プログラムPROGRAM

ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク ドイツ三部作
11月3日(土)・4日(日)、9日(金)〜11日(日)
 
1970年代、ニュー・ジャーマン・シネマの時代に発表され、注目を集めたジーバーベルクの「ドイツ三部作」を一挙上映。ナチズムを生み出した近代ドイツを前衛的手法で描き出し、ドイツ国内では激しい議論を呼ぶ一方、国際的な評価を得た作品群である。
 
「ルートヴィヒII世のためのレクイエム」
Ludwig- Requiem für einen jungfräulichen König
(ドイツ/1972/134分/DVCAM上映)
監督・脚本:ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク
撮影:ディートリヒ・ローマン
出演:ハリー・ベア、ペーター・ケルン、ペーター・モーラント、ギュンター・カウフマン
 
バイエルン国王であり、リヒャルト・ヴァーグナーのパトロンとしても知られるルートヴィヒII世(1845-1886)。ヴァーグナーのオペラを髣髴とさせる書き割りセットを背景に、ルートヴィヒII世をめぐる夢幻的な物語が、ヴァーグナーからヒトラーを結ぶドイツ史を照らし出す。既存の映画美学を否定する「未来の音楽としての映画」として制作された「ドイツ三部作」の第一作。
   
「カール・マイ」Karl May
(ドイツ/1974/182分/DVCAM上映)
監督・脚本:ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク
撮影:ディートリヒ・ローマン
出演:ヘルムート・コイトナー、クリスティーナ・ゼーダーバウム、ケーテ・ゴルト、アッティラ・ヘルビガー
ドイツの冒険小説家カール・マイ(1842-1912)の半生を描いた「ドイツ三部作」の第二作。ネイティヴ・アメリカンと白人の友情を描いた「ウィネトウ」を始め、映画化されたマイの小説は多数。ヒトラーも熱烈な愛読者だったと言われる。マイを演じるヘルムート・コイトナーは、40年代から50年代にかけてのドイツを代表する映画作家。クリスティーナ・ゼーダーバウムなど、ナチ時代のスター俳優も出演。
 
「ヒトラー、あるいはドイツ映画」
Hitler – Ein Film aus Deutschland
(ドイツ/1977/410分/DVCAM上映)
第1部「盃」(91分)
第2部「ドイツの夢」(126分)
第3部「冬物語の終わり」(93分)
第4部「われわれ、地獄の子どもたち」(100分)
 
監督・脚本:ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク
撮影:ディートリヒ・ローマン
出演:ハインツ・シューベルト、ペーター・ケルン、ヘルムート・ランゲ、ライナー・フォン・アルテンフェルス
 
「ドイツ三部作」の掉尾を飾る最大の問題作。ヒトラーおよびドイツ史をめぐるさまざまな視覚的、音楽的、言語的要素のシュールレアリスティックな混合。ジーバーベルクの目指す「ブレヒト+ヴァーグナー」の壮大な実験であると同時に、「未来の音楽としての映画」の完成形を模索する。スーザン・ソンタグから「20世紀最高の芸術作品かつ史上最高の映画」と激賞された。
 
 
共催:ドイツ文化センター・大阪、神戸映画資料館
協力:アテネ・フランセ文化センター

《料金》入れ替え制
1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2プログラム目は200円引き

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。