プログラムPROGRAM
2015 10

ジャック・ターナーの傑作怪奇ノワール
2015年10月3日(土)・4日(日)
「怖いもの見たさ」とは言うが、「怖いもの聞きたさ」とは言わない。やはり怖いものは見るものなのだろう。パリ市民を恐怖のどん底に陥れたファンタスマゴリから今日のJホラーまで、映像の歴史は怪奇の歴史でもある。今回はハリウッド黄金期の怪奇映画から、ジャック・ターナー監督作品を上映する。
 
catpeople02「キャット・ピープル」Cat People
(アメリカ/1942/73分/16mm)
製作:ヴァル・リュートン
監督:ジャック・ターナー
撮影:ニコラス・ムスラカ
出演:シモーヌ・シモン、ケント・スミス、ジェーン・ランドルフ、トム・コンウェイ

造船設計技師のオリヴァーは、セントラル・パークの動物園で黒豹の写生をしていたイレーナと知り合いやがて結婚するが、猫族の末裔という妄想にとりつかれたイレーナは、自分が興奮すると黒豹に変化するのではないかと苦悩しはじめる…。ジャン・ルノワールの『獣人』などフランスでも活躍したシモーヌ・シモンのアメリカでの代表作。ヴァル・リュートンがプロデュースしジャック・ターナーが監督した怪奇映画の第一作。

 

walkedwithzombie01「私はゾンビと歩いた!」I Walked with a Zombie
(アメリカ/1943/63分/16mm)
製作:ヴァル・リュートン
監督:ジャック・ターナー
脚本:カート・シオドマーク
出演:トム・コンウェイ、フランシス・ディー、ジェームズ・エリソン
 
南国カリブ海の国ハイチの農園に招かれた美人看護婦。彼女はそこでブードゥー族の呪いをかけられ生きた屍となって生と死の間をさまよう農園主を見るが…。30年代に流行したモンスター主役の怪奇映画の裏をかいて低予算で製作した『キャット・ピープル』に続くヴァル・リュートン&ジャック・ターナーのゾンビ映画。

 

参考上映(イギリス/95分/16mm)
 

《料金》入れ替え制1本あたり
一般900円 学生・シニア800円 会員800円 学生・シニア会員700円
《割引》当日に限り2本目は200円引き

特別限定上映
「茜色クラリネット」+トーク
2015年10月18日(日)13:30〜

トーク「札幌発!地域映画の可能性」 中島洋シアターキノ代表)

akaneiro01「茜色クラリネット」
(2014/81分/HD[ブルーレイ上映])
監督:坂本優乃 指導監督:早川渉
プロデューサー:久住邦晴、麻生榮一、中島洋
配給:シアターキノ
 
出演:佐藤楓子、佐藤莉奈、森田有紀、永井洸伎、大橋千絵

 
10代の今だからこそ描ける
「信じるチカラ」「夢見るチカラ」

琴似中学3年の茜は夢の世界で、事故で寝たきりになった同級生藍ちゃんの「助けて!」の声を聞く。その頃、琴似の町の異変を聞かされる。それは子どもの姿のまま、大人になってしまう「大人病」。調べるうちに琴似のゆるキャラ「トニ子」が関わっているらしい・・。
藍ちゃんを助けることができるのか、トニ子の正体とは?大人でも子供でもない中間の「いま」だからこそ伝えれるものはなにか。坂本監督率いる中高生達がプロの大人達のバックアップで誕生させた等身大の成長物語。

 
監督は高校一年生!
中高生×映画・演劇のプロ×琴似の地域コミュニティが、
夢の共同制作!

toniko01札幌で6年間続く中学生の映画制作ワークショップは、近年の作品が高く評価され、映画祭や海外でも上映されるほどになった。その集大成として制作された劇場公開長編が本作「茜色クラリネット」だ。札幌の映画・演劇のプロが共同制作、舞台となった屯田兵開拓の歴史がある琴似地区の人々、企業、市民サポーターが全面的にバックアップ、世界でも例のない夢のプロジェクトが実現した。
監督および演出チームを導く指導監督は、カンヌ国際映画祭正式出品「7/25」や、堺雅人主演「壁男」などで知られる札幌在住の映画監督早川渉。大人キャストには、演出家であり、数多くの映画やTVで俳優として活躍する斎藤歩、また躍進目覚ましい劇団yhsの南参や小林エレキが脇を固め、撮影、照明、録音、衣装等スタッフも札幌のCM界のプロが集まり、本格的な劇場公開映画として結実した。

 

[公式サイト]

《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1100円
会員一般:1100円 会員学生・シニア:1000円

神戸が舞台の戦前アクション映画
2015年10月 24日(土)サイレント上映 / 25日(日)生演奏付き上映

国際都市とアクション映画は相性が良い。冒険と秘密が似合うからだろう。19世紀末、舶来の新発明キネトスコープが紹介され、日本映画史の第一歩を刻んだ神戸もまた、長く世界に開かれた港町である。今回は神戸が舞台の戦前アクション映画を二本お贈りする。

「大活劇 爭鬪」
(1924 / 101分[16fps] / サイレント / 35mm)
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター
東亜キネマ(等持院)
監督:金森万象
原作・脚本:壽々喜多呂九平
撮影:大塚周一
出演:高木新平、関操、青山万里子、森静子、荒木忍、松葉文子

 
ニューヨークで知り合った南京鼠のサム、寄席芸人李鵬勝、お花の三人は、李が娘・桃鈴を残した町・神戸にやって来る。サムは李の娘探しを手伝うが、彼女には魔の手が迫りつつある…。サム役の高木新平は旧居留地の大阪商船ビルから神戸オリエンタルホテルに吹き替えなしで飛び移る超絶アクションを見せ、「鳥人」の愛称とともに人気を得た。

 
 
 

ougon03「黄金の弾丸」
(1927 / 89分[16fps]欠落あり/ 染色 / サイレント / 35mm)
東亜キネマ(甲陽)
監督:印南弘 原作:ヘルマン・ランドン
脚本:竹井諒 撮影:小野平一郎
出演:宮島健一、一木突破、大岩栄二郎、千種百合子、中村園枝、島田富美郎、月岡正美

ougon02東亜キネマ甲陽撮影所で製作された探偵活劇。阪神間や神戸のハイカラな都市の情景をふんだんに盛り込み、スリル満点のアクション映画に仕上げたのは当時新進気鋭の監督、印南弘。旧居留地跡でのカーチェイス、逃げる悪党と追う騎馬警官、神戸港船上でのラストシーンなど大正末期のモダニズムを感じさせる逸品。残念ながら全7巻のうち5巻目は欠落。
 

演奏:Momee(トイピアノ、キーボード)
弁士と音楽でサイレント映画を修復・再上映するチーム「深海無声團」のメンバー。今回はソロで即興的な演奏を披露します。

 
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター

《料金》入れ替え制
サイレント上映 一般1200円 学生・シニア1000円 会員1000円 会員学生・シニア900円
演奏付き上映 一般1400円 学生・シニア1200円 会員1200円 会員学生・シニア1100円
*招待券のご利用不可 *当日に限り2本目は200円割引


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。