プログラムPROGRAM
2017 9

アクティブ・アーカイブ・プロジェクト 誰でもアーキビスト
みんなで発掘・宝探し試写会
2017年9月2日(土) 15:45〜

神戸映画資料館には、1万5千本を超える収蔵フィルムがありますが、内容が未調査のものも多数あります。劇映画のほか、教育目的で作られたものやホームムービーなどなど。それらを実際に映写機にかけて上映し見ていきます。一口に映画フィルムといっても多様であることを知っていただく機会です。どんな映像が写っているでしょうか。宝探しの気分でご参加ください。

 

《料金》 無料

主催:神戸映像アーカイブ実行委員会
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成対象事業」(平成29年度)


写真家・北井一夫 新たな写真芸術への挑戦
『過激派 AGITATORS』上映とトーク
2017年9月9日(土)
16:00 『過激派 AGITATORS』上映
17:10 トーク:北井一夫(写真)+江田常仁(監督)

「過激派 AGITATORS」
(2015/59分/DVD上映)
写真:北井一夫 音楽:望月芳哲(B)、広瀬淳二(Ts)、IronFist辰嶋(Ds)
撮影・編集:野田昌志、前手秀記 編集:深田隆之 監督:江田常仁
プロデュース:北井一夫、江田常仁

写真家 北井一夫 × 前衛ハードコアフリージャズバンド 望月芳哲+広瀬淳二+IronFist辰嶋
ゴツゴツとした映像に歪な編集、終わらない轟音
まるで監視カメラ映像のような冷たい感覚

写真家・北井一夫の「風景」「神戸港湾労働者」「抵抗」「過激派」「バリケード」から制作したスライド映像と前衛ハードコアフリージャズバンド望月芳哲、広瀬淳二、IronFist辰嶋との異種格闘ライブを記録した異色のドキュメンタリー作品。撮影には映像作家・野田昌志が参加。

 

北井一夫  きたいかずお
満州生まれ。神戸市立生田中学校卒業、神戸市立葺合高校卒業、日本大学芸術学部写真学科を中退。
1975年、第1回木村伊兵衛写真賞を受賞。2013年、日本写真協会賞・作家賞を受賞。
学生運動から市民、労働者、農民、中国、ドイツ等の幅広いテーマで写真を撮り続ける第一線で活躍するドキュメンタリー写真家。作品集を多数出版。東京都写真美術館で個展が開催され、観客動員数の記録を更新する。
写真家として新たな挑戦、ドキュメンタリー作品「過激派」を発表 海外で高い評価を得る。
江田常仁 えだつねひと
有限会社近未来考古学研究所 代表取締役。独自の視点で文化芸術事業のプロデュース業務を行うオルタナティブカンパニー集団を率いる。個人として映画映像作品の監督、俳優、DJ を行う。

《参加費》 一般 1500円 学生 1000円 会員 1000円


JISYU〈自主映画アーカイヴ上映〉 vol.1
万田邦敏とパロディアス・ユニティ
(1970年代東京)
2017年9月16日(土)神戸、17日(日)大阪

日本における自主制作映画、学生映画、個人映画の歴史は長く、戦前より作られてきた。製作された映画のフォーマットは16ミリ、9.5ミリ、8ミリのフィルムから始まり、1990年代にはヴィデオそして2000年代にはデジタル・ヴィデオへと移っていく。そんな中で、フィルムを中心にかつて製作され、忘れ去れられんとする作品を中心に〈自主映画〉の歴史を隔月で発掘し、上映していく。
この企画により、自主映画(実験映画、個人映画を含む)には、反商業的なあるいは実験的なあるいはテレビや商業映画、娯楽映画ではけっして扱わない野心的なテーマや題材を扱った作品が多数あり、その時代によって映画を志した若者たちが何を表現しようとしたかを発見することになる。

9月16日(土)神戸プログラム

13:30〜15:50
追悼ジョナサン・デミ 万田邦敏特別講演+参考上映
ジョナサン・デミは変身と変化にこだわり続けた映画作家です。それを検証することで、デミを追悼したいと思います。(万田邦敏)

16:05〜18:40
3作品上映+トーク

「西風」

『西風』(1977年/20分/8mm)
愛人だった男の死の真相を探る女が、バザン、ゴダール、メカスという人物たちを訪ね歩く。

『四つ数えろ』 (1978年/30分/8mm)
ヌーヴェル・ヴァーグの時代に間に合わなかった、『スパイ大作戦』と『タイムトンネル』の世代の映画。

『大回転』(1990年/32分/8mm)
前作から12年を経て製作された作品。カフカの『失踪者』が原作。故郷を追われた男が、東京でひたすら仕事や居場所を転々とし続ける。

万田邦敏監督トーク
聞き手:田中晋平(一般社団法人神戸映画保存ネットワーク客員研究員)

 

9月17日(日)大阪プログラム

18:00〜20:30
4作品上映+トーク

「SCHOOL SOUNDS」

『メイド・イン・76』(1977年/12分/8mm)
万田邦敏処女作。愛についての独白と対話。

『SCHOOL SOUNDS』(1978年/30分/8mm)
70年代末の大学を舞台に、学食の値段の不確かさやかつての時計台をめぐる闘争などが語られていく。

『女の子はみんな双子である』(1980年/35分/8mm)
女の子たちを映画が増殖させる。双子の恋人の姿に翻弄され続ける男の子の悲喜劇。

『逃走前夜』(1982年/8分/8mm)
前半を万田邦敏、後半を黒沢清が演出している。学生運動をパロディ化した活劇。

万田邦敏監督トーク
聞き手:田中晋平(一般社団法人神戸映画保存ネットワーク客員研究員)
 

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1500円 学生1000円 会員1300円

主催:神戸映画資料館、プラネット・プラス・ワン、CO2、一般社団法人神戸映画保存ネットワーク

関連企画
9月17日(日)・18日(月・祝)
CO2俳優×監督ワークショップ2017 万田邦敏の演出術
(大阪)
*詳細はCO2ホームページ(近日リニューアルオープン)をご覧ください。


[貸館]第1回 時報映画作品研究会
2017年9月18日(月・祝)13時~17時

ネット上で一部層から絶大な人気を誇る、幻のアニメ『星の子ポロン』『ガンとゴン』を生み出した映像会社、”時報映画社” が製作したとされる交通教育アニメーション作品を徹底的に研究&討論!
参考上映あり

参加費:一般2000円 未成年1500円

主催:鯉の出汁(時報映画作品研究)
お問い合せ:starchild_poron@yahoo.co.jp


連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第3回 1930年代のジャン・ルノワール

2017年9月24日(日)
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)

このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。

13:30〜 参考上映
「素晴らしき放浪者」Boudu Sauvé des Eaux
(フランス/1932/84分/16mm)
監督・脚本:ジャン・ルノワール
原作:ルネ・フォーショワ
撮影:マルセル・リュシアン
出演:ミシェル・シモン、シャルル・グランヴァル、マルセル・エニア、セブリーヌ・レルシンスカ、ジャック・ベッケル

15:15〜(終了予定16:45) 講座
1930年代のジャン・ルノワール
ジャン・ルノワールが世界最高の監督の一人であるという評価は、日本においても今や多くの人に共有されるようになったといえる。しかし彼の30年代の作品は、いまだに未公開の『人生は我らのもの』を始めとして、ちゃんと見られているという状態からはまだまだ程遠いし、この時代の彼の政治的活動のこともあまり知られていない。今回の講座では、リヴェットが「完全に政治的な映画」と呼ぶトーキー初期のアナーキーな傑作『素晴らしき放浪者』を様々な角度から分析しつつ、30年代のルノワールの活動全般についても考察する予定である。

井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)などの訳書がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」

《参加費》 1500円(参考上映付き)


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。