プログラムPROGRAM

ピンクリンク編集部 企画
ピンク映画50周年 特別上映会 〜映画監督・渡辺 護の時代〜
2月8日(金)〜11日(月・祝)
「紅壺」
(1965/85分/モノクロ/シネマスコープ/16mm)
監督:渡辺 護 脚本:吉田貴彰、池田 央
撮影:生田 洋 音楽:小谷松実 照明:村井徹二
録音:杉崎 喬 編集:宮田二三夫
助監督:大島 功
出演:真山ひとみ、原あけみ、黒木純一郎、上野山功一、千田啓介、岩城力也、四志譲二、今井孝行
渡辺護・第2回監督作品で、現存する最古の渡辺護監督作品。2001年にプラネット映画資料図書館とピンクリンク編集部の共同調査により奇跡的にフィルムが見つかった。「マノン・レスコー」の翻案で、ある少女がスターになるまでの物語。嫉妬、ゴシップ、陰謀…、芸能界のどす黒い人間模様。後に日活に移り活躍した真山ひとみのデビュー作である。60年代の銀座・高級クラブ街でのロケシーンは、当時の映像の記録としても貴重。
 
「婦女暴行事件 不起訴」
(1979/61分/カラー/シネマスコープ/35mm)
監督:渡辺 護 脚本:小水一男 撮影:久我 剛
照明:近藤兼太郎 音楽:飛べないアヒル
編集:酒井正次 録音:東音スタジオ
助監督:鈴木敬晴
出演:日野繭子、青野梨麻、風間舞子、港まゆみ、斉藤由次、白鳥邦彦、上野 淳、大杉 漣、豊島六郎、藤村 俊
80年前後は第2次ピンク映画ブームの時代であり、最後のピンク映画黄金時代。渡辺 護はその頃アイドル人気を誇った日野繭子をヒロインに、緊縛モノの傑作『少女縄化粧』(1979/脚本:高橋伴明)など数々の傑作を生みだす。本作は横須賀を舞台に、当時の若者たちの“いま”が描かれ、雨に煙る港町ヨコスカが素晴らしい。出演者にクレジットされている豊島六郎とは渡辺護のこと。
  
「三日三晩裏表」
(1969/63分・短縮版/パートカラー/シネマスコープ/16mm)
監督:東元 薫
脚本:原 良輔 撮影:鈴木志郎 照明:大廣 海
音楽:東 楽 編集:井原花子
録音:東音スタジオ 助監督:長石多可男
出演:野上正義、一星ケミ、王 春蘭、司 乱子、石田 覚、田口和也、千曲守夫、神原明彦、築地 博、山田春夫、桜井のり子、関 孝、河辺和子、津崎公平
監督の東元 薫=梅沢 薫(1934〜1998)は、若松孝二監督『壁の中の秘事』(1965)の助監督を務めた後、向井寛監督に師事。1965年『十代の呻吟<うめき>』で監督デビュー。勝新太郎のそっくりさんが登場する『好色座頭市 四十八手斬り』(1969)、非情なタッチで描いた『濡れ牡丹 五悪人暴行篇』(1970)などが当時大ヒットした。
60年代フォルクスワーゲンのワンボックス・バンが颯爽と登場するオープニングが、めちゃくちゃオシャレでカッコイイ! なりゆきで強盗犯人になってしまった青年(野上)が、執拗に刑事(津崎)に追いかけられるアクション・ムービー。
 
   
「おんな地獄唄 尺八弁天」
(1970/75分/パートカラー/シネマスコープ/16mm)
監督:渡辺 護 脚本:日野 洸(=大和屋竺)
撮影:池田清二 照明:栗本一雄 音楽:林伊久馬
編集:宮田二三夫 録音:目黒スタジオ
助監督:西村智之
出演:香取 環、国分二郎、辰巳典子、青山リマ、日野新二、野上正義、武藤周作、吉田純
脚本の大和屋 竺(1937〜1993)は、早世の天才脚本家であり映画監督。日活・助監督部を経て、若松プロへ。1966年『裏切りの季節』で監督デビュー。監督作『荒野のダッチワイフ』(1967)は今も伝説の名作である。ピンク映画、ロマンポルノ、TVドラマ、TVアニメなど多方面に脚本を執筆したが、特にアニメ「ルパン三世」の脚本家として有名。
そんな大和屋とがっぷり組んだ本作は、渡辺護の初期監督作品の中でも屈指の傑作。女侠客・弁天のお加代が主人公の『男ごろし極悪弁天』(1970)の続編となる任侠時代劇である。お尋ね者の女極道・弁天の刺青を入れたお加代(香取)と、吉祥天の刺青のセイガク(国分)、運命の愛の物語。
 
「男と女の肉時計」
(1968/58分・短縮版/パートカラー/シネマスコープ/16mm)
監督:向井 寛 脚本:宗 豊 撮影:東原三郎
照明:土井士郎 音楽:芥川 隆 編集:香園 稔
録音:東音スタジオ 助監督:小津寛一郎
出演:柴田美恵、泉 ユリ、島 ルミ、桧みどり、相原香織、小野 保、城 浩、寺田 司、大平宣容、田口一矢、大原譲二
監督の向井 寛(1937.10.16〜2008.6.9)は、1962年『二人の少年』で監督デビュー。1965年、向井プロダクションを設立し成人映画に進出、ピンク第一回監督作品『肉』(出演:内田高子)を撮る。向井プロからは数多くの監督が輩出され、滝田洋二郎や瀬々敬久らも向井プロの出身である。本作は美人局(つつもたせ)をしながら暮らす男と女のお話。組長の情婦に手をつけてしまった男は、落とし前をつけるために、交通事故を装った殺しの依頼を受けるのだが…。
 
「素肌が濡れるとき」
(1971/70分/カラー/シネマスコープ/16mm)
監督:梅沢 薫
脚本:池田正一 撮影:久我 剛 照明:秋山和夫
編集:エディ編集社 音楽:金子新一
録音:日本録音センター 助監督:吉岡宣孝
出演:真湖道代、野上正義、港 雄一、泉 ユリ、瀬川ルミ、青山美沙、宝井京子、相原香織、真理野恵美、神原明彦、名和三平、城 浩、香の浦恵、浅野悦子、椿 ユカ、滝沢明広、出口泰児、大浜ゆう子、田代愛子、中津ともえ
出演の野上正義(1940.3.2〜2010.12.22)は北海道出身。1964年『鉛の墓標』(監督:若松孝二)でピンク映画初主演。成人映画のみならず、一般映画、TVドラマ、舞台、CM…と幅広く活躍し、1,000本以上の映画に出演した。ピンク映画50年の歴史の中で最も活躍した人を唯一人選ぶとしたら、女優でも監督でもなく、俳優・野上正義の名前を挙げる人も多いだろう。ピンク映画、ゲイポルノなど監督作も約20作品ある。
本作ではそんな野上さんが実にかっこよく、まるで野上さんのプロモーション映画のよう! ほぼ全篇、主演・野上正義の映画となっていて、ピンクなのにホモセクシャルなシーンまである自由さ。
 
*プリント状態が悪く映写機にかからない場合は上映作品が急遽変更になる場合があります。
 
企画:ピンクリンク編集部
 
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西日本初公開「糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護」

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2本目は200円引き

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