プログラムPROGRAM

アニメーション作家 相原信洋特集上映 その2
2008年11月22日(土)・23日(日)

アニメーション作家・相原信洋の初期から最新作までの作品群を上映するシリーズ第2弾。今回は70年代半ばから90年代半ばまでの作品を一望する。23日には相原信洋が来館し、ライブペインティングイベントを開催!
「未だにアニメーションをマンガ本と同じに思っている人も大勢いますが、アニメーションの作り手が、目に見るもの全てが素材でるという考えをもって、そうした偏った見方を壊していかなければいけない」と呼びかける相原は、約20年間アニメスタジオでTVシリーズに携わってスキルを磨きつつ、ときには海外に渡ってストリートパフォーマンスを行い、ワークショップや教育機関で後進を育成するなど多彩な活動のなかで、アニメーションの既成観念を破る映像表現を追求し、室内・野外を問わずに制作した。
野外でアニメーションをつくる試みには、絵を空中に放り投げてコマ撮りした『光』や、スウェーデンの田園で空の雲とドローイングの雲を同一フレーム内におさめた『UNDER THE SUN』、防空壕と雑草に蛍光色ポスターカラーで着色していくプロセスを撮影した『シェルター』などがある。ドローイング作品には、自己の心象風景を映像化した『カルマ』シリーズ(『水輪(カルマ2)』『気道』他)などがあり、有形無形のイメージが繊細な筆致で描かれ、フレームの外に奔流していく開放感と、緻密な時間・空間の構成による緊張感があいまって、見る者の身体に響きわたっていく。これらの作品は全国各地のライブハウスや、古川タク氏との上映会、海外での個展などで発表された。
企画:佐野 明子(京都造形芸術大学非常勤講師)
 

相原信洋(アニメーション作家)
あいはらのぶひろ。東京のデザイン学校を卒業後、アニメーション会社でTV・劇場用作品を多数手がける。1965年より自主制作を始め、映像個展およびワークショップを国内各地、ヨーロッパ等で開催。現在も精力的に作品を発表し、世界各国で招待上映される。1995年第5回広島国際アニメーションフェスティバル国際審査員。国際アニメーション協会(ASIFA)会 員。京都造形芸術大学教授。

[70年代~80年代作品](63分)
『新はげ山の一夜』(1976)
『雲の糸』(1976)
『LIGHT』(1976)
『青マッチ』(1976)
『リンゴと少女』(1976)
『カルマ』(1977)
『光』(1978)
『BURNIN』(1980)
『シェルター』(1980)
『マイ・シェルター』(1982)
『BALVA』(1983)
※作品はすべて16ミリフィルムでの上映です
[80年代~90年代作品](73分)
『S=13』(1984/9分)
『逢魔が時』(1985)
『PRIVATE』(1986)
『映像(かげ)』(1987)
『とんぼ』(1988)
『GAVORA』(1989)
『LINE』(1990)
『MASK』(1991)
『鴉』(1992/)
『気動』(1994)
『耳鳴り』(1995)
『YELLOW FISH』(1998)
※作品はすべて16ミリフィルムでの上映です
 

《料金》各回入れ替え
 1回券 
一般1300円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

 
 通し券(全6プログラム) 
会員4500円 学生会員・シニア会員3800円

 
《割引》
1回券を複数枚お求めの場合
2プログラム目より200円引き

[関連上映特集] アニメーション作家 相原信洋特集上映 その1
[関連上映特集] アニメーション作家 相原信洋特集上映 その3
[関連イベント] 相原信洋 ライブペインティング
※作品へのコメントがございます。

相原信洋を知らない人は、作品を見て、その繊細なペンタッチに魅せられるにちがいない。人間業とは思えない複雑にして精微な動きに驚嘆するにちがいない。
(かわなかのぶひろ・映像作家)
[京都造形芸術大学刊『相原信洋アニメーション・カタログ』より抜粋]

岩に貼りつけられたロールシャッハ風のデカルコマニーが、大自然の風景の中で不気味に動く幻想的なイメージは卓抜である。
(松本俊夫・映像作家)
[美術出版社刊『新映画事典』より抜粋]

生命のとらえがたい本質に形と動きを与えようとする点で、アニメーションの本質を追求するものといえる。
(那田尚史・映画研究者)
[日本図書センター刊『世界映画大事典』より抜粋]

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。