フリッツ・ラング連続上映 アメリカ時代 2
2010年3月20日(土)〜22日(月・祝)
サイレント末期からトーキー初期に、『ニーベルンゲン』(1924)、『メトロポリス』(1927)などの作品でドイツ映画黄金時代を代表する監督として活躍したフリッツ・ラング。1934年にナチス・ドイツから亡命した後は、ハリウッドで第二の黄金時代を築いた。
今回は、ナチを扱ったスパイ劇『恐怖省』と『外套と短剣』を上映する。
「恐怖省」Ministry of Fear
(アメリカ/1944/86分/35mm)
監督:フリッツ・ラング
原作:グレアム・グリーン
脚本:シートン・I・ミラー
撮影:ヘンリー・シャープ
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:レイ・ミランド、マージョリー・レイノルズ、カール・エスモンド
グレアム・グリーン原作のスパイ・スリラーの映画化。第二次世界大戦中のイギリス。精神病院を退院したばかりの男が、占い師の予言に従いケーキの重量を当てたことから奇妙な事件に巻き込まれ、その背後にあるナチのスパイ活動を知ることとなる。
「外套と短剣」Cloak and Dagger
(アメリカ/1946/106分/35mm)
監督:フリッツ・ラング
脚本:アルバート・モルツ、リング・ラードナー・ジュニア
撮影:ソル・ポリト
音楽:マックス・スタイナー
出演:ゲイリー・クーパー、リリー・パルマー、ロバート・アールダ
原子爆研究をめぐるスパイ劇。アメリカ人物理学者(ゲイリー・クーパー)がヨーロッパに潜入し、パルチザンの女闘志らともに、ナチスに協力を強いられている博士の救出を図る。ラングによるの反ナチ映画の4作目にして最終作。
《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
《割引》
2本目は200円引き
[貸館]SANAフィルムフェスタ「マスメディアが伝えないイラクがここにある」
2010年3月28日(日)14:00〜
「SANA(光)衛星テレビ」は、世界から募金が集められ、イラクの市民メディアとして2007年4月に誕生しました。自由平等で平和なイラクの再建をめざす「イラク自由会議」が番組制作・運営を行い、民衆の文化、労働、教育、女性、子どもなどをテーマにニュース映像やドキュメンタリー番組などを放送しています。
「イラク平和テレビ局inJAPAN」は、その番組を日本で観られるように翻訳・吹き替えしインターネット配信をしていますが、より多くの方々ご覧いただく機会として「SANAフィルムフェスタ」を開催しています。
マスメディアが伝えないイラクを知り、戦争のない社会をつくるためのオリジナルな映像を発信し、交流する場です。
特別上映「イラクの現在〈いま〉と希望 IFC(イラク自由会議)」40分
SANA衛星テレビ局制作/イラク平和テレビ局 in JAPAN 編集
アメリカによる7年間のイラク占領は数え切れない死者と生活破壊をうみだした。しかしその中でイラクの子どもたち、女性、若者、市民、労働者が平和で民主的なイラクの再建に立ち上がっている。IFC(イラク自由会議)がイラクの希望を切り開いている。イラク市民が設立したサナテレビが真実のイラクを伝える。
その他、最新映像より
主催:イラク平和テレビ局 in Japan・兵庫
(連絡先)黒川 078-784-2430 安東 090-3828-9579
《料金》大人1000円 シルバー/学生/障がい者500円
タカシ時間 vol.3
3月27日(土)・28日(日) 両日18:30
『ジャスミン王子とアーモンド姫の優しい物語』 (2005/30分)
『セカイのマド』 (2006/7分)
『伊丹 2006年・春』 (2006/26分)
『春節祭』 (2007/8分)
2005年12月から東京茅場町のギャラリーマキでスタートした新作上映会「季刊タカシ」は、年3、4回のペースで現在も続いています。神戸の「タカシ時間」では、映像作家・崟利子がこれまで作ってきた作品を新たな組み合わせでごらんいただきます。
《会費》1500円
協力:ギャラリーマキ
山根貞男 連続講座〈新編:活劇の行方〉2 沢島忠
2010年4月3日(土)
2008年に「山根貞男連続講座〈加藤泰の世界〉」と題し、ほぼ月に一回開催した人気企画が、テーマを「活劇」に広げ再開します。
『活劇の行方』をはじめとする著書で、一貫して活劇の観点から映画を論じてきた日本映画批評を代表する山根貞男による「活劇論」です。
この講座では、毎回講義に入る前に関連する作品を参考上映します。
今回は、沢島忠監督論を出発点に、中村錦之助論へと展開。<『一心太助』で時代劇が変わった=日本映画が変わった>ということを、縦横に論じてくださる予定です。
山根貞男(映画評論家)
1939年大阪生まれ。映画批評誌「シネマ69」(1969-71)を編集・発行。蓮實重彦とともに海外の映画祭で加藤泰、鈴木清順、成瀬巳喜男の特集に関わる。1986年より始めた「キネマ旬報」での日本映画時評は現在も連載中である。主な著書に『映画狩り』、『映画の貌』、『マキノ雅弘―映画という祭り―』などがあり、『映画渡世』(山田宏一との共編)、『加藤泰、映画を語る』(安井喜雄との共編)、『成瀬巳喜男の世界へ』(蓮實重彦との共著編)などのインタビューや編著が多数ある。
《料金》
会員1500円 学生会員・シニア会員1300円
*招待券の使用不可
*会員のみご予約受付中
日本映画名画鑑賞会
2010年4月18日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)
今回は、去る4月6日他界された西河克己監督作品を追悼上映します。
《料金》
一律500円
[貸館]『アリラン−Arirang−』上映会
2010年4月18日(日)17:00開演 (16:30開場)
『アリラン−Arirang−』(韓国/1968/16mm)
原作:羅雲奎 監督:兪賢穆
お問い合せ:Arirang418@gmail.com
《上映協力費》大人1,000円 学生・シルバー 500円
提供:アジア映画社 協力:神戸映画資料館
はじまりの映画 石井聰亙篇
2010年4月23日(金)〜25日(日)
2008年から、毎夏開講してきた神戸映画ワークショップ。これまで、決められたシナリオを使った演習のみだったが、今年は作品を制作する。その5月開講に先立ち、日本映画界を牽引する石井聰亙監督と諏訪敦彦監督の初期作品を上映。
石井監督は8ミリ映画の自主製作出身であり、その作品は、デジタル時代に映画を志す若者に今なお刺激を与えるだろう。
[関連上映] [はじまりの映画 諏訪敦彦篇](5月2日〜5日)
トークショー
ゲスト:石井岳龍(聰亙)監督(いしい・がくりゅう)
1976年日本大学芸術学部入学直後、8mm映画『高校大パニック』を撮り、熱狂的な支持層を得る。大学卒業制作の『狂い咲きサンダーロード』で劇場監督デビューを果たす。その後の作品に『逆噴射家族』(84)、『エンジェル・ダスト』(94)、『ユメノ銀河』、『五条霊戦記』(00)、『ELECTRIC DRAGON 80000V』(01)、『DEAD END RUN』(02)、『鏡心(完全版)』(05)など多数あり。
06年より神戸芸術工科大学で映画創作の実習授業を始める。今年、石井岳龍と改名。
ISHIISOGO-GAKURYU.com
《料金》無料(要上映会チケット半券)
「狂い咲きサンダーロード」
(1980/96分/35mm)
製作会社:狂映舎、ダイナマイトプロ
監督:石井聰亙
脚本:石井聰亙、平柳益実、秋田光彦
撮影:笠松則通
音楽:泉谷しげる、パンタ&ハル、THE MODS
美術:泉谷しげる
出演:山田辰夫、戎谷広、大池雅光、中島陽典、谷忠、小林稔侍
日本大学芸術学部の卒業制作として制作され劇場公開となった石井聰亙の監督デビュー作で、日本のインディーズ映画に多大な影響を与えたカルト作品。暴走族の特攻隊長・ジン(山田辰夫)が、権力に懐柔される仲間や右翼に戦いを挑んでいく。
(C)1997 Softgarage
「ユメノ銀河」
(1997/80分/35mm)
製作会社:ケイエスエス
監督・脚本:石井聰亙
原作:夢野久作 撮影:笠松則通
音楽:小野川浩幸 美術:磯見俊裕
出演:小嶺麗奈、浅野忠信、京野ことみ、黒谷友香
夢野久作の連作短編「少女地獄」の一篇「殺人リレー」を原作にした幻想的な作品。戦後まもない、ある地方都市。友人の死の真相を知ろうと、連続殺人犯の疑いがあるバス運転手(浅野忠信)に近づいた女車掌(小嶺麗奈)が、彼の魅力の虜となってゆく。
協力:神戸芸術工科大学
《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円
《割引》
2本目は200円引き
フリッツ・ラング連続上映 アメリカ時代 3
2010年4月29日(木・祝)〜5月1日(土)
サイレント末期からトーキー初期に、『ニーベルンゲン』(1924)、『メトロポリス』(1927)などの作品でドイツ映画黄金時代を代表する監督として活躍したフリッツ・ラング。1934年にナチス・ドイツから亡命した後は、ハリウッドで第二の黄金時代を築いた。
今回は、ラング作品の主要テーマ「憎悪・殺人・復讐」を真っ向から描いた『ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ』とアメリカ時代の最終作『条理ある疑いの彼方に』を上映する。
「ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ」The Big Heat
(アメリカ/1953/90分/35mm)
監督:フリッツ・ラング
原作:ウィリアム・マッギヴァーン
脚本:シドニー・ボーム
撮影:チャールズ・ラング
音楽:ミッシャ・バカライニコフ
出演:グレン・フォード、リー・マーヴィン、グロリア・グレアム、ジョスリン・ブランド
ギャングと警察上層部との癒着を知った刑事が、愛妻を何者かに殺される。一方、ギャングの情婦は刑事と接触したことが元で顔に大やけどを負わされる。刑事と情婦がそれぞれの個人的な恨みを原動力に復讐に向かう。
「条理ある疑いの彼方に」Beyond a Reasonable Doubt
(アメリカ/1956/80分/35mm)
監督:フリッツ・ラング
脚本:ダグラス・マロー
撮影:ウィリアム・スナイダー
音楽:ハーシャル・バーク・ギルバート
出演:ダナ・アンドリュース、ジョーン・フォンテーン、シドニー・ブラックマー、フィル・ボウナフ、シェパード・スタッドウィック
ラング監督のアメリカ時代最後の作品。ある新聞社社長が死刑廃止を訴えるため、娘の婚約者を未解決殺人事件の容疑者に仕立て、一芝居打つ。冤罪により死刑が行われる可能性を証明しようというのだ。しかし、無実の証拠を持つ社長が事故死して、計画は狂い始める……。
《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
《割引》
2本目は200円引き
はじまりの映画 諏訪敦彦篇
2010年5月2日(日)〜5日(水・祝)
2008年から、毎夏開講してきた神戸映画ワークショップ。これまで、決められたシナリオを使った演習のみだったが、今年は作品を制作する。その5月開講に先立ち、日本映画界を牽引する石井聰亙監督と諏訪敦彦監督の初期作品を上映。
諏訪敦彦監督は、新作『ユキとニナ』をフランスで制作するなど、日本映画界で独自の展開を見せている。彼の劇場デビュー作『2/デュオ』はフィクションに内包されるドキュメンタリー性をいち早く提示した記念碑的作品である。
[関連上映] [はじまりの映画 石井聰亙篇](4月23日〜25日)
講演:加藤幹郎(かとう・みきろう/京都大学大学院人間環境学研究科教授)
《料金》無料(要上映会チケット半券)
映画史を解体する映画 諏訪敦彦の映画史的インパクト
諏訪敦彦監督の『M/OTHER』は世界映画史が一世紀を閲したころに現れたおどろくべき映画である。ここでは映画史が過去80年ほどのあいだ練りあげてきたさまざまな映画技法がことごとく抛擲されている。映画は視覚的媒体としてはじまったが、『M/OTHER』ではもはや登場人物たちの顔はよく見えない。照明や露光になんら配慮がはらわれていないためである。レフ(反射板)ももちろんつかわれていない。映画史初期にはすでに自然照明(太陽光)であろうが人工照明であろうが、フィルムをきちんと露光させ、被写体をできるだけ明るくはっきりと写すことに心砕いていたのだから、『M/OTHER』が意図的に照明や露光を顧慮しないまま被写体にカメラを向けるということは、映画史上、大胆不敵な企てだと言ってかまわない。
加藤幹郎
「2/デュオ」
(1997年/90分/35mm)
製作会社:ビターズ・エンド
監督・構成:諏訪敦彦
撮影:田村正毅
音楽:Andy Wulf
録音:滝澤修
出演・ダイアローグ:柳愛里、西島秀俊、渡辺真紀子、中村久美
諏訪敦彦監督第1回監督作品。同棲中の女(柳愛里)と男(西島秀俊)のありふれた日常が、ふとしたきっかけで不調をきたす。シナリオはなく、俳優たちがそれぞれの状況の中でセリフを考えていくというユニークな方法で制作された。
(C)1998 WOWOW / BANDAI VISUAL
「M/OTHER」
(1999年/147分/35mm)
製作会社:サンセントシネマワークス
監督:諏訪敦彦
ストーリー:諏訪敦彦、三浦友和、渡辺真起子
撮影:猪本雅三
音楽:鈴木治行
編集:掛須秀一
録音:菊池信之
出演:ダイアローグ:三浦友和、渡辺真起子、高橋隆大、梶原阿貴、石井育代、ほか
独立した関係を保ちつつ同棲するカップル。しかし、男(三浦友和)が元妻との子どもを預かったことで疑似家族の状態が生まれ、恋人関係が揺らぎ始める。前作『2/デュオ』同様、準備されたシナリオはなく、監督と俳優のディスカッションの下に作られた構成台本を使って撮影された。第52回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作品。
《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円
《割引》
2本目は200円引き
日本映画名画鑑賞会
2010年5月29日(土)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)
《料金》
一律500円