プログラムPROGRAM

年別アーカイブ: 2018

神戸クラシックコメディ映画祭2018
1月5日(金)オープニング 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)
1月6日(土)〜8日(月・祝) 会場:神戸映画資料館(新長田)
 

 

 

 

笑わん哉! クラコメ
 
マキノ正博監督の傑作オペレッタ『鴛鴦歌合戦』、ローレル&ハーディの長短編、小悪魔ルイーズ・ブルックス、そして1980年代の傑作サイレント映画『ゆめこの大冒険』と今年も盛りだくさん!

 

 

 

 

Aプログラムモボ・モガに捧げるロマンティック・コメディ

「百貨店」Love’em and Leave’em
(1926/76分/サイレント)
フェイマス・プレイヤーズ・ラスキー
監督:フランク・タトル
出演:イブリン・ブレント、ルイーズ・ブルックス

ニューヨークの大手百貨店を舞台に繰り広げられる無声ロマンティック喜劇。『パンドラの匣』で知られるルイーズ・ブルックスが、渡欧前のハリウッド時代に出演した軽快なコメディのうちの貴重な一本である。ヒロインの妹役を小悪魔的な魅力たっぷりに演じるその圧倒的なオーラをフィルムを通して感じて欲しい。“フラッパーガール”の象徴だったルイーズのヘアスタイルやファッションにも大注目!

 

Bプログラムショートコメディのマエストロ
「メーベルの誤解」Bangville Police
(1913/8分/サイレント)
キーストン・フィルム・カンパニー
監督:ヘンリー・レアマン
出演:フレッド・メイス、メーベル・ノーマンド

「悪太郎」The Goat
(1921/23分/サイレント)
バスター・キートン・プロダクション
監督:バスター・キートン、マル・セント・クレア
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ

「モンティの愛犬騒動」Wedding Bells
(1924/18分/サイレント)
モンティ・バンクス・プロダクションズ
監督:ハリー・エドワーズ
出演:モンティ・バンクス、ルイーズ・カーヴァー

「ちびっこギャングのボクシング」Glove Taps
(1937/10分[短縮版]/サイレント[トーキー無声化])ハル・ローチ・スタジオ
監督:ゴードン・ダグラス
出演:ちびっこギャング

「モーの独裁者時代」You Nazty Spy!
(1940/18分/トーキー)コロンビア映画
監督:ジュールズ・ホワイト
出演:3ばか大将(モー・ハワード、ラリー・ファイン、カーリー・ハワード)

クラコメの大人気プログラムが今年も帰ってくる!今回は1910〜40年代の秀作短編をそろえた。キーストン警官隊が初登場した記念碑的作品『メーベルの誤解』、バスター・キートンの隠れた傑作『悪太郎』。『モンティの愛犬騒動』は戌年にちなんでワンちゃんが最高の演技を見せる。ちびっこギャングのトーキーを無声仕立てにした珍品やチャップリンより早くヒトラーを諷刺した3ばか大将の作品と、クラコメでしか観られない珠玉の短編喜劇が満載!

 

Cプログラム日本の傑作喜劇① 新時代のサイレント喜劇
「ゆめこの大冒険」Yumeko no Daiboken
1987 70分 サイレント
制作:アウトワン
配給:プランセカンス
監督:筒井武文
出演:かとうゆめこ(二役)、すずきやすし

『ゆめこの大冒険』は奇跡のサイレント映画だ。1980年代に本格的な無声長編を制作しえたのは世界的にも稀な出来事だったはず。草創期のスラップスティック喜劇をなぞりつつ、メリエスやルノワール、シュルレアリスムへの目配せも忘れず、それでいてオリジナリティ溢れる痛快な娯楽作。主演のかとうゆめこをはじめ若いキャストたちの疾走感溢れる演技が魅力的だ。今回は染色版を鳥飼りょうのピアノ生伴奏付きで上映する。貴重な機会をお見逃しなく!

 

Dプログラム日本の傑作喜劇② お正月だよ!オペレッタ♪

©日活

「鴛鴦歌合戦」Singing Love Birds
(1939/69分/トーキー)日活
監督:マキノ正博
出演:片岡千恵蔵、ディック・ミネ、志村喬、市川春代

新春の初笑いにふさわしいニッポンの傑作喜劇、ついにクラコメに登場!約80年も前の日本にこんなにオシャレでモダンでハッピーなオペレッタ映画があった!ディック・ミネのバカ殿が歌い踊り、志村喬も負けじと美声を聴かせ、片岡千恵蔵の明朗な美しさが映える。和製コリーン・ムーアと呼ばれた市川春代の愛らしさ。ジャズと時代劇がコラボしたモダン時代劇の傑作!何度も観ているファンも初めて観る若い世代もみんな一緒にハッピーになろう♪

 

 

 

Eプログラムローレル&ハーディのおかしな世界①
ソロからコンビへ サイレントからトーキーへ

「壁紙職人と助手」Paper Hanger’s Helper
(1925/12分/サイレント)
カンバーランド・プロダクション
監督:ワード・ヘイズ
出演:オリヴァー・ハーディ、ボビー・レイ

「完成したみたい」The Finishing Touch
(1928/21分/サイレント)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:クライド・ブルックマン
監修:レオ・マッケリー
出演:ローレル&ハーディ、エドガー・ケネディ

「情けは人の為め」One Good Turn
(1931/20分/トーキー)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジェームス・W・ホーン
出演:ローレル&ハーディ、メアリー・カー

「水よりも濃し」Thicker than Water
(1935/21分/トーキー)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジェームス・W・ホーン
出演:ローレル&ハーディ、ダフネ・ポラード、ジェームス・フィンレイソン

今年のクラコメは「極楽コンビ」ことローレル&ハーディを大特集!彼らこそ“お笑い”コンビのパイオニアにして頂点。ピーター・セラーズやブレイク・エドワーズ、ジェリー・ルイスら多くの喜劇人から尊敬された。特集①は彼らの真骨頂である短編作品を集めた。サイレントのみならずトーキーでも大成功した二人の足跡を楽しんで欲しい。スタン・ローレルとのコンビ結成前にオリヴァー・ハーディが別のコメディアンとコンビを組んだレアな短編も上映する。

 

Fプログラムローレル&ハーディのおかしな世界②
激レア!極楽コンビの長編トーキー

「極楽浪人天国」The Bohemian Girl
(1936/71分/トーキー)
メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
監督:ジェームス・W・ホーン、チャールズ・ロジャース
出演:ローレル&ハーディ、ジャクリーン・ウェルズ

特集①の『水よりも濃し』を最後にローレル&ハーディは短編を卒業し長編喜劇に移行した。今回上映するのはバルフェの歌劇『ボヘミアの少女』を翻案した時代物のオペレッタ。心優しいジプシー二人組をローレル&ハーディが演じている。伯爵家からさらわれた少女との疑似家族ぶりが微笑ましく、少女が歌う名曲「マーブル・ホールズ」もすばらしい。日本ではほぼ上映機会のなかった激レア作品!

 

 

Gプログラム100歳映画・コメディ学入門特別編
「ロイドの猛獣結婚」The Non-Stop Kid
(1918/17分/サイレント)
ローリン・フィルムス
監督:ギルバート・プラット
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ

「成金」
Sanji Goto – The Story of Japanese Enoch Arden
(1918/34分/サイレント/35mm)
東洋フィルム会社
監督:トーマス栗原(栗原喜三郎)
出演:中村洋好、木野五郎、鈴木美代子
東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

トーク
筒井武文
(『ゆめこの大冒険』監督)
いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)

2018年で「100歳」になる映画として、ハロルド・ロイドの初期短編とトーマス栗原監督『成金』を上映する。ハリウッド帰りのトーマス栗原がアメリカ仕込みのスラップスティックを日本映画に移植したのが『成金』である。和製チャップリンこと中村洋好が横浜を疾走する姿と、若きロイドのカラッと明るいドタバタを並べると何が見えてくるだろうか?ゲストに筒井武文監督を迎え、コメディ映画の100年を語り尽くす。

 

Hプログラム8mmワークショップ作品披露上映[無料]
2017年秋のワークショップ《8ミリ映画講座フルコース コメディ編(神戸開港150年記念事業)》にて受講生たちが台本作りからフィルム現像まですべてを手がけた3作品をピアノ生演奏付きで無料上映する。「3分・3カット・無声」の制約の下で試行錯誤を繰り返し、新しい時代の無声喜劇が生まれた。

 

作品解説:いいをじゅんこ
記載以外はすべて16mmフィルムでの上映

活弁+演奏付き上映
1月5日(金)Aプロ 活動弁士:大森くみこ 演奏:鳥飼りょう
ピアノ演奏付き上映

1月5日(金)Hプロ(無料) 6日(土)B、C、Gプロ 演奏:鳥飼りょう
1月7日(日)H(無料)、Eプロ 8日(月・祝)A、Bプロ 演奏:天宮遥

《料金》入れ替え制
活弁+演奏付き上映(5日) 一律1500円 *招待券のご利用不可
演奏付き上映 一般1400円 学生1200円 会員1200円 *招待券のご利用不可
上映のみ 一般1200円 学生1000円 会員1000円
*当日に限り2プログラム目は100円割引

クラコメ新年会
1月5日(金)20:00〜21:30  会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)
映画を楽しんだ後は、1909年建築の洋館・旧グッゲンハイム邸でクラコメ新年会。
DJ:Alimylove (A.K.A.森本アリ|約百年前音楽選集)
FOOD:六甲山系ピカソ
出店:spacemoth(ヴィンテージのポップアップショップ)
会費(軽食付き/ドリンクは別途) 一般1500円 小学生以下500円
* 差し入れ大歓迎
* 20年代風モボ・モガファッションでご来場の方に神戸映画資料館での上映の200円割引券を進呈します。ロイド眼鏡、山高帽子などモボ・モガなりきりを宣言すれば何でもOK! 着物も大歓迎!
予約申し込み
guggenheim2007@gmail.com まで、「クラコメ新年会予約」と、人数、申し込み代表者のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。返信をもって予約完了とさせていただきます。

フライヤーデザイン:萩原小麻紀

主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター


グローカルミーティング「ミャンマー交流会」
~ミャンマーの料理から民主化とロヒンギャ問題までミャンマーの現在の社会を知ろう~

2018年1月14日(日) 11:00〜13:00
 
内容:[料理] ミャンマー料理を作って食べて
   [映写会] オリジナル映像「ミャンマー民主化への道」他
   [おはなし] 現在の社会・生活の簡単な説明など
 
対象:どなたでも
 

《会費》 900円

問い合わせ先:078-646-2070
主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会、ミャンマー関西、神戸映画資料館


大力拓哉&三浦崇志 監督作品
『ニコトコ島』『石と歌とペタ』
2018年1月12日(金)~16日(火)16:00〜

なかなか聞かれへんかったけど、僕ら、どこ向かってるん?

ゆるりゆるりと、無為の時間の中で存在論的な問いをし続ける圧倒的なオリジナリティー
知られざる奇才・[大力拓哉&三浦崇志]の代表作2本がいよいよ一般初公開!

 
2007年のデビュー作『タネ』からコンビを組み、以降旺盛に作品を発表し続けてきた大力拓哉と三浦崇志。
高い評価にもかかわらず国内では映画祭以外ほとんど上映されてこなかった彼らの作品がついに一般上映解禁。世界でも類を見ないオリジナリティを発揮し続けている大力拓哉&三浦崇志の作品は、引き延ばされた無為の時間に遊びながら、「生きる意味とは何か」「死とは何か」という根源的な問いを、いたって軽やかに問い続ける。

 

「ニコトコ島」
(日本/2008/47分/DV[ブルーレイ上映])
監督・脚本:大力拓哉、三浦崇志
音楽:松田圭輔、大力拓哉
出演:松田圭輔、大力拓哉、三浦崇志

イメージフォーラム・フェスティバル2009大賞
第62回ロカルノ国際映画祭(スイス) 招待上映
第47回ヒホン国際映画祭(スペイン) 招待上映

大力・松田・三浦の3人は船に乗る。
船に乗って、彼らは「どこか」へ向かう。
とある島に到着した3人は、どこへ向かうでもなく、
おしゃべりをしながら岩山や森を歩き続ける。
誰か一人が死んでも、彼らは歩き続ける。

しりあがり寿氏等が審査員を務めた「イメージフォーラム・フェスティバル2009」でグランプリに当たる大賞を受賞、第62回ロカルノ国際映画祭にも招待された、彼らの名を世に知らしめた作品。初期作品である『タネ』(2007)や、第4回シネアストオーガニゼーション大阪(CO2)助成作品として製作した『僕達は死んでしまった』(2008)から引き継がれたコントラストの強い硬質なモノクロ映像、計算されたフィックスのロングショット、哲学的な問いをし続けるゆるい大阪弁の対話で構成される、唯一無二の大力拓哉&三浦崇志ワールドの初期集大成である。

 

「石と歌とペタ」
(日本・フランス/2012/60分/DV[ブルーレイ上映])
監督・脚本:大力拓哉、三浦崇志
プロデューサー:岡本珠希(CaRTe bLaNChe)、Dairiki&Miura
音楽:松田圭輔、松永康平、ラシャード・ベッカー、大力拓哉
出演:松田圭輔、大力拓哉、三浦崇志、中尾広道

ローマ国際映画祭2012 招待上映

石と歌とペタの3人は、出会い、一緒に旅をする。
目的地があるから迷う、ということに気付いた3人は、
目的を「いろんなところへ行く」に変更する。
話したり、遊んだり、歌ったり、夢を見たりしながら、
3人の現実と非現実の狭間の旅は、終わることを知らない…

デビュー作からコントラストの強いモノクロの画面にこだわっていた大力・三浦が初めてカラー映像に挑戦した作品。アホな会話の中から本質的な問いを引き出す、独自の世界を展開する。鮮やかなカラーが印象的だが、物語を解体していくような「動き」による遊びも随所に見られ、「ムービー(動画)」の根源的な歓びに満ち溢れている。ローマ国際映画祭に招待され、「CINEMAXXI」コンペティション部門で上映された。

 

→公式サイト
→予告編
 
大力拓哉 三浦崇志
共に1980年大阪府出身。2人は小学校からの幼なじみ。
2007年に『タネ』がイメージフォーラム・フェスティバルにて入賞。第4回シネアストオーガニゼーション大阪(CO2)助成作品として、中編『僕達は死んでしまった』(2008)を製作。同年自主製作した中編『ニコトコ島』は、イメージフォーラム・フェスティバル2009にてグランプリにあたる大賞を受賞、第62回ロカルノ国際映画祭のコンペティション部門「Filmmakers of the Present」に選出される。
翌年制作した、『コロ石』(2010)が、パリのポンピドゥー・センター(国立美術文化センター)で上映。『石と歌とペタ』(2012)は、ローマ国際映画祭「CINEMAXXI コンペティション部門で上映された。その後も毎年新作を製作し、唯一無二の世界を常に更新し続けている。

 

トークイベント
1月13日(土)上映後
大力&三浦監督+豊田香純さん
(神戸元町spacemoth / fripier ZOETROPE店主)

《料金》 2本セット
一般:1700円 学生:1400円 シニア・高校生以下:1100円 会員:1100円
*初日サービスDAY 一律1100円


新東宝ピンク映画
ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.1

2018年1月20日(土)・21日(日)

フィルムによる映画製作・配給がほぼ終焉を迎えつつある今、長年低予算による製作をおこなって数々の才能を輩出した成人映画(ピンク映画)の世界も例にもれず、フィルムでの配給も倉庫における保管もカウントダウンがはじまっています。
「ラスト・フィルム・ショー in 神戸」では、ピンク映画の老舗・新東宝映画の、なかでも21世紀にはいってピンク映画デビューした「新人監督」の作品にスポットを当て三ヶ月、三回にわたり特集上映を行います。

 

「人妻ブティック 不倫生下着」
プリントタイトル「人妻・未亡人 不倫汗まみれ」
(2002/62分/35mm)新東宝映画
監督・脚本:佐藤吏 撮影:飯岡聖英
音楽:大場一魅 編集:酒井正次
助監督:小川隆史
出演:沢木まゆみ、松田信行、ゆき、岡田智宏、なかみつせいじ、佐々木基子

君枝は心臓の弱い夫健治の代わりに働いて家計をまかなっている。一方で心の隙間を埋めるようにセールスマン佃と関係をもっていて…。人生の影の部分も描きながら揺れる若妻の心に鮮やかな光をあてた佐藤吏監督2002年のデビュー作。Vシネで人気だった沢木まゆみが好演。

 

「未亡人教授 白い肌の淫らな夜」
プリントタイトル「未亡人教授 年下の愛人」
(2004/61分/35mm)新東宝映画
監督・脚本:小泉剛 撮影:田宮健彦
美術:小島伸介 音楽:鈴木ミワ
助監督:松本唯史
出演:佐々木麻由子、松重伴武、谷川彩、北川明花、伊藤猛、大槻修治

家業の酒屋を手伝う時男は高校時代の同級生の母で大学教授をしている綾子と久しぶりに再会して心をひかれる。「未亡人もの」でありながら青春ストーリーでもあるというしなやかな二重性がスリリングな小泉剛監督のデビュー作。本企画中唯一人の向井プロ(獅子プロ)出身監督。

 

「色情団地妻 ダブル失神」
(2006/64分/35mm)国映・新東宝映画
監督:堀禎一 脚本:尾上史高、堀禎一
撮影:橋本彩子 照明:山本浩資
音楽:網元順也
出演:葉月螢、牛嶋みさを、冴島奈緒、チョコボール向井、加藤靖久、安奈とも

元プロボクサーで取り立て屋をやっている夫とその妻、そして夫がプロレスラーの夫婦…。生活苦と不倫のためにひび割れてゆく夫婦関係を2003年デビューし、2017年7月に惜しまれながら急逝した堀禎一監督が丁寧に描出。もろくもしたたかな絆で結ばれた夫婦の姿を通して時代の混沌とした不気味さが浮き彫りになる。

 

協力:ぴんくりんく

1月20日(土)
『未亡人教授 白い肌の淫らな夜』上映後舞台挨拶 小泉剛
(監督)
『色情団地妻 ダブル失神』上映後ミニトーク ほたる(葉月螢)

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》
当日2本目は100円引き


『スティールパンの惑星』
2018年1月26日(金)〜30日(火)

 

世界には
まだ私たちの知らないパラダイスがある
そしてそこには音楽がある

 
一見摩訶不思議な楽器、スティール・ドラムの誕生、この楽器がトリニダードの社会で今も持ち続ける地位、毎年開催される大会の熾烈な競争、その大会に無謀にも参加する若い日本人女性の存在等々、一部再現ドラマを含むちょっと変わり種のドキュメンタリーですが、とても興味深い作品です。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

 

 

「スティールパンの惑星」
PAN! OUR MUSIC ODYSSEY
(トリニダード・トバコ/2015/80分/ブルーレイ上映)
監督:ジェローム・ギオ&ティエリー・テストン
脚本:キム・ジョンソン
プロデューサー:ジャン・ミッシェル・ジベ
音楽ディレクター:ティエリー・プラネル
録音プロデューサー:渡辺洋一
キャスト:レイ・ホルマン、アンディ・ナレル、レン“ブグジー”シャープ、レナルド“レッド”フレドリック、エヴァ・ゴールドスティーン、二ノ宮千紘、ジョバンニ・クレアモント

カーニバルの熱狂と興奮
カリブ海最南端のちっぽけな島
トリニダード・トバゴで生まれた世界で一番新しい楽器 スティールパン
その創世と今を、時空を超えて描く ドキュメントドラマ

ドラム缶を盗んでゲットーまでの坂道を駆け戻った音楽が好きすぎる少年たちの冒険からすべてははじまった
1940年代、イギリスの植民地、アメリカの軍事基地だった島
スティールパンは貧困と抑圧のなかから生まれた
アフリカのドラムは禁止されていた
それでも音のでるものならなんでも、叩いて叩きまくる
そのリズムへの情熱が まったく新しい楽器を作りだした

暴力と抗争の時代を生きたレジェンドたちの
貴重なインタビューが
なぜこの楽器が生まれなければならなかったかを語る

そして今、スティールパンはピース&ラブのシンボルになった世界一を決める大会、パノラマで150を超えるバンドが競いあう
120人編成のオーケストラがひとつになる夜
そしてたった一曲のために世界中からプレイヤーたちが集まってくる
8分間のなかに永遠を探すために
アメリカ、フランス、日本、そしてトリニダードから。
スティールパンに魅せられはじめてパノラマに参加するプレイヤーたちを追いかけるドキュメントのなかで
現在と過去が交錯する

誰もレゲエミュージックを知らなかった時にやってきた映画
ハーダー・ゼイ・カムやロッカーズのように
この映画は新しい扉をあけるだろう

 

→公式サイト

ミニライブ&トーク付き上映
1月27日(土)・28日(日)13:30〜、15:30〜

ゲスト:安里圭一郎(スティールパン奏者)
《料金》 映画鑑賞料込み
一般:2000円 学生:1700円 高校生以下:1000円 シニア:1400円 会員:1300円

《料金》映画鑑賞料
一般:1700円 学生:1400円 高校生以下:800円 シニア:1100円 会員:1000円
*初日サービスDAY 一律1100円
*26日(金)、29日(月)各回上映後、安里圭一郎氏による解説あり

*予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、ご希望の日時、人数、申し込み代表者のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。


新東宝ピンク映画
ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.2

2018年2月3日(土)・4日(日)

3回シリーズの「ラスト・フィルム・ショー in 神戸」の第2回。
フィルムによる映画製作・配給がほぼ終焉を迎えつつある今、長年低予算による製作をおこなって数々の才能を輩出した成人映画(ピンク映画)の世界も例にもれず、フィルムでの配給も倉庫における保管もカウントダウンがはじまっています。ピンク映画の老舗・新東宝映画の、なかでも21世紀にはいってピンク映画デビューした「新人監督」の作品にスポットを当てた特集上映。

 

「妻たちの絶頂 いきまくり」
(2006/62分/35mm)新東宝映画
監督・脚本:後藤大輔 プロデューサー:池島ゆたか 撮影:飯岡聖英 助監督:伊藤一平
出演:千川彩菜、吉岡睦雄、結衣、柳東史、なかみつせいじ、佐々木基子

ピンク映画監督の伸輔は別れた妻時雨との物語を映画にしようと計画するが、結核だった妻の療養に生涯を投じた叔父の物語と自身の物語が脳裏で交錯し…。後藤大輔監督が現実とも幻想ともつかない複数の物語=時間を多元的に構成。アヴァンギャルドかつ自伝的要素が濃厚な異色作である。

 

「裸の女王 天使のハメ心地」
プリントタイトル「裸の牝たち 見られていっちゃう」
(2007/62分/35mm)新東宝映画
監督:田中康文 脚本:福原彰 撮影:小山田勝治 音楽:大場一魅 助監督:中川大資
出演:青山えりな、結城リナ、サーモン鮭山、田中繭子、岡田智宏

マリとリンは幼なじみのストリッパーである。客の隆夫に求愛されたマリは彼の実家が大金持ちと聞いて結婚を承諾するが…。「紳士は金髪がお好き」をストリッパーの世界に置きかえたような気軽に楽しめるコメディ作品。本作が2作目となる田中康文監督が堂々たる娯楽作に仕上げた。

 

「うずく人妻たち 連続不倫」
プリントタイトル「今ここで抱いて、主人が寝てる間に…」
(2006/62分/35mm)新東宝映画
監督・脚本:福原彰 プロデューサー:深町章 撮影:清水正二 音楽:大場一魅
出演:佐々木麻由子、岡田智宏、里見瑤子、中村方隆、美月ゆう子、なかみつせいじ

年下の俊夫との不倫旅行の最中に小学生の娘が交通事故で死んでしまった光江。十二年後、彼女はひょんなきっかけで俊夫と再会するが…。新東宝映画社員でもある福原彰監督デビュー作。「よろめきドラマ」の極北ともいうべきスタイルと内容で密度の濃い映画的時間を現出させている。

 

協力:ぴんくりんく

2月3日(土)
『うずく人妻たち 連続不倫』上映後ミニトーク
ゲスト:福原彰
(監督) 聞き手:太田耕耘機(ぴんくりんく)

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》
当日2本目は100円引き


〈映画とトークのコラボレーション〉
東日本大震災から7年──いま、コミュニティのかたちを考える
ドキュメンタリー映画『まだ見ぬまちへ〜石巻・小さなコミュニティの物語〜』

2018年2月23日(金)〜27日(火)
 
わたしたちが大きな災害に襲われたとき、人と家族が再生の拠り所としたのはコミュニティでした。
復興まちづくりに求められたのもコミュニティの在り方でした。東日本大震災7周年、阪神大震災から23年。
両震災で被災者として支援者として研究者として活動された5氏の参加をいただき、映画とトークのコラボレーションで、くりかえし、コミュニティのかたちを考えます。
 

「まだ見ぬまちへ〜石巻・小さなコミュニティの物語〜」
(2018/145分/ブルーレイ上映)
製作:映画「まだ見ぬまちへ」の会
監督・製作:青池憲司 撮影:一之瀬正史 編集・構成:村本勝 整音・録音:黄永昌 
録音・撮影:山田武典 音楽:原公一郎 語り:黒田福美

この映画は、地震と津波で壊滅的な被害を受けた、宮城県石巻市門脇・南浜・雲雀野地区の「人とコミュニティの再生」を6年半にわたって記録した作品です。同地区は、震災前は1772世帯(4423人)が住んでいましたが、津波の被害が軽微ですんだのは10数世帯のみでした。その人びとは、被災直後から寄り合って自律と共助の暮しを始めました。しかし、土地区画整理事業や高盛土道路、防潮堤の建設など大工事は進行しますが、日常生活に必要なインフラはなかなか整備されません。居住環境が整わない地域の暮しをどう支えるか。高齢者のケアは? 新しい住民とのコミュニケーションは?
本作品は、一被災地の非常時のコミュニティ活動の記録であるとともに、そのテーマは、平時の地域社会づくりにも通ずる普遍性をもっています。

 

トーク 青池憲司(監督)とゲストが語り合います。
無料(当日の映画鑑賞者対象) 各45分(予定) 
[ゲスト]
2月23日(金) 小林郁雄(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 上級研究員)
24日(土) 近藤民代(神戸大学大学院工学研究科准教授)
25日(日) 室崎益輝(神戸大学名誉教授)
26日(月) 河合節二(野田北部まちづくり協議会代表理事)
27日(火) 和田幹司(1.17 KOBEに灯りをinながた実行委員長)

→公式サイト
→Facebook

《料金》
一般:1700円 学生:1500円 高校生以下:1000円 シニア:1100円 会員:1000円
*初日サービスDAY 一律1100円

協力:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


公開研究会
[貸館]映画から見る神戸とひょうご

2018年3月3日(土) 13:00〜17:00

13:00〜14:30
地域映像(ホームムービー)と絵葉書から見る神戸の映画史

石戸信也(絵葉書研究者、元県立博物館員、兵庫県立西宮高等学校)
地域映画史研究において、ホームムービーや絵葉書などの映像・画像アーカイブは私たちに新たな視点を提供してくれる。神戸の歴史に精通した絵葉書研究者の立場から、表象された戦前の神戸の景観や劇場街のイメージのなかに、都市の記憶を読み込んでゆく。

14:45〜15:30
昭和前期の神戸・兵庫における映画興行の独自性

上田学(神戸学院大准教授)
本発表は、西脇寿座資料(早稲田大学演劇博物館所蔵)等にもとづき、1930年代から1940年代前半にかけての昭和前期における神戸・兵庫の映画興行を取り上げ、その地域的な独自性を考察するものである。

15:45〜17:00
ミニシアターの時代から現代へ:1980年代以降の神戸の映画上映

田中晋平(神戸映画保存ネットワーク客員研究員)
映画産業の斜陽化が進み、映画館が街から姿を消していった時代を経て、神戸では映画の上映空間と作品の多様性がどのように確保されてきたかを考える。また、小山康之氏から現在に至る神戸の映画館文化について伺う。

トーク・小山康之(パルシネマしんこうえんオーナー) 聞き手・田中晋平

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

共催:神戸大学地域連携事業「映像を媒介とした大学とアーカイブの地域連携」、神戸学院大学人文学部研究推進費「神戸映画資料館所蔵ノンフィルム資料を用いたプラクティス研究」、早稲田大学演劇映像学連携研究拠点平成29年度公募研究「演劇博物館所蔵の映画館資料に関する複合的カタロギング」


公開研究会
[貸館]地域と映像アーカイブ
2018年3月4日(日) 10:30〜17:30

神戸映画資料館で毎年3月に実施してきた地域映像とアーカイブに関する研究会は、今年で5回目になります。今回は原田健一・水島久光編『手と足と眼と耳 地域と映像アーカイブをめぐる実践と研究』(学文社、2018年)の出版を記念して、執筆者たちによる熱い議論が繰り広げられます。詳細は神戸映画資料館HPでお知らせします。

10:30〜
イントロダクション

水島久光(東海大学)

10:45〜11:55
コミュニティの映像

水島久光、原田健一(新潟大学)

13:00〜14:15
若手研究者からのコメント

映画:羽鳥隆英(新潟大学) 写真:林田新(京都造形芸術大学) 放送:飯田豊(立命館大学)

14:15〜15:00
共同執筆者からのコメント

松谷容作(同志社女子大学)、石田佐恵子(大阪市立大学)

15:30〜16:15
編者からのコメント

水島久光、原田健一

16:15〜17:30
全体ディスカッション

司会:北村順生(立命館大学)
登壇者:羽鳥隆英、原田健一、水島久光、板倉史明(神戸大学)など
*追加登壇者はHPでお知らせします

17:30
閉会

原田健一

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

共催:神戸大学「地域連携事業」、新潟大学地域映像アーカイブ研究センター


新東宝ピンク映画
ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.3

2018年3月17日(土)・18日(日)

フィルムによる映画製作・配給がほぼ終焉を迎えつつある今、長年低予算による製作をおこなって数々の才能を輩出した成人映画(ピンク映画)の世界も例にもれず、フィルムでの配給も倉庫における保管もカウントダウンがはじまっています。
ピンク映画の老舗・新東宝映画の、なかでも21世紀にはいってピンク映画デビューした「新人監督」の作品にスポットを当てた特集シリーズ「ラスト・フィルム・ショー in 神戸」最終回。
 

「紅薔薇夫人」
 
(2006/70分/35mm)団鬼六、アートポート、日活、新東宝映画
監督・脚本:藤原健一 原作:団鬼六 撮影:中尾正人 照明:小川満 編集:金子尚樹
出演:坂上香織、大沢樹生、津田寛治、永瀬光、黒田瑚蘭、勝矢秀人

原作者団鬼六が生前もっとも愛着があったとされる原作小説をピンク映画の枠をはるかに超えた豪華キャストによって映画化。怨恨と劣情が妖奇な花を咲かせる嗜虐の美の世界。SM好きならずとも必見の問題作。藤原健一監督は2002年にピンク映画デビュー、一般映画・Vシネで活躍中。
 

「おんなたち 淫画」
 
(2007/63分/35mm)国映、Vパラダイス、新東宝映画
監督:大西裕 企画:朝倉大介 脚本:西田直子、加東小判 撮影:田宮健彦 助監督:海野敦
出演:吉岡睦雄、宮崎あいか、花村玲子、川瀬陽太、羅門ナカ、伊藤猛

一人の男と二人の女のどうにもならない三角関係をリアリズムと超現実的手法をとりまぜて描いた映画の迷宮。現段階で新東宝配給による最後の新人監督デビューとなる大西裕監督作品。独特なイメージ=映像スタイルと監督自身を重ねたようなユニークな主人公像が光る一篇。
 

「妖女伝説 セイレーンX 〜魔性の誘惑〜」
 
(2008/65分/35mm)竹書房、新東宝映画
監督:城定秀夫 脚本:高木裕治、城定秀夫 撮影:田宮健彦 編集:酒井正次 録音:シネマサウンドワークス
出演:麻美ゆま、松浦祐也、日高ゆりあ、中村英児、那波隆史

往年の大ヒットVシネを自由に翻案し映画化。一般映画・Vシネなど多方面で活躍中の城定秀夫監督がその手腕を存分に発揮し、70年代の東宝ホラー映画を彷彿とさせる吸血鬼物語を現代に蘇らせた。AV界のトップアイドルでがん克服でも話題になった麻美ゆまが女吸血鬼を熱演。

 

協力:ぴんくりんく

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》
当日2本目は200円引き
《プレゼント》
「新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.3」上映の3月17日・18日に1日2作品以上(『名前のない女たち うそつき女』含む)のご鑑賞者、1日10名様、合計20名様にピンク映画月刊誌「ZOOM-UP」80年3月号をプレゼント(提供:ぴんくりんく)


『名前のない女たち うそつき女』
2018年3月16日(金)〜20日(火) 17:10〜

「名前のない女たち うそつき女」
(2018/86分/ブルーレイ上映)
監督:サトウトシキ 原作:中村淳彦 脚本:加瀬仁美
撮影監督:小川真司 録音:岩間翼 助監督:大城義弘
音楽:入江陽 ラインプロデューサー:川上泰弘
プロデューサー:森原俊朗、小林良二、橘慎
制作会社:ソリッドフィーチャー
配給・宣伝:渋谷プロダクション
製作:「名前のない女たち うそつき女」製作委員会(オデッサエンタテイメント・渋谷プロダクション) 

出演:吹越満、城アンティア、円田はるか、笠松将、小南光司、吉岡睦雄、クノ真季子、不二子、川瀬陽太、飯田圭子、影山祐子、橘メアリー、辻やすこ、中村高華、稲生恵、高橋里恩、咲良七美、原口夏穂里、安部智凛、今岡瑛子、鈴木菜絵、いまおかしんじ、櫻井拓也

 

累計売り上げ数40万部を突破した
中村淳彦著「名前のない女たち」シリーズの
最新刊「名前のない女たち 貧困AV嬢の独白」を
完全映画化。

いまや社会問題化しているAV業界の中で生きる男と、企画AV女優として生きる女性。そこに関わる者たちの生々しい青春群像劇。
主演のルポライター志村役を演じるのは名優で名高い吹越満。企画AV女優の葉菜子役を演じるのは多摩大初代ミスコングランプリを経てモデル・女優活動をしている城アンティアと、葉菜子の妹明日香役にアイドルグループCANDYGO!GO!の元メンバー円田はるかがハードな濡れ場に初挑戦。若手実力派の笠松将、小南光司。そしてクノ真季子、吉岡睦雄、不二子、川瀬陽太が脇を固める。監督はピンク四天王のサトウトシキが務める。

 

→公式サイト

《料金》
一般:1700円 学生:1000円 シニア:1100円 会員:1000円
*初日サービスDAY 1100円
《プレゼント》
「新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.3」上映の3月17日・18日に1日2作品以上(『名前のない女たち うそつき女』含む)のご鑑賞者、1日10名様、合計20名様にピンク映画月刊誌「ZOOM-UP」80年3月号をプレゼント(提供:ぴんくりんく)


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。