プログラムPROGRAM

新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸
最後のプログラムピクチャーと呼ばれて
〜滝田洋二郎監督と異色のフィルムメーカーたち〜  vol.1

2020年11月28日(土)・29日(日)

人気シリーズ「新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー」が帰ってきました。新シリーズの初回は、滝田洋二郎監督による2作品をお届けします。

「痴漢電車 下着検札」

(1984/64分/35mm)新東宝映画
監督:滝田洋二郎 脚本:高木功 撮影:志賀葉一 編集:酒井正次 助監督:片岡修二
出演:螢雪次朗、竹村祐佳、風かおる、竹中ナオト、中山光男、高橋雅之、雅セリナ、木村和美

爆殺された張作霖が所有していた世界最大の黒真珠の指輪が現代の日本に! その隠し場所を探すべく依頼を受けた私立探偵黒田一平は現代史の謎に詳しい推理作家松木清張に協力を求め……。夭逝した天才脚本家高木功&滝田洋二郎監督のゴールデンコンビによる傑作。竹中直人が重要な役で出演。

 

「ザ・緊縛」

(1984/60分/35mm)新東宝映画
監督:滝田洋二郎 脚本:夢野史郎 撮影:志賀葉一 編集:室田雄 助監督:佐藤寿保
出演:西川瀬里奈、中根徹、螢雪次朗、竹村祐佳、しのざきさとみ、伊藤幸子、池島ゆたか

謎めいた女がタクシー運転手に残していった一本のビデオテープ。そこにはある秘密の緊縛ショーの模様が収録されていて……。会員制のSMショーとその裏にうごめく組織の秘密をめぐって展開するノワール風の一篇。パンチの効いた展開の中にもロマンチックな演出が冴える異色娯楽作。

 

上映にあたって  福原彰(新東宝映画)
1962年に誕生したピンク映画は70年代に絶頂期を迎えますが、80年代に入ると家庭用ホームビデオとアダルトビデオの普及に押されて急速に劇場数を減らしていきます。この頃には対応策としてAV界のトップアイドルを主演に招いてレンタル市場を意識した作品作りも頻繁に試みられました(本企画にも菊池エリ、前原祐子といった女優たちが登場します)。ところが80年代なかばから90年前後になると、それまでとは明らかに異質な、エロチシズムや娯楽性の背面に隠れがちであった「映画そのもの」がむき出しになったかのような作品群が現れます。配収が右肩下がりのピンク映画に惰性的に製作費を投入し続ける配給会社の思惑とは関係ないところで、当時の若手の監督たちは映画の個性・面白さ・芸術的価値ないしは作家性というものにピンク映画の作り手としての存在意義を見出していくのです。そのふたつの代表例が、滝田洋二郎監督による文句なしに面白い「痴漢電車」シリーズと、国映朝倉大介氏製作の重厚な「ピンク四天王」による作品群といえるでしょう。やや遅れて「大蔵ヌーベルヴァーグ」もその流れにあったといっていいかもしれません。国映=新東宝系ではその流れが2000年代に入っても主に「ピンク七福神」といわれる監督たちに継承されていきますが、いっぽうで90年代の半ばをすぎたあたりからある種の反動もおこります。当時盛んになりつつあった低予算の「エロスVシネ」の市場に商業的な活路が見出されたこともあって、作風としては映画的なドラマ性を重視したスタイルで、新東宝系ではベテラン深町章監督を中心に、Vシネマの若い作り手たちとは一味違った低予算を逆手にとったような熟練した職人芸としてのピンク映画が多く作られ、オリジナルビデオ作品であるかのごとき装いで次々とビデオ化・DVD化されていくのです。これらの作品群はピンク映画を知らない若い世代の視聴者層(主に団塊ジュニアの世代)にある種の驚きをもたらし、当時まだそれなりの規模があったレンタル市場で安定した人気を獲得していきます。このように現在にいたるまで多彩にそしてしぶとく生き抜いてきたピンク映画が「最後のプログラムピクチャー」と呼ばれるのは決していわれのないことではありません。そのことは娯楽性・芸術性それぞれにバイアスのかかった今回のプログラムが証明しているといえるでしょう。

協力:ぴんくりんく

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 ユース1000円 会員900円
《割引》当日2本目は200円引き

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。