プログラムPROGRAM

[貸館]木村卓司監督最新作ワールドプレミア
『コノエイガヲハカイスルトイウコト』
2018年5月19日(土)17:00開演(16:45開場)

『コノエイガヲハカイスルトイウコト』
(2017/60分/DVD上映)監督:木村卓司

ウルトラダイナミックな世紀の映画解体ショー。
この映画で無を跳躍し見た事のない遥かな地平を目指そうとしました。
無の超越は可能なのか。原生起的発生論的動態の出現なのか。

木村卓司の映画はキャメラを向けることがそのまま視覚的アイデアの発見であり、アイデアの発見と同時に映画が立ち上がるのである。この直接性こそが彼が言う「映画の本質」なのだと思う。大概の映画は事前にアイデアがあり、モロモロの準備を経てやっとキャメラが回り、あらかじめ用意されたアイデアが果たして発見たり得えたのかどうかジャッジされる。かかる工程は絶えず「映画の本質」の脅威に晒されているといえる。木村卓司が構えたキャメラはその動き自体が映画の運動であり、運動こそが物質界の相貌を露わにし、それはキャメラを通してしか見出されないもので、「天啓」とはそういうものだと彼は言っている。瞬時に訪れた、いかなる予断も許さない「発見」こそが「思考」であり、終幕近くに告げられる「思考に神は宿る」の実証を我々は見ているのだ。この極限的な直接性、本質性を前にして我々が普段、映画だと思っているものは存立の根拠を奪われる。自らの本質が自らを無に帰す矛盾こそが映画の生成であることを木村卓司の映画は突きつけ続けるのである。
  高橋洋(脚本家・映画監督)

上映後トーク
木村卓司
(監督)+アンドーミチタカ(漫画家)
 
《料金》 1400円
主催:木村卓司

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