[同時開催]
ハルカ─岡村三郎個展
ハナレテミル 展
2011年10月18日(火)〜11月14日(月)[水・木 休み]
会場:新長田ギャラリー(神戸映画資料館すぐ横)
岡村三郎
主催・問い合わせ 神戸プラネット(神戸映画資料館)info@kobe-eiga.net
企 画 椿崎和生、神戸プラネット
協 力 新長田まちづくり(株)
連続講座:映画批評_新しい映画と観客のために
第3回 仮面と影──カーペンター的活劇空間について
2011年11月19日(土)15:00(終了予定16:30)
気鋭の映画批評家たちによる連続講座。「映画批評はいまだ有効か」の堂々巡りを超えて、何度も新しくよみがえり続ける映画と観客のための批評の実践です。
[関連企画] [日本未公開B級映画 ①]
仮面と影──カーペンター的活劇空間について 井上正昭
ゼロ年代と呼ばれる21世紀最初の10年間をほぼ沈黙していたのに等しいジョン・カーペンターがついに新作長編をひっさげて帰ってきた。カーペンターのこの復活は、ほぼ同時期に約20年ぶりとなる新作を発表したモンテ・ヘルマンの復活同様、それ自体がアメリカ映画に対する批評になっていはしまいか。
しばしば安易に「ホラー映画の巨匠」などと称されるカーペンターだが、むしろB級映画の巨匠という呼び方のほうが彼にはふさわしい。CGや3Dなどには見向きもしない反時代的B級映画作家。カーペンターの映画には、いかがわしさ、安っぽさも含めた、映画の原初的力とでもいったものがみなぎっている。なんとでも呼べるだろうが、その原初的力をとりあえず「活劇」と名付けてみる。カーペンター映画の本領は、なによりも活劇にあるのではないか。ホラーものを撮っているときでさえ、カーペンターの映画を動かしているのは、恐怖や不安というよりは、映画自体のアクションなのである。カーペンター的活劇とはいかなるものなのだろうか。様々な視点から検討してみたい。
新作ホラー長編『ザ・ウォード/監禁病棟』がそうであるように、カーペンターはしばしば映画の舞台に閉鎖的な空間を設定する。ひとつの都市全体がそのような閉鎖空間を形づくる場合もある。そのようなカーペンター的都市にも2つのタイプを認めることができるだろう。いずれにせよ、その空間を「悪」が外側から取り囲み、内側から蝕むというのがカーペンター映画の定石だ。それをかれは、窓、扉、車、一本道といった舞台装置を利用しつつ、どのように活劇として視覚化しているのだろうか。
カーペンター的活劇の基盤となっている、ジャンルの問題についても考えてみたい。ホラー、SF、とりわけ西部劇といった古典的な映画ジャンルを、カーペンターはいかに参照し、いかにそこから距離を置いているか。ハワード・ホークスとの関係、リメイクの問題、等々についても、余裕があればふれたいと思う。
井上 正昭
1964年生まれ。京都大学文学部仏文科卒。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ、筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ、フィルムアート社)などの翻訳書がある。
《参加費》
1000円
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net 宛に、お名前、連絡先(電話)、参加希望日を書いてお送りください。
追って予約受付確認のメールを差し上げます。
《割引》
講座参加者は[日本未公開B級映画 ①]の鑑賞料200円引き
※内容は予告無く変更する場合があります。