プログラムPROGRAM

東ドイツ映画特集 1
2016年7月2日(土)・3日(日)
1960-70年代、西ドイツでファスビンダーやヴェンダースなど若い映画作家が台頭した頃、東ドイツでは国営映画会社DEFAの中で独自の国民映画文化が形成されつつあった。東西冷戦を背景に生まれた2つの〈ニュージャーマンシネマ〉、日本ではほとんど知られていない壁の向こうの傑作を紹介する。

 

©DEFA-Stiftung, Herbert Kroiss

©DEFA-Stiftung, Herbert Kroiss

「嘘つきヤコブ」
Jakob der Lügner
(東ドイツ・チェコスロヴァキア/1974/100分/ブルーレイ上映)
監督:フランク・バイヤー
原作:ユーレク・ベッカー
出演:ブラスティミール・ブロドスキー(ヤコブ)、エルヴィン・ゲショネック(理髪師コヴァルスキー)

第二次大戦中、とある東欧のユダヤ人居住区(ゲットー)。壁に囲まれ自由を失った世界で希望をつなぐため、ヤコブは仲間たちに虚構のラジオニュースを伝え続ける。だがその嘘は次第に自己欺瞞に陥ってゆく…。東ドイツ映画として米アカデミー外国語映画賞にノミネートされるなど、世界各国で賞賛を浴びた。

 

©DEFA-Stiftung, Herbert Kroiss, Manfred Damm

©DEFA-Stiftung, Herbert Kroiss, Manfred Damm

「パウルとパウラの伝説」
Die Legende von Paul und Paula
(東ドイツ/1973/105分/ブルーレイ上映)
監督:ハイナー・カーロウ
脚本:ウルリヒ・プレンツドルフ、ハイナー・カーロウ
出演:アンゲリカ・ドムレーゼ(パウラ)、ヴィンフリート・グラツェダー

男はキャリアを築いたが不幸な結婚生活を送っていた。女は2人の子供を抱えてシングルマザーとして懸命に生きてきた。昔から近所同士のそんな二人パウルとパウラが突然恋に落ちた。だが彼らの幸せを得るにはあまりにも障壁が多すぎた。東ドイツ製メロドラマとして国内で記録的大ヒットを飛ばしたDEFAの代表作。

 

レクチャー:冷戦の壁と国民文化──東ドイツ映画とは?
7月2日(土)17:00〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)
渋谷哲也(ドイツ映画研究)
1961年ベルリンの壁によって東西ドイツ分断は決定的なものとなった。それは映画文化の分断の始まりでもあり、丁度西側の「ニュージャーマンシネマ」と同時期に東ドイツ映画は独自の路線を踏み出すことになる。壁の向こうのニューウェーブに触れる試みとして、まずは2本の代表作を紹介する。

 

《料金》入れ替え制
一般:1200円 学生・シニア:1000円
会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円

《割引》当日2本目は200円引き

作品解説:渋谷哲也
日本語字幕:上田浩二、吉川美奈子
協力・映像素材提供:DEFA財団、ドイツ映画文化発掘フェスティバル実行委員会

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。