プログラムPROGRAM

[貸館]黒坂圭太のミラクル・アート・アニメーション
2012年3月11日(日)

『緑子/MIDORI-KO』の公開を記念して、黒坂圭太監督のミラクルな短編アニメーション作品を上映します。
各回参考作品の上映と、黒坂圭太監督のトークあり。
Aプログラム13:00〜
『春子の冒険』(16mm/14分/1991)
無機物と交信できる超能力を持つ少女・春子は、ある朝、何者かの呼び声に目覚め、誘われるままに無数の“もののけ”が棲みついた昭和30年代の廃屋アパートに辿り着く….。少女へのほのかな憧れと、都市への郷愁を漂わせたSFホラー&ファンタジー。
 
『個人都市』(16mm/23分/1990)
賞味期限切れのポテトサラダを食べた為に腹をこわした僕が迷い込んだ場所は、摩訶 不思議な迷宮ワールド“個人都市”だった・・・。トイレという密室空間から都市空間へとくり広げられる、都会の孤独感がまきおこすシュールな妄想の倒錯劇。
 
『みみず物語』(16mm/15分/1989)
ウサギとミミズの追いかけっこという、お馴染みの民話のパロディーで始まるが、ほのぼのとした雰囲気から一転、不条理なイメージが連続的に重なり物語は脱線していく。抽象アニメーションを極めた作者が、新たに物語性を打ち出し始めた傑作。
 
 
Bプログラム14:30〜
『海の唄』(16mm/30分/1988)
延々と続く太鼓の咆哮が、無彩色のハイコントラストな映像とシンクロして、観る者を束の間の白昼夢へと誘う。作者自身の子供の頃の記憶にある能登半島の海のイメージを、全編風景写真のモノクロコピーをベースにした約3000枚の動画を使って表現した意欲作。
 
『変形作品第5番<レンブラント主題による変形解体と再構成>』
(ビデオ販/28分/1986)
17世紀オランダの画家レンブラントの絵画を、独自の技術を駆使して分解し再構成する『visual remix』作品。黒坂が敬愛する画家の二次元世界に見出した宇宙は、フルスピードで膨張と収縮を繰り返して花弁となり胎児となり、エクシタシーを伴い幾度もビッグバンに達する……。
 
『餅兵衛』(ビデオ/30秒/2005)
怒り心頭で繰り出す頭突きから、男は新たな光明を見い出している?
 
『ワタシノカオ』(ビデオ/3分/2005)
黒坂圭太が描き続けた顔のドローイングが、ぐにゃぐにゃ とメタモルフォーゼしていく。『緑子/MIDORI-KO』の制作期間中に完成したドローイング アニメの怪作。
 

黒坂圭太
1985年『変形作品第2番』がPFF入選。『海の唄』『みみず物語』『個人都市』などの短編映画を次々と発表。手がけた作品は数多くの映画祭や美術館で上映されている。代表作のMTVステーションID『パパが飛んだ朝』(1997)は、アヌシー、オタワの二大アニメ映画祭をはじめ数々の国際賞に輝き、世界中で放映された。一方、Dir en greyのPV『Agitated Screams of Maggots』(2006)は、あまりの背徳的過激さから賛否両論を巻き起こし、テレビやDVDで修正を余儀なくされた。近年では即興アニメとペインティングによるライブ・パフォーマンスもおこなっている。『緑子/MIDORI-KO』(2010)が全国ロードショー公開。武蔵野美術大学 映像学科教授。

[関連企画]黒坂圭太新作アニメーション『緑子/MIDORI-KO』3月3日(土)〜16日(金)神戸アートビレッジセンター
 
主催:ミストラルジャパン info@mistral-japan.co.jp 
 

《料金》入れ替え制
1プロ1000円  2プロ1500円

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。