プログラムPROGRAM
2018 9

続・新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.3
“A History of Pink~昭和から平成へ~”

2018年9月1日(土)・2日(日)

“A History of Pink~昭和から平成へ~”と題し、昭和40年代から平成にかけて製作された作品群、とくに今年のベルリン映画祭で特集が組まれた国映の朝倉大介プロデュース作品を軸にシリーズでお届けする。

今回は高橋伴明監督の傑作『歓びの喘ぎ 処女を襲う』と、新東宝映画創立30周年を記念し製作された瀬々敬久脚本、ベテラン深町章監督『ニッポンの猥褻』の2作品。

 

「歓びの喘ぎ 処女を襲う」
(1981/62分/35mm)新東宝映画
監督・脚本:高橋伴明 撮影:長田勇市
照明:礒貝一 音楽:しつきよしかず
出演:下元史朗、山地美貴、今泉洋、忍海よしこ、水月円

都会の生活に絶望した佐伯は父の死を知って故郷の漁村に帰郷する。しかしそこに待っていた現実は…。工場排水による公害被害、近親相姦といったショッキングな題材を見事に描き切った若き高橋伴明監督の傑作。「兄貴の嫁さん」にも出演した山地美貴の演技が涙を誘う。

 

「ニッポンの猥褻」
(1993/57分/35mm)新東宝映画
監督:深町章 脚本:瀬々敬久 撮影:稲吉雅志
照明:渡波洋行 編集:酒井正次
出演:久保新二、橋本杏子、石川恵美、平賀勘一、アイリーン、岸加奈子、林由美香、清水大敬

87才の自称「性学者」の生涯と明治から大正、昭和へと変遷していく時代を描きつつ日本における「ワイセツ」とは何かを問う! ユーモアと本気が混交する新東宝映画創立30周年記念の意欲作。現在監督として大活躍の瀬々敬久の脚本をピンク界の大御所深町章監督&久保新二主演で映画化。

 

協力:ぴんくりんく

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》当日2本目は200円引き
《プレゼント》1日2作品以上のご鑑賞者に、ピンクリンク編集部による冊子「ピンク全新作 2002-2003」、またはピンク映画月刊誌「ZOOM-UP」80年3月号(再入荷)、または新東宝ピンク映画ポスターをプレゼント。いずれも無くなり次第終了。[提供:ぴんくりんく]


[貸館]故川本年邦氏遺贈資料特集
-幻灯と映画:知られざる非劇場映写文化-

2018年9月8日(土)

 
東京都大田区出身の川本年邦さんは、陸軍少年航空兵として立川基地で敗戦を迎え、復員後は家業の大工として働くかたわら、地元の子どもたちのために「前之浦子どもセンター」を実家の一隅で開催し、お風呂の開放や、読書・勉強会、幻灯と映画の映写などのさまざまなレクリエーション活動などを行ってきました。1998年に川本さんは福島県浪江町に移住し、山中での自給自足の生活を始めますが、2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により、自宅付近が放射線量の高い計画的避難区域に指定されたため、避難生活を余儀なくされた川本さんは、同じく避難生活を送る子どもたちや高齢者のために、避難所や仮設住宅の集会所などで、長年愛用してきた幻灯機と幻灯フィルムによる映写活動を続けました。
川本年邦さんは2016年春に逝去され、占領期以来長年にわたって活用されてきた幻灯機と幻灯及び映画のフィルムは、ご遺族から神戸映画資料館に寄贈されました。今回は遺贈資料のうち、映写可能なフィルムを上映し、知られざる昭和期の非劇場スクリーン映写文化の貴重な資料をご紹介します。

 

映画上映 13:30〜
『まんが太郎』(東映教育映画部、1958年)
監督:津田不二夫
川本年邦氏の遺品に唯一含まれていた16mm映画フィルム。実家のある大田区教育委員会から寄贈されたという。マンガが大好きな小学生の太郎君が、マンガ読みたさに非行に走りかけるが、先生と友達の助けによって読書好きの少年として更生するという物語。少年少女マンガ雑誌が月刊から週刊へと本格的に移行しようとするマンガ文化の爆発的な発展期に、「教育」側の視点から見たマンガと読者の関係が映し出される点でも興味深い。
 

幻灯上映 14:00〜
『カナリヤ』(1947年頃)
製作:光画図書研究所 作:中山侑 繪:石田一良
植民地台湾で活動した文学者の中山侑が、戦後に内地に引揚げた直後に台本を執筆したと思しき知られざる幻灯作品。フィルム及び説明台本に製作年の記載はないが、製作元の光画図書研究所(現在の東京光音)は1947年に設立、翌48年5月に社名を「東京光音研究所」と改めているため、おそらく1947年から48年春までの間に製作されたものと考えられる。

『デブ君とヒョロ長君の防犯』(1949年以前)
製作:警視庁防犯課 原作:野辺愛之助 作画:村田亨
警視庁防犯課の製作による、家庭での防犯の心がけを呼びかける社会教育幻灯。フィルム及び説明台本に製作年の記載はないが、「L.」で始まる占領当局の検閲記号が付されているため、検閲が実施されていた1949年以前に発売された幻灯と考えられる。作画者の村田亨は戦前から教育紙芝居運動にも携わっていた人物だが、本作では異様にデフォルメされたデブ君ヒョロ長君のキャラクターが強烈である。

『胡桃割り人形』(1949年以前)
製作:小西六写真工業株式会社 原作:ホフマン 作画:清水崑
小西六写真工業株式会社(現コニカミノルタ)は、自社製のさくらカラーフィルムを使用した幻灯シリーズ「コニグラフ」を販売していたが、本作はその初期の作品で、「L.」で始まる検閲番号が付されているため、1949年以前の占領期に発売されたものと考えられる。ホフマンの原作を、漫画家清水崑の作画により幻灯化しており、バレエの華やかなイメージとはまた異なる、きわめて個性的な絵柄が印象的である。

その他、参考上映あり

幻灯口演:鷲谷 花

 
レクチャー 14:40〜(終了予定15:00)
「川本年邦氏の幻灯上映活動と寄贈資料について」(仮)
鷲谷 花
(大阪国際児童文学振興財団特別専門員)

 

《参加費》無料

主催:JSPS科研費共同研究18K02022「近現代日本の社会運動組織による「スクリーンのメディア」活用の歴史・地域的展開」(研究代表者:鷲谷花)



神戸スティールパンカーニバル2018連携企画
『スティールパンの惑星』アンコール上映
2018年9月15日(土)〜17日(月・祝)

 

世界には
まだ私たちの知らないパラダイスがある
そしてそこには音楽がある

 
一見摩訶不思議な楽器、スティール・ドラムの誕生、この楽器がトリニダードの社会で今も持ち続ける地位、毎年開催される大会の熾烈な競争、その大会に無謀にも参加する若い日本人女性の存在等々、一部再現ドラマを含むちょっと変わり種のドキュメンタリーですが、とても興味深い作品です。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

 

 

「スティールパンの惑星」
PAN! OUR MUSIC ODYSSEY
(トリニダード・トバコ/2015/80分/ブルーレイ上映)
監督:ジェローム・ギオ&ティエリー・テストン
脚本:キム・ジョンソン
プロデューサー:ジャン・ミッシェル・ジベ
音楽ディレクター:ティエリー・プラネル
録音プロデューサー:渡辺洋一
キャスト:レイ・ホルマン、アンディ・ナレル、レン“ブグジー”シャープ、レナルド“レッド”フレドリック、エヴァ・ゴールドスティーン、二ノ宮千紘、ジョバンニ・クレアモント

カーニバルの熱狂と興奮
カリブ海最南端のちっぽけな島
トリニダード・トバゴで生まれた世界で一番新しい楽器 スティールパン
その創世と今を、時空を超えて描く ドキュメントドラマ

ドラム缶を盗んでゲットーまでの坂道を駆け戻った音楽が好きすぎる少年たちの冒険からすべてははじまった
1940年代、イギリスの植民地、アメリカの軍事基地だった島
スティールパンは貧困と抑圧のなかから生まれた
アフリカのドラムは禁止されていた
それでも音のでるものならなんでも、叩いて叩きまくる
そのリズムへの情熱が まったく新しい楽器を作りだした

暴力と抗争の時代を生きたレジェンドたちの
貴重なインタビューが
なぜこの楽器が生まれなければならなかったかを語る

そして今、スティールパンはピース&ラブのシンボルになった世界一を決める大会、パノラマで150を超えるバンドが競いあう
120人編成のオーケストラがひとつになる夜
そしてたった一曲のために世界中からプレイヤーたちが集まってくる
8分間のなかに永遠を探すために
アメリカ、フランス、日本、そしてトリニダードから。
スティールパンに魅せられはじめてパノラマに参加するプレイヤーたちを追いかけるドキュメントのなかで
現在と過去が交錯する

誰もレゲエミュージックを知らなかった時にやってきた映画
ハーダー・ゼイ・カムやロッカーズのように
この映画は新しい扉をあけるだろう

 

→公式サイト

協力:アスタ新長田スティールパン振興会、安里圭一郎
 

《料金》
一般:1400円 学生・シニア:1100円 高校生以下:800円 会員:1000円


[貸館]尻プロ&顔アニメの世界
2018年9月16日(日)13:30開場 14:00スタート

14:00~ 第一部・面白顔漫画映画&ライブ
上映作品:「おしり寿司」「河童肉饅頭」(完全版)ほか
ライブ:野崎ハウス

15:00~ 第二部・「情熱のARASH!」上映会
「情熱のARASH!(あらし)」
2008年 尻プロダクション作品(60分)
出演:関根しりもち/松江サキ/上杉真紀/夢夢子/痛快家フラワー/野田真悟/神戸顕一ほか
監督/脚本:清本一毅
音楽:池田タカシ
主題歌:ハナリキョウコとスナイパーズ

粗筋‥神戸市兵庫区稲荷市場でヘアサロンに勤めるフェイク黒人三人娘は、スタアを夢見て自主映画やクイズ番組を制作して芸能プロダクションに売り込みをかけるが間違ってエロフィルムの女優にされそうになったり実家から親が連れに来たりと毎日が戦いのようだ。一方、三人の友人で古着屋を経営する西城は、彼女にふられた腹いせに自殺を考える。止める三人娘に西城が提案したのは屁を集めてのガス自殺だった。尻プロ発のブラックスプロイテーションムービー。
 

《入場料》 前売:1200円 当日1500円

問い合わせ(予約):顔画工房 kaogakb@yahoo.co.jp

主催:尻プロダクション(関根)


ルドルフ・トーメ 赤(紅)の映画特集
Rudolf Thome :  Die <rote> Trilogie

9月22日(土)・23日(日)

戦後ドイツでもっともシネフィル的な映画監督を問われたら、迷わずルドルフ・トーメの名を挙げたい。だがそのシネフィル的特性ゆえに、トーメはニュージャーマンシネマでもっとも知られざる監督の一人となった。社会批判や政治的文脈から距離を取ったトーメは、ゴダールやホークスの戯れる映画のユートピアに直接参入した。彼が描く時代や人間はリアリティと神話が混じり合い結晶化した物語的風景に変貌する。美女あり、アクションあり、死の誘惑ありの映画のユートピアだ。一方彼の作品の底流にはメランコリーが横たわっている。なぜなら映画とは現実を生きる私たちには決して叶わぬ夢だからだ。トーメ監督の描く日常的な場面の数々が奇跡の如く甘美にスクリーンに息づく。だがそれは儚い現実の影だ。そこに戦後ドイツ世代ならではのトーメの批判性があるのではなかろうか。(渋谷哲也)

ゲスト:渋谷哲也(ドイツ映画研究)
22日(土)17:00〜 レクチャー 23日(日)17:20〜 解説とQ&A
*参加無料(要当日の映画チケット半券)

 

「紅い太陽」Die rote Sonne

(西ドイツ/1970/87分/ドイツ語[日本語字幕]/ブルーレイ上映)
監督:ルドルフ・トーメ
脚本:マックス・ツィールマン
出演:マーカート・ボーム、ウシ・オバーマイヤー、シルビア・ケクレ、ガビー・ゴー、ディアナ・ケルナー

ヒッチハイクでミュンヘンを訪れたトーマスは、かつての恋人ペギーに再会し、彼女が女友達らとシェアするアパートに転がり込む。しかし彼女たちにはある誓いがあり、それはトーマスにとって致命的な展開を予測させるものだった…。68年世代の自由とアナーキーを体現した、男と女の永遠の闘争映画。

 

「赤と青」Rot und Blau

(ドイツ/2002/109分/ドイツ語[日本語字幕]/DVD上映)*日本初上映
監督・脚本:ルドルフ・トーメ
出演:ハンネローレ・エルスナー、セルピル・トゥルハン、ハンス・ツィシュラー

バーバラはベルリン郊外のかつての住居に赴き、過去を灰にしようとする。一方父を亡くしたイルゼはベルリンに赴き、20年以上前に別れた彼女の母を探す。母と娘の再会、そして新たな家族関係の構築。そのささやかなドラマが一切の感傷を排して繊細に描き出される。トーメ監督の円熟を感じさせる作品。

 

「紅い部屋」Das Rote Zimmer

(ドイツ/2010/101分/ドイツ語[日本語字幕]/ブルーレイ上映)
監督・脚本:ルドルフ・トーメ
出演:カタリーナ・ロレンツ、セイネブ・サレー、ペーター・クナーク

ベルリンの生化学研究所のキス研究家フレッドは、研究に没頭するあまり人々との付き合いから離れていた。ある日彼は魅力的な女性ルジーとその恋人ジビルと知り合う。3人は愛という不確定なものをめぐって考察し、それを手に入れようと実験的な関係を始める。ミニマルな作劇の真骨頂を見せるトーメ近年の佳作。

 

ルドルフ・トーメ Rudolf Thome
1939年11月14日生れ。ドイツの映画監督。1960年代より批評家として新聞雑誌に寄稿。また64年より自主的に映画を撮り始める。ストローブ=ユイレやクラウス・レムケらとの交流の中でいわゆる「ミュンヘン派」を形成して映像主体の感性的な映画を目指し、アレクサンダー・クルーゲを代表とする「オーバーハウゼン派」の社会批判的態度から距離を取った。直線的でシンプルな語り口を特徴とするトーメの作風は一貫し、60年代末から2011年までコンスタントに映画を発表し続けている。代表作は『ベルリン・シャミッソー広場』(1980)、『フィロソファー』(1989)など。

協力:東京ドイツ文化センター、大阪ドイツ文化センター、同志社大学今出川校地学生支援課
企画協力・解説:渋谷哲也

 

《料金》入れ替え制1本あたり
一般:1400円 学生:1000円 会員:1200円
*当日2本目からは200円引き


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。