プログラムPROGRAM

[貸館]知られざるロシア映画 上映とトーク
第一次・第二次世界大戦と映画

2015年3月27日(金)

二つの大戦下、ロシアでは時代がどのように映像化されたのだろうか。
三本の戦争映画を手掛かりに、戦争と映画について考えてみたい。

blily16:30〜『ベルギーの百合』
ヴワジスワフ・スタレーヴィチ(1916/DVD上映/日本語字幕付き)
映画黎明期に、生きているかのような昆虫の動きで人々を驚かせた鬼才のアニメーター、ヴワジスワフ・スタレーヴィチ。代表作昆虫アニメ『カメラマンの復讐』(1912)が有名だが、本作でも、第一次対戦下、ドイツによるベルギー侵攻によって引き起こされた残虐な事件を、森の昆虫の世界に移して描いている。物語の前後に孫娘が祖父から物語を聞く場面が実写で描かれる。

squeen16:45〜『スペードのクイーン』
ヤーコフ・プロタザーノフ(1916/DVD上映/日本語字幕付き)
1910年代にロシア映画の一時代を築いたプロタザーノフが、プーシキンの幻想小説『スペードのクイーン』(『スペードの女王』)の映画化。原作の隠れた背景には戦勝体験として頻繁に想起されたナポレオンとの戦争がある。移動カメラや実験的な照明効果、二重露出などが実験的に取り入れられている。革命後フランスに亡命。のちに帰国し、ソ連SF映画の金字塔『アエリータ』(1924)を制作した。
 
 

shurai18:00〜『襲来』
アブラーム・ローム(1944/DVD上映/日本語字幕付き)
シクロフスキーやオレーシャなど、ソ連文学の巨匠と協働したアブラム・ローム監督が、レオニード・レオーノフの同名戯曲を映画化。
ナチス軍がソ連領土に侵攻、次々占領されていった独ソ戦初期の凄惨な戦争体験を描く。主人公は刑務所から出たばかりの若者フョードル。家族からも仲間からも受け入れられない苦悩を抱えるというソ連文化表象では類を見ない稀有な人物である。
 
 
Pavlov19:50~20:50講演「ふたつの大戦下のロシア・ソヴィエト映画」
講師 マクシム・パヴロフ
(ロシア国立映画博物館元副館長/国際エイゼンシュテイン・センター財団キュレーター)
 
 
 
 
 

参加無料
主催:国際交流基金
   神戸大学大学院国際文化学研究科 研究プロジェクト「映像におけるタブーと美の相克」
連絡先:楯岡 kumi3@kobe-u.ac.jp
協力:神戸映画資料館

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※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。