プログラムPROGRAM
2014 3

1928・日本の前衛映画『十字路』
2014年3月8日(土)・9日(日)

「十字路」
(1928/98分[16コマ]/無声/16mm/英語字幕版・日本語投影字幕付)
製作:衣笠映画聯盟、松竹京都撮影所
製作・監督・脚本:衣笠貞之助
撮影:杉山公平 助監督:稲垣浩
照明:内田昌夫 美術:友成用三
出演:千早晶子、阪東寿之助、小川雪子、相馬一平、中川芳江、関操
 
『狂った一頁』を皮切りに1926年から28年にかけ『照る日くもる日』『稚児の剣法』『海国記』『風雲城史』など多数の映画を生み出した衣笠映画聯盟の最後の作品で、チャンバラのない時代劇を目指して作られた画期的な実験映画。衣笠はソヴィエト連邦経由でドイツへフィルムを持参、日本映画で初めてヨーロッパへ輸出された映画として知られるが、今回の上映フィルムは英国映画協会(BFI)が保存する英語字幕付きプリントからの16ミリ・コピーである。
 

《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第8回 サイレント黄金時代とエルムレル

2014年3月22日(土)・23日(日)


写真提供:国立中央映画博物館
(Museum of Сinema, Moscow)

「帝国の破片」ОбломокИмперии
(1929/100分[18コマ]112分[16コマ]/無声/35mm)
ソフキノ・レニングラード
東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督:フリードリヒ・エルムレル
脚本:フリードリヒ・エルムレル、カテリーナ・ヴィノグラーツカヤ
撮影:エヴゲニー・シネイデル、グレープ・ブシュトゥエフ
出演:フョードル・ニキーチン、リュドミラ・セミョーノワ
 
第一次世界大戦で記憶を失った男が、意識を取り戻すと目の前に現れたのは、全く見知らぬ革命政権後の世界であった。ソヴィエト版浦島太郎とも言える物語で、フロイトの精神分析の影響も見られる。ソヴィエト映画サイレント時代の転換期の作品。
 
 
 


写真提供:国立中央映画博物館
(Museum of Сinema, Moscow)

「新バビロン」НОВЫЙ ВАВИЛОН
(1929/102分[18コマ]115分[16コマ]/無声/35mm)
ソフキノ・レニングラード
東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督・脚本:グリゴリー・コージンツェフ、レオニード・トラウベルグ
撮影:アンドレイ・モスクヴィン
出演:エレーナ・クジミナ、ピョートル・ソボレフスキー
 
アメリカ文化の影響を受けた前衛的劇団「フェクス」から映画界に転じ、その後のレンフィルムを担ったコージンツェフとトラウベルグの初期作品。1871年、民衆の蜂起によるパリ・コミューンを舞台に、バリケードを挟んで引き裂かれる恋人たちを描く。
 
 
 
「呼応計画」Встречный
(1932/110分/35mm)
ロスフィルム
監督:フリードリヒ・エルムレル、セルゲイ・ユトケーヴィチ
脚本:レオ・アルンシタム、レオニード・リユバシェフスキー、フリードリヒ・エルムレル、セルゲイ・ユトケーヴィチ
撮影:アレクサンドル・ギンツブルグ、ジョゼフ・マルトス、ウラジーミル・ラポポルト
音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ
出演:ウラジーミル・ガルジン、マリア・プリュメンターリ=タマーリナ、タチヤーナ・グレーツカヤ
 
国が掲げる第1次五カ年計画の早期遂行のため、労働者によって自発的に立てられた高い目標計画(呼応計画)のもと、タービン建設に取り組む労働者たちを、社会主義建設に燃える若者と旧世代の熟練労働者の断絶とともに描くトーキー初期作品。
 
* 「帝国の破片」と「新バビロン」の上映スピードは18コマ(1秒間に進むコマ数)を予定していましたが、試写の結果16コマが適切であると判断しました。それにより上映分数が予定より長くなります。
休憩時間の短縮等の処置でタイムテーブルに大きな変更は無い予定ですが、ご了承ください。
 
主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター、ロシア映画社、国立中央映画博物館、国際交流基金
[関連企画] 3月22日(土)
講演:フリードリヒ・エルムレルとソ連無声映画の黄金時代(1925-1930)
講師:マクシム・パヴロフ(国立中央映画博物館 副館長)
主催:国際交流基金

 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円

《割引》
当日に限り2本目は200円引き


サイレント映画鑑賞会 活弁・生演奏付き バスター・キートン!
2014年3月30日(日) 17:00〜

 
 
 
 
キートンの名作を、活動弁士・大森くみこさんの語りと深海無声團の演奏でお楽しみください。
 
 
 
 
 
 
 
「海底王キートン」The Navigator
(アメリカ/1925/70分/16mm)
監督:バスター・キートン、ドナルド・クリスプ
原作・脚本:ジーン・ハヴェッツ、ジョセフ・A・ミッチェル、クライド・ブルックマン
撮影:バイロン・フーク、エルジン・ レスリー
出演:バスター・キートン、キャサリン・マクガイア、フレデリック・ブルーム、ノーブル・ジョンソン
 
キートンの映画には、船がしょっちゅう登場する。そして、キートンの船はたいてい沈む。順風満帆なんて言葉とは、まるで縁がない。
『海底王キートン』の主役は、漂流する大型船である。映画は、本物の廃船を使って撮影された。キートンの手にかかれば、舞台装置である無機質な船も、立派な「役者」になる。甲板、ボイラー室、デッキなどなど、大型船の「身体」を、笑わぬキートンが縦横無尽にかけまわる。当時としては前代未聞の、決死の水中撮影も見逃せない。船という「役者」からひきだせる最大限の魅力を、キートンは全精力をかたむけて笑いに結びつけたのだ。
大森くみこさんの活弁は、はつらつとしたヒロインとキートンのやりとりが特に面白く、この映画のラブコメ的魅力をも引き出してくれる。進化をつづける《深海無声團》の生演奏も必聴だ。(いいをじゅんこ)
「キートンの鍛冶屋」The Blacksmith
(アメリカ/1922/25分[18コマ]/16mm)
監督:バスター・キートン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス
鍛冶屋の丁稚キートンは失敗続きで親方に怒られっぱなし。そんな彼が一人留守番をすることになり、馬や車を相手に騒動を巻き起こす。

大森くみこ と《深海無声團》
プラネット+1にて 定期活弁上映会が好評のグループ。
 
弁士:大森くみこ
司会、TV、ラジオのリポーターやナレーションに加え、2012年より活動弁士としての活動をスタート。
 
演奏:深海無声團
   藤代 敦(キーボード)
   Momee(パーカッション/トイピアノ)
構成・台本:中崎静秋

 
いいをじゅんこさんの「第7講コメディ学入門 バスター・キートン入門」(3月8日)に続けてお楽しみください。 
 

《料金》2本立て
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1200円 学生会員・シニア会員1000円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。