プログラムPROGRAM
2014 5

福島の3年間──消せない記憶のものがたり
「遺言 原発さえなければ」
2014年5月2日(金)〜4日(日)13:00〜

5月2日(金)上映終了後
初日舞台挨拶:豊田直巳監督
※舞台挨拶後、ロビーカフェでミニトーク
※ロビーカフェのミニトークは1ドリンクをご注文ください

第一章 汚染

第二章 決断

三章 避難

第四章 故郷

五章 遺言
ⓒTOYODA Naomi

「遺言 原発さえなければ」
(2013/225分/HD[ブルーレイ上映])
*途中15分の休憩あり
共同監督:豊田直巳、野田雅也
編集:安岡卓治 編集助手:吉田拓史
編集協力:濵口文幸記念スタジオ
製作助手:片岡和志 音楽:任キョンア
音楽協力:大瀧統丈 ㈱オリホトーン・ミュージック エンターテイメント
助成:高木仁三郎市民科学基金
製作協力:日本ビジュアル・ジャーナリスト協会/国際交流NGO ピースボート/フォーラム平和・人権・環境/原水爆禁止日本国民会議/全日本自治団体労働組合/全日本自治団体労働組合 関東甲地連/生活クラブ生活協同組合
製作:映画『遺言』プロジェクト
劇場宣伝協力:ウッキー・プロダクション
山形国際ドキュメンタリー映画祭 正式出品作品
 
一章 汚染 取り残された住民たち
二章 決断 酪農家人生の崩壊
三章 避難 ご先祖さまを残して
四章 故郷 つなぐ想い
五章 遺言 原発さえなければ

 
福島を描いた
ドキュメンタリー映画の決定版
3時間45分 800日間の記録
苦しみをのり越えて
新たな挑戦が始まる

  
2011年3月12日…
福島第一原発事故の取材現場に駆けつけた二人のフォトジャーナリストは、いち早く撮影を開始。以来、2013年4月まで、その土地の人々とともに過ごした日々を記録し続けた。絶望の淵からの試行錯誤、もがきの中で気づいた家族、仲間、奪われた故郷への思い、そして見えてきた本当に守るべきものの存在…
3年にわたり記録された250時間の映像が、3.11後の今を生きる私たちに問いかけるものとは ──
 
私たちもこの映画を応援しています。
 鎌田慧(ルポライター)
 落合恵子(作家)
 森達也(映画監督/作家)
 高橋哲哉(東大大学院教授)
 吉岡達也(ピースボート共同代表)
 吉岡淳(カフェスロー代表)
 渡辺一枝(作家)
 
[公式サイト]
 
豊田直巳(共同監督/取材・撮影)
1956年生まれ。イラクやパレスチナなどの紛争地を巡り、劣化ウラン弾問題やチェルノブイリを取材。新聞、雑誌やテレビで報道。平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞。近著に『フクシマ元年』(毎日新聞社)、『フォトルポルタージュ 福島 原発震災のまち』(岩波書店)他。
 
野田雅也(共同監督/取材・撮影)
1974年生まれ。チベットの核実験場をはじめアジアの紛争地や災害現場を取材。『正しい報道ヘリの会』では官邸前デモなどを空撮。DAYS JAPAN国際ジャーナリズム大賞特別賞。共著に『3•11 メルトダウン』(凱風社)他。共に日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。

《料金》
一般2000円 学生・シニア1800円 会員1500円
*招待券のご利用不可
*特別鑑賞引換券はご利用になれます

転形期のインディペンデント映画
第3回 キャメラマン・四宮秀俊 小特集
 
5月5日(月・祝)・6日(火・祝)AプログラムBプログラム
5月5日(月・祝)〜11日(日)[水・木休映]Cプログラム
『へんげ』(2011/大畑創監督)、『Playback』(2012/三宅唱監督)、『Dressing Up』(2012/安川有果監督)など、注目のインディペンデント映画を次々と手がけているキャメラマン四宮秀俊。その魅力と幅の広さを存分に感じさせる4作品を上映。

5月5日(月・祝)13:30Aプロ終了後
 トーク:四宮秀俊(予定)・佐藤央

特別上映 5月5日(月・祝)13:00〜
*同日13:30からのAプログラムと併せてご覧になれます。
 
「キャメラマン 玉井正夫」
(2005/22分/DVCAM)
監督・構成・編集:佐藤央
撮影:芦澤明子
企画・制作:玉井正夫さんを記録する会
 
『晩菊』『浮雲』『流れる』などの撮影監督として知られる玉井正夫。2005年の成瀬巳喜男生誕100年に合わせて制作された記録映画。

Aプログラム2本立て
「MISSING」
(2011/55分/HD[ブルーレイ上映])
監督・編集:佐藤央
脚本:小出豊 撮影・照明:四宮秀俊
録音:新垣一平 音楽:近藤清明
美術: 大石佳奈 制作:唐津正樹
製作:神戸映画資料館
出演:土田愛恵、きく夏海、信國輝彦、昌本あつむ、八尾寛将、堀尾貞治
夫と1人息子のヒロと幸せな生活を送っていた清瀬晧子は、軽い気持ちからヒロとの約束を破ってしまう。その日以来、ヒロは二度と帰ってこず、「自分のせいだ」と自らを責める晧子は夫と別れ1人ヒロを待ち続ける。それから5年の月日が過ぎ…。とても大事なものを失ってしまった人々の、その後の物語。
 
 
「わたしたちがうたうとき」
(2010/15分/HD[ブルーレイ上映])
監督・脚本:木村有理子
プロデューサー:田中深雪 撮影:四宮秀俊
録音:黄永昌 編集:平田竜馬
衣装:篠塚奈美 美術:出井奈保
制作:毛塚俊太
製作:経済産業省、公益財団法人ユニジャパン
出演:増田璃子、宇野愛海、利重剛、鈴木卓爾、川崎桜
2012年ソウル国際女性映画祭/あいち国際女性映画祭 正式上映
 
外見も歌声も似たさやかと輝夏。放課後の音楽室で偶然に合唱することで気持ちを通じ合わせる。ある日、さやかは、精神科医の父親の患者が持つ停滞感と社会性の無さに、強い印象を受ける。しかしその患者は、実は輝夏の父親で…。思春期の少女2人の痛々しくも瑞々しい関係を描いた作品。
 
Bプログラム
「Sweet Sickness
 ~スウィート・シックネス~」

(2013/90分/HD[ブルーレイ上映])
監督・脚本・編集:西村晋也
製作:松下順一、沼尻 孝 企画:高﨑正年
プロデューサー:小貫英樹、奥野邦洋
撮影:四宮秀俊 音楽:入江陽 美術:堀内浩一
制作プロダクション:東京レイダース
製作:娯楽TV、ひかりTV
出演:小林ユウキチ、細江祐子、綾見ひかる、片宮あやか、斉藤陽一郎
ロッテルダムCamera Japan Festival 2013正式出品
 
2013年4月に青春Hシリーズ第29弾として公開、レイトショー1週間の小規模公開ながらシリーズ中屈指の傑作と高く評価され、今年2月に渋谷アップリンクで再上映された。
哲哉(小林ユウキチ)と姉の凛(細江祐子)は、両親が亡くなって以来、2人で助け合いながら暮らしていた。ずっとこんな日が続くと哲哉は信じていた。ある日、姉に『結婚して家を出て行く』と告げられるまでは……。
切り詰められた台詞と、研ぎ澄まされた演出。静謐さの中に秘めた熱情を感じさせる演技。そしてすべてを包み込む、柔らかくも冷徹な光を見事に捉えた撮影。低予算映画の過酷な条件下、奇跡的とも言える三位一体が、ここに新たな傑作を誕生させた。これは誰の身にも起りうる普遍的な「愛着と別離」についての映画である。
 
 
関西初上映
Cプログラム
「WHO IS THAT MAN!? あの男は誰だ!?」
(2013/88分/HD[ブルーレイ上映])
制作・脚本・監督:沖島勲 
プロデューサー:横手三佐子
監督補・プロデューサー:西山洋市 
撮影:四宮秀俊 録音・整音:光地拓郎
編集:平田竜馬 音楽:宇波拓
アニメーション:新谷尚之
制作:YYKプロダクション
宣伝・配給:ポレポレ東中野
出演:蒲田哲、内木英二、黒澤正義、石塚義高、植松敦巳、外波山文明、愛奏、中原翔子、岡村多加江、井上カオリ、ほたる、古川真司
 
沖島勲が贈る震災以降の寓話
“自由民主共産あっかんべぇー”政権は、夫の性行為が不足した場合、妻が2人目の夫を持つ事を許可した。続く“お前等アホちゃうか”政権は、これを一気に8人まで引き上げた。放り出された社会的劣者の男達。あわれですねぇ~。更に“何さらしとんねん”政権は、またまた身も蓋もない法案を用意しているらしい・・・解き放たれた女の「性」はどこまで強くなり、置いてけぼりをくらった男の「性」はどこに向かうのか?そんな人間の実在が大きく揺れたとき、荒唐無稽な現実から、アナタは還って来られるか。

WHO IS THAT MAN!? 沖島勲って誰だ!?
1940年生まれ。日本大学芸術学部映画学科在学中より足立正生らと『椀』『鎖陰』を製作。若松孝二や吉田喜重の助監督を務める。若松プロから『ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ(モダン夫婦生活讀本)』(1969)で監督デビュー後、TVアニメ『まんが日本昔ばなし』のメインシナリオライターとして約1230本の脚本を担当。映画監督作品には他に『出張』(1989)、『したくて、したくて、たまらない、女。』(1996)、『YYK論争 永遠の”誤解”』(1999)、『一万年、後‥‥。』(2007)、『怒る西行 これで、いーのかしら(井の頭)』(2009)がある。寡作ながらも、常識にはとらわれない革新的な映画作りで、コアな映画ファンは勿論、新進気鋭の若手芸術家からも賞賛を集める。条理を越えたフィクションで私たちの現実世界を根底から脅かす沖島勲の映画は、最新作『WHO IS THAT MAN!? あの男は誰だ!?』で更なる困惑と過激を極める。
《料金》
一般1400円 学生・シニア1200円
会員1200円 学生会員・シニア会員1000円

《割引》2プロ目は200円引き

ストローブ=ユイレ初期2作品
2014年5月10日(土)・11日(日)
[関連企画] 5月10日(土)
ニュージャーマンシネマと文学──映像とテクスト新たな関係性を探る
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)

 
「妥協せざる人々(和解せず)」
Nicht versöhnt oder Es hilft nur Gewalt, wo Gewalt herrscht
(西ドイツ/1965/55分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:ヴァンデリン・ザハトラー
 
ストローブ=ユイレの監督第2作。副題「暴力が支配するところ、暴力のみが助けとなる」はブレヒトの戯曲『屠殺場の聖ヨハンナ』の一節から取られた。本編はハインリヒ・ベルの長編小説『9時半の玉突き』を原作とし、フェーメル家3代の家族物語の中に20世紀前半ドイツの激動の歴史を描き出す。映画は主にドイツに巣食うファシズムの暴力と市民の抵抗を過激に描き出す。場面や台詞は全てベルの原作から取られたが、この映画化が小説にとってプラスにならぬと判断した著作権者からは映画の破棄を要請されるという騒ぎに発展した。
「花婿、女優そしてヒモ」
Der Bräutigam, die komödiantin und der Zuhälter
(西ドイツ/1968/23分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:ヴァンデリン・ザハトラー
 
ストローブ=ユイレがドイツ滞在中に製作した最後の映画。この後彼らはローマに拠点を移す。本作は3つの部分からなる。最初はランズベルガー通りを移動する車窓の眺めのワンカット。第二にフェルディナント・ブルックナーの戯曲『青年の病気』をストローブが10分間に短縮して演出したアクションテアターの上演。最後は女優とアメリカ人の結婚式と彼女に追いすがるヒモ(俳優)を彼女が厄介払いするまでをフアン・デラ・クルスのテクストによって演じるドラマ。ストローブ=ユイレによる脚色映画の手法のエッセンスを示す一本。
 
作品解説:渋谷哲也
協力:神戸ファッション美術館

《料金》2本立て
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

差別と迫害を告発する問題作
熊井啓監督「地の群れ」
2014年5月16日(金)〜18日(日)
「地の群れ」
(1970/127分/35mm)
製作:えるふプロダクション、ATG
製作:大塚和、高島幸夫
監督:熊井啓 原作:井上光晴
脚本:井上光晴、熊井啓 撮影:墨谷尚之
音楽:松村禎三 美術:深民浩
 
出演:鈴木瑞穂、松本典子、瀬川菊之丞、寺田誠、原泉、奈良岡朋子、佐野浅夫、紀比呂子、北林谷栄、宇野重吉
  
熊井啓──
若干22歳の映画青年は『ひろしま』で映画人生をスタートした。
被爆八年後の広島で不条理を見、
『ひろしま』で映画を学び、
『地の群れ』で日本人の・・・人間を抉った。

          小林一平(映画プロデューサー)
  
『帝銀事件 死刑囚』(1964)、『黒部の太陽』(1968)、『海と毒薬』(1986)などの作品で知られる熊井啓監督が、井上光晴の同名小説を映画化。未開放部落・在日朝鮮人・被爆者・基地を通し「戦後の暗黒」を告発。感傷を拒否した鋭い映像で人間を描く。
佐世保の診療所に、原爆病の疑いがある少女がやってくる。この地の被爆者部落のものと思われることを恐れ、被爆者であることを頑固に否定する少女の母親。そして、未解放部落の出身の医師は、かつて炭坑で冒した罪を背負っていた……。

 
企画・配給:綜映社
協力:小林一平
 

《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員一般1000円 学生会員・シニア会員900円

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。