プログラムPROGRAM

ストローブ=ユイレ
音楽+映画、絵画+映画、そして歴史
2017年2月4日(土)・5日(日)
bach01

レクチャー:音楽+映画、絵画+映画、そして歴史
2月4日(土)16:50〜18:20 参加無料
渋谷哲也(ドイツ映画研究)
ストローブ=ユイレ映画の中でもっともよく知られている『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』の大胆な構成はどれだけ言葉を尽くしても称賛しきれない。歴史の再現ドラマを排しながらバッハという人物の芸術と愛と生涯を見事に浮き彫りにしてゆくからだ。映画(シネマトグラフ)が捉えられるのは事物に過ぎない。ストローブ=ユイレにおいて音楽と絵画は決して映画の中に浸透しない。そして歴史は現在形においてのみ痕跡を示す。そこに秘められた精神性を見出すのはひたすら観客の眼力と聴力に委ねられる。

bach02「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」
Chronik der Anna Magdalena Bach
(1967-68/93分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:ウーゴ・ピッコーネ
出演:グスタフ・レオンハルト、クリスティアーネ・ラング
ストローブ=ユイレが最初に映画化しようとした作品。作曲家J・S・バッハの後半生を二番目の妻の視線から語る。出演者自身によるライブ演奏場面、バッハの自筆譜や手紙、教会や家庭のドラマ場面が交錯し、ドキュメンタリーとファミリーメロドラマの極めてユニークな融合を果たしている。

 

cezanne01「セザンヌ」
Cézanne
(1989/50分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:アンリ・アルカン
詩人ジョワシャン・ガスケによる『セザンヌとの対話』第1章と第3章からセザンヌの言葉が朗読される。映像はセザンヌの絵画が動かぬフレームの中に提示される。そこにジャン・ルノワール監督の『ボヴァリー夫人』と自作『エンペドクレスの死』からの抜粋映像が挟まれる。

 

lothringen01「ロートリンゲン!」
Lothringen!
(1994/21分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:クリストフ・ポロック、エマニュエル・コリノ
「ロートリンゲン」とは「ロレーヌ」のドイツ名である。本作はストローブの生地であるこの地方を巡りながら、様々な風景や歴史的記念碑を捉え、国粋主義的なフランス作家モーリス・バレスの小説『コレット・ボドッシュ』を引用しつつ、決して宥和できないフランスとドイツの関係を語る。

 

作品解説:渋谷哲也
協力:神戸ファッション美術館、アテネ・フランセ文化センター

《料金》入れ替え制
一般:1400円 学生・シニア:1300円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1200円

《割引》当日2プログラム目は200円引き
*招待券のご利用不可

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。