プログラムPROGRAM

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[貸館]天宮遥ピアノシアター Vol.1
~サイレント映画の素晴らしい世界&天宮遥の曲もきいてね~
2017年10月14日(土) 開場14時 開演14時30分

神戸出身のピアニスト天宮遥。
ピアニストとして、シンガーソングライターとして、テレビ・ラジオのCM音楽を手掛ける作曲家として、ラジオパーソナリティーとして活動の幅を広げてきたが、サイレント映画に魅了され2015年神戸映画資料館にてサイレント映画ピアニストとしてデビューを果たした。
第1回の自主公演となる今回は、喜劇王バスター・キートンの初期作品「キートンの鍛冶屋」と、大女優グロリア・スワンソンの初期作品「雨中の逃亡」を伴奏上映するほか、ラジオ関西「天宮遥の私はピアノ」のパーソナリティーとしておなじみの天宮遥の軽妙なトークと共にオリジナルピアノ曲の数々を披露する。

 

[上映作品]
「キートンの鍛冶屋」The Blacksmith
(アメリカ/1922/25分[18コマ]/16mm)
監督:バスター・キートン 出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス
鍛冶屋の見習いキートンは、ドジの連続。ある日、訪れた白馬の美女に夢中になり、馬の世話をしようと近づくと、それまで修理していた車に“嫉妬”されて油まみれに。おかげで白馬は手形だらけ。キートンが町へ出たものだから、迷惑の輪は拡がるばかり。だが、騒動に巻き込んだ白馬の美女を急場で救い、そのまま二人は、ハッピー・エンドと思いきや……。結末はいかに。

「雨中の逃亡」Teddy at the Throttle
(1917/30分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー=トライアングル・ディストリビューティング作品
製作:マック・セネット 監督:クラレンス・G・バジャー
出演:ボビー・ヴァーノン、グロリア・スワンソン、ウォーレス・ビアリー、犬のテディ
今年、100周年を迎えるこの作品は、のちに大女優となったグロリア・スワンソンが登場。愛犬テディーはご主人さまを危機から救うことができるのでしょうか!?青春と共に歌って踊る、ピアノ伴奏がぴったりな作品です。汽車をつかったアクションシーンが圧巻の「元祖・勧善懲悪」ロマンティック・コメディの決定版!

天宮 遥 あまみや はるか
神戸生まれ。4歳からピアノをはじめ、楽しくも厳しい音楽教育を受けて現在に至る。
シンガーソングライター、ピアニスト、作曲家としてジャンルを越えた音楽活動を展開中。
演奏と歌はオリジナル、映画音楽、クラシック、童謡など多岐にわたり、全国で「歌う講演会」活動を展開中。
ラジオをこよなく愛し、自らの出演のほか制作にも携わる。レギュラー番組は、ラジオ関西「天宮遥の私はピアノ」ほか。
音楽療法の可能性を追ったドキュメンタリー番組「音楽療法の現場を追う」、企画制作出演した「アイラブピアノ」は、平成21年度 民間放送連盟賞優秀賞を受賞。
神戸を舞台にした映画作品「Real Blue」の音楽を担当するほか、三宮センター街2丁目アートミュージアムの音楽を制作。
神戸大学発達科学部音楽表現論コース卒業、兵庫教育大学大学院芸術系コース卒業。
天宮遥公式ホームページ

《料金》 当日1500円


イラスト:やまだないと

堀禎一監督最新作
『夏の娘たち~ひめごと~』
2017年9月29日(金)〜10月10日(火)[水・木休映]

「夏の娘たち~ひめごと~」
(2017/75分/HD[ブルーレイ上映])R-15
監督:堀禎一
製作:高津戸顕、森田一人、朝倉大介
脚本:堀禎一、尾上史高
撮影・照明・録音:渡邉寿岳
音楽・音響・整音:虹釜太郎
編集:堀禎一
助監督:永井卓爾
撮影協力:上田市フィルムコミッション、伊那谷市フィルムコミッション
宣伝:細谷隆広
配給:インターフィルム

出演:西山真来、鎌田英幸、松浦祐也、志水季里子、下元史朗、速水今日子、ビノシュ、和田みさ、櫻井拓也、小林節彦、川瀬陽太、外波山文明

長く止まっていた時間が動き出し、
人間関係が変わりはじめる。
それは自ら運命を選択する女たちのひと夏の物語。

[STORY]
山あいの小さな町に直美(西山真来)は養父の最期を看取りに戻って来た。義理の弟・裕之(鎌田英幸)との再会はふたりのあいだに秘密の過去をよみがえらせる。彼らは姉と弟の関係を越えて男女の仲に至っていた。裕之への愛を再燃させた直美だったが、やはりこの町に戻って来た幼なじみの義雄(松浦祐也)を前に思いは乱れる……。

 

知られざる最後の天才監督:堀禎一が、
原風景に横たわる普遍の土着的人間世界を、官能と禁忌の物語として表露する。

[INTRODUCTION]
ピンク映画でデビュー、ライトノベルやコミック原作の青春映画で高く評価されたのち、ドキュメンタリー作品を連作するなど、ジャンルを横断した活動を展開する映画監督・堀禎一6年ぶりの劇映画は、原点に回帰した官能と禁忌の物語。
地方都市を舞台にして冴えをみせる堀が今回ロケ場所に選んだのは、信州は長野県上田市。静岡県の斜面集落の四季を追ったドキュメンタリー『天竜区』シリーズの方法論をフィクションに取り込み、ひんやりと清冽な夏の風の吹くなか、それぞれの手で運命を選ぼうとする女性たちの姿が描かれる。
家族、血縁、地域に根差したきわめて土着的な人間関係に着目した作劇は、それらが決してなくなったわけではなく、今も現代の日本で孤独を抱え、愛を求め、惑い、迷い、揺れ動く人びとに普遍の出来事であることを浮かび上がらせる。
藤田敏八の『妹』のようにひとりの女の帰還から血をめぐるタブーの物語が動きはじめ、エドワード・ヤンの『ヤンヤン 夏の想い出』を裏返したように進み、いや、葬式で始まり結婚式で終わる物語とはずばり小津安二郎の『秋日和』そのもの――。映画史への鋭敏な自覚にもとづく豊饒な映画的記憶を下敷きにしながら、それらといずれも似て非なる堀禎一独自の世界が高地の涼しい空気のなかに展開する。
ヒロインの直美役に舞台、映像で活躍する西山真来。『乃梨子の場合』(’15)につづく映画主演作で、リアルな女性の息吹を表現している。共演は舞台で活躍する鎌田英幸、『怒り』(’16)『まんが島』(’17)の個性派・松浦祐也が演技を披露している。ほかに『ブルーレイン大阪』(’83)の志水季里子、『つぐない ゴールデン街の女』(’14)の速水今日子、『貌斬り』(’16)の和田みさ、『ローリング』(’15)の川瀬陽太、『濡れた欲情 特出し21人』(’74)の外波山文明、ビノシュ、櫻井拓也、小林節彦、下元史朗ら個性派俳優が脇を固めている。

 

 

堀禎一
1969年、兵庫県生まれ。東京大学仏文科を卒業後、佐藤真構成・編集のドキュメンタリー『おてんとうさまがほしい』(’94)の制作に参加。小林悟、北沢幸雄、サトウトシキ監督らの助監督を務めたのち、ピンク映画『宙ぶらりん』(’03 公開題:SEX配達人 おんな届けます/別題:弁当屋の人妻)で監督デビュー。3本のピンク映画を発表後、『妄想少女オタク系』(’07)で一般映画を監督。『憐 Ren』(’08)『魔法少女を忘れない』(’11)などのライトノベルやコミック原作映画、ピンク映画『東京のバスガール』(’08 公開題:したがるかあさん 若い肌の火照り/別題:恍惚)などを発表するかたわら、映画論、映画評の執筆も行う。2013年からは静岡県の集落に通いつめて定点観測ドキュメンタリー『天竜区』シリーズの製作をつづけている。
*東京での『夏の娘たち~ひめごと~』公開、および特集上映が大盛況の最中の2017年7月18日くも膜下出血により逝去。享年47歳。

STORY・INTRODUCTION・プロフィール文制作:磯田勉

→公式サイト
→予告編

《料金》
一般:1500円 学生・シニア:1100円 会員一般:1100円 会員学生・シニア:1000円
*初日サービスDAY 一律1100円

9月29日(金)初日上映前挨拶 西山真来(『夏の娘たち~ひめごと~』主演)

9月30日(土)堀禎一監督追悼特別上映
「宙ぶらりん」

(成人公開題「SEX配達人 おんな届けます」)R-18
(2003/64分/35mm)
東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督:堀禎一 脚本:奥津正人 撮影:橋本彩子
照明:安部力 音楽:綱元順也 編集:矢船洋介
制作:国映、新東宝映画
出演:恩田括、ゆき、加藤靖久、佐々木日記、涼樹れん、マメ山田、星野瑠海、伊藤猛
美香は同棲中のオサムとの結婚を望んでいるが彼はなかなかその気になれない。デリヘル嬢の運転手をしているオサムは新人に心惹かれ、弁当屋で働く美香は常連客にプロポーズされて困惑する……。 大人になりきれない男女の恋愛模様を繊細に綴った堀禎一のデビュー作。最新作『夏の娘たち~ひめごと~』と同じく青春の終わりが最後に訪れる。
《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1100円 会員一般:1100円 会員学生・シニア:1000円
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター


[貸館]第1回 時報映画作品研究会
2017年9月18日(月・祝)13時~17時

ネット上で一部層から絶大な人気を誇る、幻のアニメ『星の子ポロン』『ガンとゴン』を生み出した映像会社、”時報映画社” が製作したとされる交通教育アニメーション作品を徹底的に研究&討論!
参考上映あり

参加費:一般2000円 未成年1500円

主催:鯉の出汁(時報映画作品研究)
お問い合せ:starchild_poron@yahoo.co.jp


JISYU〈自主映画アーカイヴ上映〉 vol.1
万田邦敏とパロディアス・ユニティ
(1970年代東京)
2017年9月16日(土)神戸、17日(日)大阪

日本における自主制作映画、学生映画、個人映画の歴史は長く、戦前より作られてきた。製作された映画のフォーマットは16ミリ、9.5ミリ、8ミリのフィルムから始まり、1990年代にはヴィデオそして2000年代にはデジタル・ヴィデオへと移っていく。そんな中で、フィルムを中心にかつて製作され、忘れ去れられんとする作品を中心に〈自主映画〉の歴史を隔月で発掘し、上映していく。
この企画により、自主映画(実験映画、個人映画を含む)には、反商業的なあるいは実験的なあるいはテレビや商業映画、娯楽映画ではけっして扱わない野心的なテーマや題材を扱った作品が多数あり、その時代によって映画を志した若者たちが何を表現しようとしたかを発見することになる。

9月16日(土)神戸プログラム

13:30〜15:50
追悼ジョナサン・デミ 万田邦敏特別講演+参考上映
ジョナサン・デミは変身と変化にこだわり続けた映画作家です。それを検証することで、デミを追悼したいと思います。(万田邦敏)

16:05〜18:40
3作品上映+トーク

「西風」

『西風』(1977年/20分/8mm)
愛人だった男の死の真相を探る女が、バザン、ゴダール、メカスという人物たちを訪ね歩く。

『四つ数えろ』 (1978年/30分/8mm)
ヌーヴェル・ヴァーグの時代に間に合わなかった、『スパイ大作戦』と『タイムトンネル』の世代の映画。

『大回転』(1990年/32分/8mm)
前作から12年を経て製作された作品。カフカの『失踪者』が原作。故郷を追われた男が、東京でひたすら仕事や居場所を転々とし続ける。

万田邦敏監督トーク
聞き手:田中晋平(一般社団法人神戸映画保存ネットワーク客員研究員)

 

9月17日(日)大阪プログラム

18:00〜20:30
4作品上映+トーク

「SCHOOL SOUNDS」

『メイド・イン・76』(1977年/12分/8mm)
万田邦敏処女作。愛についての独白と対話。

『SCHOOL SOUNDS』(1978年/30分/8mm)
70年代末の大学を舞台に、学食の値段の不確かさやかつての時計台をめぐる闘争などが語られていく。

『女の子はみんな双子である』(1980年/35分/8mm)
女の子たちを映画が増殖させる。双子の恋人の姿に翻弄され続ける男の子の悲喜劇。

『逃走前夜』(1982年/8分/8mm)
前半を万田邦敏、後半を黒沢清が演出している。学生運動をパロディ化した活劇。

万田邦敏監督トーク
聞き手:田中晋平(一般社団法人神戸映画保存ネットワーク客員研究員)
 

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1500円 学生1000円 会員1300円

主催:神戸映画資料館、プラネット・プラス・ワン、CO2、一般社団法人神戸映画保存ネットワーク

関連企画
9月17日(日)・18日(月・祝)
CO2俳優×監督ワークショップ2017 万田邦敏の演出術
(大阪)
*詳細はCO2ホームページ(近日リニューアルオープン)をご覧ください。


写真家・北井一夫 新たな写真芸術への挑戦
『過激派 AGITATORS』上映とトーク
2017年9月9日(土)
16:00 『過激派 AGITATORS』上映
17:10 トーク:北井一夫(写真)+江田常仁(監督)

「過激派 AGITATORS」
(2015/59分/DVD上映)
写真:北井一夫 音楽:望月芳哲(B)、広瀬淳二(Ts)、IronFist辰嶋(Ds)
撮影・編集:野田昌志、前手秀記 編集:深田隆之 監督:江田常仁
プロデュース:北井一夫、江田常仁

写真家 北井一夫 × 前衛ハードコアフリージャズバンド 望月芳哲+広瀬淳二+IronFist辰嶋
ゴツゴツとした映像に歪な編集、終わらない轟音
まるで監視カメラ映像のような冷たい感覚

写真家・北井一夫の「風景」「神戸港湾労働者」「抵抗」「過激派」「バリケード」から制作したスライド映像と前衛ハードコアフリージャズバンド望月芳哲、広瀬淳二、IronFist辰嶋との異種格闘ライブを記録した異色のドキュメンタリー作品。撮影には映像作家・野田昌志が参加。

 

北井一夫  きたいかずお
満州生まれ。神戸市立生田中学校卒業、神戸市立葺合高校卒業、日本大学芸術学部写真学科を中退。
1975年、第1回木村伊兵衛写真賞を受賞。2013年、日本写真協会賞・作家賞を受賞。
学生運動から市民、労働者、農民、中国、ドイツ等の幅広いテーマで写真を撮り続ける第一線で活躍するドキュメンタリー写真家。作品集を多数出版。東京都写真美術館で個展が開催され、観客動員数の記録を更新する。
写真家として新たな挑戦、ドキュメンタリー作品「過激派」を発表 海外で高い評価を得る。
江田常仁 えだつねひと
有限会社近未来考古学研究所 代表取締役。独自の視点で文化芸術事業のプロデュース業務を行うオルタナティブカンパニー集団を率いる。個人として映画映像作品の監督、俳優、DJ を行う。

《参加費》 一般 1500円 学生 1000円 会員 1000円


アクティブ・アーカイブ・プロジェクト 誰でもアーキビスト
みんなで発掘・宝探し試写会
2017年9月2日(土) 15:45〜

神戸映画資料館には、1万5千本を超える収蔵フィルムがありますが、内容が未調査のものも多数あります。劇映画のほか、教育目的で作られたものやホームムービーなどなど。それらを実際に映写機にかけて上映し見ていきます。一口に映画フィルムといっても多様であることを知っていただく機会です。どんな映像が写っているでしょうか。宝探しの気分でご参加ください。

 

《料金》 無料

主催:神戸映像アーカイブ実行委員会
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成対象事業」(平成29年度)


第14回 くにづか月イチ上映会
2017年9月2日(土) 13:30〜

 

《料金》 無料

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


アレクサンダー・クルーゲ監督特集
8月11日(金・祝)〜13日(日)、19日(土)・20日(日)計5日間

コラージュとしての歴史
──── 断片から浮かび上がる映画とドイツ

戦後(西)ドイツに新しい映画文化の礎石を築いた中心人物がアレクサンダー・クルーゲである。フランクフルト学派でアドルノの薫陶を受けたクルーゲは社会理論と美学理論の交点に新たな文学と映像表現を模索し、その監督作品は他に類例を見ない知性と感性、即物性と観念性が縒り合された映像コラージュを展開する。シュレーターやジーバーベルクの耽美志向の断片性とクルーゲの知的モンタージュとが対をなして戦後ドイツの前衛映画の方向性を決定したといえよう。おそらくファスビンダーがハリウッドやヌーヴェルヴァーグに傾倒しつつもドイツの歴史を注視し続けたのは、他ならぬクルーゲの影響ではなかったか。まさに新しいドイツ映画美学の要として今なお独自の輝きを放つクルーゲの作品群に触れてほしい。

トーク 『秋のドイツ』を読み解く
8月12日(土)17:40〜(終了予定19:00) *参加無料(要当日の映画チケット半券)
細見和之(ドイツ思想)・渋谷哲也(ドイツ映画研究)
テロリズムと国家権力の対決が過激化する中で、映画には一体何ができるのか。歴史・社会・メディアの絡み合う多様な切り口からこの作品の持つ今日的な意義を検討したい。

 

「昨日からの別れ」Abschied von gestern

© Alexander Kluge / Kairos Film

© Alexander Kluge / Kairos Film

(西ドイツ/1966/87分/16mm)
監督:アレクサンダー・クルーゲ
撮影:エトガー・ライツ、トーマス・マウフ
出演:アレクサンドラ・クルーゲ、ハンス・コルテ
東から単身西ドイツに渡った女性アニタのあてなき放浪の日々。独自のコラージュ手法で戦後ドイツの日常を鮮烈に描き出す。映画タイトルはドイツ映画の再生を象徴するものと見なされた。

 

© Alexander Kluge / Kairos Film

「サーカス小屋の芸人達 処置なし」
Die Artisten in der Zirkuskuppel: ratlos

© Alexander Kluge / Kairos Film

(西ドイツ/1968/103分/16mm)
監督:アレクサンダー・クルーゲ
撮影:ギュンター・ホールマン、トーマス・マウフ
出演:ハンネローレ・ホーガー、クルト・ユルゲンス
サーカス小屋の経営をめぐる紛糾のドラマを描きつつ、多様なテクストや映像をコラージュしてゆく。資本主義社会におけるユートピア探求の困難を皮肉に浮き彫りにするエッセイ映画。

 

「定めなき女の日々」Gelegenheitsarbeit einer Sklavin

© Alexander Kluge / Kairos Film

© Alexander Kluge / Kairos Film

(西ドイツ/1973/87分/DVD上映)*日本初の完全版上映
監督:アレクサンダー・クルーゲ
撮影:トーマス・マウフ
出演:アレクサンドラ・クルーゲ シルヴィア・ガルトマン
子どもと失業中の夫を養うために非合法の堕胎医として働くヒロインが、社会に対して目覚めてゆく。個人の領域と政治的行動をつなぐフェミニズムについてのシニカルなコメントとも受け取れる。

 

「過激なフェルディナント」Der starke Ferdinand

© Alexander Kluge / Kairos Film

© Alexander Kluge / Kairos Film

(西ドイツ/1976/98分/16mm)
監督:アレクサンダー・クルーゲ
撮影:トーマス・マウフ
出演:ハインツ・シューベルト ヴェレーナ・ルドルフ
治安維持に異常な情熱を燃やす刑事フェルディナントは、警察を辞職し大企業の警備主任となる。だが彼の理想への思いは暴走し自身が危険な存在となってゆく。社会風刺的な喜劇。

 

「秋のドイツ」Deutschland im Herbst

© Alexander Kluge / Kairos Film

© Alexander Kluge / Kairos Film

(西ドイツ/1978/119分/DVD上映)
監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、アルフ・ブルステリン、アレクサンダー・クルーゲ、マクシミリアン・マインカ、エドガー・ライツ、カーチャ・ルーペ、ハンス・ペーター・クロース、フォルカー・シュレンドルフ、ベルンハルト・ジンケル
1977年ベンツ社長シュライヤーの誘拐、赤軍派主導者の釈放を求めたハイジャック事件など戦後ドイツの治安は今までになく危機的状況に置かれた。クルーゲの呼びかけで9名の監督がドイツの現状に一石を投じたオムニバス映画。

 

「愛国女性」Die Patriotin

© Alexander Kluge / Kairos Film

© Alexander Kluge / Kairos Film

(西ドイツ/1979/123分/16mm)
監督:アレクサンダー・クルーゲ
撮影:イェルク・シュミット=ライトヴァイン、トーマス・マウフ、ヴェルナー・リューイング、ギュンター・ヘルマン
出演:ハンネローレ・ホーガー、ディータ・マインカ
『秋のドイツ』に登場した歴史教師のガービは、適切なドイツ史教材を求めて「歴史」を掘り起こす旅に出る。戦争映画やニュース映画、絵画、コミックのコラージュが戦後ドイツを浮かび上がらせる。

 

「感情の力」Die Macht der Gefühle

© Alexander Kluge / Kairos Film

© Alexander Kluge / Kairos Film

(西ドイツ/1983/115分/16mm)
監督:アレクサンダー・クルーゲ
撮影:トーマス・マウフ ヴェルナー・リューイング
出演:ハンネローレ・ホーガー アレクサンダー・クルーゲ
「感情」が巻き起こす創造的かつ破壊的な影響を描く、26の断片で構成された映像コラージュ。中心にはクルーゲが「感情の発電所」と呼ぶオペラが据えられ、記録映像、再現ドラマ、歴史的資料と組み合わされる。

 

アレクサンダー・クルーゲ Alexander Kluge
1932年生まれ。第二次大戦の空襲を生き延び、大学で法学・歴史学・教会音楽を学ぶ。弁護士となり、その後作家活動を始める。アドルノの仲介でフリッツ・ラング監督『大いなる神秘』の撮影に加わる。60年、ペーター・シャモニと短編『石の獣性』を共同監督。62年「オーバーハウゼン宣言」の起草者となる。以後新しいドイツ映画の基盤を作るため、公的映画助成や映画高等教育機関の開設を主導した。66年、初長編『昨日からの別れ』でヴェネツィア映画祭銀獅子賞、続く長編第二作『サーカス小屋の芸人たち 処置なし』で同映画祭金獅子賞を受賞。78年様々な監督たちに呼びかけてオムニバス『秋のドイツ』を制作した。
映画理論家として「映画とユートピア」(64年)、「言葉と映像」(共著、65年)などを発表。また、小説家として「履歴書」でベルリン芸術賞を受賞。72年には、社会思想家としての主著「公共性と経験」(共著)を発表。
1987年からテレビの文化番組を制作し、友人だった劇作家ハイナー・ミュラーをはじめ様々な芸術家や文化人のインタビューを行った。

GI_Logo共催:神戸映画資料館、大阪ドイツ文化センター
協力:福岡市総合図書館
企画協力・解説:渋谷哲也

 

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1000円 学生900円
神戸プラネット会員・大阪ドイツ文化センタードイツ語講座受講生 900円
*当日2本目からは200円引き


第13回 くにづか月イチ上映会
2017年8月15日(火) 13:30〜

 

《料金》 無料

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


山宣と治安維持法
『武器なき斗い』上映会
2017年7月29日(土)・30日(日)

「武器なき斗い」

(1960/137分/16mm)大東映画
監督:山本薩夫 原作:西口克己 脚色:依田義賢、山形雄策 撮影:前田実 音楽:林光
製作:角正太郎、伊藤武郎 企画:「山宣」映画化実行委員会
出演:下元勉、渡辺美佐子、宇野重吉、山本学、山内明、河原崎長十郎、小沢栄太郎

治安維持法に反対して兇刃に倒れた労働農民党代議士・山本宣治(山宣)の生涯を描く。山宣没後30周年を記念して製作された。モノクロ作品だが、戦後のラストシーンのみパートカラー。
1923年、関東大震災が日本経済に大打撃をあたえた直後、政府は治安維持法を制定してプロレタリア弾圧に乗り出していた。生物学者として性教育の啓発や産児制限運動を行っていた山本は、政府筋から妨害を受け大学を追放される。やがて労働党の運動に加わった彼は、小作料減免をめぐる争議の惨状を目の当たりにし、衆議院選挙への立候補を決意する。

 

《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1100円
会員一般:1100円 会員学生・シニア:1000円

 

講演と特別上映
7月29日(土)13:40〜15:00 料金:1000円
講演 独立プロ映画運動(1950年代)の監督たち
島田 耕
(映画監督)
1930年生まれ。兵庫県淡路島の自由民権家の子孫で、東宝争議支援から独立プロ運動に参加。亀井文夫監督『母なれば女なれば』(1952)、今井正監督『キクとイサム』(1959)などの助監督の後、『怒りの記録』(1962)を監督。日活児童映画、滋賀県映画センターを経て『大塩平八郎と民衆』(1993)、『カメジロー 沖縄の青春』(1998、橘祐典・謝名元慶福と共同)、『天橋立文殊堂歳時記』(2006)、『仲間と共にスクラムを 一〇四七名二二年の闘い』(2008)、『びわ湖の深呼吸 岡本厳先生とともに』(2011)、『ある治安維持法犠牲者の100年 ~民衆とともに歩んだ医師桑原秀武~』(2013)、『Report びわ湖・赤野井湾 2015』(2015)など多数の作品を構成演出。
特別上映 「山宣・渡政労農葬 嵐の日の記録」
(1964年/27分/サイレント/16mm)
再製委員会:同志社山宣会(代表・住谷悦治) 監修:田村敬男、山中平治、山本英治
製作担当:創生映画社 小坂哲人 解説:田村敬男 後援:同志社大学人文科学研究所
1964年5月29日、同志社山宣会は山宣虐殺35周年の記念祭を行うとともに、山宣関係の資料の調査・収集・研究を行うことになった。一行は墓前に報告、山宣の実家の土蔵で16ミリフィルムを発見し同会最初の仕事としてこの記録映画の再製を行なった。ここまでの記録が前半。後半は山宣の遺骨が京都に帰って来た時に撮られた「山宣 渡政労農葬」の記録映像。特高警察の眼を逃れて三台の16ミリカメラで隠し撮りされた。製作は日本プロレタリア映画同盟京都支部が担当。

協力:独立プロ名画保存会


[貸館]九重佑三子の『コメットさん』生誕50周年記念16mmフィルム秘密試写会
2017年7月23日(日)

上映作品:個人所蔵16mmフィルム(#1#25#49#51#75)
ゲスト:山際永三監督
参加費:無料(完全予約制)
→詳細・予約方法


第12回 くにづか月イチ上映会
2017年7月8日(土) 13:30〜

 

《料金》 無料

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


関西初上映
『ちかくてとおい』
2017年6月30日(金)〜7月11日(火)[水・木休映]

7月1日(土)各回上映終了後 トーク 大久保愉伊(監督)+ 高橋知由(構成)

「ちかくてとおい」
(2015/53分/ブルーレイ上映)
監督・撮影・テキスト・編集・ナレーション:大久保愉伊
構成:高橋知由 音楽:大久保正人 撮影補:西川尚志、高橋知由、小森はるか MA・音楽収録:吉田俊光
助成:GBFund 製作・宣伝・配給:Revolving-Lantern

大津波から30年後
2041年28才になる姪へ

津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町。
かつて町があった場所はかさ上げ工事のために土に埋もれてしまう。
この町で生まれ育った映画作家は、震災後に生まれた姪に向けて、
彼女が大人になる頃には見れなくなる風景について映画で伝えようとする。

風景の記録映像で構成された53分の町の記憶
監督は2011年に『槌音』を発表した大久保愉伊。
彼が生まれ育ったふるさとの記憶と風景を、未来の姪に向けたメッセージで語る、ビデオレターのようなドキュメンタリーが本作『ちかくてとおい』である。本作の主役となるのは様々な時期の大槌の風景。震災前の町並み、震災直後の変わり果てた町の光景、草花が住宅の基礎を覆う夏の景色、町の跡を練り歩く祭り。
現れては消えていった風景の映像に、震災後に生まれ、大人になる姪に向け、町の記憶やメッセージが監督自身の声で語られる。

「2041年あなたの目の前には、どのような町並みが広がっているのだろう? そこではどんな景色が見え、どのような音が聞こえるのだろう?」

インタビューもなければ、登場人物もいない。
ある日突然消えていった風景から、これから生まれる風景を想像させる映像詩。

昨日と今日、今日と明日は似ているようでまるで違う

大久保愉伊(監督)
岩手県大槌町出身。映像作家。成城大学芸術学科に入学後、映画研究部に所属し映画を作り始める。東日本大震災の被災地である故郷を記録した『槌音』(2011)は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2011やキューバ新人監督映画祭などで上映され、日本映画復興会議奨励賞を受賞。同じく故郷を記録した『ちかくてとおい』(2015) は山形国際ドキュメンタリー映画祭2015、ニッポンコネクション2016(フランクフルト)で上映された。以後も故郷を記録し続けている。

→公式サイト
→予告編

《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1000円 会員:1000円


ドキュメンタリー映画
『あるアトリエの100年』
2017年6月16日(金)〜20日(火)

現在のアトリエ内部

女子洋画研究所の生徒たち(16ミリフィルムより)

「あるアトリエの100年」
(2016/110分/HD[ブルーレイ上映])
企画:辻澄子、藤原智子 脚本:千原卓司、山崎欽毅
演出:山崎欽毅、千原礼子
撮影:松田重箕 撮影協力:人見健一、楡金厚行
語り:小原雅一 音楽:松島美毅子
制作:千原卓司
製作:イメージブレーン

2016年キネマ旬報 文化映画ベストテン 第2位

 

 

100年前のアトリエから発見された16ミリフィルム
そこには、日本近代美術史の一頁が刻まれていた

現在のアトリエ外観

東京都渋谷区恵比寿の住宅街に、建てられて100年以上のアトリエが残っています。
1908年に建てられたこのアトリエは、洋画家 岡田三郎助、その妻岡田八千代(小説家・劇作家。小山内薰の妹)、洋画家 辻永(ひさし)が住み嗣いできた歴史あるアトリエです。
最近、このアトリエの調査で、16ミリフィルムが発見され、それをデジタル化してみると、岡田三郎助や辻永関連の貴重な映像が浮かび上がってきました。
岡田の文化勲章の受賞式、洋画界上げての祝賀会の様子、銅像の贈呈式などに加え、当時のアトリエに通っていた、女子洋画研究所の女学生たちがカラーフィルムで登場していました。いずれも昭和初期の映像です。
岡田三郎助をはじめ、岡田八千代、辻永、岩田藤七、有馬さとえ、森田元子、三岸節子、古沢岩美、いわさきちひろ・…明治、大正、昭和にかけて、このアトリエに関わり、一流の芸術家に育っていった人たちの足跡を、残された16 ミリフィルムの映像、アルバムの写真、関係者のインタビューや美術館などの取材を通して、明らかにしていきます。

→公式サイト

アトリエの主人たち
左から岡田八千代、岡田三郎助、辻永

《料金》
一般:1500円 大学・専門学校生:1200円 中高生:1000円 シニア:1100円
会員:1000円
*初日サービスDAY 一律1100円


くにづか月イチ上映会
2017年6月11日(日) 13:30〜

 

《料金》 無料

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。