
 
「何も変えてはならない」
Ne change rien
(2009/ポルトガル・フランス/103分/35mm/モノクロ)
監督:ペドロ・コスタ 撮影:ペドロ・コスタ
編集:パトリシア・サラマーゴ
録音:フィリップ・モレル、オリヴィエ・ブラン、ヴァスコ・ペドロソ
音楽:ピエール・アルフェリ、ロドルフ・ビュルジェ、ジャック・オッフェンバック
製作:アベル・リベイロ・チャベス
出演:ジャンヌ・バリバール、ロドルフ・ビュルジェ、エルヴェ・ルース、アルノー・ディテリアン、ジョエル・テゥー
自由に生きる女性の、美しき肖像
『そして僕は恋をする』(アルノー・デプレシャン)や『恋ごころ』『ランジェ公爵夫人』(ジャック・リヴェット)などに主演し、若手から巨匠まで現代フランスにおける映画作家たちのミューズとして知られるフランス人女優ジャンヌ・バリバール。歌手としても知られるバリバールの音楽活動の軌跡を、『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』で世界中の気鋭の映画作家たちやアーティストたちを刺激し続ける、今最も注目を集めるポルトガルの鬼才ペドロ・コスタが独自の視点で映画にした。
 
原題の「NE CHANGE RIEN」(何も変えてはならない)は、ジャン=リュック・ゴダール『映画史』からの引用で、『何も変えてはならない』においても、サンプリングされたゴダールの声を聞く事ができる。ゴダールはこの言葉を、ロベール・ブレッソンの「シネマトグラフ覚書」から引用している。

『何も変えてはならない』讃   山根貞男
 歌を撮る——ただそれだけの映画が驚くほど面白い。
 ペドロ・コスタの『何も変えてはならない』は奇跡といいたくなるような映画である。実際ここには、歌うこと、歌と歌う声を練り上げることしか、映し出されていない。にもかかわらず、いや、だからこそ、映画の裸形がなまなましく出現する。
 歌、声、姿、動き、場所、時間が、モノクロームとしての色つまり光と混淆するなか、映画にとって音声とは何かがスペクタクルとなってくりひろげられるのである。
 映画を聴く、歌を見る——そのスペクタクルといってもいい。
 こんな奇跡が突然可能になるわけがない。『ヴァンダの部屋』や『コロッサル・ユース』などがあってこその達成であろう。逆にいえば、この映画を見れば=聴けば、それらの作品が新しい相貌を呈するにちがいない。

ペドロ・コスタインタビュー
『コロッサル・ユース』の日本公開時(2008年4月2日)に行われたものです。
配給会社シネマトリックス、および前田晃一氏らのご厚意により、ここに掲載させていただきます。

 
[公式サイト]
 
[関連企画] ペドロ・コスタ監督特集
1月14日(金)〜16日(日)
『ヴァンダの部屋』
『映画作家ストローブ=ユイレ/あなたの微笑みはどこに隠れたの?』
『コロッサル・ユース』
「ペドロ・コスタ短編集(『六つのバガテル』『タラファル』『うさぎ狩り』)」

 
 

《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


ペドロ・コスタ監督特集
2011年1月14日(金)〜16日(日)
『何も変えてはならない』の公開を記念して、ペドロ・コスタ監督の作品を特集上映。
  
Aプログラム
「ヴァンダの部屋」
No Quarto da Vanda
(2000/178分/35mm)
監督・撮影:ペドロ・コスタ
出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ジータ・ドゥアルテ、レナ・ドゥアルテ
リスボンのスラム街フォンタイーニャス地区で、少人数のスタッフにより、ヴァンダとその家族をじっと静かに見つめる。ヤクを吸うヴァンダが時に聖女と見紛う奇跡の映像。
 
 
Bプログラム
「映画作家ストローブ=ユイレ/
あなたの微笑みはどこに隠れたの? 」

Danièle Huillet, Jean-Marie Straub cinéastes : Où gît votre sourire enfoui?
(2001/104分/35mm)
監督・撮影:ペドロ・コスタ
出演:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
映画作家の創作のプロセス・瞬間だけでなく、ときに滑 稽でさえあるストローブ=ユイレ夫婦の物語や映画への愛が、膨大な議論や感情のやりとりを通じて描かれる。
Cプログラム
「コロッサル・ユース」
Colossal Youth / Juventude em marcha
(2006/155分/35ミリ)
監督・撮影:ペドロ・コスタ
出演:ヴェントゥーラ、ヴァンダ・ドゥアルテ、ベアトリズ・ドゥアルテ、イザベル・カルドーゾ
『骨』『ヴァンダの部屋』に続いて、リスボンのフォンタイーニャス地区を舞台に、カーポ・ヴェルデからの移民のひとりヴェントゥーラが新しい集合住宅と荒廃した貧民窟を行き来する。魂の彷徨の物語。ヴァンダのその後も描かれる。
 
 
Dプログラムペドロ・コスタ短編集
「六つのバガテル」
6 Bagatelas
(2002/18分/ビデオ)
監督:ペドロ・コスタ/ティエリー・ルナス
出演:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
ストローブ=ユイレを撮影した6つの場面によって構成された嬉遊曲(ディヴェルティメント)。
 
「タラファル」
Tarrafal
(2007/16分/ビデオ)
監督:ペドロ・コスタ
出演:ヴェントゥーラ、イザベル・カルドーゾ、ヴァンダ・ドゥアルテ
ポルトガルによって建設された政治犯用の強制収容所が存在した土地タラファル[カーボ・ヴェルデ]をめぐって語られる土地と家族の運命。
「うさぎ狩り」
The Rabbit Hunters
(2007/23分/ビデオ)
監督・脚本:ペドロ・コスタ
出演:アルフレッド・メンデス、ヴェントゥーラ、ジョゼ=アルベルト・シルヴァ
『コロッサル・ユース』のヴェントゥーラが語り部を演じ、この土地を巡る人間関係の過去と現在が交錯する。
 

ペドロ・コスタインタビュー
『コロッサル・ユース』の日本公開時(2008年4月2日)に行われたものです。
配給会社シネマトリックス、および前田晃一氏らのご厚意により、ここに掲載させていただきます。

 
  

《料金》入れ替え制
1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

《割引》
「何も変えてはならない」の半券提示、あるいは2プログラム目は200円引き


[貸館]神戸の壁保存活動の記録「神戸の壁の記憶」DVD放映の集い
2011年1月23日(日)13:45〜(受付13:30〜)
神戸の壁のあった長田の地で保存活動の参加・支援者への活動報告。
「神戸の壁の記憶」DVD上映と「震災と壁の思いを語る」会。 
 
主催:リメンバー神戸プロジェクト
後援:兵庫県、神戸市、西宮市
協賛:「大若」神戸の壁跡1.17の集い実行委員会、ジュンク堂書店
支援:ひょうご安全の日推進県民会議
協力:1.17KOBEに灯りを IN ながた実行委員会、眞陽婦人会、この町・花の街作戦実行委員会、Bird’s Eye出版、神戸映画資料館、オフィスハル
   

《料金》無料(要予約)
お申し込み(1月17日締切):リメンバー神戸プロジェクト TEL 090-4302-8231


タカシ時間 vol.8
1月28日(金)・29日(土) 両日18:30

 
 
『堀池音頭の日』
(2010/20分)
『やながわ川下り』
(2011/20分)
 
 
 
2005年12月から東京茅場町のギャラリーマキでスタートした新作上映会「季刊タカシ」は、年3、4回のペースで現在も続いています。神戸の「タカシ時間」では、映像作家・崟利子がこれまで作ってきた作品を新たな組み合わせでごらんいただきます。
 
無名の「風景」に名を与える~映像作家 崟利子についての試論

《会費》1500円

 協力:ギャラリーマキ


初笑い時代劇大会
2011年1月29日(土)・30日(日)
日本の白黒(モノクロ)映画を上映するシリーズ第1弾として新春に相応しい爆笑喜劇時代劇4作品を集めた。エンタツ、アチャコ、ロッパ、シミキン、トニー谷、金語楼、堺駿二、伴淳などなど、懐かしのお笑い芸人が繰り広げる抱腹絶倒の物語のかずかず。
監督は3本が斎藤寅次郎、1本が丸根賛太郎監督。制作は1950年代前半です。題名は当日のお楽しみに!
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)

《料金》入れ替え制
1本あたり
一律500円


日本映画名画鑑賞会
2011年2月6日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)

《料金》
一律500円


アンコール上映「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」
第23回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門 正式出品作品
2011年2月11日(金・祝)〜15日(火)
名誉のために命を賭け、栄光と偏見に挑んだ65年目の真実。
兵士たちの最後の証言で綴るドキュメンタリー
知られざる歴史のヴェールが開かれる!

 
「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」
442 Live with Honor, Die with Dignity
(2010/日米合作/97分/HD[ブルーレイ上映])
製作:442フィルムパートナーズ(UTB フイルムヴォイス NTTラーニングシステム、かねふくアメリカ、米国日本ハム、トレンド社)
制作:UTB+フイルムヴォイス
企画・脚本・監督:すずきじゅんいち 
撮影監督:小渕将史 
編集:水原徹 音楽:喜多郎
 アメリカ陸軍442連隊は、第二次大戦時に日系二世で編成された部隊で、アメリカ軍史上最も多くの勲章を受けた。
 本作は父母の祖国・日本と戦う苦悩を抱えながら、アメリカの中で人種差別と戦い、ヨーロッパ戦線ではファシズムと戦った伝説の兵士たちのドキュメンタリー。終戦後、トルーマン合衆国大統領は「諸君は敵だけでなく偏見とも戦い、勝ったのだ」と賛辞を送り、自ら生還者を激励した。
 アメリカ国内における日系人の地位向上に寄与しただけでなく、フランスをはじめとしたヨーロッパ諸国では、長期間ナチスドイツに占領されていた自分たちの町を解放に導いたヒーローとして、現在も語り継がれている。
 しかし、日系人強制収容所から出征した兵士たちが、ユダヤ人強制収容所を解放したという真実は、ほとんど知られていない。
 日系アメリカ人として、星条旗を背負って戦う自尊心と愛国心、その一方で敵性国民に指定された人種差別への怒りと哀しみ、葛藤を描いた問題作。現在、元兵士たちは80代半ばから90代と高齢になり、当事者たちによる貴重な証言はこれが最後になるかも知れない。
 
「東洋宮武が覗いた時代 Toyo’s Camera – Japanese American History during WW2-」 に続く米国日系人史映画の第二作目。前作同様、監督はベテランのすずきじゅんいち、音楽はゴールデングローブ賞やグラミー賞受賞者の喜多郎、その他メインスタッフも、同じメンバーである。 ハリウッドの日米バイリンガル放送局UTBと、日本からはフイルムヴォイスが共同で製作に当る。
 
[公式サイト]
 

《料金》
【当日券】
一般1800円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


走れ!喜劇王キートン
2011年2月19日(土)・20日(日)
無表情をトレードマークにしたサイレント時代の大喜劇俳優バスター・キートンの、長編2作品と、傑作『キートンの警官騒動』を含む短編集を上映。
  
Aプログラム
「キートンのセブン・チャンス(キートンの栃麺棒)」SEVEN CHANCES
(アメリカ/1925/56分/サイレント/16mm)
監督:バスター・キートン
原作:ロイ・クーパー・メグルー
脚本:ジーン・ハーベッツ、クライド・ブラックマン、ジョゼフ・ミッチェル
出演:バスター・キートン、ロイ・バーンズ、ルス・ドワイヤー、ジーン・アーサー
祖父の遺産を受け取る条件は、27歳の誕生日の午後7時までに結婚すること。誕生日当日にそのことに気づいた主人公ジミーは、女性にプロポーズをしまくるも次々に断られる。ところが、疲れ切って教会で眠ってしまった彼のもとに、新聞広告の花嫁募集を見た無数の花嫁候補が続々と集結し…。
 
 
Bプログラム3本立て
「キートンの警官騒動」COPS
(アメリカ/1922/24分/サイレント/16mm)
監督:バスター・キートン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ
高慢な女性から、実業界で成功することを結婚の条件に出された善良で貧しい青年。そんな彼が、芋づる式に悪運を引き込み、何百という警官に追われるはめに陥る。
「キートンの鍛冶屋」THE BLACKSMITH
(アメリカ/1922/29分/サイレント/16mm)
監督:バスター・キートン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス
鍛冶屋の丁稚キートンは失敗続きで親方に怒られっぱなし。そんな彼が一人留守番をすることになり、馬や車を相手に騒動を巻き起こす。
「キートンの囮(おとり)」JAIL BAIT
(アメリカ/1937/19分/16mm)
監督:チャールズ・ラモン
脚本:ポール・ジェラルド・スミス
出演:バスター・キートン、ハロルド・グッドウィン、バッド・ジェーミソン
誘拐殺人事件が発生。新聞社の雑用係のキートンは、警察を出し抜いて犯人を捕まえようと考えるルームメートに頼まれ、犯人のふりをするが、事態はあらぬ方向に…。
Cプログラム
「キートンの大学生」COLLEGE
(アメリカ/1927/66分/サウンド版/16mm)
監督:ジェームズ・W・ホートン 脚本:カール・ハルボー
撮影:デイヴ・ジェニングス
出演:バスター・キートン、アン・コーンウォール、ハロルド・グッドウィン
勉強はできるものの運動神経はゼロの大学生キートンが、憧れの女の子メアリーを振り向かそうと、様々なスポーツに挑戦する。実際には運動神経抜群のキートンが、運動音痴を演じるのが見物の学園コメディ。
  
  

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 学生会員・シニア会員700円

《割引》
2プロ目は200円引き


[貸館]ケーディーユーデジタルシネマ
2011年2月26日(土)13:00〜

神戸芸術工科大学映画専攻の在学生、OB、研究生による合同映画作品上映会。
普段見てもらう機会のない外部の人の目に触れて、たくさんの意見を取り入れたい! もっと自分の作品を見てほしい!
「たくさんの人に見てほしい!」をテーマとし、神戸芸術工科大学生たちが様々なジャンルの映画作品を上映します。
乞うご期待。
 
Aプログラム〈若い主人公の成長を描いた作品〉
「金魚之噴火」
(2010年/HD/12分)監督:向田優(四回生)
素男は自分をパシリにし続けていた古井に襲撃する、だが、目の前に倒れていたのは替え玉にされた渡部の姿であった。自分をバカにしてきた古井に素男はブチ切れる。
 
「清怨にくちづけを」
(2010年/DV/15分)監督:津田翔志朗(二回生)
生きたい男と死にたい女が出会い、ふれあいの中でお互いの中に自分を見出し、見つめた時、歯車が動きだす。
「大人の事情」
(2010年/HD/40分)監督:前田実香(卒業生)
失踪した父を探すため、叔父である小早川探偵のもとに訪れた中学生の奈津子。捜査を開始した小早川探偵一行の前に、父の恋人を名乗る女性が現れる。彼女もまた、父の行方を探しているというのだが……。ヤクザや警察を巻き込んで、大人の世界に飛び出した、中学生のディテクティブストーリー。
  
  
Bプログラム〈土地を映した作品〉
「神戸と私とお侍さん」
(2011/HD/7分)企画:保村未来(三回生)
「武士のような彼氏が欲しい」と願う和歌子の前に突然一人の武士がタイムスリップしてきた。突然の事に驚く武士を元気づけようと和歌子は神戸のまちを案内し、一方武士からは神戸で起こった壮絶な戦いについて聞き、和歌子は生まれ育ったまち・神戸の歴史の重みを感じます。「今の神戸」に対する武士の驚きを通じて、神戸の魅力を感じることができる作品です。
※毎週土曜10時から10時15分にサンテレビジョンで放送中の神戸市広報番組「好き!神戸」において保村未来が企画した映像作品!
 
「シルクロード・ストライダー」
(2011年/HD/55分)監督:佐野太紀(四回生)
このクソと愛にまみれた世界へようこそ!一人の大学生の厳しくも人間味あふれる国々を歩いた出会いと別れの物語。海外一人旅ドキュメンタリー
  
Cプログラム〈カメラマンが監督した作品〉
「水槽」
(2011年/HD/37分)監督:西野侑希(四回生)
水泳選手を志す主人公 あゆみは恋人と別れてしまったことにより泳ぐことが出来なくなってしまう。後悔と焦燥が入り混じる中、あゆみはある日プールの館長と一匹の熱帯魚に出会い…。
「透明な引力」
(2010年/HD/30分)監督:岡山佳弘(卒業生)
母親に育てられた宏は父の故郷を訪ねる道中で見知らぬ兄弟に拉致監禁されてしまう。兄弟は蝋燭の火を絶やすなと言い残しその場を立ち去るが、宏はそこで偶然か運命か生き別れた妹や父親と出会い人と人の間に存在する目では見えない絆を知る。
「蝙蝠」
(2010年/DV/6分)監督:市坪正史(三回生)
男の前に現れた蝙蝠「こうもり」と名乗る者、果たして“その者”は男に何を語るのか…。
  
Dプログラム〈男女のいろいろを描いた作品〉
「変」
(2010年/DV/8分)監督:中村琢也(三回生)
彼女が気になってしょうがない男は恋愛の表裏に気づくのだろうか。短編恋愛奇劇。
「Nocturne Memory」
(2009年/DV/15分)監督:保村未来(三回生)
監督である保村未来が初めて制作した短編映像作品。夢を追いかける男女が現実にぶつかり、向き合うことを描いた作品。
「わすれな草」
(2009年/DV/17分)監督;大岸智博(卒業生)
高校生活最後の瞬間。ラブレターを巡る三人の届くことのない片思い。
「無理」
(2011年/HD/5分)監督:森明沙織(二回生)
友達以上恋人未満、そんな二人が深夜に酒を飲む。深夜の酒盛り、危険なかおり、複雑なオトコの心理を描くラブストーリー
「空蝉の恩返し」
(2010年/HD/37分)監督:青山和史(卒業生)
翼は毎日を平凡に過ごす大学生。周りが就職活動など動き出す中で翼はなかなか動き出せずにいた。ある日翼は蝉の抜け殻を見つけ、蝉の短い人生を知った翼は手を合わせる。しかしこの行動をきっかけに翼の不思議な夏休みが始まる。
  
Eプログラム〈監督が新しいことに挑戦した作品〉
「LaLaLa Swing Valentine(仮)」
(2011年/DV/15分)監督:津田翔志朗(二回生)
2010.2.11に行われたチャリティーコンサート「LaLaLa Swing Valentine」のドキュメント
「ゴースト・ライター」
(2011年/HD/27分)監督:今村洋輝(二回生)
スランプ状態の小説家・慎二の所に、祖母の幽霊と名乗る・女トネがやってくる。
「ミッドナイト、サンシャイン」
(2011年/HD/46分)監督:チョ・ナヨン(四回生)
偶然、二人は出会った。日本の刑事と韓国の麻薬密売人。誰にも知られず二人の心は揺れ動いていく。国境を超えた日韓合作映画作品。
主催:神戸芸術工科大学 映画専攻有志
お問い合せ:ケーディーユーデジタルシネマ担当 kdu_digital_cinema@yahoo.co.jp

《料金》無料


井上陽一の活弁映画シリーズ6
2011年3月5日(土)13:30〜
陽春の候、井上陽一の活弁シリーズとして今回は溝口健二監督の『滝の白糸』を取り上げる。活動写真ファンには懐かしい弁士の声色をお楽しみください。上映プリントは、最近時々上映されているフィルムセンター復元の完全版ではなく、その素材の一部となった結末部を含む関西版で、フィルム復元の研究者にとっても必見だろう。

井上陽一(弁士)
いのうえよういち。1938年、姫路市生まれ。浜星波に師事。60年から活動写真弁士として活躍。02年「OSAKA映像フェスティバル」で『雄呂血』、04年の京都映画祭では『特急三百哩』『からくり蝶』、08年には『実録忠臣蔵』を名調子で活弁するなど、各地の映画祭等で活躍。関西唯一の現役弁士である。

「滝の白糸」
(1933 / 96分[18fps]/ サイレント / 16mm)
監督:溝口健二 原作:泉鏡花
脚色:東坊城恭長、館岡謙之助、増田真二、清涼卓明
撮影:三木茂
出演:入江たか子、岡田時彦、村田宏寿、菅井一郎、見明凡太郎
入江たか子が演じる女水芸人「滝の白糸」は、岡田時彦が演じる村越欣弥のため学資を仕送りしつづけたが、ついに借金までして人を殺してしまう。出世して検事になった欣弥の手で裁かれるという不条理な結末。京都の双ヶ丘撮影所に入江プロダクションが立て籠もって撮影した伝説的作品。
  
 

《料金》
一般1800円 学生・シニア1500円
会員1500円 学生会員・シニア会員1300円


日本映画名画鑑賞会
2011年3月6日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)

《料金》
一律500円


「淀川長治独演会」DVD発売記念特別上映 淀川長治とチャップリン特集
2011年3月12日(土)・13日(日)
この度、神戸出身の映画評論家、淀川長治さんのワンマン・トークを記録した『淀川長治独演会・わたしの映画愛』『淀川長治独演会・素晴しき哉、映画』が日本コロムビアから2枚のDVDとして発売されました。これを記念し神戸映画資料館では『淀川長治独演会・わたしの映画愛』を特別上映いたします。
これは、1994年10月に早稲田大学大隈講堂で行われた講演で、デビュー前から友人だった黒澤明監督の作品について、子供の頃から敬愛するチャップリン映画の魅力や神戸港でのチャップリンとの会見秘話、『2001年宇宙の旅』『ラストタンゴ・イン・パリ』など映画の魅力が熱く語られます。また淀川長治さんが深く愛したチャップリンの作品を参考上映いたします。
  
Aプログラム
「淀川長治独演会・わたしの映画愛」
(83分/DVD)
淀川流の映画の観方、味わい方が満載の講演ライブ映像。『羅生門』をはじめとする黒澤明監督作品の面白さ、チャップリン映画の観方とその秘話、また問題作『ラストタンゴ・イン・パリ』の映画感覚や、さらにファーストシーンとラストシーンの楽しみ方など、淀川流映画人生が熱っぽく語られる。特に黒澤作品についてのトークは圧巻である。
(1994年10月19日 早稲田大学大隈講堂で収録)
参考上映 「淀川長治のチャップリン・アルバム」
(20分/16mm)
『街の灯』『モダン・タイムス』『独裁者』『殺人狂時代』『ライムライト』『黄金狂時代』などチャップリンの名場面を淀川長治が巧みな話術で語る。1970年代にまとめられたフィルムで「日曜洋画劇場」でお馴染みの淀川節が甦る。
 
 
Bプログラム
「黄金狂時代」The Gold Rush
(アメリカ/1925/91分/サウンド版/16mm)
製作・監督・脚本・音楽:チャールズ・チャップリン
撮影:ローランド・トザロー
出演:チャールズ・チャップリン、ジョージア・ヘイル、マック・スウェイン
ゴールド・ラッシュに湧くアラスカ。一攫千金を夢みる探鉱家のチャーリーは山小屋で指名手配犯と遭遇する…。空腹のあまり靴をゆでて食べるシーンはあまりにも有名。
Cプログラム
「街の灯」City Lights
(アメリカ/1931/87分/サウンド/16mm)
製作・監督:チャーリー・チャップリン
撮影:ロリー・トザロー、ゴードン・ポロック
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:チャーリー・チャップリン、ヴァージニア・チェリル 、フローレンス・リー
浮浪者のチャーリーは街で花売りの盲目の娘と出会い一目惚れ。なけなしのコインで一輪の花を買うが、金持ちの紳士と思いこまれた。その後、娘のために献身するチャーリーの悲哀を見事に描いた傑作。
 

《料金》入れ替え制
1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

《割引》
2プログラム目は200円引き

協力:NPO法人古き良き文化を継承する会、日本コロムビア株式会社、岡田喜一郎


ルイス・ブニュエルのメキシコ・スペイン作品
2011年3月19日(土)〜21日(月・祝)
ルイス・ブニュエルは、ダリと共同監督した初監督作『アンダルシアの犬』やドヌーブ主演の『昼顔』など、フランスで制作した作品で一般的には有名であるが、今回は、故郷スペインで監督した作品と、一時期、低予算映画を量産した地・メキシコ時代の作品を集めた。ブニュエルのアナーキーな魅力が詰まった傑作揃い。
  
Aプログラム
「忘れられた人々」LOS OLVIDADOS
(メキシコ/1950/77分/16mm)
監督:ルイス・ブニュエル
脚本:ルイス・ブニュエル、ルイス・アルコリサ
撮影:ガブリエル・フィゲロア
音楽:ロドルフォ・ハルフター
出演:ロベルト・コボ、エステラ・インダ 、アルフォンソ・メヒア
メキシコシティのスラム街を舞台に、半ばうち棄てられた貧しい少年たちの物語。不良少年たちの救いのなさがリアリスティックに描かれるが、主人公の少年が見る夢のシュールなイメージなども見所。ブニュエルは、自伝「映画、わが自由の幻想」の中で、フランス語公開題『忘れられた人々ーあるいは、彼らを憐れみ給え』について、「あほらしい」と語っている。
 
 
Bプログラム
「ビリディアナ」VIRIDIANA
(スペイン/1960/91分/16mm)
監督:ルイス・ブニュエル
脚本:ルイス・ブニュエル、フリオ・アレハンドロ
撮影:ホセ・フェルナンデス・アグアイヨ
出演:シルヴィア・ピナル、フェルナンド・レイ、フランシスコ・ラバル、マルガリータ・ロサーノ
メキシコからスペインに帰還して手がけた第1作。修道女を目指しているビリディアナ。孤独な老貴族である叔父が、彼女に睡眠薬を飲ませ犯したと告げる。怒ったビリディアナが去ったことで叔父は自殺。彼女は亡き叔父の館で救済事業を始めるが…。その後のブニュエル作品に欠かせないフェルナンド・レイが初出演。
Cプログラム2本立て
「砂漠のシモン」SIMON DEL DESIERTO
(メキシコ/1965/43分/16mm)
監督:ルイス・ブニュエル
脚本:ルイス・ブニュエル、フリオ・アレハンドロ
撮影:ガブリエル・フィゲロア
音楽:ラウル・ラヴィスタ
出演:クラウディオ・ブルック、シルヴィア・ピナル
紀元4世紀の「柱頭の聖シメオン」を映画化。青春時代にロルカからすすめられて以来、ブニュエルの頭にあった企画である。砂漠にそびえ立つ柱の上で、日々神に祈りを捧げているシモンは、悪魔の誘惑と闘う。長編の計画が途中で資金途が底をついたため中編として完成させた。
 
「糧なき土地」LAS HURDES
(スペイン/1932/20分/16mm)
監督・脚本:ルイス・ブニュエル
撮影:エリ・ロタール
『アンダルシアの犬』『黄金時代』とシュールレアリズムの傑作を撮った後、スペインに戻り手がけた第3作。スペインの荒涼たる山岳地帯の貧困生活を描いた短編ドキュメンタリー。
  

《料金》入れ替え制
1プログラムあたり 
会員900円 学生会員・シニア会員700円
《割引》
2プロ目は200円引き
*非会員のかたは、1日会員(登録料100円)のご登録でご覧いただけます。


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

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