プログラムPROGRAM

福間健二監督最新作「あるいは佐々木ユキ」
2013年2月15日(金)〜19日(火)

もうすこし歩いて
もうすこしへんになってみる。

 
「あるいは佐々木ユキ」
A Fairy Tale(2013/79分/HD[ブルーレイ上映])
製作・配給:tough mama
製作:福間恵子
監督・脚本:福間健二
撮影:鈴木一博 編集:秦岳志
音響設計:小川武
出演:小原早織、吉野晶、千石英世、文月悠光、川野真樹子、籾木芳仁、萩原亮介、川島加奈代
 
2011年、詩集『青い家』で萩原朔太郎賞と藤村記念歴程賞をW受賞した詩人であり、1995年『急にたどりついてしまう』、2008年『岡山の娘』、2011年『わたしたちの夏』と、精力的に映画づくりに取り組んできた福間健二の新作。
 
20歳の女の子、佐々木ユキの夢と現実を、インタビュー、詩、ダンスをふくむ斬新な構成によってとらえる。ユキは、その分身的存在や彼女を見守る人物たちと出会い、別れ、次のステップへと向かう。アゴタ・クリストフ、アンデルセン、文月悠光、そして「青い家」をはじめとする福間健二の詩を盛り込んだ、アイドル・コミック・ポエトリーファンタジー。21世紀の妖精物語。
主役の佐々木ユキには、『わたしたちの夏』のサキ役で注目を浴びた小原早織。
吉野晶、千石英世、川野真樹子の、『わたしたちの夏』のメンバーに加えて、詩人文月悠光も出演。主要スタッフは、『わたしたちの夏』につづいて、撮影・鈴木一博、編集・秦岳志、音響設計・小川武。福間健二のあらたな冒険をささえている。
 

2月16日(土)18:30の回上映前 福間健二監督による詩の朗読

2月17日(日)16:15〜
トークイベント《詩から映画までを生きる》 福間健二 × 細見和之
 
 ぼくは、詩を書き、映画をつくっている。青春期を送った1960年代後半にこの二つの魅惑につかまり、そこから紆余曲折した人生の迷路の先にそういうことになった。
 長い物語であるが、ぼくはそれを自分だけの物語だとは考えていない。
 ふつうは、詩は自分ひとりで書き、映画はスタッフ・キャストとの共同作業でつくっているという違いがある。
 自分で写真を撮ることの延長のように映画をつくる、いわゆる個人映画という領域もあるが、ぼくの場合、規模は小さくても、スタッフ・キャストとつくるやり方にこだわっている。理由のひとつは、創作の過程で他者に出会っていたいということ。もうひとつは、たくさんの名作のならぶ映画史を意識した表現をつくりたいということだ。
 四本の長篇映画をつくったいま、詩と映画で、別のことをやっているという意識は次第に薄らいできたけれど、それは意識の上でそうだということであり、実際にやることはちがう。映画には、机の上で原稿を書いているのとはちがう体の使い方が必要だ。言葉も、そこでは、紙のページに印刷して読んでもらうのとはちがうものになる。
 詩から映画までを生きる。大きく言えば、どんなジャンルにおいても、そのことが必要なのだとぼくは思っている。そして、詩と映画のあいだにおこるフィードバックから、詩についても映画についても新しいヴィジョンが生まれる。そのことを語りたい。
                                     ――――福間健二
 
ゲスト:細見和之
大阪府立大学人間社会学部教授、詩人。主な著書に『アドルノ』(講談社)、『アドルノの場所』『ポップミュージックで社会科』(みすず葛房)、『「戦後」の思想――カントからハーバーマスへ』(白水社)、『永山則夫――ある表現者の使命』(河出書房新社)、『アイデンティティ/他者性』『言葉と記憶』『ベンヤミン「言語一般および人間の言語について」を読む』『ディアスポラを生きる詩人 金時鐘』(岩波書店)、『「戦後」の思想』(白水社)、『永山則夫』(河出書房新社)。主な詩集に『言葉の岸』(思潮社)『ホッチキス』(書肆山田)『家族の午後』(澪標)などがある。

福間健二 監督・脚本
1949年、新潟県生まれ。都立大学在学中に16ミリ作品『青春伝説序論』を高間賢治の撮影で監督する。同時に詩を書きはじめ、現代イギリス詩の研究者としての道を歩みながら、詩と映画への情熱を燃やしつづける。首都大学東京教授。
95年、劇場映画第一作『急にたどりついてしまう』を発表。08年には『岡山の娘』、11年に『わたしたちの夏』を発表し、若い世代の映画作家・批評家たちから熱い支持を受ける。詩論集に『詩は生きている』(05/五柳書院)。詩集に『きみたちは美人だ』(92/ワイズ出版)、『旧世界』(94)、現代詩文庫版『福間健二詩集』(99)、『秋の理由』(00)、『侵入し、通過してゆく』(05/以上、思潮社)など。2011年7月に出した新詩集『青い家』(思潮社)で第19回萩原朔太郎賞と第49回藤村記念歴程賞をW受賞。映画関係の本として、『石井輝男映画魂』(92/ワイズ出版)、『大ヤクザ映画読本』(93、山﨑幹夫との共編著/洋泉社)、『ピンク・ヌーヴェルヴァーグ』(96/ワイズ出版)などがある。

[公式ブログ]
[公式ツイッター]
[フェイスブック あるいは佐々木ユキページ]
 

《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
トークイベント1000円

*ポエトリー割引:詩集ご提示で映画鑑賞一般料金を200円引き

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