[終了]神戸と映画 第2回
9ミリ半のフィルム── 〈ホームムービーの日 in 神戸〉プレ企画
2013年10月5日(土)

今秋10月に開催される第5回神戸ドキュメンタリー映画祭。その一部門として、今年も〈ホームムービーの日 in 神戸〉が行われます。
今回はそのプレイベントとして、9ミリ半という規格のフィルムをご紹介します。

13:30〜(終了予定14:15)
第一部 体験講座
■ 9ミリ半のフィルム、映写機の紹介
安井喜雄(神戸映画資料館館長)
松谷容作(神戸大学人文学研究科研究員)
神戸映画資料館収蔵のフィルムや映写機を使って、映写の仕方などを実際に見て楽しんでください。さて、どんな映像が写っているでしょうか。宝探しの気分でご参加ください。

14:30〜(終了予定15:15)
第二部 レクチャー
「9ミリ半映像システムと1920年代
〜30年代の日本」

講師:松谷容作(神戸大学人文学研究科研究員)

1922年(大正11年)にフランスのパテ社は、9.5mmフィルムを用いた家庭向けあるいは個人向け小型映像撮影機と投影機を販売しました。パテ・ベビーとして知られるその映像システムは、瞬く間に世界中に流通することになります。我が国では、1923年(大正12年)に販売が始まり、(関東大震災の一時的な停滞があったが)様々な地域に行き渡り、フィルムの確保が困難になった1940年代初頭まで販売が続けられました。
日本の各地域に行き着いた9ミリ半(9.5mm)映像システムは、商業映画のように何らかの物語を多数の観客に向けて提示するものではありません。個人が自由に対象を選び撮影し、撮影された映像は非常に限定的な集団(家族、地域の人びと、映画サークルなど)に向けて提示されます。ほぼ日本全土で膨大な量が制作されたこの種の映像は、一見すると私的で、断片的で、まとまりがなく、取るに足らないものと思えるかもしれません。けれども、具にそれらの映像を観察すると、映像が1920年代から30年代にかけての様々な地域、地域の人びと、人びとの関係性、さらには精神性を露わにすることが分かります。
レクチャーでは、現在神戸映画資料館に所蔵されている9ミリ半映像を観ながら、9ミリ半映像システムそのものと、そのシステムが現代の私たちに伝える1920年代から30年代の日本の社会、地域、精神を明らかにし、そのシステムの魅力をお話していきたいと思います。

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
協力:神戸大学大学院国際文化学研究科メディア文化研究センター

※内容は予告無く変更する場合があります。