神戸映像アーカイブ実行委員会

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Update:2022.2.13

関西自主上映史の掘り起こし 1970〜80年代

関西自主上映史の掘り起こし 1970〜80年代
2022年3月26日(土)・27日(日)

*発表とトークは、27日は前日の録画

まだビデオやDVDも、ネットによる動画配信サービスなどの視聴環境もない時代、「観たい映画を自由に観る」ことは容易ではありませんでした。首都圏の多様な映画が上映されていた環境から離れた神戸および関西の映画ファンたちは、「自主上映」の活動を通して、映画に接近していきました。既に上映が終了し、名画座でも観れなくなったB級プログラム・ピクチュア、あるいは政治・社会的なドキュメンタリー、実験映画・個人映画などなどを観る機会を、自らの手で作っていったのです。やがてその上映活動はミニシアターなど現在の映画文化に連なる地盤を形成していきました。こうした自主上映の担い手たちの活動を掘り起こし、共有することで、地域の豊かな映画史を捉え返す試みをはじめます。
企画担当:田中晋平(神戸映画資料館研究員)

 

研究発表:プラネットと1970-80年代の関西自主上映の地層(45分)
田中晋平(神戸映画資料館研究員)
1974年に大阪で開設したプラネット映画資料図書館の上映活動を中心に、1970-80年代の関西で展開された自主上映グループの活動の広がり、その歴史的役割について、関係者へのインタビューも踏まえて検討します。

トーク:未だみることのない映画の容器―西村隆と自主上映(60分)
ゲスト:西村隆(キネコ国際映画祭アドバイザー/元ユニジャパン事務局長) 聞き手:田中晋平
グループ無国籍や六甲シネマテークなど神戸の地で上映活動を行い、その後もぴあフィルムフェスティバルの仕事やプロデューサーの仕事として、インディペンデント映画に深くかかわってきた西村隆氏をお迎えします。

上映
ダダ、シュールからアンダーグラウンドへ
──佐藤重臣コレクションを中心に

自主上映の歴史の中で欠かせないのが1960年代後半に隆盛を見せた「アンダーグラウンド映画」である。劇映画が主流の映画館ではほとんど上映されず、小劇場や画廊や大学などで上映することにより多くの支持者を獲得していった。その先鞭を付けたのが「映画評論」編集長で映画評論家の佐藤重臣(1932-1988)だった。佐藤は「ジャパン・フィルムメーカーズ・コーポラティブ」に続き「日本アンダーグラウンド・センター」設立の後、「サトウ・オーガニゼーション」を立ち上げ「黙壷子フィルム・アーカイブ」としてフィルム収集と上映を行なった。今回は佐藤が遺したアヴァンギャルド映画やアングラ映画をまとめて上映する稀な機会となる。
担当:安井喜雄(神戸映画資料館館長)

3月26日(土)
Aプロ
50分
「リズム21」Rhythmus 21(ドイツ/1921/3分/16mm)監督:ハンス・リヒター
「幕間」Entr’acte (フランス/1924/20分/16mm)監督:ルネ・クレール
「アンダルシアの犬」Un Chien Andalou(フランス/1929/21分/16mm)監督:ルイス・ブニュエル
他、1作品(西ドイツ)

Bプロ 46分
「理性に帰る」Le Retour à la Raison(フランス/1923/3分/16mm)監督:マン・レイ
「バレエ・メカニック」Ballet Mécanique(フランス/1924/16分/16mm)監督:フェルナン・レジェ
「アネミック・シネマ」Anémic Cinéma(フランス/1926/8分/16mm)監督:マルセル・デュシャン
「午後の網目」Meshes of the Afternoon(アメリカ/1943/14分/16mm))監督:マヤ・デレン
他、2作品(アメリカ、オランダ)

3月27日(日)
Cプロ
57分
「エマクバキア」Emak-Bakia(フランス/1926/20分/16mm)監督:マン・レイ
「骰子(サイコロ)城の秘密」Les Mystères du Château de Dé(フランス/1929/27分/16mm)監督:マン・レイ
他、1作品(アメリカ)

Dプロ 57分
「ひとで」L’étoile de Mer(フランス/1928/17分/16mm)監督:マン・レイ
「対角線交響曲」Symphonie diagonale(ドイツ/1924/5分/16mm)監督:ヴィキング・エッゲリング
他、2作品(ベルギー)

Eプロ 63分
「リズム21」Rhythmus 21(ドイツ/1921/3分/16mm)監督:ハンス・リヒター
他、
2作品(アメリカ)

*日本語字幕無し
*作品によっては、経年退化で色褪せしている場合があります。

フィルム協力:阿佐ヶ谷アルシェ、神戸映画資料館

スケジュール
3月26日(土)

13:30〜14:15 研究発表
14:30〜15:20 上映 Aプロ(50分)
15:35〜16:35 トーク
16:45〜17:31 上映 Bプロ(46分)

3月27日(日)
11:15〜13:00 研究発表・トーク(前日の録画上映)
13:30〜14:30 上映 Cプロ(57分)
14:45〜15:45 上映 Dプロ(57分)
16:00〜17:05 上映 Eプロ(63分)

 

《参加費》1500円(1日通し)
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。参加を希望される日時とイベント名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039
《会場》神戸映画資料館

 

特別展示 チラシから辿る関西自主上映の歴史
2022年3月7日〜(終了時期未定) 《会場》神戸映画資料館ロビー

主催:神戸映像アーカイブ実行委員会
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成対象事業」
共催:科学研究費補助金「日本における1980年代の非商業上映と文化政策の研究」(代表:田中晋平)

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