ドキュメンタリー映画
「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」
2013年3月8日(金)〜12日(火)

3月11日(月)・12日(火)11:00の回上映後 青池憲司監督、来館挨拶
3月11日(月)・12日(火)13:45〜 ─お茶会─青池監督を囲んで
場所:シネマカフェ・チェリー(神戸映画資料館内)
参加費:500円(コーヒーか紅茶+東北のお菓子付き)
「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」(2012/125分/HD[ブルーレイ上映])
編集:村本勝 撮影:一之瀬正史 録音:滝澤修 音楽:森拓治 語り:三國裕子
監督助手:尾崎日出夫 監督:青池憲司
あの日、東日本太平洋沿岸の多くの学校が津波に襲われ、石巻市立門脇小学校も壊滅的な打撃を受けた。児童300名のうち7名が犠牲になり、校舎は津波と火災で使用不能、地域(校区)もそのほとんどが荒野と化した。
4月、門脇小学校は、高台にある門脇中学校の一画に間借りして新学期を迎えた。そこには、震災と向き合うこどもたちの姿があった。
3年生の授業「よみがえれ石巻」では、自分たちが住んでいた町をどんなふうに創りかえるか? 新たな災害に備えるにはどうすればいいか? こどもたちの奔放なアイディアあふれる授業は3学期まで続いた。
地域では、生活とコミュニティの復興をめざして、住民と行政の意見交換会が始まり、いまも続いている。
そして、・・・震災後の6月から門脇小学校にキャメラを据えて1年、この映画は、教室と地域、こどもとおとなの再生の日々を、石巻の四季とともに織り上げた作品である。
【映画「宮城からの報告」映画製作委員会より】
東日本大震災直後すさまじい被害報道が流れる中で、わたし達は未来に向かって生きていかなければならない被災地の人びと、とりわけ子どもたちの〈現在・未来〉に焦点を当て、記録映画を製作しようと考えました。2012年5月、宮城県石巻市で映画製作委員会を発足させ、阪神淡路大震災を記録した青池憲司監督に映像記録づくりを依頼し、6月末から撮影を開始しました。そして、東日本大震災による災害の実態と人びとがそれに対しどう立ち向かっているのかという経緯を、子ども達・学校・地域の姿を通して約1年間200時間以上の撮影を行ってきました。
これまで「予告編特報・わたしはここにいます~石巻・門脇小・夏~」(2011年10月完成・27分)と「学校証言篇・3月11日を生きて~石巻・門脇小・人びと・ことば~」(2012年2月完成・97分)を製作し、現在「学校証言篇」は、全国各地で公開中です。
この度、約1年間の記録をまとめた作品である「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」が完成しました。当製作委員会は、県内はもとより全国からの製作支援金で映画製作しておりますので、皆様からの尚一層のご支援をお願いします。
青池憲司監督の主な作品
『日本幻野祭三里塚』、『合戦』東京都教育映画祭金賞、『ベンポスタ・子ども共和国』日本カトリック映画賞、『琵琶法師 山鹿良之』毎日映画コンクール・記録文化映画賞・文化庁優秀映画作品賞
【阪神大震災関連作品】
記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部(14時間38分)
『阪神大震災 再生の日々を生きる』(2時間36分)
【東日本大震災関連作品】
『3月11日を生きて〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜』
『津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録』
→青池組@宮城応援ページ
《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円 高校生以下500円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
転形期のインディペンデント映画
第2回 マイナー映画の方へ
3月23日(土)〜26日(火)
映画制作と上映のデジタルへの移行、そして見る環境の多様化により、いよいよ“映画”の転形期を実感する今日。とりわけインディペンデント映画の状況はダイナミックに変化していくことでしょう。
自由な環境で作られるインディペンデント映画であるからこそ、作り手はそれぞれに映画の在り方を模索しています。このシリーズでは、この転形期に誕生した作品から映画の未来を見ていきます。
今回は、「マイナー映画の方へ」と題し、三人の映画作家の作品を取り上げます。いわゆる「個人映画」に分類される作品ですが、突き詰めた個人の表現がもたらす過激さとユーモアに触れてください。

「時」
(2012/サイレント/60分/DVD)
監督:木村卓司
一瞬一瞬、見えないはずの時が猛々しく発露し姿を現す。それは霧の様に実体のない幻想で意識下の深遠に降りて行く。日だまりの様にこの上なく心地のよいものだ。──木村卓司
『シネマトグラフ オブ エンパイア』(2009)、元町映画館が出来るまでを描いた『街に・映画館を・造る』(2011)で知られる木村卓司。今回が初公開となる最新作『時』は、闇と光を往還する独自の世界である。
触手のようなキャメラが平面像の女体をまさぐる。すると静止していたはずの被写体が一瞬息を吹き返したように動き出す。この瞬間に戦慄を覚える。この個人映画作家が自宅の納屋から発見されたという戦前のポルノグラフィーに眼差しを向けると、そこに津山三十三人殺しが実験映画と交差する時空が出現する。そして我々は思い出す。映画は3D技術など使わなくとも初めから立体映像だったのだと。
───葛生賢(映画批評家、映画作家)


「おしゃれ29/29」
(2003/25分/8mm)
「べっぷ、たまがわ」
(2005/31分/8mm)
監督:内村茂太
8mmフィルムによる日記形式の作風で知られる内村茂太。とぼけた語り口につい気を許してしまいそうになるが、実はかなりの技巧派である。
今回上映する『べっぷ、たまがわ』は、イメージフォーラム・フェスティバル2006寺山修司賞、『おしゃれ29/29』は、調布映画祭第9回ショートフィルム・コンペティション・グランプリ、コダック8ミリフィルムワークス in ジャパン奨励賞受賞。
内村茂太氏の8ミリ日記は、日曜洋画劇場で観た『ポリスアカデミー』を明日学校でどうネタにしようかとワクワクする、そんな中坊時代の日曜・晩の気分に満ちている。コマ落し気味のスピードで展開する妻と愛猫チャコとの多摩川住宅生活、地方への旅。終わらない休日として「問わず語り」のフィルムは回り続ける。
そんな内村氏の肩書きの1つは、自主的に務める『オールナイトニッポン』のパーソナリティ。『天才バカボン』の目玉のお巡りさんが如くである。500円で販売している収録テープがどれだけ売れたのかは謎だ。カセットテープが聴けない人も多いこのご時勢、内村氏は真顔で「聴く」かどうかではなく、「買う」という行為が重要なのだと淡々と言い切るのである。
───デューイ松田(ライター)

「Blessed ―祝福―」
(2001/78分/DV)
監督:崟利子
テキスト・ナレーター:高橋章代
穏やかに慎ましく、時には衝撃的なほど直裁に、愛、恐れ、親密さ、渇望、性愛のもっとも深い感情を探っていく私的ドキュメンタリー。詩的で喚起的なテキストが、即時性を感じさせる触覚的な映像と見事なバランスを成す。
本作は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2001「アジア千波万波」で上映され、ニヨン国際映画祭にて特別賞を受賞。その他、ソウル女性映画祭、台湾ドキュメンタリー映画祭、マレンマ(イタリア)国際ドキュメンタリー映画祭に招待上映。
崟利子は関西での自主上映活動や福田克彦監督の助監督を経て、1998年から映像制作を開始。2005年より東京茅場町にあるギャラリーマキにて定期新作発表上映会「季刊タカシ」をスタートし、2009年秋から神戸映画資料館で「タカシ時間」を不定期で開催している。
《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
《割引》2プロ目は200円引き