イベントEVENT
2009 10

トークイベント「独立プロと西原儀一’60年代の夢」:鈴木義昭(ルポライター)
前編 2009年9月12日(土)
後編 2009年10月3日(土)
特集上映「60年代・独立プロ伝説 西原儀一と香取環」にあわせてトークイベントを開催。
大阪で出版された「ピンク映画水滸伝」(青心社)の著者でありルポライターの鈴木義昭氏が近年、西原儀一監督や香取環を訪ね、その記録が「映画秘宝」などに掲載されるなど、再評価の気運が高まっている。
 
8月16日(日)夕方、西原儀一監督がお亡くなりになりました。謹んでご冥福 をお祈り致します。
 

 西原儀一監督が亡くなった。神戸映画資料館での上映について報告しながら、久しぶりのお見舞いをしようと思っていた矢先のことだった。何ということだろう。しかし、昨年10月に倒れてからまもなく一年が経とうとしていた。その間、危篤は脱したものの集中治療室に入ったまま。喉に管を通されて「声」を失い、看護婦さんに与えられたスケッチブックには「なかなか死ねない」と書いたこともあった。春におこなわれたラピュタ阿佐ヶ谷「60年代まぼろしの官能女優たち」で、『狙う』『桃色電話』『引き裂かれた処女』を上映した。「満員でしたよ」と耳元で言うと、喜んだ顔を見せた。わからないことも多くなっていたが、わかることはわかっていた。今回の「神戸上映」は、関西出身の西原監督にとっては「凱旋上映」にしたいと思っていた。ワイズ出版の本『やくざ監督、東京進出』の時、関西で「特集」が出来なかったのだから、実際そんな気分だ。あの本についての不満は本人から沢山聞いた。僕は3年前の取材を通してからの付き合いだが、素晴らしい人に出会えて、文字通り骨も拾わせてもらい、ライター冥利に尽きると思っている。詳しくは9月12日の「トーク」でお話させていただく。西原儀一作品が面白く、時代性を帯びていることは個々の作品を観ていただけば、よくわかると思う。60年代の「独立プロ」とは何だったのか、それを一番良く知っていて、業界を若松孝二などはまた別の意味で引っ張った監督だった。伝説の女優・香取環を最も美しく撮ったのも、西原儀一ではなかったか。
先日、監督協会に電話したら「会報では報告します」ということだった。まだ、ほとんど誰にも知らせていないから、誰もほとんど西原さんの「死」を知らない。「騒ぐな、鈴木!」と監督が言っている気がして、誰にも連絡する気が起きない。やはり、西原さんらしい最期だったと思う……。8月16日午後4時過ぎ、肺気腫からの肺炎にて死去。行年80歳。      09・9・2記 鈴木義昭

鈴木義昭(すずき・よしあき/ルポライター)
1957年、東京都台東区生まれ。76年、「キネマ旬報事件」で竹中労と出会い、以後師事する。ルポライター、映画史研究家として芸能・人物ルポなどで精力的に執筆活動を展開中。
著書に「ピンク映画水滸伝」(青心社)、「石原裕次郎物語」(近代映画社)、「風のアナキスト・竹中労」(現代書館)、「新東宝秘話・泉田洋志の世界」(青心社)、「日本の喜劇王・斎藤寅次郎自伝」(編者・清流出版)など。近刊「日活ロマンポルノ異聞 国家を嫉妬させた映画監督・山口清一郎」(社会評論社)。

 

《料金》

無料(要「60年代・独立プロ伝説 西原儀一と香取環」上映会チケット半券)

 
[関連特集上映] [60年代・独立プロ伝説 西原儀一と香取環 前編](特集上映・前編は9/11金〜13日です)
[60年代・独立プロ伝説 西原儀一と香取環 後編](特集上映・後編は10/2金〜4日です)


企画展「私の映画」2
2009年10月16日(金)〜26日(月)[水・木 休み]
 会場:新長田ギャラリー(神戸映画資料館すぐ横)



 

美術作家、造形作家、イラストレーターが「私の映画」をテーマにした作品を出品します

 
 
 主催・問い合わせ  神戸プラネット(神戸映画資料館)
info@kobe-eiga.net

 企 画  椿崎和生、神戸プラネット
 協 力  新長田まちづくり(株)


これまでのイベント|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。