プログラムPROGRAM

年別アーカイブ: 2016

喜劇映画研究会40周年記念
新春コメディ宝箱
2016年1月9日(土)〜11日(月・祝)

1月10日(日)16:35〜
コメディ学入門特別編 笑いの国の旅人たち~喜劇映画研究会新野敏也さんを迎えて~
→詳細はこちら

ピアノ演奏付き上映
1月10日(日)演奏:鳥飼りょう
1月11日(月・祝)演奏:柳下美恵

Aプログラムショート・コメディのマエストロ
oneweek01「文化生活一週間」One Week (1920/16mm)
*9日はサウンド版19分、11日は16コマ映写生演奏付き28分
コミック・フィルム・コーポレーション=メトロ・ピクチャーズ社作品
製作:ジョゼフ・M・スケンク
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、シビル・シーリー、ジョー・ロバーツ

「整形夫婦」Mighty Like a Moose
(1926/31分[16コマ]/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作:ハル・ローチ 監督:レオ・マッケリー
監修:F・リチャード・ジョーンズ
脚本:H・M・ウォーカー、チャーリー・チェイス
出演:チャーリー・チェイス、ヴィヴィアン・オークランド、バディ(犬)

feet_of_mud01「かたづけ屋ハリー」Feet of Mud
(1924/29分[16コマ]/16mm)
マック・セネット・コメディズ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作:マック・セネット 監督:ロイ・デル・ルース
監修:F・リチャード・ジョーンズ
脚本:フランク・キャプラ、アーサー・リプリー
(監督:ハリー・エドワーズ、脚本はジョン・A・ウォルデンの説もある)
出演:ハリー・ラングドン、ナタリー・キングストン

初公開時にアンドレ・ブルトン、サルヴァドール・ダリ、ガルシア・ロルカらシュール・レアリスムの巨人たちを一撃でノックアウトしたキートン監督・主演の劇場デビュー作『文化生活一週間』、若き日のレオ・マッケリー監督が最も尊敬し、後年にゲーリー・クーパーやジェイムズ・スチュアートへその想いを重ねた夭折のコメディアン=チャーリー・チェイスとの最強タッグ作品『整形夫婦』、後の巨匠フランク・キャプラが育て上げた喜劇人ハリー・ラングドンとの伝説的なハチャメチャ作品『かたづけ屋ハリー』など、混沌と飛躍、ナンセンスとパントマイムが溢れる無声映画の宝箱みたいなプログラム!

 

Bプログラム笑いの王国
「迷惑帽子」Those Owful Hats(1909/5分[16コマ]/16mm)
アメリカン・ミュートスコープ&バイオグラフ社作品
監督:D・W・グリフィス 撮影:G・W・ビッツァー
出演:フローラ・フィンチ、マック・セネット、リンダ・アーヴィドソン

field3_01「最狂自動車レース」The Lizzies of the Field
(1924/16分[16コマ]/16mm)
マック・セネット・コメディズ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作・脚本:マック・セネット 監督:デル・ロード
監修:F・リチャード・ジョーンズ
出演:ビリー・ビーバン、シド・スミス、アンディ・クライド

「突貫ガラクタ列車」The Sundown Ltd.
(1924/29分[16コマ]/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作・脚本:ハル・ローチ 監督:ロバート・F・マクガワン
出演:ミッキー・ダニエルズ、ジョー・ コブ、マリー・カーンマン、ジャッキー・コンドン、アンディ・サミュエルズ、アレン・”ファリナ”・ホスキンス、ソニー・ロイ・ワード

morocco01「モロッコ製の女給」Maid in Morocco(1925/16mm)
*9日はサウンド版18分、10日は16コマ映写生演奏付き27分
エデュケーショナル社作品
製作:ジャック・ホワイト 監督:チャールズ・ラモント
出演:ルピノ・レイン、ヘレン・フォスター、ウォーレス・ルピノ

「恋愛学園」The Campus Vamp
(1928/26分[16コマ]/16mm)
マック・セネット・コメディズ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作:マック・セネット 監督:ハリー・エドワーズ 脚本:カール・ハルボー 他
主演:ダフニー・ポラード、ジョニー・バーク、サリー・アイラーズ、マーティ・ケンプ、キャロル・ロンバード

若き日のD・W・グリフィスが黎明期の映画館を舞台に、上映中の注意を映画化したナンセンスな短編『迷惑帽子』、カワイイ子供と賢い動物にガジェット感をミックスし、子供の世界観を具現化したチビっ子ギャングの傑作『突貫ガラクタ列車』、ジョージ・ミラー監督が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』創作の原動力となったマック・セネットの『最狂自動車レース』、香港アクション映画の原点とも思われるルピノ・レインのアクロバット炸裂喜劇『モロッコ製の女給』、ジャズ・エイジの妖艶さにパントマイムの至芸がミックスした見どころ満載の青春ドラマなど、娯楽映画の基本がここに凝縮!

 

Cプログラムわれらがキートン
cameraman01「キートンのカメラマン」The Cameraman(1928/69分[24コマ]/16mm)
M.G.M.社=バスター・キートン・プロダクションズ作品
製作:バスター・キートン、ローレンス・ウェインガーテン
監督:エドワード・セジウィック
原作:クライド・ブラックマン、レックス・リプトン
脚本:リチャード・スカイヤー
撮影:レジー・ラニング、エルジン・レスリー
出演:バスター・キートン、マーセリン・デイ、ハロルド・グッドウィン、
ハリー・グリボン、シドニー・ブレイシー

かつてはキートンの研究書などに「M.G.M.にはプリントが現存せず、ネガも修復不能のために再上映は永遠に不可能」とされていた作品で、アルゼンチンの個人コレクター=エンリク・ブッシャール(英語発音ではエンリック・ブーチャード)氏が所有する1928年の劇場用プリント(それからのデュープで、コントラストが強く鮮明さを欠く画質)が唯一の頼り、戦後の日本では喜劇映画研究会関連の自主上映で、1984、1994、1995、2004年の四回だけの銀幕リバイバルとなっていた。今回上映のプリントは、映像テクノロジーの進歩と、古典映画の修復運動の機運から、M.G.M.所蔵のネガが復元されたもので、改めて”笑わぬ喜劇王”の美顔に再会できる!経年劣化によるネガ傷やカビ痕はさておき、甦ったフィルムによってギャグのディティールは鮮度をも取り戻して、申年初の大笑いを我々に届けてくれる。

 

Dプログラムローレル&ハーディ特集
L&H_brats01「ヤギ君大好き」Angora Love
(1929/22分/サウンド版/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=M.G.M.社作品
製作:ハル・ローチ 監督:ルイス・R・フォスター
監修・脚本:レオ・マッケリー
撮影:ジョージ・スティーブンス
共演:エドガー・ケネディ、チャーリー・ホール、ジョージ・スティーブンス

「極楽ちびっ子騒動」Brats
(1930/21分/トーキー/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=M.G.M.社作品
製作:ハル・ローチ 監督:ジェイムズ・パロット
脚本:H・M・ウォーカー
原作:レオ・マッケリー、ハル・ローチ、スタン・ローレル
撮影:ジョージ・スティーブンス

「ミュージック・ボックス」The Music Box(1932/28分/トーキー/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=M.G.M.社作品(アカデミー最優秀短編賞受賞作品)
製作:ハル・ローチ 監督:ジェイムズ・パロット 脚本:H・M・ウォーカー
撮影:レン・パワーズ、ウォルター・ランディン
共演:ビリー・ギルバート、チャーリー・ホール、ダイナー(馬)、グラディス・ゲイル

道化劇の基本「ぶち壊し」は、ボケ役のミスが笑いを惹き起こすものであるが、このコンビの論法では、被害者の精神的苦痛すらギャグにしてしまう…ローレルとハーディの二人だけの距離感、価値観が周囲を混乱に陥れ、ヒステリックでシニカルな破壊の無限連鎖へとつながる。ヒロイン不在の展開、絶望、不条理、狂乱etc.と呼吸困難になるほど「毒気の笑い」が繰り広げられるヤバイ特集です!

 

Eプログラム特選ギャグ集
gag3_01「特選ギャグ集 その1」

「キートン特選ギャグ集その1」
「特選ギャグ集 その2」
「キートン特選ギャグ集その2」
「特選ギャグ集 その3」
企画・構成・ビデオ編集:喜劇映画研究会

喜劇の黄金時代と呼ばれた1910~1920年代のブッ飛びギャグを厳選して、現代流にアレンジしたコメディ・アンソロジー。歴史に埋没し、はるか昔に忘れ去られた無声映画の喜劇人たち…しかし、おびただしい数の古典映画の中には、今も鮮度を保ったまま燦然と輝き続ける映画史のオーパーツみたいなギャグが残されていた!喜劇映画研究会代表の新野敏也が、ご来場の方々より罵倒覚悟でズッコケ解説します。

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プリント所蔵、プログラム解説:喜劇映画研究会

喜劇映画研究会
1976年、中学2年生の小林一三(現在はケラリーノ・サンドロヴィッチ)が、文化祭でチャップリン作品の自主上映を行なったのが起源。1984年より新野敏也が中興の祖となって改組、「文化啓蒙と社会貢献」「伝統の継承と再発見」を大義名分に、欧米の喜劇映画史を網羅したフィルム・コレクションと関連資料による自主企画イベントを開催、学校、各種メディア、公共機関などでも講演や企画協力を行なっている。今日までに『サイレント・コメディ全史』『〈喜劇映画〉を発明した男 帝王マック・セネット、自らを語る』を発刊した。創立40周年となる2016年は、「いつの間にやら40年経ってしまった」というのが本音。
→公式サイト

《クラシック喜劇総選挙》開催!!
今回上映する映画の中からお好きなコメディアン・作品をご投票ください。1プロのみの鑑賞でも投票可能。もちろんすべての作品をご覧になれば選択の幅はひろがります! 投票の結果は最終日の新年会で発表し、後日、神戸映画資料館ウェブサイトにも掲載します。コメディ界のセンターをとるのは誰!?

新年会 & クラシック喜劇総選挙結果発表
1月11日(月・祝)18:00ごろ〜(終了予定20:00)
最終日の上映終了後に新年会を予定しております。お時間のある方は気軽にご参加ください。

会費:1000円(おつまみ程度をご用意)*差し入れ大歓迎
会場:神戸映画資料館カフェスペース

→予告篇
→facebook
→連携企画「新野敏也のレーザーポイント映画教室」喜劇映画研究会+おもちゃ映画ミュージアム

《料金》入れ替え制
一般1200円 学生1000円 会員1000円
演奏付き上映[一般1400円 学生1200円 会員1200円 *招待券のご利用不可]
*当日に限り2プログラム目は100円割引
会員限定フリーパス 5000円(10枚限り/売り切れ次第終了/コメディ学入門も使用可/新年会会費は別)

主催:古典喜劇映画上映委員会(喜劇映画研究会、いいをじゅんこ、神戸映画資料館)


陸前高田から届いた記録
『息の跡』
2016年1月23日(土)・24日(日)

1月23日(土)小森はるか・瀬尾夏美 来館
「息の跡」「波のした、土のうえ」上映後、質疑応答/17:00〜カフェコーナーでアフタートーク

「息の跡」
(2015/112分/HD[ブルーレイ上映])
監督・撮影・編集:小森はるか
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2012年より、瀬尾夏美と共に岩手県陸前高田市を拠点に制作している小森はるかの単独監督作。山形国際ドキュメンタリー映画祭2015の「ともにある Cinema with Us」で初上映され注目を集めた。
主な作品に、映画美学校修了制作『oldmaid』、『彼女と彼女たちの部屋』(2009)、桃まつり presents『the place named』(2012)がある。

この町には、津波によって失ったものと残されたものとを結ぶ痕跡を、
自身の方法でどうにか伝え残そうとする人達がたくさんいる。
私は彼らの日常を撮りためた記録を用いて、この町の記憶をとどめておくための映画をつくりたいと思う。
その第一弾として、種苗店を営みながら英語で震災の手記を綴る佐藤貞一さんの日々を追ったドキュメンタリーを制作した。(小森はるか)

 

笑いごとではないのである。
だが、いまだ復興の途上にある陸前高田で種屋を再開した活力あふれる中年男性が、独学で身につけた英語で被災体験を綴って世界に向けて発信するという無鉄砲さには誰だって頬がゆるむのを抑えられないだろう。
自分で書いた手記の一部を朗々たる節までつけて読みあげるこのドン・キホーテ的人物には、あるいは「あなたにわかる?」と男性から何度も問われ試されるキャメラの背後の若き女性監督が、寡黙なサンチョ・パンサとして寄り添っているということなのだろうか。
ところがこの笑いごとではない可笑しみを見守りつづけるうち、迂闊なわれわれにも見えるもの、撮られているものだけがすべてではないということがしだいに了解されてくる。
そのとき、英語に続いて中国語までも修めつつある現代のドン・キホーテの日々の営みは、死者の霊を鎮めるための終わりのない写経、読経のように見えはじめるのだ。
一人の人間の生が無数の死者によって支えられているように、この映画を形づくるすべての画面は見えぬものと聞こえぬもの、不在のものとともにある。
あれほどの出来事を早くも忘却しつつあるこの国に今、そっと差し出される小森はるかの『息の跡』は、その慎ましさとは裏腹に、やはり笑いごとではない。

──藤井仁子(映画評論家)

 

「波のした、土のうえ」
(2014/69分/HD[ブルーレイ上映])
制作:小森はるか+瀬尾夏美 撮影・編集:小森はるか テキスト:瀬尾夏美
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2015年11月に第7回神戸ドキュメンタリー映画祭で上映された作品を再上映。映像作家・小森はるかと画家で作家の瀬尾夏美によるアーティストデュオが、岩手県陸前高田で三年かけて制作した作品で、「置き忘れた声を聞きにいく」「まぶしさに目の慣れるまで」「花を手渡し明日も集う」の3篇から構成される。各篇、一人の被災者に焦点をあて、変化し続ける暮らしや風景へのそれぞれの思いを丁寧に写し出す。

予告編「波のした、土のうえ」神戸ドキュメンタリー映画祭ver.

小森はるか+瀬尾夏美 巡回展 波のした、土のうえ in 神戸
1月9日(土)〜31日(日)デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)

《料金》
一般:1200円 学生:1000円
会員一般:1000円 会員学生:900円

《割引》当日2本目は100円引き


ストローブ=ユイレにおける永続的闘争論
2016年1月30日(土)・31日(日)

レクチャー:荒野への出奔、革命の連鎖
1月30日(土)17:20〜 参加無料
渋谷哲也(ドイツ映画研究)
今回上映する4作品は、過去と現在における様々な階級闘争の位相をモンタージュする作品である。20世紀初頭のユダヤ人排斥とシオニズム台頭の中でシェーンベルクが作曲した楽曲は、ストローブ=ユイレによって現代社会における火急の問題として読み解かれる。また18世紀のフランス革命、19世紀のパリ・コミューン、そして20世紀エジプトの階級闘争という様々な革命の顛末を辿ることにより、現代の我々の立ち位置が問い直される。それは切り詰められた映像から遥かなる未来の地平を見出すための映画的レッスンでもある。

Aプログラム
Schoenbergs01「アーノルト・シェーンベルクの《映画の一場面のための伴奏音楽》入門」
Einleitung zu Arnold Schoenbergs “Begleitmusik zu einer Lichtspielscene”
(1972/15分/16mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:レナート・ベルタ
1923年に作曲家シェーンベルクが、反ユダヤ主義に抗して友人の画家カンディンスキーに宛てた激烈な絶縁状が朗読され、シェーンベルクが架空の映画音楽として作曲した題名曲が重なる。1935年のブレヒトによるファシズムと資本主義の関連を指摘する演説も引用され、映画は黙示録的な未来を予感させて終わる。

moses01「モーゼとアロン」
Moses und Aron
(1974-75/105分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:ウーゴ・ピッコーネ、サヴェーリオ・ディアマンティ、レナート・ベルタ
出演:ギュンター・ライヒ(モーゼ)、ルイ・ドヴォス(アロン)
聖書の「出エジプト記」に想を得たシェーンベルクのオペラ「モーゼとアロン」を、未完の第3幕も含めて完全に映画化した。指揮はミヒャエル・ギーレン、演奏はオーストリア放送交響楽団。偶像崇拝禁止の中での民の信仰心をめぐって思索する預言者モーゼと弁舌豊かな兄アロンの思想的対決が展開する。

 

Bプログラム
subetenokakumei01「すべての革命はのるかそるかである」
Toute révolution est un coup de dés
(1977/11分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:ウィリアム・ルプシャンスキ
ステファヌ・マラルメの革命的な詩「賽のひと振りは決して偶然を廃棄しないであろう」を、1871年のパリ・コミューンの闘士の最後の拠点となったペール・ラシェーズ墓地の芝生に座った九人の男女が朗唱する。様々な言語を母語とする彼らが頁上に散りばめられた星座のような詩の言葉が未来的な音楽となる。

trop01「早すぎる、遅すぎる」
Trop tôt, Trop tard
(1980-81/101分/16mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:ウィリアム・ルプシャンスキ(第一部)、ロベール・アラズラキ(第二部)
第一部ではエンゲルスのカウツキー宛て書簡に基づき、18世紀末の農村の貧困状況が分析され、現在のフランスの村々が映し出される。第二部ではマフムード・フセインによる『エジプトにおける階級闘争』の近現代エジプトにおける農民蜂起の歴史が朗読され、それぞれの地域の現状が示される。革命は早すぎたのか、遅すぎたのか。

 

作品解説:渋谷哲也
協力:神戸ファッション美術館、アテネ・フランセ文化センター

《料金》入れ替え制
一般:1400円 学生・シニア:1300円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1200円

《割引》当日2プログラム目は200円引き
*招待券のご利用不可


日本の音楽映画特集
2016年2月6日(土)・7日(日)

児童音楽から歌謡曲、浪曲まで、歌と音楽が主役の日本映画を集めました。

Aプログラム 3本立て
doremiha01「ドレミハ先生」(1951/46分/16mm)
演出:北賢二 脚本:佃順
撮影:井上莞 音楽:古関裕而
出演:八洲秀章、服部哲治、平山てる子、美園春子、江藤勇、真弓田一夫
沢蘭子主演で一世を風靡した小唄映画、帝キネ芦屋の『籠の鳥』(1924)をはじめ、帝キネ、東亜、日活など多くの脚本を手がけた佃血秋(本名・佃順)による最後の脚本監督作品。長野県小諸市でのロケ中に急性盲腸炎で死去したため北賢二監督が交代して完成。数々の流行歌や校歌の作曲で知られる八洲秀章が主演。
浅間山を仰ぐ自然豊かな小学校で音楽教育に情熱を傾け「ドレミハ先生」と呼ばれていた若い教員が、病気のため東京に帰り長期療養することになったため、教員を慕う児童らは旅費を募金してお見舞いに行こうと計画。代表として選挙で選ばれた男女2名が初めての大都会で浮浪児たちの窃盗に遭うが、ようやく先生の自宅に辿り着き再会する心温まる物語。児童映画の名作として名高い。

参考上映(1947 1956/24 27分/16mm)

参考上映(1957/26分/16mm)

 

Bプログラム 2本立て
yasen01「野戦軍楽隊」
(1944/68分/16mm)
監督:マキノ正博 脚色:野田高梧
撮影:行山光一 音楽:大沢寿人
出演:李香蘭、小杉勇、佐分利信、上原謙、佐野周二
情報局が公募した国民映画脚本の入選作をマキノ正博が監督。中国戦線のある軍に野戦軍楽隊が創設され、教官として赴任した軍楽少尉が経験者と未経験者を集めて3ヶ月で演奏が出来るまでに訓練する。満映から招いた李香蘭に松竹三羽烏が競演する豪華版。

参考上映(1974/26分/35mm)

 

Cプログラム
「歌くらべ荒神山」(1952/88分/16mm)
監督:斎藤寅次郎 脚本:八住利雄 撮影:友成達雄 音楽:大久保徳二郎
出演:広沢虎造、鳥羽陽之助、田端義夫、川田晴久、高田浩吉、市川春代、柳家金語楼
広沢虎造の浪曲に乗せて、安濃徳に荒神山を奪われた神戸の長吉を助太刀する清水の次郎長の義理と人情の物語。コメディタッチの斎藤寅次郎演出に加え、田端義夫、川田晴久、高田浩吉らの歌唱も楽しめる。

《料金》入れ替え制
一般:1200円 学生・シニア:1100円
会員一般:1100円 会員学生・シニア:1000円

《割引》当日2プログラム目は200円引き


新作ドキュメンタリー
『子どもは風をえがく』
2016年2月12日(金)〜16日(火)13:30〜
kaze01
子どもたちは、都会の一角に佇むその園で
センス・オブ・ワンダーの感性を育む

kaze02「子どもは風をえがく」
(2015/113分/HD[ブルーレイ上映])
監督:筒井勝彦
撮影:石崎俊一、秋葉清功
企画・製作:中瀬幼稚園 オフィスハル
監修:井口佳子

出演:中瀬幼稚園の子どもたち、中瀬幼稚園の皆さん、井口佳子、上遠恵子(特別出演)、石川眞佐江、川島昭恵、金指修平、森本ミホ、ベイビー・ブー、村上康子

都会にひっそりと佇む園の一年間の奇跡の記録
kaze03東京杉並の閑静な住宅地にいまも武蔵野の面影を 色濃く残す一角がある。そんな都会の一角にひっ そりと佇む屋敷林の幼稚園が中瀬幼稚園である。
幼稚園不足の1966年に開園し今年で50年目を迎 える。
園長の井口佳子先生はこの園を地球の縮図と考え、 親たちの協力のもと子どももおとなも“ここにいる のが楽しい”という空間創りを進めてきた。
地道で丹念な手作業によって創られたその園庭は、 さながら園長の分身のようでもあり、生命力に満ち あふれ、いつものように子どもたちが雑草の小道 を元気に駆け抜けていく!
子どもたちはこの庭でさまざまな体験を通して たくましく成長していく。
そう、まさにここは子どもの“サンクチュアリ(聖地)”なのだ。
本来、子どもを見つめるということはいつも未完で 終わりのないことである。
この映画は、過去から現在、そして未来に向かって 歩み続ける中瀬幼稚園を長期にわたって見つめた 感動の長編ドキュメンタリー映画だ。
いまこそ子どもに関わるすべての方、必見の映画 といえる。

国の経済の発展が優先されている世の中で、次の世代に生きる子ども達のことが置き去りにされているようで なりません。
子ども達を取り巻く環境の問題、自ら感じ考える余裕を与えず、流れ作業のように詰め込んでいく昨今の教育 の傾向、これに疑問を感じ、次に来る世の中のことを案じているのは私ばかりではないと思います。
先祖から受け継いできたこの武蔵野の地をいかし、子どもの姿を見つめながら積み上げてきました保育。これ はひとつのあり方です。
子どもの世界はまだ未知の世界です。大人達が勇気をもって、様々な問題を孕んでいるこの応用問題とも言え る世界に、少しでも足を踏み入れて欲しいと願っています。

中瀬幼稚園 園長 井口佳子

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公式サイト

《料金》
一般:1300円 学生・シニア:1000円 会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円
小学生:500円 未就学児:無料


[貸館]三宅弘之映画祭/続々・スクリーンの向う側
2016年3月20日(日)・21日(月・祝)13:00~17:00

三宅さんと映画を論じる人は、自分の映画への愛着を三宅さんのより濃密な愛着と重ね合わせることで、特定の映画への評価の違いを超え、同好の士が映画を語り合うという祝祭の中に入れるのである。こう考えてくると、三宅弘之という人間それ自体が、映画を語る祝祭の中で映画ファンを結びつける点で、いわば〝 歩く映画祭 〟なのだ。

渡辺武信(「向う側を見続ける人」『スクリーンの向う側』解説文より)

3月20日(日)
13:00~14:30 『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』(松竹/1932年/16mm)
        監督:小津安二郎 脚本:伏見晁 出演:斎藤達雄、吉川満子
14:35~15:10 トーク <渡辺武信・荒井晴彦>
15:15~17:00 『リオ・グランデの砦』(リパブリック/1951年/35mm)
        監督:ジョン・フォード 脚本:J.K.マクギネス 出演:ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ

3月21日(月・祝)
13:00~14:40 『赤いハンカチ』(日活/1964年/35mm)
        監督: 舛田利雄 脚本:小川英、山崎厳、舛田利雄 出演:石原裕次郎、浅丘ルリ子、二谷英明
14:45~15:10 トーク <渡辺武信・荒井晴彦>
15:15~17:00 『憎いあンちくしょう』(日活/1962年/35mm)
        監督: 蔵原惟繕 脚本:山田信夫 出演:石原裕次郎、浅丘ルリ子
17:15~18:45 アフター・パーティ

三宅弘之イラスト・原稿展併催

miyake01三宅弘之
1947年兵庫県神戸市生まれ、2014年2月享年67歳逝去。
映画を愛し、人を愛し、酒を愛した彼は、出会ってきた多くの映画ファン、映画人に愛されて来ました。
そして多くの映画を観続け、多くの映画について語り、多くのイラストを残して、逝きました。
2013年には『スクリーンの向う側』(風詠社)を上梓。
1986年1月に仲間を集めて発足した映画サークルはKCC(京平シネマ倶楽部)として、彼が亡き後も続き、今年30周年を迎えます。KCCに在籍した会員は延べ70人を超え、現在も30人を超える会員が在籍しています。

本映画祭では、三宅弘之の三周忌にあたり、彼が愛して語ってきた映画4本の上映と、彼をよく知る渡辺武信氏と荒井晴彦氏によるトークを開催します。
また会場には、三宅弘之が残したイラスト、映画日記、写真などを展示します。三宅弘之の映画愛に是非お触れ下さい。

渡辺武信(映画評論家・建築家・詩人)
1938年神奈川県出身。東京大学建築学科博士課程単位取得満期退学。大学院在籍中より渡辺武信設計室を開設。建築家のかたわら詩人として活躍。その詩には作詞家の松本隆も大きな影響を受けたという。
一方で映画評論家としての活動を続けてきた。青春時代に傾倒した日活アクション映画に惚れぬき、70年代に「キネマ旬報」での連載をまとめた名著「日活アクションの華麗な世界」は、豊富な知識量と徹底した分析で、日活アクションを愛する者だけでなく、日本映画ファンの必読書というべきものである。
<主な著書>
「映画的神話の再興―スクリーンは信じ得るか」「銀幕のインテリア」「日活アクションの華麗な世界 1954―1971(合本)」
荒井晴彦(脚本家・映画監督・「映画芸術」編集長)
1947年東京生まれ。早稲田大学抹籍、雑誌「映画芸術」のスタッフに加わった後、若松孝二のプロダクションで足立正生と共にシナリオを執筆するようになる。ピンク映画の助監督を経験した後、田中陽造のもとで商業映画の脚本を学び、1977年『新宿乱れ街 いくまで待って』で一本立ち。以後、数々の名作・話題作を手がけ、日本を代表する脚本家として数々の賞を受賞。1989年から「映画芸術」の編集長をつとめ映画人を中心とした映画評論を展開し、映画批評の活性化に力を注ぐほか、近年は映画関連の書籍編纂・制作も精力的にこなしている。
<主なフィルモグラフィ>
「赫い髪の女」「遠雷」「Wの悲劇」「身も心も」「共食い」「海を感じる時」「さよなら歌舞伎町」「この国の空」

《料金》入れ替え制
一般・シニア:1200円 学生:1000円

1日券:2000円(有効期限の1日で2本の映画上映とトークに参加できます。アフターパーティ参加には別途チケットが必要です)
2日券:3500円(2日間両日で4本の映画上映と2つのトークに参加できます。アフターパーティ参加には別途チケットが必要です)
アフターパーティ:2000円(21日のパーティに参加できます。立食&1ドリンクのチケットです。追加ドリンクの注文は別途料金が必要です)
2日券+アフター・パーティ:5000円(2日間両日で4本の映画上映と2つのトークと、21日のアフターパーティに参加できます。パーティは立食&1ドリンクのチケットです。追加ドリンク別途料金)
*トークは無料
*予約受付中(予約者1名につき三宅弘之イラスト缶バッジ1個をプレゼントします)
magazine.kcc@gmail.com まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

主催:KCC(京平シネマ倶楽部)
問い合わせ先:担当 前田耕作(magazine.kcc@gmail.com 090-8121-0816)


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第16回 メドヴェトキンをめぐって

2016年4月2日(土)・3日(日)
『アレクサンドルの墓』でクリス・マルケル監督からオマージュを捧げられたロシアの映画作家アレクサンドル・ メドヴェトキン(1900-1989)。その代表作『幸福』とマルケルの『アレクサンドルの墓』の上映、そしてクリスティアン・ フェゲルソンによるトークを急遽開催します。

4月2日(土)17:40〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)
トーク「クリス・マルケルとロシア」:クリスティアン・ フェゲルソン
共催:神戸大学大学院国際文化学研究科 メディア文化研究センター
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

クリス・マルケル(1921-2012)は8つの映画を制作し、観客だけでなく、ドキュメンタリー映画を志すものの多くを魅了している。1950年代に映画製作に携わるようになって以来、ドキュメンタリー映画のジャンルを刷新し、控えめながらも重要な影響を与えた。マルケルは『シベリアからの手紙』(1958)の制作のためにロシアを訪れ、従来とは異なる視点からソ連を調査、検証している。この時の体験をもとに『動き出す列車』(1971)、『アレクサンドルの墓:最後のボルシェヴィキ』(1993)、『アンドレイ・アルセニエヴィッチの1日』(1999)も制作された。
講演では、映画エッセイのジャンルの先駆け的作品として『シベリアからの手紙』を取り上げるとともに、ロシアを題材にしたマルケルの作品において、歴史と記憶の問題がどのように描かれているのかを考える。マルケルは『アレクサンドルの墓』の中で複数のアーカイヴ映像を参照しながら、ベルリンの壁崩壊後、メドヴェトキン監督の『幸福』(1934)にみられるようなソ連という特異な経験を、そして今日における映画のあり方を再検証している。ドキュメンタリー映画と劇映画が交差する場において、マルケルは旅する映画、記述する映画という独自のアプローチを試み、1958年から1993年までの自らの主体性をノスタルジックに振り返りながら肯定的に捉えようとしている。

──クリスティアン・ フェゲルソン

クリスティアン・ フェゲルソン Kristian Feigelson
パリ第三大学(ソルボンヌ・ヌーヴォ)映画学科准教授。映画社会学者。ロシア・ソ連文化論。現在、クリス・マルケルとロシアとの関わりをテーマに著書を準備中。クリス・マルケル論「東/西のまなざし:映画史再考」(“Recherches sur Chris Marker”, Théorème 6, Presse Sorbonne Nouvelle Paris, 20002)等。
 

「幸福」Счастье
happiness03 happiness06
(1934年/95分[予定]/サイレント/35mm)ボストークフィルム
監督・脚本:アレクサンドル・メドヴェトキン
出演:エレーナ・エゴロワ、ピョートル・ジノヴィエフ
貧農フムィリの「幸福」の探求を通じて、農村における新旧勢力の対立を描いた寓話的コメディ。煽動宣伝映画の枠に収まらない綺想にあふれ、「最後のボリシェヴィキ」 アレクサンドル・メドヴェトキンの代表作となった。

 

「アレクサンドルの墓:最後のボルシェヴィキ」
Le Tombeau d’Alexandre le dernier bolchevik
letombeau02 letombeau01
(フランス/1993/117分/ブルーレイ上映)
監督・撮影・脚本・編集:クリス・マルケル
『幸福』を1971年にフランスで初めて紹介し、自ら組織した労働者映画団体を「メドヴェトキン集団」と名付けたクリス・マルケルが、敬愛するメドヴェトキンを追悼したビデオ・エッセイ。メドヴェトキンの作品をはじめ、エイゼンシュテインやヴェルトフ、ドヴジェンコの作品の映像の引用、さらに写真やニュース映像、関係者たちへのインタビューから構成されている。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生・シニア1100円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1100円 学生・シニア会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1100円
*招待券のご利用不可


小学校で見た世界の名作アニメーション
2016年4月9日(土)・10日(日)
戦前から学校教育の一環として発展してきた学校映画会は、戦後アメリカ占領下の民主主義啓蒙体制からさらに発展して、全国の小学校で1970年代まで盛んに行われてきた。今回は戦後世代が学校で鑑賞したと思われる漫画映画の中からソ連と韓国の代表的な作品を上映する。中でも『せむしのこうま』は旧版と新版を比較研究できる稀に見る機会である。

semushi_o「せむしのこうま(旧版)」
Конёк-Горбунок (ソ連/1947/57分/16mm/日本語版)
ソ連モスクワ漫画スタジオ
製作:イワン・イワノフ・ワノ
監督:A・スネーシコ・ブロツカヤ、V・グローモフ
原作:ピョートル・エルショフ
19世紀のソビエトの詩人であるピョートル・エルショフが19歳の時に書き、今でも世界中で愛読されている幻想的なロマン溢れる物語が原作。カンヌ国際映画祭特別賞を受賞するなど世界中で大きな反響を呼び、プリントの焼増注文が殺到したため、オリジナル・ネガが痛んで使用不能となってしまったそうだ。ソビエト・アニメの創始者ともいうべきイワン・イワノフ・ワノはこの作品の再生を念じ続け1975年に新版を完成した。残念ながら今回上映するプリントは経年変化で褪色している。

 

semushi_n「せむしの仔馬(新版)」
Конёк-Горбунок (ソ連/1976/74分/16mm/日本語版)
製作:ソユーズムリトフィルム
監督:イワン・イワノフ・ワノ
原作:ピョートル・エルショフ
脚本:イワン・イワノフ・ワノ、アナトリー・ウィルコフ
1976年に完成された新版で、旧版には無いいくつかのエピソードが追加されている。イワンは畠を荒らす金色の馬を捕えて、二頭の黒馬とせむしの仔馬をもらう。火の鳥の羽根を拾った事から、王様に次々と難題をもち出されるが、せむしの仔馬に助けられる。

 

girudon01「少年勇者ギルドン」홍길동
(韓国/1967/75分/16mm/日本語版)
企画:曹奎鎮 監督:申東憲(シン・ドンホン)
脚本:申東雨 動画:白洪起 撮影:朴声勤
音楽:全定根 効果:崔形来
監督の実弟シン・ドンウが描いた漫画「風雲児ホン・ギルドン」をアニメ化した韓国初の長編劇場アニメ。韓国では長らく「幻の作品」となっていたが、神戸映画資料館に残っていた日本語吹替版16mmフィルムと韓国映像資料院が入手した韓国語サウンド・フィルムをもとに韓国語版35mmフィルムが復元され、2008年の資料院新館オープン時にお披露目された。今回の上映はその元になった日本語版。朝鮮王朝時代、名門の一族だったギルドンが義賊となって、不正をはたらく役人を懲らしめる物語。

 

《料金》入れ替え無し(1日通し)
一般1500円 学生・シニア1300円 会員1300円 学生・シニア会員1200円
小学生・中学生・高校生500円 未就学児無料


「シネ砦」創刊記念 上映&トーク
シネ砦の人々
2016年4月16日(土)・17日(日)

hyousi-cinetoride2015年末に、映画批評雑誌「シネ砦」を出版した。
ひとつの映画作品や特定の映画作家に注目し特集を組むわけでなく、あくまでわたしたちシネ砦集団の興味、「この人のこの映画についての批評が読みたい」という思いだけで作った雑誌なため、一見するとまとまりのないものに見えるかもしれない。しかし、現在に”映画批評”を目指したとき、こうなることは間違いでなかったと確信している。
東京では二月に稲川方人氏、佐々木敦氏、樋口泰人氏等をゲストに、シネ砦集団からは川口力、安井豊作が登壇し、「映画批評と何か、とは何か……」というイベントを開催し、そこでは「映画批評の場所としての雑誌、徒党としての批評と映画作家」について討論が交わされた。
今回、神戸では執筆者である丹生谷貴志氏をお迎えし、安井豊作が、自身の初監督作品『Rocks Off』と共に、また別の角度から「シネ砦」を読み直していけたらと思う。
(編集長 渥美喜子)

4月16日(土)17:35〜(終了予定18:35) 参加無料(要当日の映画チケット半券)
トーク 丹生谷貴志 × 安井豊作 × 青山真治
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

 

関西初上映
rocksoff_piano「Rocks Off」
(2014/92分/ブルーレイ上映)
配給:boid
監督:安井豊作
ピアノ演奏・出演:灰野敬二

2004年4月に取り壊しが決定した法政大学学生会館。もはや廃墟にも似たこの建物でカメラがとらえるのは、関係者のインタビューや抵抗運動ではなく、ゲバ文字やビラが塗り重なったコンクリートの壁、粛々と解体作業を進める重機と作業員、そして暗闇で初のピアノ演奏に臨む灰野敬二である。ほぼそれだけをこつこつと並列させる構成は、74年に学生自主管理を獲得し、数多くの特異なイベントを行ってきた過去の「学館」や、あるいは30年という時間で衰弱したいまの「学館」ではない、この映画固有の「学館」とでもいうべき時空間を実現している。
→ 予告編

rocksoff_haino『第二砦の人々』の監督である小川紳介は、撮影の現場にほとんど姿を現さなかったという。彼は何をしていたのか。彼は現像されたフィルムを見ることによって、ただ見ることによってのみ、思考していたのではないかというのが私の推測である。したがって、小川プロの映画を見ることは、小川の思考の記録(ドキュメント)を見ることと同義である。記憶をたどってみると、私もまた、解体されんとする学生会館と、そこで畏敬するギタリスト灰野敬二の解体せんばかりのピアノ演奏とを被写体とすることに決めただけで、撮影中はほとんど何もしていない。小川の緻密かつ広大な思考には及ぶべくもないが、私もまた撮影されたデジタル映像をくりかえし見ることによって思考した。スローガンが幾重にも塗り重ねられ判読不能となった学生会館の壁は、三里塚の大地と同じように歴史が刻み込まれている。灰野によって連打される鍵盤の音と椅子のきしみは、学生のゲバ棒と機動隊の盾がぶつかりあう音に反響する。この世界を肯定するのか、それとも憎悪するのか。
今回、関西初上映となる『Rocks Off』を見ることによって、ただ見ることによってのみ各人各様の思考を紡ぎ出してもらえれば幸いである。

──安井豊作

 

dainitoride01「三里塚 第二砦の人々」
(1971/143分/モノクロ/16mm)
製作:小川プロダクション
監督:小川紳介 助監督:福田克彦、湯本希生
撮影:田村正毅 整音:浅沼幸一

新空港建設に反対する農民運動を記録した三里塚シリーズの第4作。「三里塚反対同盟の人々は、砦の背後に身を隠すのではなく、己の身体を砦に鎖で巻き付け、自ら「砦になること」で、機動隊に対峙した」(シネ砦)。この「砦」の存在が『第二砦の人々』の特異さを決定づけているのは確かだが、そこに農民の悲壮な決意や自己犠牲を読みとるだけではなく、「砦」がどのように撮られているかを見る必要があるだろう。映画監督・小川紳介がとらえようとしているのは、それ自体は画面に映らない”視線”と”権力”をめぐる闘争である。

 

作品紹介:「シネ砦」編集部

《料金》入れ替え制
一般:1400円 学生:1200円 会員一般:1200円 会員学生:1000円
《割引》当日2本目は200円引き


satomakoto_flyer01ドキュメンタリー映画作家、佐藤真の不在を見つめて
2016年4月29日(金・祝)~5月3日(火・祝)

 

90~00年代、《日常》と《不在》にこだわり、潜む闇をじっくりとあぶり出したドキュメンタリー映画作家、佐藤真。公害問題と日常、「障害」とは、アートとは何か、グローバリゼーションに抗うこと、そして映像のもつ根源的な力とは───。不穏な時代のうねりを前に「世の中を批判的に見る目を持て」と、佐藤は映像と文章で、私たちの眠った感覚を刺激しました。
佐藤が世を去って9年。書籍『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』の刊行を記念して東京で3月に開催される企画の巡回上映を神戸で開催します。

 

佐藤真
1957年、青森県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。1981年、『無辜なる海』(監督:香取直孝)に助監督として参加。1989年から新潟県阿賀野川流域の民家に住みこみながら撮影を始め、1992年、『阿賀に生きる』を完成。国内外で高い評価を受ける。以降、映画監督として数々の作品を発表。他に映画やテレビ作品の編集・構成、映画論の執筆など多方面に活躍。京都造形芸術大学教授、映画美学校主任講師として後進の指導にも尽力。2007年9月4日逝去。享年49。

イベント
4月29日(金・祝) 参加無料(要当日の映画チケット半券)
15:15~ トーク:山根貞男(映画評論家)
17:30~ 座談会:山根貞男、秦岳志(映画編集)、清田麻衣子(書籍編集)
司会:吉野大地(ラジオ関西「シネマキネマ」ディレクター)
5月1日(日)16:50〜 カフェトーク(ドリンクをご注文ください)
会期中盤、全プログラムの1回目の上映が一周するこの日、観客/作り手/関係者等の垣根を越えて佐藤真作品について語り合いましょう。
モデレーター:秦岳志 出席予定:木村光、和田泰典、家久智宏ほか

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*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

 

©阿賀に生きる製作委員会

©阿賀に生きる製作委員会

「阿賀に生きる」
(1992/115分/16mm)阿賀に生きる製作委員会
監督:佐藤真 撮影:小林茂 録音:鈴木彰二

新潟水俣病の舞台ともなった阿賀野川流域に暮らす人々を、三年間撮影。社会的なテーマを根底に据えながらも、そこからはみ出す人間の命の賛歌をまるごとフィルムに感光させた傑作。
→予告篇

 

 

©「まひるのほし」製作委員会

©「まひるのほし」製作委員会

「まひるのほし」
(1998/93分/35mm)
「まひるのほし」製作委員会
監督:佐藤真 撮影監督:田島征三 撮影:大津幸四郎 録音:久保田幸雄

登場するのは7人のアーティストたち。彼らは知的障害者と呼ばれる人たちである。創作に取り組む彼らの活動を通し、芸術表現の根底に迫る。

 

 

©牛腸茂雄

©牛腸茂雄

「SELF AND OTHERS」
(2000/53分/16mm)ユーロスペース
監督:佐藤真 撮影:田村正毅 録音:菊池信之
編集:宮城重夫
声:西島秀俊、牛腸茂雄

1983年、3冊の作品集を残し36歳で夭逝した写真家、牛腸茂雄。残された草稿や手紙と写真、肉声をコラージュし、写真家の評伝でも作家論でもない、新しい映像のイメージを提示する。

 

©シグロ2001年

©シグロ2001年

「花子」
(2001/60分/35mm)シグロ
監督:佐藤真 撮影:大津幸四郎 録音:弦巻裕
編集:秦岳志

京都に暮らす花子は知的障害者のためのデイセンターに通う一方、夕食後、畳をキャンバスに食べ物を並べ、母はその「たべものアート」を写真に撮る。花子と彼女をとりまく家族の物語。

 

 

aganokioku01「阿賀の記憶」
(2004/55分/16mm)カサマフィルム
監督:佐藤真 撮影:小林茂 録音:菊池信之
編集:秦岳志

『阿賀に生きる』から10年。かつて映画に登場した人々や土地に再びカメラを向ける。人々と土地をめぐる記憶と痕跡に向き合い、過去と現在を繊細かつ大胆に見つめた詩的作品。
→予告篇

 

©シグロ2005年

©シグロ2005年

「エドワード・サイード OUT OF PLACE」
(2005/137分/35mm)シグロ
監督:佐藤真 撮影:大津幸四郎、栗原朗、佐藤真
編集:秦岳志

2003年、パレスチナ出身の世界的知識人、エドワード・サイードが亡くなった。イスラエル・アラブ双方の知識人たちの証言を道標に、サイードの遺志と記憶を辿る。
→予告篇

 

 

 

©おてんとうさまがほしい制作委員会

©おてんとうさまがほしい制作委員会

「おてんとうさまがほしい」
(1994/47分/DVD上映[16mm])
おてんとうさまがほしい制作委員会
撮影・照明:渡辺生 構成・編集:佐藤真

照明技師の渡辺生がアルツハイマーを患う妻にカメラを向け、自分と病の妻と向き合った日々を記録した。編集の佐藤真は白とびしたフィルムを使い、溢れる妻への思いを表現する。

 

「星の文人 野尻抱影」
(2002/48分/DVCAM上映[ビデオ])
紀伊國屋書店学問と情熱シリーズ
演出:佐藤真 撮影:柳田義和

星の文人、あるいは天文文筆家として知られる野尻抱影。特殊撮影で捉えた星空の映像とともに、星空の魅力を語ることに生涯をかけた類稀なる文人を浮き彫りにしていく。

 

写真提供:日本映像記録センター

写真提供:日本映像記録センター

「テレビに挑戦した男 牛山純一」
(2011/82分/ブルーレイ上映[DVCAM])
NPO法人映画美学校 牛山純一研究委員会
企画:佐藤真 監督:畠山容平

2001年、映画美学校で佐藤真が始めた「牛山純一研究」のゼミ生が佐藤の遺志を引き継ぐ。2400本近いTVドキュメンタリーを制作した名プロデューサー・牛山純一の生涯とその仕事に迫る。

 

 

satobook01書籍『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』
里山社刊 3月15日発売 定価3,500円(税別)
32人の書き下ろし原稿とインタビュー、そして佐藤真の単行本未収録原稿を含む傑作選や佐藤真と小林茂の往復書簡、佐藤真の東京スナップをミニ写真集として収録。
寄稿:赤坂憲雄、阿部マーク・ノーネス、飯沢耕太郎、石田優子、大倉宏、奥谷洋一郎、香取直孝、小林三四郎、小林茂、笹岡啓子、佐藤丹路、佐藤澪、佐藤萌、椹木野衣、諏訪敦彦、想田和弘、萩野亮、秦岳志、旗野秀人、林海象、原一男、平田オリザ、松江哲明、港千尋、村川拓也、森達也、森まゆみ、八角聡仁、山上徹二郎、山本草介、ジャン・ユンカーマン、四方田犬彦

主催:神戸映画資料館、佐藤真の映画を観る会

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1400円 学生1200円 会員1200円 学生会員1100円
《割引》当日に限り2プログラム目から200円割引


「溝口健二論:映画の美学と政治学」出版記念 上映&講演
溝口健二監督『折鶴お千』
2016年5月4日(水・祝)・5日(木・祝)

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5月4日(水・祝)17:15〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)
講演:溝口健二と映画史──『折鶴お千』を中心に
木下千花
[京都大学大学院人間・環境学研究科准教授(映画学)]
『折鶴お千』はサイレントかトーキーか? という問いから始まり、神戸映画資料館所蔵のプリントをはじめ、スクリプター資料、検閲台本などのアーカイヴ資料から、溝口映画の形式とテクノロジー、映画産業、政治との密接な関わりを明らかにします。
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

「溝口健二論:映画の美学と政治学」 著者:木下千花 法政大学出版局 2016年5月刊行予定

 
oriduru02「折鶴お千」
(1935/90分/サウンド版/35mm)第一映画
監督:溝口健二 原作:泉鏡花 脚色:高島達之助
撮影:三木稔 選曲、解説:松井翠聲
出演:山田五十鈴、夏川大二郎、羅門光三郎、芝田新

神田明神近くの悪徳商人に食い物にされている女・お千が、愛する男・宗吉のために尽くすが、貧しさのあまり次々に悲劇が襲う。泉鏡花の「売色鴨南蛮」を基に、運命に弄ばれた男女の物語を描く溝口健二演出の芸が見どころ。弁士説明用に黒バックに白字の字幕が多数出る無声映画だが、従来のフル・フレームではなくサウンド・トラックに松井翠聲による活弁が入るサウンド版。トーキー映写機のある映画館ではサウンドを出し、サイレント映写機だけの映画館では弁士と楽団付きで上映できるようになっている。サイレントとトーキーの狭間でよく見られる上下に広いトーキー初期フレームはメイン・タイトル部だけで、本編はトーキー・フレームとなっているので今回はトーキー・フレームで上映。上映フィルムは市販されているVHSやDVDとは若干異なるバージョンで、1970年代にプラネット映画資料図書館が大阪で入手し2000年代に国立近代美術館フィルムセンターにより復元されたものである。それぞれのバージョンの違いなど詳細は木下千花さんの著書をご覧ください。

参考上映(124分/16mm)

 

《料金》入れ替え制
一般:1200円 学生:1000円 会員一般:1000円 会員学生:900円
参考上映:700円


Wyborny_omote_01クラウス・ウィボニー レトロスペクティヴ
2016年5月15日(日)

物理学者・数学者・音楽家でもある映画作家クラウス・ウィボニーは、映像とは抽象的で時空間に出現し消滅する何ものかであり、現実を記録するイメージではないと言っている。ウィボニーは自作を「時間における印象主義的」作品と呼ぶ。ポール・シャリッツに捧げた『西洋の没落のためのエチュード』を始めとする『大地の歌シリーズ」や劇映画『オープン・ユニバース』で使われるフィルム断片の加工(赤青のフィルター、オーバーラップ、フェードアウト、ネガ反転等)と音楽的モンタージュにズレを伴う変調リズムの自作曲のコンビネーション、デジタル映像とドイツを代表する詩人ドリュス・グリューンバインとのコラボレーション作は、観客を尋常でない視聴覚体験に耽溺させる。(赤坂太輔)

 

クラウス・ウィボニー Klaus Wyborny
映像作家、1945年生まれ、ハンブルクとニューヨークで物理学を専攻。大学在学中に実験映画制作を始め、1968年に映画監督であるヘルムート・コスタールやウェルナー・ネーケス、ドーレ・Oらとフィルムメーカー・コーペラティブを創設する。その作品は「語りへの戦い」(ハルトムート・ビトムスキー/映画監督、批評家)と称され、ジョナス・メカスに絶賛された初期の話法的実験映画からティルダ・スウィントンやハンス・ツィシュラーら俳優と組んだ実験的な劇映画、近年の音楽構造的ランドスケープ・フィルム、詩人ドゥルス・グリューンバインとのコラボレーション、映画史へのアプローチ作品やインスタレーションまで多岐にわたる活動で知られる。
近作としてベートーヴェンへのオマージュ『ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンへのオマージュ』、シュペングラーの書に想を得た『西洋の没落のためのエチュード』、友人である映画監督ハルーン・ファロッキ(2014年没)に捧げられた『想像の美術館-モネのためのエチュード』、自作上映を見る観客を撮影した『世の光』などがある。またシカゴ、ニューヨーク、バルセロナ、リスボン等で作品が上映され、国際的評価が高まっている。
また、ニューヨーク州立大学、オハイオ州立大学、ベルリン芸術大学、マンハイム専門大学等で教鞭をとっている。

クラウス・ウィボニー監督トーク
聞き手:赤坂太輔(映画評論家) 通訳:高木繁光(同志社大学教授)
各回上映終了後 参加無料(要当日の映画チケット半券)
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

 

13:30〜
「西洋の没落のためのエチュード」
STUDIEN ZUM UNTERGANG DES ABENDLANDS

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(1979-2010年/80分/ブルーレイ上映[スーパー8→デジベータ] /台詞なし)
制作・監督・撮影・録音・編集・音楽:クラウス・ウィボニー
オズワルド・シュペングラーの著書「西洋の没落」に想を得て、ニューヨーク、ルール、ハンブルグ、東アフリカ、リミニにおいてスーパー8カメラで撮影した6299カットの映像で作られた5部構成のインダストリアル・ランドスケープ・ムービー。工業地帯、都市、荒廃した自然の風景が赤青溶暗のうちに現れては消えていく映像を自作の曲が彩る。

 

15:50〜
「シラクサ」
SYRAKUS
Syra17_01 Syra15_01
(2004-2012年/77分/ブルーレイ上映[デジベータ])
制作・監督・撮影・録音・編集:クラウス・ウィボニー
朗読:ドゥルス・グリューンバイン
2004年以来続いている詩人ドゥルス・グリューンバインとのコラボレーション作品。古代と現在を重ね合わせる詩人自身による朗読と、ローマ、ペルージャ、クーマエ、シラクサ、マルティニー、リミニ、ファノ、スニオン岬、アテネの風景で構成された作品。

 

作品・監督解説:赤坂太輔
共催:アテネ・フランセ文化センター、同志社大学図書館、同志社大学今出川校地学生支援課

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生・シニア会員900円
《割引》2本目は200円割引
*神戸プラネットシネマ倶楽部会員は、5月17日の同志社大学寒椿館クローバーホールでも会員割引があります

→京都 5月17日(火) 同志社大学寒梅館クローバーホール
→東京 5月21日(土) アテネ・フランセ文化センター


ジョン・ウェインの西部劇と戦争映画
2016年6月4日(土)・5日(日)

wayne01「硫黄島の砂」
Sands of Iwo Jima
(アメリカ/1949/109分/35mm)
監督:アラン・ドワン
原作:ハリー・ブラウン
脚色:ハリー・ブラウン、ジェームズ・エドワード・グラント
撮影:レギー・ラニング
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:ジョン・ウェイン、ジョン・エイガー、アデル・マーラ、フォレスト・タッカー、ウォリー・キャッセル

ジョン・ウェインが演じる鬼軍曹ストライカーを主人公に、太平洋戦争末期のアメリカ海兵隊の硫黄島上陸作戦を描く。ストライカーと彼が慕う亡き大佐の息子、隊員たちとのドラマもみどころ。この役でジョン・ウェインは初めてアカデミー主演男優賞にノミネートされた。

 

wayne02「リオ・グランデの砦」
Rio Grande
(アメリカ/1950/105分/35mm)
監督:ジョン・フォード
原作:ジェームズ・ワーナー・ベラ
脚本:ジェームズ・ケヴィン・マッギネス
撮影:バート・グレノン、アーチー・スタウト
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、ベン・ジョンソン、クロード・ジャーマン・ジュニア

『アパッチ砦』『黄色いリボン』に続く、ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の“騎兵隊三部作”の最終作。インディアン討伐の指揮をとるヨーク中佐(ジョン・ウェイン)のもとに一人息子ジェフが一兵卒として入隊してくる。そこへジェフの除隊を望む別居中の妻(モーリン・オハラ)がやってきて……。

 

《料金》入れ替え制
一般:1200円 学生・シニア:1000円 会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円
《割引》当日に限り2本目は200円割引


ジャン・ルノワール選集
2016年6月18日(土)・19日(日)

ooinarugenei01「大いなる幻影」
La Grande Illusion
(フランス/1937/114分/16mm)
監督:ジャン・ルノワール
脚本:ジャン・ルノワール、シャルル・スパーク
撮影:クリスチャン・マトラ、クロード・ルノワール
音楽:ジョゼフ・コスマ
出演:ジャン・ギャバン、ピエール・フレネー、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、マルセル・ダリオ、ディタ・パルロ

第一次世界大戦を舞台に、ドイツ軍の捕虜収容所からの脱走をはかるフランス兵士とドイツ人将校や民間人との国境を越えた交流を描いた反戦映画。サイレント映画の巨匠エリッヒ・フォン・シュトロハイムが、貴族階級の将校役で名優ジャン・ギャバンと共演する。

 

gamenokisoku01「ゲームの規則」
La Règle du jeu
(フランス/1939/106分/16mm)
監督・脚本:ジャン・ルノワール
撮影:ジャン・バシュレ
音楽:ロジェ・デゾルミエール
衣装:ココ・シャネル
出演:マルセル・ダリオ、ジャン・ルノワール、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータン

上流階級の夫婦とその愛人、そして召使いたちも入り乱れての恋愛騒動を、ルノワール自身が狂言回しを演じて描く風刺的な群像喜劇。衣装デザインはココ・シャネルが担当している。

 

《料金》入れ替え制
一般900円 学生・シニア800円 会員800円 学生・シニア会員700円
《割引》当日に限り2本目は200円引き


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。