プログラムPROGRAM

濱口竜介作品集
11月20日(土)〜23日(火・祝)
昨年12月、神戸映画資料館で関西初上映した『PASSION』。濱口竜介監督の東京藝術大学大学院の修了作品で、その新人離れした演出術は驚きをもって迎えられた。
今回は、濱口監督の初期作品から、最新作『永遠に君を愛す』(2009)を一挙上映する。
Aプログラム2本立て
「何食わぬ顔」
(2002-03/43分/8ミリ→DV)
監督・脚本:濱口竜介 撮影:濱口竜介、渡辺淳
出演:松井智、岡本英之
浪人生の松井は、予備校の夏期講習の為に東京へ出て来た。同じ予備校に通う里恵もたまたま日程が一緒だ。松井にはほかに本当の目的があった。一足先に東京へ出てしまった同級生の育子に会うこと。育子に会う約束を取りつけるも、彼女には他の男たち(岡本、濱口)との先約があった。一方、里恵も松井をデートに誘うが…。どこまでもすれ違い続ける5人の心。彼らの日常的非日常。
「みんなの顔がとても好きでした(自分除く)」(監督談)
「はじまり」
(2005/13分/DV)
監督・脚本:濱口竜介
撮影:松本浩志
出演:梅田つかさ、花澤拓巳
今夜、世界は俺のものだ!
受験を間近に控えた中学3年生の友子は、年末に余裕のサッカー観戦。友達とも別れ、帰るいつもの田舎道。誰もいない帰り道で一人、詩のような言葉を唱えながら歩いていた時、偶然同じクラスの洋太にばったり出会った。
ENBUゼミナール卒業制作。
 
 
Bプログラム2本立て
「Friend of the Night」
(2005/44分/DV)
監督・脚本・撮影:濱口竜介
出演:岡本英之、鈴木里美
若手のシナリオライター・衛(まもる)は今まで手を付けたことのない「ホラー」という発注にうまく応えられないでいる。友人の結婚式で、同級生の奈美に出会った衛はその夜、彼女にとって「何が一番恐いか」を聞き出そうとする。最初ははぐらかしていた奈美だが、やがて「A」というかつての友達のことを語り始める。笑いとともに始まった「ある夜の友人」の話が、やがて衛と奈美の関係までも微妙に震わせていく。
「元々、主演の岡本英之が所属していたバンド“The Chronicles”主催の〈音楽×映画〉イベントの為に作られたもの。〈ラブホラー〉という発注だったが、できあがったものはラブともホラーとも言いがたい不思議な作品になりました」(監督談)
「記憶の香り」
(2006/27分/16ミリ)
監督:濱口竜介
脚本:小林美香 撮影:佐々木靖之
出演:藤川俊生、河井青葉
繰り返しの日常の中で出会った女の子によって運命を狂わされていく一人の男。
東京藝大2期の同期・小林美香の脚本に魅入られたように、あれよあれよとできあがった魔性の短編。河井青葉との初仕事でもある。「“他の人の脚本”や“映画音楽”など初めて尽くしでした。絶対に二度見て欲しい作品」(監督談)
 
 
Cプログラム
「PASSION」
(2008/115分/HDCAM[上映DVCAM])
監督・脚本:濱口竜介 製作:藤井智 撮影:湯澤祐一 照明:佐々木靖之 
美術:安宅紀史、岩本浩典 録音:草刈悠子
編集:山本良子 助監督:野原位
制作担当:渡辺裕子
出演:河井青葉、岡本竜汰、占部房子、
岡部尚、渋川清彦
 [紹介サイト]
 [日本映画の新しい地平02「PASSION」] コメント有り
 
結婚を間近に控えた一組のカップル。仲間の祝うパーティーの席上で、期せずして男の過去の浮気が発覚する。男と女は別れ、それぞれの夜を過ごす。等身大の20代男女が、夜の横浜を舞台に繰り広げる軽佻浮薄な恋模様、にも形而上学的な愛に関する考察、にも見える。彼らの辿り着いた結論に対して起こるのは感動か、嘲笑か。東京藝術大学大学院の修了作品。その新人離れした演出術で驚きを与えた。
 
 
Dプログラム
「永遠に君を愛す」
(2009/58分/HD[上映DVCAM])
監督:濱口竜介
脚本:渡辺裕子 撮影:青木穣
出演:河井青葉、杉山彦々、岡部尚、
菅野莉央、天光眞弓、小田豊
永子と誠一は、結婚式当日を迎えたカップル。しかし永子の表情はどこか浮かない。彼女は別れた恋人・寿志との間に起こったことを誠一に言えずにいた。一方の寿志も、招待状を受け取ったものの結婚式に向かうか決断できないでいる。結婚式はカップルにとっては普段と異なる特別な一日。それはまた花嫁の元恋人にとっても同じだ。それぞれの思いが交錯する、晴れ舞台直前の数時間。そのなかで明らかになってしまう“秘密”……。『PASSION』を経た濱口監督が、脚本には東京藝大1期の渡辺裕子を迎え、さらなる挑戦として撮り上げた最新作。
濱口組常連となった岡本英之が本業(ミュージシャン)で出演し、それまでにない軽やかさを映画に与えているのも見逃せない。

濱口竜介
1978年神奈川県出身。1998年東京大学文科三類に入学。同年から自主映画製作を始める。
2003 年に同大学文学部を卒業後、映画・ドラマの助監督、経済番組のアシスタント・ディレクター/ディレクターを経て2006年に東京藝術大学大学院映像研究科に入学。
4本の映画を製作し、2008年修了。

 
  
協力:東京藝術大学
 

《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

《割引》
当日、[GEIDAI-CINEMA #4 in KOBE]をご覧の方は200円引き

これまでのプログラム|神戸映画資料館

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