プログラムPROGRAM

連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第2回 ジョン・フォードと西部劇の神話──『駅馬車』をめぐって

2017年6月24日(土)
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)
 
このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。
 
13:30〜 参考上映
「駅馬車」Stagecoach
(アメリカ/1939年/99分/16mm)
監督:ジョン・フォード
製作総指揮:ウォルター・ウェンジャー
原作:アーネスト・ヘイコックス
脚本:ダドリー・ニコルズ
撮影:バート・グレノン、レイ・ビンガー
出演:ジョン・ウェイン 、トーマス・ミッチェル、クレア・トレヴァー、ルイーズ・プラット、ジョン・キャラダイン

 
15:30〜(終了予定17:00) 講座
ジョン・フォードと西部劇の神話──『駅馬車』をめぐって
「古典的完成にまで達したスタイルの成熟を示す理想的な実例」という言葉でアンドレ・バザンが絶賛した、西部劇の代名詞とも言える名作『駅馬車』。完全に低迷していた西部劇を復活させると同時に、ほとんど無名だったジョン・ウェインを一躍スターへと変貌させた、このあらゆる意味で神話的な作品を、西部劇の歴史とジョン・フォードのフィルモグラフィーのなかに位置づけ直し、分析を加えてゆきながら、ウェルズやストローブ=ユイレなどの〈現代的〉作家たちからも絶対的な評価を得ているこの巨匠の魅力に迫る。
 

井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)などの訳書がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」

 

《参加費》 1500円(参考上映付き)

これまでのプログラム|神戸映画資料館

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