SFX前史 特撮技術の誕生
2009年1月9日(金)・11日(日)・12日(月・祝)※10日(土)休映
映画のテクニックのひとつに特殊撮影がある。撮影や編集などのテクニックを駆使し、現実にはありえない画面を作り出すことに古今東西の世界の映画人はチャレンジしてきた。映画初期の特撮アンソロジーをはじめ、有名な『キングコング』、幻の日米特撮・大橋史典の『おらあカッパだ』、撮影所での特撮技術を紹介する『映画の秘密』と特撮ファン必見のプログラムだ。
「マジック・メモリーズ1900-1925」Magic Memories
([英語]/14分[16fps]/16mm/無声/日本語字幕無し)
タイトルからも想像できるように、初期トリック映画の名場面集。メリエスからフェルディナン・ゼッカ、ハル・ローチ『イッツ・ア・ギフト』、ジェームス・ウィリアムソンの『ザ・ビッグ・スワロウ』(1901)などなど。
「おらあカッパだ」
(1968/30分/カラー/16mm)
製作・特撮監督:大橋史典
監督・脚本:八束 基
制作:日米特撮映画
出演:保積ペペ、明石潮、仁礼功太郎
日米特撮株式会社の大橋史典は『用心棒』など黒澤明作品の出演者としても知られるが、京都にアトリエを構えて「マグマ大使」「怪獣王子」「アゴン」「恐竜怪鳥の伝説」などの造形作家として活躍した。この作品はテレビ局に売り込むためのパイロット版として制作したが、放送はされず幻の作品となっていた。上映フィルムは生前の大橋史典から当館館長が譲り受けたもの。戦前のスター明石潮や二礼功太郎が出演するなど京都の映画の歴史が感じられる作品。
「映画の秘密」
(製作年不詳/15分/ 35mm)
製作:大浦清三郎
構成:日本特殊技術グループ
トリック場面を撮影する技術「特殊撮影」を解説した映画。模型撮影や合成撮影の実際を「透明人間」などの実例を示しながら分かりやすく紹介する。
「ロスト・ワールド(部分)」The Lost World
(アメリカ/1925/19分[16fps]/16mm/無声/日本語字幕無し)
特殊効果・技術監督:ウィリス・オブライエン(Willis O’brien)
監督:ハリー・O・ホイト
脚本:マリオン・フェファックス
撮影:アーサー・エディソン
出演:ウォーレス・ビアリー、ベッシー・ラヴ、ルイス・ストーン
コナン・ドイルによるSF小説が原作。人形アニメの先駆者としても有名なウィリス・オブライエンが、恐竜に生命を吹き込み、特撮映画の古典とした。今回上映するフィルムはダイジェスト版。
「キング・コング」King Kong
(アメリカ/1933/100分/16mm/日本語字幕無し)
特撮技術:ウィリス・オブライエン(Willis O’brien)
製作・監督:メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードザック
脚本:ジェームス・クリールマン、ルース・ローズ
撮影:エドワード・リンドン、バーノン・L・ウォーカー
音楽:マックス・スタイナー
特殊効果:ハリー・レッドモンド・Jr
恐竜製作:マーセル・デルガド
出演:フェイ・レイ、ロバート・アームストロング、ブルース・キャボット、フランク・ライチャー、サム・ハーディー、ノーブル・ジョンソン、スティーブ・クレメンテ
トーキーの怪獣映画第1作。円谷英二が特撮監督を志すきっかけとなった作品でもある。
《料金》
1プログラムあたり
会員1200円 学生会員・シニア会員1000円
《割引》
2プログラム目より200円引き