プログラムPROGRAM

戦後の大衆文化
2012年5月19日(土)・20日(日)
近年復元された『サザエさん 七転八起の巻』『煉獄に咲く花』ニュープリントに加え、今は見ることができない戦後の風俗を活写した『女体の放射能』『七彩の花吹雪』を併映。荒井良平、西河克己、石山稔らベテラン監督の力量を確認しよう。
Aプログラム
「サザエさん 七転八起の巻」
(1948 / 53分 / 35mm)
監督:荒井良平 原作:長谷川町子
脚本:京都伸夫 撮影:藤井春美、平野好美
音楽:服部良一
出演:東屋トン子、木野浩、宮城千賀子、滝沢静子、沢蘭子
国民的人気漫画「サザエさん」の日本初の実写映画化。雑誌記者をしているサザエさんが、友人の妹の入院費を捻出するために奔走するという物語。服部良一が作曲した軽快なレビューシーンがふんだんに盛り込まれている。日活京都時代劇映画の巨匠、荒井良平がマキノ真三と宮城千賀子夫妻が設立したマキノ映画で手がけた現代劇。東屋(あずまや)トン子は宮城千賀子と宝塚歌劇団の同窓生(旧芸名・東屋鈴子)で、マキノ映画での荒井良平の前作『ゴムまり』に出演、その役名であるトン子に芸名を改めた。
 
Bプログラム
「煉獄に咲く花 」
(1953 / 38分 / 35mm)
監督:石山稔 脚本:山田良平
撮影:布施福松 音楽:浦上鐘一
出演:鈴木暁子、原惠子、久世まゆみ、大倉節美、三船あき子
ある売春婦の手記を映画化したもので、水害で家族を失い東京に出てきて路頭に迷っていたところ、声をかけてきた親切そうな女に騙されて娼婦に転落した女と、貧しい漁村から病身の母の治療費をかせぐために東京に出て娼婦になった女を主人公に、人身売買の悲惨な実体を批判する映画。「衆議院参議院婦人議員推薦」と字幕が出る。監督は帝キネ、松竹下加茂、河合、大都などを渡り歩いたベテラン石山稔。
 
「女体の放射能」
(1950年代 / 10分 / 35mm)
和製短篇ヌードショウ映画。音楽に合わせ舞台上で繰り広げられる裸体の乱舞。製作会社、制作年、スタッフなど詳細不明。フィルムには「女体の放射能」とタイトルが出るが、フィルム缶には「女体放射能」と書かれている。「女体放射能」と同一作品なら1957年に上野ニュース館、1959年に新橋名画座で上映された記録がある。
 
「七彩の花吹雪」
(1953 / 20分 / 16mm)
監督:西河克己 撮影:高村倉太郎
出演:川路龍子、曙ゆり、小月冴子、南條名美
宝塚歌劇団、日本歌劇団(OSK)と並ぶ日本三大少女歌劇団のひとつ、松竹歌劇団(SKD)の定期公演「第22回東京踊り」の記録。東洋一を誇る浅草の国際劇場の舞台に繰り広げる歌と踊りの一大絵巻。当時、日本情緒溢れる派手なレビューで東京観光の目玉にもなっていた。監督は裕次郎、小百合、百恵などスター主演映画のベテラン西河克己。

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 会員学生・シニア700円

《割引》2プログラム目は200円引き

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。