「何も変えてはならない」
2011年1月8日(土)〜11日(火) 18:45〜
ペドロ・コスタとジャンヌ・バリバール
ふたつの魂が響き合う、奇跡のコラボレーション
鮮烈な日本公開作『ヴァンダの部屋』、
驚きと感動をもって迎えられた『コロッサル・ユース』から2年。
ポルトガルの俊英が、友情と敬愛をもってフランス人女優ジャンヌ・バリバールの歌手活動を記録した、
これまでにない至高の音楽ドキュメンタリーが誕生。
「何も変えてはならない」
Ne change rien
(2009/ポルトガル・フランス/103分/35mm/モノクロ)
監督:ペドロ・コスタ 撮影:ペドロ・コスタ
編集:パトリシア・サラマーゴ
録音:フィリップ・モレル、オリヴィエ・ブラン、ヴァスコ・ペドロソ
音楽:ピエール・アルフェリ、ロドルフ・ビュルジェ、ジャック・オッフェンバック
製作:アベル・リベイロ・チャベス
出演:ジャンヌ・バリバール、ロドルフ・ビュルジェ、エルヴェ・ルース、アルノー・ディテリアン、ジョエル・テゥー
自由に生きる女性の、美しき肖像
『そして僕は恋をする』(アルノー・デプレシャン)や『恋ごころ』『ランジェ公爵夫人』(ジャック・リヴェット)などに主演し、若手から巨匠まで現代フランスにおける映画作家たちのミューズとして知られるフランス人女優ジャンヌ・バリバール。歌手としても知られるバリバールの音楽活動の軌跡を、『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』で世界中の気鋭の映画作家たちやアーティストたちを刺激し続ける、今最も注目を集めるポルトガルの鬼才ペドロ・コスタが独自の視点で映画にした。
原題の「NE CHANGE RIEN」(何も変えてはならない)は、ジャン=リュック・ゴダール『映画史』からの引用で、『何も変えてはならない』においても、サンプリングされたゴダールの声を聞く事ができる。ゴダールはこの言葉を、ロベール・ブレッソンの「シネマトグラフ覚書」から引用している。
『何も変えてはならない』讃 山根貞男
歌を撮る——ただそれだけの映画が驚くほど面白い。
ペドロ・コスタの『何も変えてはならない』は奇跡といいたくなるような映画である。実際ここには、歌うこと、歌と歌う声を練り上げることしか、映し出されていない。にもかかわらず、いや、だからこそ、映画の裸形がなまなましく出現する。
歌、声、姿、動き、場所、時間が、モノクロームとしての色つまり光と混淆するなか、映画にとって音声とは何かがスペクタクルとなってくりひろげられるのである。
映画を聴く、歌を見る——そのスペクタクルといってもいい。
こんな奇跡が突然可能になるわけがない。『ヴァンダの部屋』や『コロッサル・ユース』などがあってこその達成であろう。逆にいえば、この映画を見れば=聴けば、それらの作品が新しい相貌を呈するにちがいない。
ペドロ・コスタインタビュー
『コロッサル・ユース』の日本公開時(2008年4月2日)に行われたものです。
配給会社シネマトリックス、および前田晃一氏らのご厚意により、ここに掲載させていただきます。
[公式サイト]
[関連企画] ペドロ・コスタ監督特集
1月14日(金)〜16日(日)
『ヴァンダの部屋』
『映画作家ストローブ=ユイレ/あなたの微笑みはどこに隠れたの?』
『コロッサル・ユース』
「ペドロ・コスタ短編集(『六つのバガテル』『タラファル』『うさぎ狩り』)」
《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
[貸館]神戸の壁保存活動の記録「神戸の壁の記憶」DVD放映の集い
2011年1月23日(日)13:45〜(受付13:30〜)
神戸の壁のあった長田の地で保存活動の参加・支援者への活動報告。
「神戸の壁の記憶」DVD上映と「震災と壁の思いを語る」会。
主催:リメンバー神戸プロジェクト
後援:兵庫県、神戸市、西宮市
協賛:「大若」神戸の壁跡1.17の集い実行委員会、ジュンク堂書店
支援:ひょうご安全の日推進県民会議
協力:1.17KOBEに灯りを IN ながた実行委員会、眞陽婦人会、この町・花の街作戦実行委員会、Bird’s Eye出版、神戸映画資料館、オフィスハル
《料金》無料(要予約)
お申し込み(1月17日締切):リメンバー神戸プロジェクト TEL 090-4302-8231
初笑い時代劇大会
2011年1月29日(土)・30日(日)
日本の白黒(モノクロ)映画を上映するシリーズ第1弾として新春に相応しい爆笑喜劇時代劇4作品を集めた。エンタツ、アチャコ、ロッパ、シミキン、トニー谷、金語楼、堺駿二、伴淳などなど、懐かしのお笑い芸人が繰り広げる抱腹絶倒の物語のかずかず。
監督は3本が斎藤寅次郎、1本が丸根賛太郎監督。制作は1950年代前半です。題名は当日のお楽しみに!
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)
《料金》
1本あたり
一律500円
日本映画名画鑑賞会
2011年2月6日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)
《料金》
一律500円
アンコール上映「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」
第23回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門 正式出品作品
2011年2月11日(金・祝)〜15日(火)
名誉のために命を賭け、栄光と偏見に挑んだ65年目の真実。
兵士たちの最後の証言で綴るドキュメンタリー
知られざる歴史のヴェールが開かれる!
「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」
442 Live with Honor, Die with Dignity
(2010/日米合作/97分/HD[ブルーレイ上映])
製作:442フィルムパートナーズ(UTB フイルムヴォイス NTTラーニングシステム、かねふくアメリカ、米国日本ハム、トレンド社)
制作:UTB+フイルムヴォイス
企画・脚本・監督:すずきじゅんいち
撮影監督:小渕将史
編集:水原徹 音楽:喜多郎
アメリカ陸軍442連隊は、第二次大戦時に日系二世で編成された部隊で、アメリカ軍史上最も多くの勲章を受けた。
本作は父母の祖国・日本と戦う苦悩を抱えながら、アメリカの中で人種差別と戦い、ヨーロッパ戦線ではファシズムと戦った伝説の兵士たちのドキュメンタリー。終戦後、トルーマン合衆国大統領は「諸君は敵だけでなく偏見とも戦い、勝ったのだ」と賛辞を送り、自ら生還者を激励した。
アメリカ国内における日系人の地位向上に寄与しただけでなく、フランスをはじめとしたヨーロッパ諸国では、長期間ナチスドイツに占領されていた自分たちの町を解放に導いたヒーローとして、現在も語り継がれている。
しかし、日系人強制収容所から出征した兵士たちが、ユダヤ人強制収容所を解放したという真実は、ほとんど知られていない。
日系アメリカ人として、星条旗を背負って戦う自尊心と愛国心、その一方で敵性国民に指定された人種差別への怒りと哀しみ、葛藤を描いた問題作。現在、元兵士たちは80代半ばから90代と高齢になり、当事者たちによる貴重な証言はこれが最後になるかも知れない。
「東洋宮武が覗いた時代 Toyo’s Camera – Japanese American History during WW2-」 に続く米国日系人史映画の第二作目。前作同様、監督はベテランのすずきじゅんいち、音楽はゴールデングローブ賞やグラミー賞受賞者の喜多郎、その他メインスタッフも、同じメンバーである。 ハリウッドの日米バイリンガル放送局UTBと、日本からはフイルムヴォイスが共同で製作に当る。
[公式サイト]
《料金》
【当日券】
一般1800円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
井上陽一の活弁映画シリーズ6
2011年3月5日(土)13:30〜
陽春の候、井上陽一の活弁シリーズとして今回は溝口健二監督の『滝の白糸』を取り上げる。活動写真ファンには懐かしい弁士の声色をお楽しみください。上映プリントは、最近時々上映されているフィルムセンター復元の完全版ではなく、その素材の一部となった結末部を含む関西版で、フィルム復元の研究者にとっても必見だろう。
井上陽一(弁士)
いのうえよういち。1938年、姫路市生まれ。浜星波に師事。60年から活動写真弁士として活躍。02年「OSAKA映像フェスティバル」で『雄呂血』、04年の京都映画祭では『特急三百哩』『からくり蝶』、08年には『実録忠臣蔵』を名調子で活弁するなど、各地の映画祭等で活躍。関西唯一の現役弁士である。
「滝の白糸」
(1933 / 96分[18fps]/ サイレント / 16mm)
監督:溝口健二 原作:泉鏡花
脚色:東坊城恭長、館岡謙之助、増田真二、清涼卓明
撮影:三木茂
出演:入江たか子、岡田時彦、村田宏寿、菅井一郎、見明凡太郎
入江たか子が演じる女水芸人「滝の白糸」は、岡田時彦が演じる村越欣弥のため学資を仕送りしつづけたが、ついに借金までして人を殺してしまう。出世して検事になった欣弥の手で裁かれるという不条理な結末。京都の双ヶ丘撮影所に入江プロダクションが立て籠もって撮影した伝説的作品。
《料金》
一般1800円 学生・シニア1500円
会員1500円 学生会員・シニア会員1300円
日本映画名画鑑賞会
2011年3月6日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)
《料金》
一律500円