プログラムPROGRAM

年別アーカイブ: 2019

神戸クラシックコメディ映画祭2019
1月12日(土)〜14(月・祝)
 
12日・14日 会場:神戸映画資料館(新長田)
13日 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)

 

笑いのビッグバン!

ルビッチに和製ミュージカル
発掘されたコメディにみんな知ってるあの喜劇王
極楽コンビもちびっこギャングもキートンも
いろいろ取り揃えて一挙上映
喜劇のゴッド&モンスターが神戸に降臨する三日間!

──いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)

 

 

Aプログラム100歳映画
「花嫁人形」Die Puppe
(1919/64分/サイレント/Blu-ray)ウーファ
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:ヘルマン・ティミヒ、オッシ・オスヴァルダ
(株)ダッサイ・フィルムズ提供

名匠エルンスト・ルビッチの喜劇『花嫁人形』は2019年に「100歳」を迎える。女嫌いの青年が結婚するハメになり怖い叔父の目をごまかそうと人形を花嫁にする。ところがそれは人形師の娘が化けた姿で…。100年経っても色褪せない最高のお伽話は観る者をひたすら幸福にしてくれる。

伴奏
13日 柳下美恵(ピアノ)
14日 天宮遥(電子ピアノ)

 

Bプログラム日本の傑作喜劇① 和楽伴奏で観るコメディ

「塙団右衛門 化物退治の巻」Hanawa Danemon
(1935/10分/サイレント)日本マンガフィルム研究所
作画監督:片岡芳太郎
監督:魔須田和弘
神戸映画資料館所蔵作品

伴奏
戎屋海老(弁士)+清優の会(琴・三味線)

 

国立映画アーカイブ所蔵作品

「爆弾花嫁」Bakudan Hanayome
(1935/30分/サウンド版[一部無声]/35mm)松竹キネマ(蒲田撮影所)
監督:佐々木圭祐
改定編集:斎藤寅次郎
出演:谷麗光、柳生小夜子、小倉繁
国立映画アーカイブ所蔵作品

豪傑の誉れ高い塙団右衛門を主人公にした戦前アニメをクラコメ初の和楽伴奏で賑やかにお届けする。ロシアのフィルムアーカイブで発掘された貴重な短編『爆弾花嫁』はオリジナルサウンド版での上映。ニッポンの極上ドタバタ喜劇を観て一年を笑顔でスタートしよう。新春にふさわしいプログラム。

 

©国際放映

Cプログラム日本の傑作喜劇②
「腰抜け二刀流」Koshinuke Nitoryu
(1950/76分/トーキー/Blu-ray)新東宝
監督:並木鏡太郎
出演:森繁久弥、轟夕起子

森繁久弥の映画初主演作。ボブ・ホープの『腰抜け二丁拳銃』(49)を下敷きにしたミュージカル喜劇。当時軽演劇に出ていた森繁が「実力からいえば当然とはいえ、異例の出世ぶり」(『日本の喜劇人』小林信彦)を果たし見事なスラップスティック芸で魅せる。伝説の名女優・轟夕起子、花菱アチャコ、清川虹子ら共演。

 

Dプログラム最後の喜劇王 ジェリー・ルイス
「マイ・フレンド・アーマ」My Friend Irma
(1949/102分/トーキー)パラマウント・ピクチャーズ
監督:ジョージ・マーシャル
出演:マリー・ウィルソン、ディーン・マーティン&ジェリー・ルイス

2017年に91才で世を去ったジェリー・ルイス。ディーン・マーティンとの「底抜けコンビ」は日本でも大人気だった。彼らが映画デビューを果たした本作は、日本未公開。日本語字幕付きフィルム上映は激レア中の激レア!コンビが得意としたナイトクラブのネタが再現されているのも見所。

 

 

Eプログラムチャーリー・チェイス特集
「うっかり屋メーベル」Mabel’s Blunder
(1914/13分 19分/サイレント)キーストン・フィルム・カンパニー
監督:メーベル・ノーマンド
出演:メーベル・ノーマンド、ハリー・マッコイ、チャーリー・チェイス

「チェイスの一日警官」Sittin’ Pretty
(1924/14分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:レオ・マッケリー
出演:チャーリー・チェイス、ポール・パロット

「チェイスの国王万歳」Long Fliv the King
(1926/22分 18分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:レオ・マッケリー
出演:チャーリー・チェイス、マックス・デイヴィッドソン、オリヴァー・ハーディ

「ママの言う通り」On the Wrong Trek
(1936/18分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:チャールズ・パロット、ハロルド・ロウ
出演:チャーリー・チェイス、ロシーナ・ローレンス

過去のクラコメで名だたる喜劇王たちに迫る人気だったチャーリー・チェイスを大フィーチャー。映画初期からトーキーに至るキャリアを一挙に楽しめる。中流紳士が巻き込まれる騒動を描かせたらチェイスの右に出るものなし!実弟との幻の共演作や歌い踊るチャーリーが見られるトーキー作品も。

伴奏:柳下美恵(電子ピアノ)

 

Fプログラムよみがえる喜劇人 マルセル・ペレーズの世界
「ダムの海中結婚」Lend Me Your Wife
(1921/20分/サイレント/Blu-ray)イーグル・フィルムズ
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ、レックス・アダムス

「ダムの十六人早変り」A Busy Night
(1916/17分/サイレント/Blu-ray)イーグル・フィルムズ
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ

「ユー・アー・ネクスト」You’re Next
(1919/21分/サイレント/Blu-ray)ジェスター・コメディ・カンパニー
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ、ドロシー・アール

以上3作品 Undercrank Production提供 協力:ニューヨーク近代美術館

フィルム発掘やデジタル技術の進歩により知られざる喜劇人の復権が進んでいる。スペイン出身のマルセル・ペレーズもその一人。映画初期に欧州で活躍し日本では「ダム君」の愛称で親しまれたが、夭折し忘れ去られた。今回は米国時代の3作品を上映。日本での上映は約100年ぶり!創造性溢れるペレーズの喜劇と塩屋楽団のコラボは画期的。

伴奏:塩屋楽団(鈴木勝 guitar、森本アリ trumpet、山本信記 trumpet, piano、吉野かおり trombone、澤井まり alto saxophone、仲川達也 synthesizer, sampler)

 

Gプログラムショートコメディのマエストロ サイレント編
「マックスと犬」Max et son chien Dick

国立映画アーカイブ所蔵

(1912/9分/サイレント/35mm)パテ・フレール
監督:マックス・ランデー
出演:マックス・ランデー、犬のディック
国立映画アーカイブ所蔵作品

「チャップリンの勇敢」Easy Street
(1917/23分/サイレント)ミューチュアル社
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、エリック・キャンベル

「サタデー・アフタヌーン」Saturday Afternoon
(1926/30分 27分/サイレント)マック・セネット・コメディーズ
監督:ハリー・エドワーズ
出演:ハリー・ラングドン、ヴァーノン・デント

「白日夢」Daydreams
(1922/23分/サイレント)ファースト・ナショナル・ピクチャーズ
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ジョー・キートン

クラコメ恒例の短編喜劇集、今回は無声編とトーキー編に分けてお届けする。無声編は誰もが納得の喜劇王たちが集結。フランスのマックス・ランデーとチャップリンの「師弟対決」、永遠の少年ハリー・ラングドンのチャーミングな結婚喜劇、そして我らがバスター・キートンの隠れた傑作。ご堪能あれ!

伴奏:鳥飼りょう(電子ピアノ)

 

Hプログラムショートコメディのマエストロ トーキー編
「極楽ボート騒動」Towed in a Hall
(1932/21分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジョージ・マーシャル
出演:ローレル&ハーディ、ビリー・ギルバート

「キーストン・ホテル」Keystone Hotel
(1935/15分/トーキー)ワーナー・ブラザース
監督:ラルフ・スタウブ
出演:フォード・スターリング、ベン・ターピン他

「新学期はつらいよ」Bored of Education
(1936/10分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ゴードン・ダグラス
出演:ちびっこギャング、ロシーナ・ローレンス

「3ばか競馬必勝法」Playing the Ponies
(1937/15分/トーキー)コロンビア・ピクチャーズ・コーポレーション
監督:チャールズ・ラモン
出演:3ばか大将

無声喜劇のDNAを受け継いだ短編はトーキー初期にまだまだ作られていた。往年の無声スターの同窓会コメディ『キーストン・ホテル』は屈指のパイ投げ合戦で知られるカルト作。懐かしのちびっこギャングと3ばか大将はご家族でどうぞ。ローレル&ハーディは欧米で新作伝記映画が公開予定。

 

 前座

「処刑遊戯(完全版)」(2017/3分/DVD)作:顔ジャワ
「漫画ヘントウセン」(2016/4分/DVD)作:顔ジャワ
顔ジャワ(清本一毅)の毒があって不思議に可愛いアニメーションでひと笑い。

 

 

作品解説:いいをじゅんこ
記載以外はすべて16mmフィルムでの上映

《料金》入れ替え制*当日に限り2プログラム目は100円割引
演奏付き上映(招待券のご利用不可) 一般1400円 会員・学生1200円 小中学生1000円
上映のみ 一般1200円 会員・学生1000円 小中学生800円
*未就学児は無料

フライヤーデザイン:萩原小麻紀

主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:国立映画アーカイブ


第30回 くにづか月イチ上映会
2019年1月20日(日) 13:30〜
 
「白鳥の死」(フランス/1937/84分/16mm)
監督:ジャン=ブノワ・レヴィ

バレエ学校の少女たちの熾烈な主役争い。

 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


『モダン・ラブ』
2019年1月18日(金)〜29日(火) [水・木休映]

この恋が終わるとき、
新しい世界が始まる。

「モダン・ラブ」
(2018/115分/ブルーレイ上映)
脚本・監督:福島拓哉
プロデューサー:本井貞成、岩本光弘、福島拓哉
撮影監督:木村和行 撮影:難波俊三、川口紘
照明:高橋拓 サウンドディレクター:田中秀樹
美術:安藤秀敏、菊地実幸 衣装:森美幸、増渕麻衣
ヘアメイク:榎本愛子 VFX:菊地実幸
助監督:渡辺イチ 制作主任:板部文
音楽:トルコ石、河原弘幸(floating mosque)
配給・宣伝:P-kraft 宣伝協力:Tokyo New Cinema
協賛:メディックメディア、PARIBAR 製作:P-kraft、ラフター

出演:稲村梓、高橋卓郎、芳野正朝、今村怜央、佐藤睦、ヤン・イメリック、川瀬陽太、町山博彦、大木雄高、園部貴一、草野康太

カーディフ国際映画祭 審査員特別賞/セブ国際映画祭 グランプリ/サウステキサス国際映画祭 グランプリ/マドリッド国際映画祭 最優秀VFX賞/ハンブルグ日本映画祭 特別芸術賞/ニース国際映画祭 最優秀音響賞
すべての
終わってしまった恋人たちと
出会わない恋人たちと
まだ知らない恋人たちへ

東京国際映画祭ほか世界各国の映画祭で絶賛、全国公開された『アワ・ブリーフ・エタニティ』の福島拓哉による、8年ぶりのオリジナル長編作品。
愛する恋人を失った女性の孤独と葛藤、その先にある新たな心の揺らぎ。常にテーマの軸にある東京を舞台にしつつも、地方ロケや独立問題で世界中の注目を集めるスペイン・カタルーニャ州でのロケを敢行。福島監督の得意とするサイコ・ファンタジー作品であり、心に刺さる痛々しい青春映画である。
SFかつ哲学的、予測不能の奇想天外な物語が「真実の愛とは何か」を投げかける、見たこともないエンターテインメント作品が誕生した。

「起きてないことはすべて、起こり得るってことだから。気づいてないだけで」

東京、現在。
NASAが太陽系内に生命体が存在する可能性のある新惑星・エマノンを発見したと発表。
衝撃的なニュースは世界中を駆け巡り、新惑星ブームが到来する。しかし人々の盛り上がりと裏腹に、異常気象が頻発するようになる。

旅行代理店でアルバイトをしながら、大学で理論物理学を専攻している大学院生・ミカ(稲村梓)は、5年前に失踪してしまった恋人・テル(高橋卓郎)のことが忘れられない。彼女は一見普通の大学院生だが、出会い系アプリで男を漁り孤独を埋めつつ、妄想でテルと会話している。そんなミカの様子を、親友のゲイ・シゲ(芳野正朝)や、研究室の先輩・高山(佐藤睦)は心配している。

ある日、ミカは発作的に既視感を覚えるようになり、もう一人の自分と出会ってしまう。互いに驚く二人のミカだが、どうすればいいかわからない。テルの親友・バード(今村怜央)に相談しに行くと、さらにもう一人のミカが現れ、それぞれが本来は違う世界線に存在するミカだということがわかる。パラレルワールドが交錯してしまっているのは、エマノンの影響かもしれない、とバードは語る。
テルが失踪した世界のミカ、テルと出会い恋が始まる世界のミカ、そしてテルが既に死んでいる世界のミカ。三人はそれぞれの人生を変える選択を迫られる…。

1月19日(土)・20日(日) 福島拓哉監督 上映後トーク
* 19日 限定1名様に抽選で『モダンラブ』未使用脚本プレゼント
* 20日 出演のヤン・イメリックさんも来場決定

→公式サイト
→公式ツイッター
→公式FB

《料金》
前売:1500円(ポストカード付き)
一般:1700円 学生・シニア:1100円 会員:1000円
*初日サービスDAY 1100円


続・新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.5 特別編
池島ゆたか監督特集

2019年2月2日(土)・3日(日)

 

俳優そして監督として息の長いキャリアを誇るピンク映画界の”KING”こと池島ゆたか監督。

100本を超えるその監督作中、自他ともにベストと認める2作を日本初にして最後のフィルム同日上映。

ホラーとエロス、哀感あふれる人間ドラマとエネルギッシュな映画的ダイナミズム、結びつくはずのないものが結びつく池島マジックを存分にご堪能ください。

 

 

2月2日(土)・3日(日)両日 16:00〜
池島ゆたか監督による面白〈ピンク〉トークライブ開催!
[無料]

 

「月光の食卓(超いんらん 姉妹どんぶり)」
(プリントタイトル『極淫セックス 噛む!』)

(1998/64分/35mm)国映
監督:池島ゆたか 企画:朝倉大介 脚本:五代暁子 撮影:清水正二 編集:酒井正次 助監督:森山茂雄
出演:水原かなえ、吉行由実、東麗菜、佐々木共輔、神戸顕一、佐野和宏、清水大敬

ピンク映画ながら女性ヴァンパイアをテーマに据え、ダークで妖しい空気感とスタイリッシュな映像美、巧妙なストーリーテリングで最後まで観るものを釘付けにする。目を覆いたくなる凄惨なラストはピンク映画の許容値をはるかに超え、初号試写を観た営業担当者がショックを受けてカットを迫ったという逸話が残っています。(ちなみに当該シーンはポジとネガを反転させて血の色の印象を薄めるという解決策がとられましたが、そのせいでより凄惨さが増したという意見も…。)池島監督のエンターテイナーぶりと作家としてのこだわりが両立した見ごたえある一作。ホラー&スプラッターファンも必見の傑作。

 

「next(超いんらん やればやるほどいい気持ち)」
(プリントタイトル『大淫乱 飛び散るスケベ汁』)

(2008/62分/35mm)新東宝映画
監督:池島ゆたか 脚本:後藤大輔 撮影:清水正二 音楽:大場一魅 編集:酒井正次 助監督:中川大資
出演:倖田李梨、日高ゆりあ、青山えりな、牧村耕次、千葉尚之、川瀬陽太

年老いたピンク映画監督の生涯を辿りつつ幻想と現実、過去と現在が交差する迷宮のような映画空間。どこかフェリーニの『8 1/2』を思わせるスタイルはピンク映画への愛情とオマージュの結晶か。後藤大輔のユニークな脚本をパワフルに描き切ったのは本作が101本目の監督作となった池島ゆたか。

 

協力:ぴんくりんく、中村勝則

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》当日2本目は200円引き
《プレゼント》1日2作品ご鑑賞者、各日先着10名様(計20名様)に、池島ゆたか監督作品ポスターをプレゼント。[提供:ぴんくりんく]


鈴木卓爾監督最新作
『ゾンからのメッセージ』
2019年1月25日(金)〜2月5日(火)[水・木休館]

©️映画美学校/不写之射プロ

「ゾンからのメッセージ」
(2018/117分/ブルーレイ上映)
監督:鈴木卓爾 脚本・プロデューサー:古澤健 撮影:中瀬慧 音響:川口陽一 照明:玉川直人 編集:浜田みちる、鈴木卓爾 音楽:澁谷浩次(yumbo)
製作:映画美学校、不写之射プロ 宣伝協力:SPOTTED PRODUCTIONS 配給・宣伝:不写之射プロ

出演:
高橋隆大、長尾理世、石丸将吾、唐鎌将仁、飯野舞耶、律子、古川博巳、山内健司(青年団)

©️映画美学校/不写之射プロ

不思議で懐かしい時の止まった町、
その名は夢問町

20年前のある日突然、夢問町は、謎の現象「ゾン」により町全体が覆われてしまいました。無謀にもゾンの向こうへ行った人もいましたが、帰ってくる人は誰もおらず、今ではそんなことをする人もいなくなりました。この町の人々は何を想い、20年の日々を過ごしてきたのでしょう? 生まれた時から町の外を知らない若者は、ゾンに何を見るのでしょうか? 町の外はまだそこに在るのでしょうか?

古澤健(脚本・プロデュース)×
鈴木卓爾(監督)
「誰も観たことのない映画を創る」

数々のTV・映画の話題作を手掛けてきた古澤健(『今日、恋をはじめます』『クローバー』)と、映画の地平を次々と塗り替え続ける鬼才・鈴木卓爾(『ゲゲゲの女房』『ジョギング渡り鳥』第8回TAMA映画賞特別賞)が異色のタッグを組み、とびきり奇妙で魅力溢れる青春SF群像劇がここに誕生した。古澤は、本作で初のプロデュースも務める。

存在感(リアリティー)ある登場人物たち
未知の世界に憧れ戸惑う登場人物を生き生きと演じるのは、映画美学校アクターズ・コース2期高等科で共に演技の研さんを積んだ俳優たち。人生の深遠を平明な言葉で紡ぐ古澤(脚本)、俳優の個性に寄り添う演出を得意とする鈴木(監督)、そして彼ら俳優の協同作業(エチュードやリハーサル)により、オリジナリティに満ちた設定、キャラクター、ストーリーが生み出されていった。

©️映画美学校/不写之射プロ

総製作期間4年超
才能ある若いスタッフ・キャストが総力を結集し、それぞれの役割を超えてともに映画の世界観を具現化した。埼玉県深谷市に架空の「夢問町」の一角を立ち上げた合宿ロケ、町を囲む現象「ゾン」を組み上げた合成作業、いずれにおいても俳優たち自身が重要な作業を担ったことは、通常の映画製作と比べて画期的なことである。総製作期間は実に4年を超える。映画『ゾンからのメッセージ』は内容面だけでなく、製作面においても「誰も観たことのない映画」を目指した。

美しい風景と鮮烈な音楽
寓話的でありながら、ドキュメンタリーやメタフィクションの要素も垣間みえる多層構造も、本作の大きな魅力の一つである。この壮大なレイヤーを、ロケ地・深谷の美しい風景と、孤高のバンド『yumbo』の渋谷浩次が手掛ける鮮烈な音楽が、針と糸のように繋いでいく。こうして自由闊達で不可思議で、でもどこか懐かしい世界が生まれた。映画の終わりに、登場人物たちは何を見つけるのか。あなた自身の目で確かめてほしい。

→公式サイト

1月26日(土)「ゾンからのメッセージ」上映後トーク
鈴木卓爾(監督)・古澤健(脚本・プロデューサー)

 
自分の家、学校、町。それが世界のすべてでそこから出ることなど思いもおよばなかった頃が誰にもあるはずなのに、人はなぜか『ゾンからのメッセージ』の世界を不条理と呼ぶ。鈴木卓爾の撮るものが変に見られがちなのは普通は比喩でしかないものを彼がリテラルに見せてしまうからだが、徹頭徹尾「そのまんま」であるとは映画にとって何と魅力的なことだろう。まさにここでは、いつかこの町を出て行こうという若者のリテラルなもがきと疾走が見る者の涙腺をゆるませる。ド直球の青春映画なのだ!
  藤井仁子(映画評論家)

 

《料金》
一般:1700円 学生・シニア:1100円 会員:1000円
*初日サービスDAY 一律1100円
 *招待券のご利用不可

 


『ゾンからのメッセージ』公開記念 特別上映
2019年1月26日(土)・27日(日)

『ゾンからのメッセージ』と同時期に作られた鈴木卓爾監督の中短篇に加え、古澤健監督の初期代表作にして鈴木卓爾主演の『怯える』の16mmフィルム上映。

Aプログラム

© THE FILM SCHOOL OF TOKYO

「All Night」(2014/69分/デジタル)
監督・編集:鈴木卓爾 撮影:中瀬慧
照明:玉川直人 録音:川口陽一
出演:酒井進吾、佐々木亮、竹之下桃、田村幸大、千原直道、長谷川佳代、藤井治香、裕木つゆ、吉岡紗良 他
映画美学校アクターズ・コース第3期短編ゼミ作品
 
「カメラは映画館から出るな!」
半年間で芝居を練り、深夜の映画館を舞台に二晩で撮り上げた、出会いと別れの映画館群像劇。

 

Bプログラム

© THE FILM SCHOOL OF TOKYO

「怯える」(1998/34分/16mm)
監督・脚本:古澤健 製作:横川一郎、別府文隆
撮影:井上史浩、大石始、安里麻里、山中隆史
照明:八木太郎、木田貴裕、春川和代、井上かおり
録音:石谷岳寛、近藤麗子
美術:堀内玲奈、川口俊平、茅野太滋、山田晃久
編集:筒井武文 音楽:パーパ
出演:鈴木卓爾、長門かおり、太田ゆき江、高橋洋、花本ちなみ、下田温泉
映画美学校フィクション・コース第1期初等科作品
1999年クレルモンフェラン国際短篇映画祭招待作品

近藤は一見、ごく平凡な専門学校生。恋人・ゆみかとは、彼女が姉と暮らす家に気軽に出入りできるような関係だ。そんな近藤のもとに、ある日届いた1本のビデオテープ。そこには近藤がおかした、ある「事件」が映し出される。差出人は不明だが、ビデオの最後には「携帯電話を購入し、その番号を駅の伝言板に書いておけ」との指示があった。ほどなくかかってきた「ぼくはあなたのファンなんです」という謎の男からの電話。かれらの目的は何なのか? 近藤はさらなる闇へ引きずられていく。

©️migrant birds association

 
「ハングリー・ライク・ゴダール!」
(2014/25分/デジタル)
製作:ミグラント・バーズ
導演・編集:鈴木卓爾 撮影:坂西未郁
アイディア:篠崎誠 
出演:律子、裕木つゆ、中川ゆかり、矢野昌幸、鬼束功、坂西未郁
 
日本人女性二人がゴダールを待ちながらゴーヤチャンプルーを作る。果たしてJLGは来るのか? ハートを射抜けるのか?
 

《料金》入れ替え制
一般:1200円 学生・シニア:1100円 会員:1000円
*当日『ゾンからのメッセージ』ご鑑賞で200円割引 *招待券のご利用不可


21世紀のサイレント映画
第1回『スージーの真心』 with 天宮遥

2019年2月17日(日)

生演奏とともにサイレント映画を楽しむ新シリーズ「21世紀のサイレント映画」。

映画の歴史の最初の30年間は、音が付いていない「サイレント(無声)映画」の時代でした。映画のための音声装置が開発される以前の映画ということになりますが、それは音のある映画(トーキー)より劣っているということではありません。むしろ、無声だからこそ極められた映画の魅力がつまっています。

サイレント映画は、当時から生演奏や活動弁士の語りといったライブパフォーマンスとともに上映されていましたが、近年、この上映スタイルが再び見直されています。
演奏や語りにより表情を変えるサイレント映画。
このシリーズでは毎回パフォーマーを迎えて、サイレント映画の新たな魅力を発見していきます。

「スージーの真心」
True Heart Susie
(アメリカ/1919/90分[16コマ]/16mm)
監督:デイヴィッド・ウォーク・グリフィス
撮影:ビリー・ビッツァー
出演:リリアン・ギッシュ、ロバート・ハーロン

田舎暮らしのスージーとウィルアムは幼なじみ。スージーは密かにウィルアムの学費などを出して助けていた。やがて大学を出たウィルアムは牧師となって帰郷するのだが…。

天宮 遥(ピアノ)
神戸生まれのシンガーソングライター、ピアニスト、作曲家。2016年よりサイレント映画ピアニストとしても活躍中。

《料金》 一般1400円 学生・会員1200円


第31回 くにづか月イチ上映会
2019年2月17日(日) 13:30〜
 
宝石泥棒一味の美女をめぐるロマンティックコメディ。(103分)

 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


知られざるモンゴル映画特集
2019年2月23日(土)・24日(日)

「聖なる山」

モンゴル国と内モンゴルの近代映画について
1921年に社会主義革命が起こり、民族の独立を果たしたモンゴルでは、上映作品はソヴィエト制作の教育映画であった。1960年代から1990年代にかけて、歴史と革命を主題とする映画が主流となった。1992年に民主化に進み、2000年まで西部映画、例えばアメリカ映画が圧倒的に多く、国産映画はあまり見られない状況にある。
一方、中国・内モンゴル自治区でのモンゴル映画の制作開始は最近のことである。1947年に中国の自治区として成立して以来、1990年代までは革命映画が中心であり、モンゴル人主題の映画はほとんどなかった。2000年ごろから、内モンゴルで遊牧民の生活を主題とする映画の制作が盛んになり始めた。監督は映画撮影の経験がないモンゴル人であり、ほぼすべての出演者が演技経験のない遊牧民であり、資金は私費で集めている。ストーリーは、内モンゴルの草原破壊、モンゴル文化の劣化と草原や人間関係を主題とする映画である。
モンゴル国と内モンゴルでは、上述のように、それまでに革命と歴史を題材にする映画が主流であった。グローバル化の進展により、遊牧生活から都市化が進んでいる。草原破壊は社会問題となって浮上し、生活に苦しむモンゴル人は伝統文化を再認識し、自然環境と人間の調和を描く映画が登場している。
── スチンゴワ(チンギスハーン国際映画祭実行委員)

 

Aプログラム
「聖なる山」(中国・内モンゴル/2009/91分/デジタル)

監督:ハスバイヤル 撮影:アサラバイ、ドグリン 音楽:エンフバヤル、ジェリシン プロデューサー:ブリワ
出演:バインイルゲル、オドンゴー
香港国際映画祭招待作品

アバガ草原には偉大なるチンギス・ハーンと似ていると言われる山があった。遊牧民のバヤンドゥレンは、裕福になりたいという夢を抱いていたが、生活は次第に困窮し、息子の学費すら払えずにいる。ある日、一念発起し育てていた羊の商売を始めたものの、騙されてすべてを失ってしまう。そんなバヤンドゥレンを見かねた友人のムンケは彼を助けようとするが、自尊心の強いバヤンドウレンは頑に受け入れようとしない。やがて、バヤンドゥレンは所有していた放牧地まで売ろうとする。ムンケは彼を必死に受け止めようとするが……。

 

Bプログラム
「バトの物語」(中国・内モンゴル/2016/88分/デジタル)

監督:ダイチン 脚本:ヒンアン 撮影:ダイチン 録音:フチェルグ
プロデューサー:バダラングイ ヒンアン ゼネラルプロデューサー:セルグレン
出演:バダラングイ、ウユンチェチェグ、アルバンタブ

遊牧民のバドは、内モンゴル自治区の東部でのどかな生活を送っていた。バドは現代の情報化社会とは縁遠く、興味すら持ってはいなかった。ある日、小学校の時の幼馴染みで、今は映画監督となった友人と再会する。彼は怪我をして実家で静養していた。意気投合した二人は、一緒に酒盛りや釣りなど楽しんでいたが、ある日、監督のもとをソリナという女性が訪れると、二人の静かな生活は一変してしまう…。

 

Cプログラム短篇集+トーク
「オボー」
(中国・内モンゴル/2015/20分/デジタル)
監督:セルグレン
もともとは方角を見失わないための目印として作られた聖なる石の山「オボー」をめぐる家族の物語。

 

「黒い馬」
(中国・内モンゴル/2015/20分/デジタル)
監督:ボインヘシゲ
孫の結婚資金のために、おじいさんが大切に育てた黒い馬が売られようとする。

 

 

「器」
(中国・内モンゴル/2017/15分/デジタル)
監督:ノ・ビル
水を求めて荒野をさまよい歩く男。そしてついに井戸を見つけるが…。

 

トーク「モンゴルの歴史と文化」
冨田敬大
(立命館大学助教)
 

《料金》入れ替え制
一般:1200円 学生・シニア:1100円 会員:1000円
*当日2プログラム目は200円引き

主催:チンギスハーン国際映画祭実行委員会
共催:神戸映画資料館


公開研究会
[貸館]記憶を集める・公開する ──まだ存在しない「アーカイブ」を考える
2019年3月16日(土)10:00〜17:30 10:30〜18:00

近年、映像や写真といった視覚資料を扱うデジタル・アーカイブ構築の議論をよく目にするようになりました。しかしどうしてもそれが設備・施設や、技術的関心に先導され、肝心な目的、資料の存在とその活用──「誰の」「どんな記憶を伝承していくのか」という論点が置き去りにされることが、少なくないように思われます。
本研究会では、前日(3月15日)に京都大学で開催されるデジタルアーカイブ学会における同タイトルの企画セッションでの問題提起を引き継ぎ、具体的なプロジェクトと資料映像・写真群を見ながら、そこで扱われる資料、活用を支える組織や人的ネットワーク、権利処理や運営に関する問題について、ディスカッションを展開していきます。(水島久光)

10:00〜12:00 10:30〜12:30
沖縄の映像と戦後

進行 水島久光(東海大学)

13:00〜15:00 13:30〜15:30
コミュニティとナショナルの間をどうデジタル・アーカイブはつなぐのか

進行 原田健一(新潟大学)

15:30〜17:30 16:00〜18:00
映像アーキビスト資格とは何か?

進行 羽鳥隆英(新潟大学)

*開始時間が30分早まりました(3月10日変更)。
*各セッションの詳細は今後HPでアップします。

主催:新潟大学地域映像アーカイブ研究センター

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館


21世紀ドイツ映画の潮流 ベルリン派探訪
2019年3月17日(日)

21世紀初頭のドイツでは若い映画作家たちが研ぎ澄まされた映像美学の映画を次々と発表し、『ベルリン派』と呼ばれた。その第一世代トーマス・アルスラン、クリスティアン・ペッツォルト、アンゲラ・シャーネレクはドイツ統一前後の90年代にベルリン映画テレビアカデミーに学んでいた。現在彼らはドイツを代表する監督となり、ここ数年はベルリン映画祭コンペの常連となっている。神戸映画資料館では2012年アルスランのレトロスペクティヴを開催したが、ペッツォルトとシャーネレクは今回初上映の機会となる。すでにベテランの域に達した彼らには『ベルリン派』という商標は必要ないのかもしれない。だがドイツ映画といえばいまだナチスやヒトラー、そしてニュージャーマンシネマという認識が続いている。そんな中で映画とは何かを真摯に追求した彼らの活動はもっと注目されてよい。(渋谷哲也)

 

「マルセイユ」Marseille

© R.Vorschneider


(ドイツ/2004/95分/DVD上映)
脚本・監督:アンゲラ・シャーネレク  撮影:ラインホルト・フォアシュナイダー
出演:マーレン・エッガート、マリー=ルー・ゼレム、ルイス・シャネレク、デヴィット・シュトリーゾフ

2019年のベルリン映画祭では最新作『家にはいたけれど』がコンペで上映されるシャーネレクの出世作であり、ミニマルで研ぎ澄まされた彼女独自の映画美学を決定づけた。写真家ゾフィーは部屋交換の広告を見て、しばらくの間マルセイユに滞在する。やがて舞台はベルリンに移り、ゾフィーの写真の仕事や女優ハンナの息子や恋人と生活が綴られる。恋人との関係に揺れるハンナ。一方ゾフィーはもう一度マルセイユを訪れる。

 

「イェリヒョウ」Jerichow

© Hans Fromm


(ドイツ/2008/92分/DVD上映)
脚本・監督:クリスティアン・ペッツォルト 撮影:ハンス・フロム
出演:ベンノ・フューマン、ニーナ・ホス、ヒルミ・ゼーツァー
『未来を乗り換えた男』が日本公開され、今やメジャー監督となったペッツォルト中期の一作。アメリカのB級映画やスリラーへの偏愛を色濃く感じさせる佳作である。統一後のドイツ、旧東独の小村にトーマスは戻ってくる。彼は亡き母の家に一人で生活し、一帯の軽食店を取りまとめるトルコ系移民のアリと美貌の妻ラウラと知り合う。『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を下敷きにしたスリリングな三角関係が幕を開ける。
 

講演:渋谷哲也(ドイツ映画研究)

GI_Logo共催:大阪ドイツ文化センター
企画協力・解説:渋谷哲也

《料金》入れ替え制
「マルセイユ」 一般:1400円 学生:1200円
       会員(神戸プラネット会員・大阪ドイツ文化センタードイツ語講座受講生):1200円
「イェリヒョウ」 一律:600円


第32回 くにづか月イチ上映会
2019年3月23日(土) 13:30〜
 
恋人とともに新天地オーストラリアを目指す脱獄囚。(90分)

 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第26回 ウズベキスタン特集

2019年3月30日(土)・31日(日)

1991年にソ連からの独立を果たしたウズベキスタン共和国。独立前のソ連時代に国営のウズベクフィルムで製作された1960年代後半の2作品を上映する。

 

「タシケントはパンの町」Ташкент – город хлебный
(1968/97分/35mm)ウズベクフィルム

監督:シュフラト・アッバーソフ
原作:アレクサンドル・ネヴェーロフ
脚本:アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー
撮影:ハタム・ファイジエフ
音楽:アリベルト・マラーホフ
出演:ウラジーミル・ヴォロベイ、ウラジーミル・クデンコフ、バフティヨル・ナビエフ
 
体験をもとに書かれた児童文学の映画化。ロシア革命後の国内戦の時期。飢餓に瀕したヴォルガ河一帯の人々は、中央アジア穀倉地帯の豊かな町タシケント(現ウズベキスタン首都)を目指す。主人公の少年もその一人で、家族のためにタシケントに旅立つ。

 

「恋するものたち」Влюбленные
(1969/83分/35mm)ウズベクフィルム

監督:エリヨル・イシムハメドフ
脚本:オデリシャ・アギシェフ
撮影:ガサン・トゥトゥノフ
音楽:ボグダン・トロツュク
出演:ロジオン・ナハペートフ、アナスタシヤ・ヴェルチンスカヤ、ルスタム・サグドゥラーエフ
 
タシケントの寮に住む主人公は消防士。大規模火災の鎮火で出張するうちに、恋人の心は離れていく。一方、寮で同室のギリシャ人は、祖国へ戻って母と妹を見つける。脚本家自身とその周辺の人びとの実際のエピソードをもとに、自由な雰囲気にあふれる60年代の青春群像を抒情的映像で描き出すメロドラマ。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


第33回 くにづか月イチ上映会
2019年4月13日(土) 13:30〜
 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


青丘文庫研究会 映像を通して視る! 「朝鮮人強制連行」
2019年4月14日(日)
 
昨年10月に開催した青丘文庫研究会「NDUからNDSへ」に続く第2回目の上映会。今回は在日朝鮮人史に詳しい塚崎昌之氏を招き、青丘文庫研究会の飛田雄一とドキュメンタリー映画作家の金稔万とともに「朝鮮人強制連行」を映像を通して考える。
 
「青丘文庫」は神戸長田のケミカル産業に従事していた韓皙曦(ハン・ソッキ)が朝鮮史関係文献を集め1969年に開設したもので、1997年に神戸市立中央図書館内に再オープン。今回の上映会は、そこで定期的に行われている「青丘文庫研究会」の例会として位置づけられている。

 

『戦争の傷跡 —高槻地下秘密軍事工場—』(タチソ作戦)
(1984/34分/16mm)
戦争の傷跡製作実行委員会
監督:辛基秀 シナリオ:宇津木秀甫
撮影:髙岩仁 録音:佐々木昌彦
戦時中、高槻市成合の山間部に掘削された高槻地下倉庫(軍の暗号でタチソ)の建設にあたって多くの朝鮮人労働者が危険な仕事に従事した。その実態を資料に基づき描いた作品。神戸大学出身で青丘文化ホールを大阪で開設、朝鮮通信使研究で知られる辛基秀(1931〜2002)の監督作品。

トーク:塚崎昌之(青丘文庫研究会、元府立高校教員、関西大学非常勤講師)
 

『解放ニュース』
(1946/計30分/朝鮮語/35mm)民衆映画株式会社
「民映提供、大阪布施」と書かれた缶で発見された解放後のニュース映画。戦後日本の在日社会で上映された以下の4本を一挙上映。ナレーションは朝鮮語で日本語は入っていない。
・特壱號「懸案の左右合作会談、ハージ将軍暴動防止を勧告、都市対抗野球大会」
・特報「特産品展覧会、8.15記念(独立一周年)」
・特弐號「ソウル消防署分列式、農村生活紹介、水魔来襲」
・特参號「軍政長官主催内外新聞記者招待、士官学校第一回卒業式、ハングル記念慶賀ボーイスカウト運動会、ハングル五百年記念、金九総理地方巡察」

参考上映:『在りし日の金慶海さんと「神戸港平和の碑」』撮影・編集:金稔万

トーク:飛田雄一(神戸学生青年センター館長、強制動員真相究明ネットワーク・共同代表)

『オモニと少年』
(1958/48分/16mm)
教育映画配給社・民芸映画社提携作品
製作:松丸青史 企画:岩崎昶 脚本:片岡薫、皆川滉 監督:森園忠 撮影:荒牧正
出演:北林谷栄、下元勉、内藤武敏
炭坑で両親を失った日本人の少年。隣の金おばさんが、自分の死んだ子に似ていると言って引き取って育てる。彼女は戦争中に日本に徴用された夫の後を追ってきたが、事故で夫や子を失っていた。民族や血族を越えた母と子の絆を描く。『にあんちゃん』の北林谷栄が主演。

 

《参加費》1500円
* どなたでもご参加いただけます

共催:青丘文庫研究会


続・新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.6
“A History of Pink~昭和から平成へ~”

2019年4月20日(土)・21日(日)

“A History of Pink~昭和から平成へ~”と題し、昭和40年代から平成にかけて製作された作品群、とくに今年のベルリン映画祭で特集が組まれた国映の朝倉大介プロデュース作品を軸にシリーズでお届けする。

今回は本シリーズ最終回として、幅広い映画ファンにご覧いただきたいフレッシュな2作品を上映します。

4監督のトーク決定! 4月20日(土)16:00〜
女池充・田尻裕司・いまおかしんじ・坂本礼

 

「ぐしょ濡れ美容師 すけべな下半身」

(1998/65分/35mm)新東宝映画
監督・脚本:女池充 プロデューサー:岩田治樹 撮影:長田勇市 録音:鈴木昭彦 編集:金子尚樹
出演:佐々木ユメカ、田中要次、川瀬陽太、相沢知美、田嶋謙一

女池充監督2本目の監督作。素晴らしい男と出会ったのにホテルが火事で二人は別れ別れに…。その後ピンク映画のディーバ的存在となった佐々木ユメカが初期に主演したコメディタッチのエロス&ラブドラマ。相手役の川瀬陽太、彼女に恋心を抱く消防士に田中要次と男優人の充実も見もの。

 

「SEXマシン 卑猥な季節」

(2005/63分/35mm)国映・新東宝映画
監督:田尻裕司 企画:朝倉大介 脚本:守屋文雄 撮影:飯岡聖英 編集:酒井正次
出演:吉岡睦雄、平沢里菜子、藍山みなみ、佐野和宏、川屋せっちん、伊藤猛

田尻裕司監督が守屋文雄のシナリオを映画化(『月刊シナリオ』公募脚本入選作)。博打好きでヒモとして生活する男と次々と男と変える女の関係をオフビートな感覚で描いたユニークな一篇。きわどいリアリズムとシュールな異界が紙一重で共存する魔術的フィクション空間。

 

協力:ぴんくりんく

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》当日2本目は200円引き


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。