プログラムPROGRAM

完成披露上映会「ミッシング」「コウノトリが…」
2011年4月24日(日)16:30〜
*13:30〜関係者のみの上映あり
神戸映画資料館では、毎夏、映画作りのワークショップを開催してきました。
昨2010年は、ワークショップ生が主要スタッフ(脚本・監督・出演ほか)をつとめた『コウノトリが・・・』を製作。
さらに年末には『シャーリーの好色人生』などを手がける佐藤央監督を招聘して、『ミッシング』の撮影を新長田で行いました。この撮影にはワークショップ生の有志や神戸芸術工科大学の学生も参加し、低予算の自主製作で出来ることを、映画のプロの現場から実地に学ぶ機会としました。脚本に小出豊を迎え、佐藤央監督の新境地を示す作品です。
この度、完成したばかりの2作品の披露上映を行います。
「ミッシング」
(2011/55分/HD)製作:神戸映画資料館
監督・編集:佐藤央 脚本:小出豊 撮影・照明:四宮秀俊
録音:新垣一平 音楽:近藤清明 美術:大石佳奈
助監督:大岸智博 制作:唐津正樹
キャスト:土田愛恵、きく夏海、信國輝彦、昌本あつむ、八尾寛将、堀尾貞治
夫と1人息子のヒロと幸せな生活を送っていた清瀬晧子は、軽い気持ちからヒロとの約束を破ってしまう。その日以来、ヒロは二度と帰ってこず、「自分のせいだ」と自らを責める晧子は夫と別れ1人ヒロを待ち続ける。それから5年の月日が過ぎ…。

 この映画は、何かとても大事なものを失ってしまった人々について語った映画です。自分にとってとても大事なものを失ってしまうと、弱さからか、たとえそれが自分のせいでなくても自分のせいだと思ってしまう。この映画ではそのことを「因果」と呼んでいますが、そのような「因果」と呼ばれる事柄に直面してしまった人々を見つめる眼差しが、この映画のテーマとなっています。
 ほぼ映画初出演であるキャストの昌本あつむと堀尾貞治さん始め、主演の土田愛恵さん、きく夏海さんらキャストの方々と、スタッフとしてみぞれの振る年末に獅子奮迅の活躍を見せてくれた神戸芸工大の若者たちの息吹が息づいたこの映画を楽しんでいただければと切に願います。

  監督・佐藤央

[監督]佐藤央
1978年大阪生れ。映画美学校フィクションコースを卒業後、2005年、短編ドキュメンタリー『キャメラマン 玉井正夫』を監督(フィルムセンター、三重映画フェスティバル、神戸映画資料館などで上映)。2007年、オムニバス映画『夢十夜 海賊版』の一本「不安」(第八夜)、2009年には『シャーリーの好色人生』を監督し、冨永昌敬(『パンドラの匣』『乱暴と待機』)との二本立て映画『シャーリーの好色人生と転落人生』として全国で公開。各方面で高い評価を得る。2009〜10年には自主制作で『結婚学入門(恋愛篇・新婚篇)』の2作を続けざまに監督した。
 
[脚本]小出豊
1974年生まれ。映画美学校フィクションコースを卒業後、2006年、『お城が見える』(第4回CO2オープンコンペ部門優秀賞)を監督。2009年には初長編『こんなに暗い夜』(ハンブルグ映画祭、シネマ・デジタル・ソウルなどで上映)、オムニバス映画『葉子の結婚』「月曜日」を監督し、各地で話題を呼んだ。その他の仕事に、万田邦敏「県境」「一日限りのデート」(BS-i)の脚本などがある。映画批評誌「シネ砦」団員。
 
 
「コウノトリが…」
(2011/45分/HD)製作:神戸映画資料館
監督:村津蘭 脚本:小林紗季 撮影:岡山佳弘 
録音:堀修生 美術:南山真之 助監督:大岸智博 
制作:山本暢俊、橋口明弘
キャスト:小川尊、真塩優、根村茂次、西山真来、佐々木嘉子、岩村襟子、
原田佐之助、上田洋子
10年後、少子化対策で政府は代理母制度を奨励するが、代理母の数は足りていない。産婦人科医である洋介は中絶と養子へ出す母親が多い現実に違和感を感じつつも、子どもセンターで働いている。ある日古い友人に頼まれ、非正規の代理母出産を引き受けるが、依頼した葉子も代理母の亜紀も子どもに関心は薄く…。

 「10年後」という設定で脚本を書くこと、映画の文法に沿って作品を組み立てていくことが今回WSのお題でした。WS生で選んだテーマは「10年後母性はどこに行くのか」。「10年後」というテーマは現代という時代をどのように捉えるか、ということでもあります。WS生自身が作った脚本を基に、俳優・演出・美術・制作等それぞれの役割から想像し、手探りで作った「10年後」。多くのWS生が映画製作が初体験の中で、猛暑の下撮られたこの作品で「現代」が少しでも浮かびあがればと願います。
  監督・村津蘭

《料金》1000円

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。