ストローブ=ユイレによるブレヒト映画
2015年8月14日(金)〜16日(日)
レクチャー:時空を超えるブレヒトの旅
8月16日(日)16:45〜 参加無料
渋谷哲也(ドイツ映画研究)
「ブレヒト主義者」を自称していたストローブ=ユイレはブレヒトのテクストを用いて2本の映画を製作した。どちらも彼の亡命中に執筆したテクストを用いて、限りなく挑発的な技法を特徴としつつ、それ以上に映画的な快楽を溢れさせた傑作である。『歴史の授業』の長大なトラヴェリングとカエサル神話の資本主義的読み替え、『アンティゴネー』での円形劇場に限定された空間での言葉の果たし合い。限りなく禁欲的でありながら、心の奥底を揺さぶるような映画体験をもたらしてくれる。
「歴史の授業」
Geschichtsunterricht(1972/85分/16mm 35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:レナート・ベルタ
ベルトルト・ブレヒトの未完の小説『ユリウス・カエサル氏の商売』を基にローマの古代と現代を交差させたエッセイ風劇映画。カエサルの死後40年目にして伝記を執筆しようとする歴史家青年の前で、生前のカエサルを知る者たちの証言が、世紀の英雄の真実の姿を次第に浮き彫りにしてゆく。
「アンティゴネー」
Die Antigone des Sophokles nach der Hölderlinschen Übertragung für die Bühne bearbeitet von Brecht 1948(1991-1992/100分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:ウィリアム・ルプシャンスキ
ソフォクレス作の古典ギリシャ悲劇をヘルダーリンがドイツ語に翻訳した草稿を基に、ブレヒトが大胆に加筆改稿した戯曲を映画化した。戦争のさなかで国の裏切り者となって死んだ兄の遺骸を弔うアンティゴネ—と、それを反逆行為として糾弾する叔父クレオン王との対決。ブレヒトはそこに戦争とファシズムへの批判を読み込んだ。
作品解説:渋谷哲也
協力:神戸ファッション美術館、アテネ・フランセ文化センター
《料金》
一般:1300円 学生・シニア:1200円
会員一般:1200円 会員学生・シニア:1100円
《割引》当日2本目は200円引き