プログラムPROGRAM

大阪大学総合学術博物館「記憶の劇場III」
活動⑥「TELESOPHIAと芸術・文化・生活」
[貸館]『廻り神楽』『海の産屋 雄勝法印神楽』上映会
2018年10月7日(日)・8日(月・祝)

東日本大震災による甚大な被害のあった地域で、いかに芸能が人々を勇気づける力となったかを描くドキュメンタリー2作品を神戸で上映します。
また、10月7日(日)15:00には、受講生が進行役を務め、遠藤協監督とのトークイベントを行います。

「廻り神楽」
(2017年/日本/94分)
監督:遠藤協・大澤未来
製作:ヴィジュアルフォークロア

神楽が来れば、春はもうすぐなのす。
—海辺の死者と生者の通い路を今日も神楽衆は廻ります。

岩手県宮古市に根拠地をもつ黒森神楽は、江戸の初期から340年以上、三陸海岸の久慈・釜石間150㎞を巡り続けて来た。
正月になると神楽衆は、黒森山の神霊を宿した権現様と旅に出る。民家を一夜の宿として、神楽を演じ、亡き人には神楽念仏を唱える。繰り返し繰り返し津波が襲って来たこの地で、神楽衆は何百年ものあいだ、自然と人間を取り結ぶ役目を果たしてきた。
ザシキワラシやオシラサマ、神々や精霊が今も息づく豊かな三陸の海辺を巡る神楽衆。その通い路に「海の遠野物語」が紡がれる。被災から6年後の人々の願いを描くドキュメンタリー。遠藤協と大澤未来の共同監督による劇場初公開作品。
→公式サイト

 

「海の産屋 雄勝法印神楽」
(2017年/日本/75分)
監督:北村皆雄・戸谷健吾
製作:ヴィジュアルフォークロア、ネオンテトラ

海は豊穣の産屋
—この三陸の海辺、新しい命を生む母なる産屋の庭に
祈りと歓びの神楽が舞い遊ぶ。

宮城県雄勝半島、石巻市の漁村立浜(たちはま)は、東日本大震災の大津波で46軒中1戸だけを残し被災した。
その絶望の淵から立ち上がったのは、村に残ることを決めた12人の漁師たち。
「いっさい、いっさい、海を恨んでいねぇ」と、男たちは生活の再建とともに祭りの復興に乗り出した。流出した一切の神楽面と祭具を作り直し、何もない海辺の居住地跡に柱を立て、舞台を作る。
神楽に憑かれ“好き神”を自称する漁師が祈りの神楽を舞い、二人の太鼓打ちが息を合わせ600 年前と変わらぬリズムを刻む。産屋の庭に神楽が舞い遊び、笛・太鼓の音が、命の誕生を告げる産声のように響く。海辺に立てられた舞台、それは新しい命を再生し、力強く鼓動させてくれる産屋となったのだ。津波から1年後、人々を勇気づけ絆を取り結ぶ芸能の底力を描いたドキュメンタリー。『ほかいびと 伊那の井月』の北村皆雄と戸谷健吾による劇場公開作品。

《参加費》 無料

主催:大阪大学総合学術博物館
→公式サイト

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。