プログラムPROGRAM

小学校で見た世界の名作アニメーション
2016年4月9日(土)・10日(日)
戦前から学校教育の一環として発展してきた学校映画会は、戦後アメリカ占領下の民主主義啓蒙体制からさらに発展して、全国の小学校で1970年代まで盛んに行われてきた。今回は戦後世代が学校で鑑賞したと思われる漫画映画の中からソ連と韓国の代表的な作品を上映する。中でも『せむしのこうま』は旧版と新版を比較研究できる稀に見る機会である。

semushi_o「せむしのこうま(旧版)」
Конёк-Горбунок (ソ連/1947/57分/16mm/日本語版)
ソ連モスクワ漫画スタジオ
製作:イワン・イワノフ・ワノ
監督:A・スネーシコ・ブロツカヤ、V・グローモフ
原作:ピョートル・エルショフ
19世紀のソビエトの詩人であるピョートル・エルショフが19歳の時に書き、今でも世界中で愛読されている幻想的なロマン溢れる物語が原作。カンヌ国際映画祭特別賞を受賞するなど世界中で大きな反響を呼び、プリントの焼増注文が殺到したため、オリジナル・ネガが痛んで使用不能となってしまったそうだ。ソビエト・アニメの創始者ともいうべきイワン・イワノフ・ワノはこの作品の再生を念じ続け1975年に新版を完成した。残念ながら今回上映するプリントは経年変化で褪色している。

 

semushi_n「せむしの仔馬(新版)」
Конёк-Горбунок (ソ連/1976/74分/16mm/日本語版)
製作:ソユーズムリトフィルム
監督:イワン・イワノフ・ワノ
原作:ピョートル・エルショフ
脚本:イワン・イワノフ・ワノ、アナトリー・ウィルコフ
1976年に完成された新版で、旧版には無いいくつかのエピソードが追加されている。イワンは畠を荒らす金色の馬を捕えて、二頭の黒馬とせむしの仔馬をもらう。火の鳥の羽根を拾った事から、王様に次々と難題をもち出されるが、せむしの仔馬に助けられる。

 

girudon01「少年勇者ギルドン」홍길동
(韓国/1967/75分/16mm/日本語版)
企画:曹奎鎮 監督:申東憲(シン・ドンホン)
脚本:申東雨 動画:白洪起 撮影:朴声勤
音楽:全定根 効果:崔形来
監督の実弟シン・ドンウが描いた漫画「風雲児ホン・ギルドン」をアニメ化した韓国初の長編劇場アニメ。韓国では長らく「幻の作品」となっていたが、神戸映画資料館に残っていた日本語吹替版16mmフィルムと韓国映像資料院が入手した韓国語サウンド・フィルムをもとに韓国語版35mmフィルムが復元され、2008年の資料院新館オープン時にお披露目された。今回の上映はその元になった日本語版。朝鮮王朝時代、名門の一族だったギルドンが義賊となって、不正をはたらく役人を懲らしめる物語。

 

《料金》入れ替え無し(1日通し)
一般1500円 学生・シニア1300円 会員1300円 学生・シニア会員1200円
小学生・中学生・高校生500円 未就学児無料

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。