プログラムPROGRAM
2019 1

神戸クラシックコメディ映画祭2019
1月12日(土)〜14(月・祝)
 
12日・14日 会場:神戸映画資料館(新長田)
13日 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)

 

笑いのビッグバン!

ルビッチに和製ミュージカル
発掘されたコメディにみんな知ってるあの喜劇王
極楽コンビもちびっこギャングもキートンも
いろいろ取り揃えて一挙上映
喜劇のゴッド&モンスターが神戸に降臨する三日間!

──いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)

 

 

Aプログラム100歳映画
「花嫁人形」Die Puppe
(1919/64分/サイレント/Blu-ray)ウーファ
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:ヘルマン・ティミヒ、オッシ・オスヴァルダ
(株)ダッサイ・フィルムズ提供

名匠エルンスト・ルビッチの喜劇『花嫁人形』は2019年に「100歳」を迎える。女嫌いの青年が結婚するハメになり怖い叔父の目をごまかそうと人形を花嫁にする。ところがそれは人形師の娘が化けた姿で…。100年経っても色褪せない最高のお伽話は観る者をひたすら幸福にしてくれる。

伴奏
13日 柳下美恵(ピアノ)
14日 天宮遥(電子ピアノ)

 

Bプログラム日本の傑作喜劇① 和楽伴奏で観るコメディ

「塙団右衛門 化物退治の巻」Hanawa Danemon
(1935/10分/サイレント)日本マンガフィルム研究所
作画監督:片岡芳太郎
監督:魔須田和弘
神戸映画資料館所蔵作品

伴奏
戎屋海老(弁士)+清優の会(琴・三味線)

 

国立映画アーカイブ所蔵作品

「爆弾花嫁」Bakudan Hanayome
(1935/30分/サウンド版[一部無声]/35mm)松竹キネマ(蒲田撮影所)
監督:佐々木圭祐
改定編集:斎藤寅次郎
出演:谷麗光、柳生小夜子、小倉繁
国立映画アーカイブ所蔵作品

豪傑の誉れ高い塙団右衛門を主人公にした戦前アニメをクラコメ初の和楽伴奏で賑やかにお届けする。ロシアのフィルムアーカイブで発掘された貴重な短編『爆弾花嫁』はオリジナルサウンド版での上映。ニッポンの極上ドタバタ喜劇を観て一年を笑顔でスタートしよう。新春にふさわしいプログラム。

 

©国際放映

Cプログラム日本の傑作喜劇②
「腰抜け二刀流」Koshinuke Nitoryu
(1950/76分/トーキー/Blu-ray)新東宝
監督:並木鏡太郎
出演:森繁久弥、轟夕起子

森繁久弥の映画初主演作。ボブ・ホープの『腰抜け二丁拳銃』(49)を下敷きにしたミュージカル喜劇。当時軽演劇に出ていた森繁が「実力からいえば当然とはいえ、異例の出世ぶり」(『日本の喜劇人』小林信彦)を果たし見事なスラップスティック芸で魅せる。伝説の名女優・轟夕起子、花菱アチャコ、清川虹子ら共演。

 

Dプログラム最後の喜劇王 ジェリー・ルイス
「マイ・フレンド・アーマ」My Friend Irma
(1949/102分/トーキー)パラマウント・ピクチャーズ
監督:ジョージ・マーシャル
出演:マリー・ウィルソン、ディーン・マーティン&ジェリー・ルイス

2017年に91才で世を去ったジェリー・ルイス。ディーン・マーティンとの「底抜けコンビ」は日本でも大人気だった。彼らが映画デビューを果たした本作は、日本未公開。日本語字幕付きフィルム上映は激レア中の激レア!コンビが得意としたナイトクラブのネタが再現されているのも見所。

 

 

Eプログラムチャーリー・チェイス特集
「うっかり屋メーベル」Mabel’s Blunder
(1914/13分 19分/サイレント)キーストン・フィルム・カンパニー
監督:メーベル・ノーマンド
出演:メーベル・ノーマンド、ハリー・マッコイ、チャーリー・チェイス

「チェイスの一日警官」Sittin’ Pretty
(1924/14分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:レオ・マッケリー
出演:チャーリー・チェイス、ポール・パロット

「チェイスの国王万歳」Long Fliv the King
(1926/22分 18分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:レオ・マッケリー
出演:チャーリー・チェイス、マックス・デイヴィッドソン、オリヴァー・ハーディ

「ママの言う通り」On the Wrong Trek
(1936/18分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:チャールズ・パロット、ハロルド・ロウ
出演:チャーリー・チェイス、ロシーナ・ローレンス

過去のクラコメで名だたる喜劇王たちに迫る人気だったチャーリー・チェイスを大フィーチャー。映画初期からトーキーに至るキャリアを一挙に楽しめる。中流紳士が巻き込まれる騒動を描かせたらチェイスの右に出るものなし!実弟との幻の共演作や歌い踊るチャーリーが見られるトーキー作品も。

伴奏:柳下美恵(電子ピアノ)

 

Fプログラムよみがえる喜劇人 マルセル・ペレーズの世界
「ダムの海中結婚」Lend Me Your Wife
(1921/20分/サイレント/Blu-ray)イーグル・フィルムズ
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ、レックス・アダムス

「ダムの十六人早変り」A Busy Night
(1916/17分/サイレント/Blu-ray)イーグル・フィルムズ
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ

「ユー・アー・ネクスト」You’re Next
(1919/21分/サイレント/Blu-ray)ジェスター・コメディ・カンパニー
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ、ドロシー・アール

以上3作品 Undercrank Production提供 協力:ニューヨーク近代美術館

フィルム発掘やデジタル技術の進歩により知られざる喜劇人の復権が進んでいる。スペイン出身のマルセル・ペレーズもその一人。映画初期に欧州で活躍し日本では「ダム君」の愛称で親しまれたが、夭折し忘れ去られた。今回は米国時代の3作品を上映。日本での上映は約100年ぶり!創造性溢れるペレーズの喜劇と塩屋楽団のコラボは画期的。

伴奏:塩屋楽団(鈴木勝 guitar、森本アリ trumpet、山本信記 trumpet, piano、吉野かおり trombone、澤井まり alto saxophone、仲川達也 synthesizer, sampler)

 

Gプログラムショートコメディのマエストロ サイレント編
「マックスと犬」Max et son chien Dick

国立映画アーカイブ所蔵

(1912/9分/サイレント/35mm)パテ・フレール
監督:マックス・ランデー
出演:マックス・ランデー、犬のディック
国立映画アーカイブ所蔵作品

「チャップリンの勇敢」Easy Street
(1917/23分/サイレント)ミューチュアル社
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、エリック・キャンベル

「サタデー・アフタヌーン」Saturday Afternoon
(1926/30分 27分/サイレント)マック・セネット・コメディーズ
監督:ハリー・エドワーズ
出演:ハリー・ラングドン、ヴァーノン・デント

「白日夢」Daydreams
(1922/23分/サイレント)ファースト・ナショナル・ピクチャーズ
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ジョー・キートン

クラコメ恒例の短編喜劇集、今回は無声編とトーキー編に分けてお届けする。無声編は誰もが納得の喜劇王たちが集結。フランスのマックス・ランデーとチャップリンの「師弟対決」、永遠の少年ハリー・ラングドンのチャーミングな結婚喜劇、そして我らがバスター・キートンの隠れた傑作。ご堪能あれ!

伴奏:鳥飼りょう(電子ピアノ)

 

Hプログラムショートコメディのマエストロ トーキー編
「極楽ボート騒動」Towed in a Hall
(1932/21分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジョージ・マーシャル
出演:ローレル&ハーディ、ビリー・ギルバート

「キーストン・ホテル」Keystone Hotel
(1935/15分/トーキー)ワーナー・ブラザース
監督:ラルフ・スタウブ
出演:フォード・スターリング、ベン・ターピン他

「新学期はつらいよ」Bored of Education
(1936/10分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ゴードン・ダグラス
出演:ちびっこギャング、ロシーナ・ローレンス

「3ばか競馬必勝法」Playing the Ponies
(1937/15分/トーキー)コロンビア・ピクチャーズ・コーポレーション
監督:チャールズ・ラモン
出演:3ばか大将

無声喜劇のDNAを受け継いだ短編はトーキー初期にまだまだ作られていた。往年の無声スターの同窓会コメディ『キーストン・ホテル』は屈指のパイ投げ合戦で知られるカルト作。懐かしのちびっこギャングと3ばか大将はご家族でどうぞ。ローレル&ハーディは欧米で新作伝記映画が公開予定。

 

 前座

「処刑遊戯(完全版)」(2017/3分/DVD)作:顔ジャワ
「漫画ヘントウセン」(2016/4分/DVD)作:顔ジャワ
顔ジャワ(清本一毅)の毒があって不思議に可愛いアニメーションでひと笑い。

 

 

作品解説:いいをじゅんこ
記載以外はすべて16mmフィルムでの上映

《料金》入れ替え制*当日に限り2プログラム目は100円割引
演奏付き上映(招待券のご利用不可) 一般1400円 会員・学生1200円 小中学生1000円
上映のみ 一般1200円 会員・学生1000円 小中学生800円
*未就学児は無料

フライヤーデザイン:萩原小麻紀

主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:国立映画アーカイブ


第30回 くにづか月イチ上映会
2019年1月20日(日) 13:30〜
 
「白鳥の死」(フランス/1937/84分/16mm)
監督:ジャン=ブノワ・レヴィ

バレエ学校の少女たちの熾烈な主役争い。

 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


『モダン・ラブ』
2019年1月18日(金)〜29日(火) [水・木休映]

この恋が終わるとき、
新しい世界が始まる。

「モダン・ラブ」
(2018/115分/ブルーレイ上映)
脚本・監督:福島拓哉
プロデューサー:本井貞成、岩本光弘、福島拓哉
撮影監督:木村和行 撮影:難波俊三、川口紘
照明:高橋拓 サウンドディレクター:田中秀樹
美術:安藤秀敏、菊地実幸 衣装:森美幸、増渕麻衣
ヘアメイク:榎本愛子 VFX:菊地実幸
助監督:渡辺イチ 制作主任:板部文
音楽:トルコ石、河原弘幸(floating mosque)
配給・宣伝:P-kraft 宣伝協力:Tokyo New Cinema
協賛:メディックメディア、PARIBAR 製作:P-kraft、ラフター

出演:稲村梓、高橋卓郎、芳野正朝、今村怜央、佐藤睦、ヤン・イメリック、川瀬陽太、町山博彦、大木雄高、園部貴一、草野康太

カーディフ国際映画祭 審査員特別賞/セブ国際映画祭 グランプリ/サウステキサス国際映画祭 グランプリ/マドリッド国際映画祭 最優秀VFX賞/ハンブルグ日本映画祭 特別芸術賞/ニース国際映画祭 最優秀音響賞
すべての
終わってしまった恋人たちと
出会わない恋人たちと
まだ知らない恋人たちへ

東京国際映画祭ほか世界各国の映画祭で絶賛、全国公開された『アワ・ブリーフ・エタニティ』の福島拓哉による、8年ぶりのオリジナル長編作品。
愛する恋人を失った女性の孤独と葛藤、その先にある新たな心の揺らぎ。常にテーマの軸にある東京を舞台にしつつも、地方ロケや独立問題で世界中の注目を集めるスペイン・カタルーニャ州でのロケを敢行。福島監督の得意とするサイコ・ファンタジー作品であり、心に刺さる痛々しい青春映画である。
SFかつ哲学的、予測不能の奇想天外な物語が「真実の愛とは何か」を投げかける、見たこともないエンターテインメント作品が誕生した。

「起きてないことはすべて、起こり得るってことだから。気づいてないだけで」

東京、現在。
NASAが太陽系内に生命体が存在する可能性のある新惑星・エマノンを発見したと発表。
衝撃的なニュースは世界中を駆け巡り、新惑星ブームが到来する。しかし人々の盛り上がりと裏腹に、異常気象が頻発するようになる。

旅行代理店でアルバイトをしながら、大学で理論物理学を専攻している大学院生・ミカ(稲村梓)は、5年前に失踪してしまった恋人・テル(高橋卓郎)のことが忘れられない。彼女は一見普通の大学院生だが、出会い系アプリで男を漁り孤独を埋めつつ、妄想でテルと会話している。そんなミカの様子を、親友のゲイ・シゲ(芳野正朝)や、研究室の先輩・高山(佐藤睦)は心配している。

ある日、ミカは発作的に既視感を覚えるようになり、もう一人の自分と出会ってしまう。互いに驚く二人のミカだが、どうすればいいかわからない。テルの親友・バード(今村怜央)に相談しに行くと、さらにもう一人のミカが現れ、それぞれが本来は違う世界線に存在するミカだということがわかる。パラレルワールドが交錯してしまっているのは、エマノンの影響かもしれない、とバードは語る。
テルが失踪した世界のミカ、テルと出会い恋が始まる世界のミカ、そしてテルが既に死んでいる世界のミカ。三人はそれぞれの人生を変える選択を迫られる…。

1月19日(土)・20日(日) 福島拓哉監督 上映後トーク
* 19日 限定1名様に抽選で『モダンラブ』未使用脚本プレゼント
* 20日 出演のヤン・イメリックさんも来場決定

→公式サイト
→公式ツイッター
→公式FB

《料金》
前売:1500円(ポストカード付き)
一般:1700円 学生・シニア:1100円 会員:1000円
*初日サービスDAY 1100円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。