神戸と映画 第1回 神戸・新映画宣言
2013年6月8日(土)

『春のしくみ』©Atsushi Wada
神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会の主催で「神戸と映画」をテーマにした定期イベントを開催。
第1回目の今回は、「神戸・新映画宣言」と題し、過去─現在─未来を横断します。
第一部 現在から過去へ
13:30 参考上映
『観光の神戸』(1936年頃/13分/16mm)
神戸市広報課提供
製作:神戸電気局、神戸観光局
戦前に作られた神戸の観光PR映画。湊川神社や神戸港、まやケーブル、生田神社などが次々に紹介される。元町通りを行き交う当時の人々の姿や、元居留地の風景も興味深い。
『地理教材・港としての神戸』(1932年頃/16分/16mm)
神戸映画資料館収蔵
製作:京都市小学校映画教育研究会
小学校向けの教材映画で、神戸の港を紹介。今話題の神戸生絲検査所内部の様子も写る。
14:00 お話
「映画史研究から見えてくる神戸」
講師:板倉史明(神戸大学准教授)
国際港湾都市として多文化的な特色を有する神戸と、20世紀最大のトランスナショナルな映像芸術メディアとしての映画は、常に濃密な関係を取り結んできた。神戸は、エジソンの覗き見式映画であるキネトスコープが日本ではじめて公開された都市であり、また新開地というかつて日本有数の興行街だったエリアが存在する都市でもあり、さらには映画批評家・淀川長治を生み出した都市としても知られるが、神戸と映画の関係はそれだけにとどまるものではない。実際、これまでに『神戸新開地物語』(のじぎく文庫、1973年)や、『神戸とシネマの一世紀』(神戸新聞総合出版センター、1998年)をはじめ、神戸映画史に関するいくつかの重要な先行研究が生まれているが、まだまだ開拓すべき事柄は多いのではないだろうか。今回はその出発点として、 いくつかのトピックや映画作品を取り上げることによって、豊かな神戸映画史の一断面を浮かび上がらせるきっかけとしたい。
15:00 お茶会
「神戸の映画館を語る」
場所:シネマカフェチェリー
(お茶とお菓子付き)
神戸っ子である神戸映画資料館の安井喜雄館長とともに、映画館をめぐる思い出話に花を咲かせましょう。
第二部 現在から未来へ 1968年 神戸朝日会館(現・神戸朝日ビル)
16:00 座談会
「神戸発、映画」
ゲスト:石井岳龍(映画監督)、濱口竜介(映画監督)、和田淳(アニメーション作家)、田中まこ(神戸フィルムオフィス)、吉野大地(ラジオ関西「シネマキネマ」)、森本アリ(旧グッゲンハイム邸管理人)
『生きてるものはいないのか』 (2012年)に続く新作『シャニダールの花』の公開を間近に控えた石井岳龍(聰亙)監督のご参加が急遽決まりました!
2013年春、新しい映画活動に向けて神戸に拠点を移された期待の大型新人・濱口竜介監督は、6月末から神戸・大阪・京都の三都市で開催される特集上映会が準備中です。
そして、東京藝術大学大学院終了後、文化庁新進芸術家海外研修制度によるロンドン滞在を経て、故郷・神戸に戻られた和田淳さん。『グレートラビット』でベルリン国際映画祭短編部門・銀熊賞を受賞されるなどアニメーション作家として国際的に活躍されています。
この神戸を拠点に制作活動をされている三人の映画作家を中心に、神戸で作品を作ることについて語り合います。
参考上映
『春のしくみ』(2010/4分/和田淳)
誰でも一年に一度はおそわれるという春のうずうず感。気にはなっていたけれど、どこかで見ないふりをしていた春のうずうず感。このうずうず感のメカニズムの解明に果敢に挑戦する。
アナーバー映画祭 Funniest Film受賞、Anifest国際アニメーション映画祭 最優秀作品賞(5分以下の短編部門)
(終了予定 17:30)
《参加費》無料 《会場》神戸映画資料館
主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
協力:神戸市広報課、神戸芸術工科大学、神戸大学大学院国際文化学研究科メディア文化研究センター
助成:はぁ〜とふるふぁんど


監督・編集・プロデュース:横間恭子
ニューヨーク生活4年目を迎える神戸出身のダンサー陸代(むつよ)は、オフ・ブロードウェイ劇場でのモダン・ダンス公演のリハーサル中、阪神大震災の悲報を受け、家族の住む神戸へと急きょ帰国する。間もなく舞台に立つためにニューヨークに戻った陸代のために、仲間のアーティストたちがチャリティショーを催し、会場を埋めたニューヨーカーたちが陸代を元気づけようとエールを送る。そして、恋愛、結婚。その相手、ノーマンにはナチスの支配下を生き抜いてきたユダヤ人の両親がいた。芸術の大切さを教えてくれた母の言葉をかみしめながら、言葉を超えて分かり合える新しい家族に支えられ、陸代は強く朗らかに、人生の一コマ、一コマを生きていく。



阪神大震災から13年の月日が流れた。神戸のまちには、新しい建物が並び、震災前とは、すっかり様変わりした地域もある。そのまちに暮らす人々も、 かつての町並みを記憶しているつもりでありながら、実際には、その場所の以前の姿を思い描けないことも多いかもしれない。


阪神大震災から13年の月日が流れました。神戸のまちは、新しい建物が並び、震災前とは、すっかり様変わりした地域もあります。そのまちに暮らす人々も、 かつての町並みを記憶しているつもりでありながら、実際には、その場所の以前の姿を思い描けないことも多いかもしれません。では、震災後の身の回りの状態 についてはどうでしょうか。