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クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第11講コメディ学入門
“モーレツ”ロイド、危機一髪!~ハロルド・ロイド入門~

2015年7月25日(土)

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クラシック喜劇研究家/ライターのいいをじゅんこが、ひと組の喜劇王にテーマをしぼり、みどころ、歴史、笑いのツボなどを楽しく紹介します。レッツ温故知新!
今回のテーマは
“モーレツ”ロイド、危機一髪!
~ハロルド・ロイド入門~

長い映画の歴史のなかで、「時計の針にぶらさがった男」はいったい何人いるのだろう。『プロジェクトA』でジャッキー・チェンが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でクリストファー・ロイドが…近年では『ヒューゴの不思議な発明』でスコセッシがエイサ・バターフィールドを時計の針からぶらさげたし、インド映画『バルフィ!人生に唄えば』にも時計台が登場した。

それらのイメージの源流をさかのぼれば、そこにはたったひとりの男がいる――ハロルド・ロイドだ。1923年のサイレント長編喜劇『要心無用』の時計台のシーンは、一度見たら忘れられない強烈なイメージだ。サイレント映画が一般に紹介されるときに、必ずといっていいほど使われる象徴的なショットである。

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でも、ハロルド・ロイドの作品を実際に目にする機会は少ない。三大喜劇王と呼ばれるコメディアンのうち、チャップリンは、すでに語り尽くされて来た。キートンは、近年の人気の高まりで、作品上映の機会も増えた。だが、ロイドは?「ロイド眼鏡の語源」といったトリビアだけが一人歩きしているというのが実状だろう。

ハロルド・ロイドこそ、現代コメディ/アクション映画の基礎をつくったパイオニアである。激しいカーチェイス。危険なスタントアクション。ラブコメ。アメリカン・ドリームへのあこがれ。そのすべては、『猛進ロイド』、『キッドブラザー』、『巨人征服』といったロイドの傑作群に萌芽を見ることができる。

lloyd03つけひげや珍妙な衣裳を着て“フリーク”を演じていた当時のコメディアンと、ロイドは一線を画していた。ごく普通のスーツを身につけ、ごく普通の家に住み、ごく普通の眼鏡をかけて、ロイドは普通の中流階級青年を演じた。割に二枚目でもあったから、女性人気も高かった。“ボーイ・ネクスト・ドアの冒険”、それがロイド喜劇の魅力だ。常に猪突猛進、機転だけで夢をかなえていく“チャッカリ”キャラでもある。私生活では、撮影現場の事故で瀕死の重傷を負いながら、奇跡の復活をとげた不撓不屈の精神の持ち主でもあった。

無声コメディアンのなかで、現代の観客にもっともアピールしやすいのがロイドだろう。今回、満を持してロイドの魅力をご紹介できることを、心からうれしく思う。講座では、「時計ぶら下がり」ショットの象徴としての意味について考えつつ、それだけにおさまらないロイド喜劇のおもしろさを存分にお見せしたい。“第三の天才”ハロルド・ロイドの明るくまぶしい笑顔に、ぜひ元気をもらいに来て欲しい。
 共 催 
「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」(運営:いいをじゅんこ)、神戸映画資料館

《参加費》 1000円
*予約受付中
eyanfire@gmail.com まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

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※内容は予告無く変更する場合があります。