プログラムPROGRAM

ストローブ監督近作特集
2016年8月13日(土)・14日(日)

レクチャー:ストローブ映画から照射する「ストローブ=ユイレ」
8月13日(土)16:45〜 参加無料
渋谷哲也(ドイツ映画研究)
2006年ダニエル・ユイレが亡くなった後、ジャン=マリー・ストローブは単独監督として次々と短編映画を発表している。それは最高にユニークな映画作家夫妻の創作活動の後奏曲かと思いきや、まったく新しい作家映画の始まりを告げるものだった。今回の上映作品では彼らの旧作の自己引用が、まったくアクチュアルな文脈を獲得している。歴史の位相と現代性との弁証法に徹底的にこだわったストローブの『共産主義者たち』は、ストローブ=ユイレの集大成であると同時に、今までにない若々しい輝きを放つ傑作となっている。

Aプログラム
statue01「ミッシェル・ド・モンテーニュのある話」
Un conte de Michel de Montaigne
(フランス/2013/33分/デジタル[ブルーレイ上映])
監督:ジャン=マリー・ストローブ
撮影:クリストフ・クラヴェール
ソルボンヌ大学北のポール・パンルヴェ小公園にあるポール・ランドフスキ作のモンテーニュの坐像を捉えながら、『エセー』第2巻第6章「実習について」が朗読される。一度しか体験できない生から死への移行を省察する。

 


Normandie01「影たちの対話」

Dialogue d’ombres
(フランス/2014/28分/デジタル[ブルーレイ上映])
監督:ジャン=マリー・ストローブ
撮影:レナート・ベルタ
ストローブ=ユイレが1954年に映画化を構想したという、ベルナノスの1928年の同名小説の一部を映像化した。一組の男女が川辺の木陰で愛の対話を展開する。ノルマンディのフレール近郊で撮影された。フランソワーズ役はコルネリア・ガイサー、ジャック役はベルトラン・ブルデール。


VENISE01「ヴェネツィアについて(歴史の授業)」

À propos de Venise
(スイス/2014/24分/デジタル[ブルーレイ上映])
監督:ジャン=マリー・ストローブ
撮影:クリストフ・クラヴェール
河岸の波と木の枝を映した長廻し2ショットに重ねて、バレスの旅行記「愛と悲しみの聖地」(1903)の一篇「ヴェネツィアの死」第3章「アドリア海の水平線上に漂う影たち」一節が朗読される。最後に『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』(1968)よりカンタータ BWV205のアリア「いかに楽しく笑うや」が引用される。

 

Bプログラム
KOMMUNISTEN01「共産主義者たち」
Kommunisten
(フランス、スイス/2014/70分/デジタル[ブルーレイ上映])
監督:ジャン=マリー・ストローブ
撮影:クリストフ・クラヴェール
マルローの同名小説(1935)に基づく「侮蔑の時代」で始まり、続けてストローブ=ユイレの旧作5本『労働者たち、農民たち』『フォルティーニ/シナイの犬たち』『早すぎる、遅すぎる』『エンペドクレスの死』『黒い罪』からの抜粋で構成される。


Algerie01「アルジェリア戦争!」

La guerre d’Algérie!
(フランス/2014/2分/デジタル[ブルーレイ上映])
監督:ジャン=マリー・ストローブ
撮影:クリストフ・クラヴェール
ある男がもう一人の男を銃で脅しながら、かつてアルジェリア戦争で上官の殺人命令を拒否して上官を殺害し逃亡した顛末を話す。精神分析医ジャン・サンドレットのテクストに基づくシネトラクト(政治ビラ映画)。

 

作品解説:渋谷哲也
協力:アテネ・フランセ文化センター

《料金》入れ替え制
一般:1400円 学生・シニア:1300円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1200円

《割引》当日2プログラム目は200円引き

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。