プログラムPROGRAM

鈴木卓爾監督最新作
『ゾンからのメッセージ』
2019年1月25日(金)〜2月5日(火)[水・木休館]

©️映画美学校/不写之射プロ

「ゾンからのメッセージ」
(2018/117分/ブルーレイ上映)
監督:鈴木卓爾 脚本・プロデューサー:古澤健 撮影:中瀬慧 音響:川口陽一 照明:玉川直人 編集:浜田みちる、鈴木卓爾 音楽:澁谷浩次(yumbo)
製作:映画美学校、不写之射プロ 宣伝協力:SPOTTED PRODUCTIONS 配給・宣伝:不写之射プロ

出演:
高橋隆大、長尾理世、石丸将吾、唐鎌将仁、飯野舞耶、律子、古川博巳、山内健司(青年団)

©️映画美学校/不写之射プロ

不思議で懐かしい時の止まった町、
その名は夢問町

20年前のある日突然、夢問町は、謎の現象「ゾン」により町全体が覆われてしまいました。無謀にもゾンの向こうへ行った人もいましたが、帰ってくる人は誰もおらず、今ではそんなことをする人もいなくなりました。この町の人々は何を想い、20年の日々を過ごしてきたのでしょう? 生まれた時から町の外を知らない若者は、ゾンに何を見るのでしょうか? 町の外はまだそこに在るのでしょうか?

古澤健(脚本・プロデュース)×
鈴木卓爾(監督)
「誰も観たことのない映画を創る」

数々のTV・映画の話題作を手掛けてきた古澤健(『今日、恋をはじめます』『クローバー』)と、映画の地平を次々と塗り替え続ける鬼才・鈴木卓爾(『ゲゲゲの女房』『ジョギング渡り鳥』第8回TAMA映画賞特別賞)が異色のタッグを組み、とびきり奇妙で魅力溢れる青春SF群像劇がここに誕生した。古澤は、本作で初のプロデュースも務める。

存在感(リアリティー)ある登場人物たち
未知の世界に憧れ戸惑う登場人物を生き生きと演じるのは、映画美学校アクターズ・コース2期高等科で共に演技の研さんを積んだ俳優たち。人生の深遠を平明な言葉で紡ぐ古澤(脚本)、俳優の個性に寄り添う演出を得意とする鈴木(監督)、そして彼ら俳優の協同作業(エチュードやリハーサル)により、オリジナリティに満ちた設定、キャラクター、ストーリーが生み出されていった。

©️映画美学校/不写之射プロ

総製作期間4年超
才能ある若いスタッフ・キャストが総力を結集し、それぞれの役割を超えてともに映画の世界観を具現化した。埼玉県深谷市に架空の「夢問町」の一角を立ち上げた合宿ロケ、町を囲む現象「ゾン」を組み上げた合成作業、いずれにおいても俳優たち自身が重要な作業を担ったことは、通常の映画製作と比べて画期的なことである。総製作期間は実に4年を超える。映画『ゾンからのメッセージ』は内容面だけでなく、製作面においても「誰も観たことのない映画」を目指した。

美しい風景と鮮烈な音楽
寓話的でありながら、ドキュメンタリーやメタフィクションの要素も垣間みえる多層構造も、本作の大きな魅力の一つである。この壮大なレイヤーを、ロケ地・深谷の美しい風景と、孤高のバンド『yumbo』の渋谷浩次が手掛ける鮮烈な音楽が、針と糸のように繋いでいく。こうして自由闊達で不可思議で、でもどこか懐かしい世界が生まれた。映画の終わりに、登場人物たちは何を見つけるのか。あなた自身の目で確かめてほしい。

→公式サイト

1月26日(土)「ゾンからのメッセージ」上映後トーク
鈴木卓爾(監督)・古澤健(脚本・プロデューサー)

 
自分の家、学校、町。それが世界のすべてでそこから出ることなど思いもおよばなかった頃が誰にもあるはずなのに、人はなぜか『ゾンからのメッセージ』の世界を不条理と呼ぶ。鈴木卓爾の撮るものが変に見られがちなのは普通は比喩でしかないものを彼がリテラルに見せてしまうからだが、徹頭徹尾「そのまんま」であるとは映画にとって何と魅力的なことだろう。まさにここでは、いつかこの町を出て行こうという若者のリテラルなもがきと疾走が見る者の涙腺をゆるませる。ド直球の青春映画なのだ!
  藤井仁子(映画評論家)

 

《料金》
一般:1700円 学生・シニア:1100円 会員:1000円
*初日サービスDAY 一律1100円
 *招待券のご利用不可

 


『ゾンからのメッセージ』公開記念 特別上映
2019年1月26日(土)・27日(日)

『ゾンからのメッセージ』と同時期に作られた鈴木卓爾監督の中短篇に加え、古澤健監督の初期代表作にして鈴木卓爾主演の『怯える』の16mmフィルム上映。

Aプログラム

© THE FILM SCHOOL OF TOKYO

「All Night」(2014/69分/デジタル)
監督・編集:鈴木卓爾 撮影:中瀬慧
照明:玉川直人 録音:川口陽一
出演:酒井進吾、佐々木亮、竹之下桃、田村幸大、千原直道、長谷川佳代、藤井治香、裕木つゆ、吉岡紗良 他
映画美学校アクターズ・コース第3期短編ゼミ作品
 
「カメラは映画館から出るな!」
半年間で芝居を練り、深夜の映画館を舞台に二晩で撮り上げた、出会いと別れの映画館群像劇。

 

Bプログラム

© THE FILM SCHOOL OF TOKYO

「怯える」(1998/34分/16mm)
監督・脚本:古澤健 製作:横川一郎、別府文隆
撮影:井上史浩、大石始、安里麻里、山中隆史
照明:八木太郎、木田貴裕、春川和代、井上かおり
録音:石谷岳寛、近藤麗子
美術:堀内玲奈、川口俊平、茅野太滋、山田晃久
編集:筒井武文 音楽:パーパ
出演:鈴木卓爾、長門かおり、太田ゆき江、高橋洋、花本ちなみ、下田温泉
映画美学校フィクション・コース第1期初等科作品
1999年クレルモンフェラン国際短篇映画祭招待作品

近藤は一見、ごく平凡な専門学校生。恋人・ゆみかとは、彼女が姉と暮らす家に気軽に出入りできるような関係だ。そんな近藤のもとに、ある日届いた1本のビデオテープ。そこには近藤がおかした、ある「事件」が映し出される。差出人は不明だが、ビデオの最後には「携帯電話を購入し、その番号を駅の伝言板に書いておけ」との指示があった。ほどなくかかってきた「ぼくはあなたのファンなんです」という謎の男からの電話。かれらの目的は何なのか? 近藤はさらなる闇へ引きずられていく。

©️migrant birds association

 
「ハングリー・ライク・ゴダール!」
(2014/25分/デジタル)
製作:ミグラント・バーズ
導演・編集:鈴木卓爾 撮影:坂西未郁
アイディア:篠崎誠 
出演:律子、裕木つゆ、中川ゆかり、矢野昌幸、鬼束功、坂西未郁
 
日本人女性二人がゴダールを待ちながらゴーヤチャンプルーを作る。果たしてJLGは来るのか? ハートを射抜けるのか?
 

《料金》入れ替え制
一般:1200円 学生・シニア:1100円 会員:1000円
*当日『ゾンからのメッセージ』ご鑑賞で200円割引 *招待券のご利用不可

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。