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分類 渋谷哲也「文学と映画」

ストローブ=ユイレ、ブレヒト、ワイマール期の音楽劇
2015年3月28日(土)17:00〜(終了予定18:30)
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)
ゲスト:大田美佐子(西洋音楽史,音楽美学)

vonheute02文学の映画化とは文学のテクストを映像イメージに変換する作業だと考えられているが、実際に映画化の過程で何が起こっているのか?
映画におけるイメージとテクストとの関係は相補的でも対立的でも独立的でもありうる。そこで大胆な作風を特徴とする脚色映画を個別に取り上げ、さらに映像と文学という二つのメディアの関係として考察を広げてみたい。ブレヒトの叙事演劇やフランクフルト学派の文化産業批判の影響を強く受けた戦後ドイツのニューシネマのラディカルな映画美学を映画とテクストの関係性から読み解くシリーズ。ストローブ=ユイレ、ファスビンダーを中心に文学の脚色映画を順次取り上げる予定。

ストローブ=ユイレが映画の下敷きにするテクストは、同時代的関心によるもの(ベル)と、歴史的な題材(神話、聖書、ギリシャ悲劇)が際立っているが、実は1920年代にも一つの重要な核がある。ブレヒト、カフカ、シェーンベルクのテクスト群だが、そこにはワイマール期の爛熟した都市文化の片鱗も見出すことはできない。そんな中唯一の例外として当時の風俗劇であるオペラ『今日から明日へ』が映画化されたことは貴重だ。ストローブ=ユイレから見たワイマール文化はどのようなものだったのか、彼らが敬愛するブレヒトの代表作『三文オペラ』の映画化とともに、映画・舞台・音楽というジャンル横断だけでなく、20世紀の歴史と社会も俯瞰しつつ考えてみたい。28日は音楽学者大田美佐子さんをゲストに迎えてワイマール期の音楽劇を中心に討論し、29日はストローブ=ユイレ映画の音楽の使い方に焦点を当てて解説してみたい。(渋谷哲也)

 

[関連上映] 『今日から明日へ』『三文オペラ』[予定]

渋谷哲也
1965年、兵庫県生まれ。東京国際大学准教授。ドイツ映画研究。ドイツ映画字幕翻訳やマイナーな映画作家の上映など紹介活動も行う。著作は『ファスビンダー』(共著・現代思潮新社)『ベルリンのモダンガール』(共著・三修社)など。

《参加費》 無料

主催:渋谷哲也[科学研究費助成 基盤研究(C)24520172]
共催:神戸映画資料館


カフカを読むストローブ(とユイレ)
2014年12月20日(土)17:00〜(終了予定18:30)
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)

文学の映画化とは文学のテクストを映像イメージに変換する作業だと考えられているが、実際に映画化の過程で何が起こっているのか?
映画におけるイメージとテクストとの関係は相補的でも対立的でも独立的でもありうる。そこで大胆な作風を特徴とする脚色映画を個別に取り上げ、さらに映像と文学という二つのメディアの関係として考察を広げてみたい。ブレヒトの叙事演劇やフランクフルト学派の文化産業批判の影響を強く受けた戦後ドイツのニューシネマのラディカルな映画美学を映画とテクストの関係性から読み解くシリーズ。ストローブ=ユイレ、ファスビンダーを中心に文学の脚色映画を順次取り上げる予定。

ストローブ=ユイレはブレヒト、ヘルダーリン、パヴェーゼの作品を何度も映画化しているが、カフカを取り上げたのは『失踪者』一度だけである。『階級関係』と名付けられた映画では、ストローブ=ユイレは不安に満ちた資本主義社会で孤独に反発する若像を描き出し斬新なカフカ解釈を提示した。そして2006年にユイレが亡くなった後、ストローブはもう一度だけカフカのテクストを取り上げて映画化している。この2つの映画の間で何が残り、何が移ろっていったのか。その比較からストローブ/ユイレという作家の特質を改めて見直してみたい。(渋谷哲也)

アメリカ(階級関係)

アメリカ(階級関係)

 

[関連上映] [「アメリカ(階級関係)」とストローブ近作集]

渋谷哲也
1965年、兵庫県生まれ。東京国際大学准教授。ドイツ映画研究。ドイツ映画字幕翻訳やマイナーな映画作家の上映など紹介活動も行う。著作は『ファスビンダー』(共著・現代思潮新社)『ベルリンのモダンガール』(共著・三修社)など。

《参加費》 無料

主催:渋谷哲也[科学研究費助成 基盤研究(C)24520172]
共催:神戸映画資料館


文学映画化の諸相──チェザレ・パヴェーゼの場合
2014年8月16日(土)17:00〜(終了予定18:30)
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)

文学の映画化とは文学のテクストを映像イメージに変換する作業だと考えられているが、実際に映画化の過程で何が起こっているのか?
映画におけるイメージとテクストとの関係は相補的でも対立的でも独立的でもありうる。そこで大胆な作風を特徴とする脚色映画を個別に取り上げ、さらに映像と文学という二つのメディアの関係として考察を広げてみたい。ブレヒトの叙事演劇やフランクフルト学派の文化産業批判の影響を強く受けた戦後ドイツのニューシネマのラディカルな映画美学を映画とテクストの関係性から読み解くシリーズ。ストローブ=ユイレ、ファスビンダーを中心に文学の脚色映画を順次取り上げる予定。

文学作品を原作とする映画は多いがその方法は様々である。だが脚色映画は原作の物語の絵解きに終わらない。だとすればそもそも映画は文学の何を取り入れることができるのか。もっともラディカルな文学映画を実践するストローブ=ユイレの映画を今回も取上げ、さらに同じ小説を基にしたレナーテ・ザミのユニークなエッセイ的映画と比較検証する。(渋谷哲也)

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『チェザレ・パヴェーゼ トリノ‐サント・ステファノ・ベルボ』

 

[関連上映] [ストローブ=ユイレとレナーテ・ザミ『雲から抵抗へ』『チェザレ・パヴェーゼ トリノ‐サント・ステファノ・ベルボ』]

渋谷哲也
1965年、兵庫県生まれ。東京国際大学准教授。ドイツ映画研究。ドイツ映画字幕翻訳やマナーな映画作家の上映など紹介活動も行う。著作は『ファスビンダー』(共著・現代思潮新社)『ベルリンのモダンガール』(共著・三修社)など。

《参加費》 無料

主催:渋谷哲也[科学研究費助成 基盤研究(C)24520172]
共催:神戸映画資料館


ニュージャーマンシネマと文学──映像とテクスト新たな関係性を探る
2014年5月10日(土)16:30〜(終了予定18:00)
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)
 
文学の映画化とは文学のテクストを映像イメージに変換する作業だと考えられているが、実際に映画化の過程で何が起こっているのか?
映画におけるイメージとテクストとの関係は相補的でも対立的でも独立的でもありうる。そこで大胆な作風を特徴とする脚色映画を個別に取り上げ、さらに映像と文学という二つのメディアの関係として考察を広げてみたい。ブレヒトの叙事演劇やフランクフルト学派の文化産業批判の影響を強く受けた戦後ドイツのニューシネマのラディカルな映画美学を映画とテクストの関係性から読み解くシリーズ。ストローブ=ユイレ、ファスビンダーを中心に文学の脚色映画を順次取り上げる予定。
 
戦後ドイツ映画の新たな出発点となった1960年代の「若いドイツ映画」で最も過激な映画美学を展開したストローブ=ユイレ初期の2作品『妥協せざる人々(和解せず)』と『花婿、女優そしてヒモ』を取り上げる。常に既存のテクストを下敷きに映画を作るストローブ=ユイレは、これらの作品で原作小説や戯曲のテクストを大胆なまでに短縮し、原作者ですら自作を認識できない程に断片化してしまった。このような原作の脚色の意義とは一体何か。ストローブ=ユイレのラディカルさを映像と原作との関係から読み解く。
 
[関連上映] [ストローブ=ユイレ初期2作品『妥協せざる人々(和解せず)』『花婿、女優そしてヒモ』]
  

渋谷哲也
1965年、兵庫県生まれ。東京国際大学准教授。ドイツ映画研究。ドイツ映画字幕翻訳やマナーな映画作家の上映など紹介活動も行う。著作は『ファスビンダー』(共著・現代思潮新社)『ベルリンのモダンガール』(共著・三修社)など。

 

《参加費》 無料

主催:渋谷哲也[科学研究費助成 基盤研究(C)24520172]
共催:神戸映画資料館


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