プログラムPROGRAM
2012 1

鉄道映画の魅力
2012年1月7日(土)〜9日(月・祝)

リュミエール兄弟の『列車の到着』(1895)から出発した映画は、鉄道を描くことで発展してきたともいえるでしょう。今回は鉄道を主役にしたサイレント期の日本映画と、1930年代の記録映画2本を上映します。
Aプログラム「特急三百哩」
(1928 / 92分[16fps] 82分[18fps]/ サイレント / 35mm)日活京都(大将軍)
監督:三枝源次郎 原作・脚本:木村千疋男
撮影:気賀靖吾
出演:島耕二、山本嘉一、瀧花久子
   三桝豊、三田實、吉井康
 若き機関士と曲芸団の乙女との恋愛と結婚を軸に、それを邪魔する男との葛藤を描いた作品で、舞台は門司機関区だが、撮影は梅小路など京都周辺で行われている。鉄道研究者によると8620、C51、C53(スリーシリンダ)、9600、8900、 2120、8550、1070など昭和初期に活躍したさまざまな蒸気機関車の動く映像がたいへん貴重で、鉄道ファン必見の映画である。
 主演者は後に監督になる島耕二と、若き日の滝花久子。伴奏音楽は弁士自身が和洋合奏を主にした選曲を行 うことになっている。
 なお、プラネット映画資料図書館所蔵の当フィルムは、2001年から映画保存協会が復元を模索し、大阪芸術大学の太田米男教授らの尽力で復元され、ようやく2004年の京都映画祭で上映が実現したものです。
 
復元については、映画保存協会の[復元報告]特急三百哩 よみがえった幻の鉄道映画 をご参照ください。
 
 
Bプログラム
「夜行郵便」Night Mail
*日本語字幕無し
(イギリス / 1936 / 24分 / 16mm)英国郵政局
製作・監督:ハリー・ワット、バジル・ライト
ナレーター:ジョン・グリアスン、スチュワート・レッグ
ロンドンとスコットランドの間を一晩かけて走る夜行郵便列車を記録した、1930年代「イギリス記録映画派」を代表する傑作。走行しながらの貨物の集荷・吐き出しのシーンが見所。W・H・オーデンがこの映画のために書き下ろした詩が朗読される。
 
「中支那鉄道 建設の記録 」
(1937 / 51分 / 35mm)同盟通信社、鉄道省
1939年設立の華中鉄道(中支鉄道)へは狭軌から標準軌に改良された9600型251両をはじめ多くの蒸気機関車が日本から送られ活躍した。中国大陸における日本軍の兵站業務を円滑化するために、鉄道の敷設に邁進する「建設戦士」たちを追った記録映画。
 
 
 

《料金》
入れ替え制
1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》2プログラム目は200円引き


東日本大震災復興支援上映プロジェクト
Cinema with Us ともにある in 神戸
PART-1 2012年1月14日(土)・15日(日) 神戸映画資料館
PART-2 2012年1月21日(土)〜27日(金) 神戸アートビレッジセンター
 
Aプログラム
「すぐそばにいたTOMODACHI」
(日本/2011/日本語/95分)
監督:セシリア亜美北島
3.11。在日ビルマ人95人が被災地に行きボランティアを行った。様々な事情を抱えながら日本にいるTOMODACHI の行動と思いを映す。
 
Bプログラム2本立て
「二つの悲劇─東日本大震災とスローフード運動」
(日本/2011/日本語/24分)
監督:掛川正幸
惨状を自分の目で見て、さらに自分にできることを考えた。その結果生まれたのが、この作品だ。
 
 
 
「雪海」
(日本/2011/日本語/60分)
監督:大竹暁
塩竈市出身のスキー・モーグル五輪選手・畑中みゆき。略奪や暴動、決して報じられることのない被災地の現実。震災後、畑中とともに避難所を回り、島で暮らす漁師たちと出会い、海に生きることの意味を知る…。
 
 
Cプログラム3本立て
「私たちにできたことできなかったこと」
(日本/2011/日本語/30分)
監督:岡崎孝
大震災発生以降、山形市内でみられた様々な事象を、人物ではなく、張り紙や看板などを通して解き明かす。
*監督来館。Cプログラム上映終了後、質疑応答あり。 
 
 
「まけないタオル 復興コンサート」
(日本/2011/日本語/17分)
監督:岡達也
山形県最上町に避難している被災者とともに開かれたコンサートの記録。
 
 
 
「けの汁」
(日本/2011/日本語/33分)
監督:千村利光
失われつつある日本の地方の文化の魅力を津軽の郷土料理「けの汁」に託して描く。東北へのエールとして「あおもり映画祭」から寄せられた作品。
 
 
Dプログラム
「僕のカメラと津波」
(インド/2011/英語、タミル語、ベンガル語/日本語字幕あり/90分)
監督、撮影、編集:R・Vラマニ
『あなたはどこ?』(YIDFF 2003)で山形を訪れたインドの映像作家が、2004年のスマトラ沖地震による大津波であやうく命をおとしそうになる。溺れかけなりながらも握りしめていたカメラは大破したが、買ってからの4年間で撮りためた映像には機械によって記録された時間の記憶が残っていた。
 

《料金》
一般800円 学生500円

主催:特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
共催:神戸映画資料館、神戸アートビレッジセンター
助成:芸術文化振興基金、企業メセナ協議会 GB Fund


「久高オデッセイ ─生章─」
2012年1月20日(金)〜24日(火)11:00〜

 
 
    神の島、
 
    祈りの島、
 
    沖縄県「久高島」
 
 
 
「久高オデッセイ ─生章─」
(2011年/76分)沖縄映像文化研究所 
監督:大重潤一郎
 
 『黒神』『光りの島』『小川プロ訪問記』などの映画で知られ、阪神・淡路大震災を神戸で体験した大重潤一郎が、沖縄県本島東南部に位置し神の島と言われる久高島の祭事や神事を中心とした日常を描いたドキュメンタリー。
 琉球開闢(かいびゃく)の地とされ神聖視される久高島では数多くの祭事が執り行なわ れる。ノロ(祝女のこと)が行う祭事や、97歳の祝い事「カジマヤー」といった普段見ることのできない貴重な光景をはじめ、島の日常、子どもたちの遠足や学校行事、イラブー(海ヘビ)漁とその加工の様子などありふれているようでどこか厳かな雰囲気を感じる生活模様が収められている。そして、場面をつなぐ久高島の自然、海・林・畑が見るものを魅了する。
 2006年の前作『久高オデ ッセイ(第一部)』の続編と位置づけらる作品で、脳出血に倒れ電動車椅子に乗って島々を回りながらカメラを回し続けた大重監督による執念の最近作。今年9月に沖縄の桜坂劇場で2週間ロードショウの成功に続く待望の神戸公開である。
 

《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。